親父が亡くなった時には
4日間連続で夢に本人が登場し、
doironをはげしく驚かせた。
きっとこれは何かのメッセージなのかもしれないと、
その時はいろいろと考えさせられたものだ。
さて、母さんの時はどうだろうか
と夢を楽しみにしていたのだが、
残念ながら昨日まで一度も夢に現れなかった。
う~ん、孝行が足りなかったのかと、
あきらめかけていた昨夜、
ついに夢に母さんが現れた。
doironは眠りが深くあまり夢を見ることはない。
ましてや親の夢を見ることなど
親父の時を除けば
これまで皆無といっていいほどなかった。
それが、こうして夢に現れてくるということ自体
稀有な出来事なのである。
三日間、葬儀関係で心を砕いた結果かもしれない。
そう考えれば葬儀という儀式は
まぎれもなく故人のために行うものである一方
残された者により強く故人の印象を
植え付けるために行われてきたものなんだなと
あらためて思った。
で、夢の話。
場所は天井がガラス張りの部屋。
そこにミセス、息子と扉を開けて入っていくと
明るい部屋の中の突き当たりにテーブルが置かれ、
そこに親父と二人で座っていたのだ。
部屋に入るとすぐにガラス張りの天井から見える空に
一機の飛行機が飛んできた。
その時に雷鳴が轟き、
その飛行機の跡を龍が飛んでいくというもの。
それを見ていると母がこう言った。
「恐ろしいやろけど心配ないで」。
見ると母はにこにこ笑っている。
親父は黙ったままだ。
そして稲光がピカッと光って
短いその夢は終わった。
まったく普段の自分の中にない映像が
夢の中に現れるというのは不思議なものだ。
この夢はどういうものなのだろうか。
まず親父と二人で座っていた
というのがひとつのポイントだろう。
きっと、あの世で二人、
ちゃんと出会えたよということに違いない。
実は、親父が亡くなったことを
母は知らずに亡くなった。
たまに片言の返事をするだけで
あまり応答もなかった母に、
これ以上心の負担はかわいそうだな
と判断したからだ。
問われることはないだろうが、
もし問われたら
「眠るように逝ったよ」
とでも言ってあげようと思っていた。
それから5カ月。
母さんが後を追うように亡くなったのは、
きっと
「仲のいい二人やったから、
あの世から親父さんが呼んでたんやで」
とみんなに言われた。
その通りかもしれない。
親父の死を秘密にしていた
doironの心の負担を取り除くための
二人での登場だったのに違いない。
親父は、夢の中で龍の頭に乗って旅立って行った。
きっと乗り心地が悪かったんだろう。
今回は母のために飛行機をチャーターしたのかもしれない。
後にちゃんと龍を従えてね。
いいところへ行ってくれたんだな
と思わせてくれる夢でよかったなあ。
葬儀が終わって、
最近彼女とラブラブらしい息子も
とっとと長野に帰り、
家の中は一気に静かになった。
思えば4年前にdoiron自身が
龍に乗っていってしまってたら、
今頃はガランとした家で
ミセスが一人で過ごしているところだったことを考えると、
(グーはいるけど・・・)
まだまだdoironには
龍に乗る資格はなさそうだ。
静かに、つつましくそして元気に
二人で暮らしていかねばなと、
あらためて考えさせられた母の死であった。