読む日々

テーマばらばらの読書日記

さつき断景

2012-01-18 | 
重松清「さつき断景」

タカユキ、ヤマグチさん、アサダ氏の、1995年から2000年の5月、を切り取った連続短編。

1995年、タカユキは高校1年。終わりと始まりが見たくて、神戸へGWにボランティアへ行く。
ヤマグチさんは30代。3/20、サリン事件で、寸での所で難を逃れるが、そこから心が不安定に。
57歳のアサダ氏は娘の結婚式を迎えている。

なんとなくだらしないタカユキは、ナンパで付き合い始めた、成績のよい美奈子との付き合いを通し成長し、最後はお互い未来を向いてサヨナラしていく。
ヤマグチさんは小1だった娘が、イジメに悩む小6になるまで、サリンのトラウマに悩まされながら日々を過ごしていく。ヤマグチさん夫妻はとってもいい感じ。
アサダ氏は嫁に出した娘に子が生まれ、息子も大学生、妻と4人で旅行へいったのは1997年。ところが癌を発病した妻を亡くし、息子は県外勤務、62歳での一人暮らしを前向きにとらえるまで。

男が残るのって大変そう。実家でも「もしオカーサンが先に死んだら、残されたオトーサンは何にもできないけど、あんた達、ちゃんと通ってくれるよね?」と母親に言われてたところだからうーーん。お母さん、長生きしてね。

この3人は、近くに住んでいたらしい。ラストでわかるけど。

当時の時事問題が新聞記事の見出しとして語られてて懐かしかったです。
1995年から、もう17年も経つんだねえ。あと同じ年月が経ったら私は何才・・・?

人生は思ったよりも短いぞ。


で、本ですが。
面白い、とまでは言えない気がして、満足度70