ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

皆生の朝予想

2008年07月16日 23時33分41秒 | トライアスロン
レース前日の夜、
濱ちゃんのいびきと
doironのいびき二重奏のおかげで、
T蟹はレースの日
寝不足の朝を迎えるだろう。

午前4時。

あたりは闇に包まれてはいるが、
昼間の好天を容易に想像できる星空が、
部屋の窓からうかがえた。

「今日は暑くなるぞ」

「灼熱の皆生がかえってきた」

誰からともなくそんな声があがった。

朝食を済ませ、
バイクに空気を入れながら、
自分に勇気を注ぐポンプがあればいいのにと
いつも思う。
そして思い思いの準備を済ませ、

さあいざ出陣!

トランジットバッグを肩にかけ、
愛車にまたがって
会場に向かう。
たくさんの選手たちが、
同じ方向に向かっていくのだが、
どの選手もみんな自信満々に見えるものだ。
10回も出ておきながら、
こんなに緊張しているのは
自分だけなんだろうかと、
思わず他の選手たちの顔色をうかがってしまう。

会場に着き、
着替え用に準備された体育館に入ると、
サロメチールのにおい、
ウェットのゴムのにおいが、
いよいよ緊張感に拍車をかけ、
異様な雰囲気の中から逃げ出したくさえなる。
そんな気持ちを無理やり押し込めながら、

バイクの準備は万端か?

トランジッションに忘れ物はないか?

気持ちを紛らわすように
淡々と準備を進めていく。

やがて、スタート地点へ向かうよう
アナウンスが流れ始める。

スタート地点まではぞうりを借りて、
ぞろぞろと歩いていく。
左には今日のスイムの舞台となる海が広がっている。

折り返し地点は、
相変わらず遠くて見えない。
コース沿いのブイが、
海岸線と平行に、
どこまでもどこまでも続いているように見える。

「波はないだろうか、
流れはないだろうか、
今年の皆生の海は優しく迎えてくれるだろうか」

そんな面持ちで
海を眺めながらぞろぞろ歩いていくのだ。

防波堤から海岸線に下りるスロープの手前に、
入水チェックポイントがある。
そこを通過すると、
もう後戻りはできない。

「やれることはやったはず」

という気持ちだけが自分を支えてくれる。

レース直前、
選手たちはそれぞれの思いを胸に、
これから泳ぎだす海を見つめている。

無事完泳を祈る者、
やるぞ!と決意を新たにする者、
何故自分はここにいるんだろうと自問する者、
ここに来れたことを感謝する者。

午前7時。

米子市長のスタートの合図で、
勇者たちはそれぞれの想いを胸に、
大海へ飛び込んでいく。

今年もそんな朝が、
4日後にやってくる。