獲得された絶望感(盲人ウエカジ @ウエカジハローセンター 公式ブログ)

~網膜色素変性症と司法試験とモー娘。と全盲ヘルパー事業所と・・・~

ふくわらい(西加奈子)を読んだ。

2015-01-05 20:16:19 | 網膜色素変性症と私
 最近よくものがなくなる。プラスチック容器ごみふくろををぶらさげていた磁石、ラジオペンチ、そしてプレクストークポケット。

 網膜色素変性症な私デスペア。読書はもっぱら録音図書。その録音っ図書の再生機がプレクストークポケット。日前の土曜日にはその再生機で録音図書をきたのに、今日確認するといつもの場所にない。ヘルパさんに部屋の中を探してもらうも見つからない・・・。4万円ぐらいして結構高価なものなのででてこないとこまるな。

 そのプレクストークポケットで最後に聞いたのが「ふくわらい」(西 加奈子著)。ちょっと涙が出た。それほどわかりやすい感度シーンはないのだけど泣けた。

 それとは別に、この物語には網膜色素変性症のイタリア人男性ジローがでてくる。新宿の歩道で白杖をふりまわしているところを主人公のサダに声をかけられたすけられる。このジローはおもしろいのだけど、また網膜色素変性症の症状をよく描写している。まるで見えているかのようにコップをつかむとかそういう描写がある、たしかに目が見えなくても一度そこにコップがあるとわかれば2度目にそのコップをとるのは容易。それと2人で東京タワーを見に行って、ジローがサダに東京タワーはどんなだ?ロマンチックか?とあたりの様子や雰囲気を訪ねる。これも私もよくガイドヘルパーさんに聞くこと。ハローのコンサートでおもしろい客はいるか?女性割合はどのくらいか?客の入りはどのくらいか?ペンライトの色は何がおおいか?しまいには、今日の宮本佳林は一番かわいかったか?と誘導尋問的な問いかけをよくする私。RPの人の行動パターンがよく描写されている。

 ただ、ひとつちがうなとおもったのは、ジローは服の色とかはどうやって認識するのかという質問に、ジローは色を感じる、その色にはその色の波長ががあってそれを感じているといっていたけど、これはまったくまちがいだな。こういうことはないね。ジローの目は光がわかる程度とのことなので色はわからないと思う。視覚障害者は何か別の感性がとぎすまされるというのは誤解だね。

 ラストシーンはジローとサダが再び新宿を手をつないであるく、ジローはにこにこしながら、サダは堂々と歩く、ふつう障害者を手引きするのははずかしいけど、サダはぜんぜんはずかしがらず堂々と歩く。しかも普通じゃない様子で堂々と歩く。ぜひ最後まで読んでみてそのシーンにたどりついてね。

 うーんしかし、プレクストークポケットどこにいったのかな?まさか日中私がいないときに誰か泥棒がすこしずつ私の持ち物をぬすんでいるのかな?1月中さがしてみて、でてこなかったら2代目買わなくちゃ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする