読む日々

テーマばらばらの読書日記

放蕩記

2013-12-10 | 
村山由佳「放蕩記」


分厚い小説でしたが一気読み&衝撃の嵐です。

エキセントリックで演技派で、子供を上手く愛せない母と、子供のなかで一番母と上手くやれなかった娘の物語。

娘は38才の小説家。
母は78才。
13才上の兄は親と上手くやれなくなり蒸発。10才上の兄は結婚して普通の家庭を築き、2才下の妹は両親との関係を上手くこなしておとなになり、今は子どもをもつ主婦。

現在共にくらす7つ下の男との日常や、田舎に越した両親との関わりを遠し、子供時代から家を出るまでのあれこれを思い返す構成。時おり母のモノローグも挟まれます。

イビツな母子関係を読み進める内に胸が苦しくなりました。
自分は絶対に正しい、と、時には大騒ぎして、被害者ぶりながら結局は全て思い通りに周りを支配する母。

うちの母とよくにてる…

うちは、母の愛情を疑ったことはないけれど、でもこの人、きっと自分の事が一番好きだよね、と感じる事は多々あり。

そして…私もも似てたりするので、息子への対応は気を付けないとだなぁ…と考えちゃいました。
うちは娘じゃなくてよかったのかも。

等々、考えさせられ過ぎて、呼吸ができないほどでした。

最後は母が認知症の症状が出て だんだんいろいろ赦せるようになるんだけどね。
兄に
父と母、どっちが死んだらより悲しい?と問いかける場面、切なかったなぁ。兄は、どっちかっていうと母、と。
主人公は、母が死んでも全くかなしまないかもしれない自分が怖いと。

ぎくり。

この本の中で兄が、結婚した時、嫁の家族と接して初めて家族の温かさがわかった、って言ってました。

私も、ある意味結婚して初めて、家族ってそんなにがんじがらめに縛りあわなくていいんだ、と感じて衝撃でした。

結構読んでてキツかったし、
あらゆる意味で衝撃作でした。

なので満足度はつけれません。