さて15番国分寺で
お参りをした後は、
次の14番常楽寺へと向かいます。
このお寺の間は約800mで、
ここでは歩いて移動していきます。
田舎の田んぼ道を
のんびりと歩いていきますよ。
この道沿いにも水路が流れていますねえ。
田んぼに水の入るシーズンなんでしょうか、
水路には結構な水が流れています。
四国の川は、
経路が短いからなのか
水質はみなとてもきれいです。
やっぱり最後まで
カワウソが生きてた環境が
残っていたんでしょうね。
昔はねえ、この辺りはコメの
二期作みたいな感じで
社会で習ったけどなあ、
最近はもうほとんど二期作は
沖縄でやってるくらいで、
四国ではあまりしていないそうだ。
稲刈りと田植えが一緒になって
農家の負担が大きいことや、
減反政策ということもあるようですね。
田んぼの間の田舎道、
それがここでは遍路道なんですが、
そこを進んでいると
季節によっては歩きお遍路も
気持ちいいでしょうねえ。
今もいい頃ですねえ。
先日、ミセスの上司で
僕より早く退職した人が、
歩き遍路で全部の寺をまわり、
その結願パーティが
開催されたので行ってきました。
彼は結局歩き遍路で、
45日かかったそうです。
もし走り遍路ができたら
どれくらいかかるかなあ。
あさ9時から5時までの
8時間での走りを考えたら
一日だいたい40キロは大丈夫かなあ。
そしたら1200kmと言われる
遍路道なら30日。
それか、もうあとはどうなってもいい
と考えたら、そうやなあ
一日80kmと考えて
15日で完走かなあ。
元気な頃ならそんな無茶を
考えたかもしれません。
そんなお寺もあと14寺ですねえ。
頑張りましょう。
テクテク歩いていきますと、
14番常楽寺に到着します。
荒い岩に囲まれた階段を
上がっていくと、
ここは奇妙な境内が広がります。
そう、ここの庭には名前がついています。
「流水岩の庭」と呼ばれています。
江戸時代に、山を削って
境内を整備したところ、
砂岩が風で浸食されてできた庭です。
まるで水が流れているような
景色であることから
こういう名前が付いたようです。
岩の斜面がでこぼこした庭を、
えっちらおっちら進んでいきます。
ここの本尊は、弥勒菩薩です。
四国遍路のお寺の中では
唯一の本尊だそうです。
う~ん、さすがに真言は
「おん まいた れいやそわか」
と初めていう名前ですね。
なんでも釈迦の救いに
もれた人たちを救済する仏
と言われています。
それを受けてかどうなのかは
知りませんが、
ここのお寺では四国霊場で唯一の
児童福祉施設も開設しております。
虐待、家庭崩壊、不登校などの
児童を預かることが多くなり、
そちらでの心のケアも
大きな仕事となっているそうです。
児童の心は施設でケアし、
大人のこころはお寺で
ケアしているわけですね。
ではしっかりと本殿にお参りしましょう。
その後、ふと後ろを振り返ると、
大きなアララギの木が生えています。
大きな幹が地面から飛び出し、
その下に洞があります。
これがなんと、木の上に
鎮座している空海さんを
祀るものなんだそうです。
うひゃあ、ここではこれを
絵にしておきましょう。
アララギの木の股にいる
木彫りの空海さんが
とてもさわやかです。
この木は、空海が挿し木して
育った木だといわれています。
意外に木の寿命は長くて、
かつての空海全盛の頃からの
歴史を見続けてきたという大木も、
ここまでにも結構ありましたねえ。
石や木などは、長い間の人々の想いが
刻み込まれているようです。
古いところを歩いていると、
しみじみとそんなことを考えますね。
で、そんな木を背後にして、
大師堂でもしっかりと
お参りをしてまいります。
続く