仮講堂のお堂の真ん中には
阿弥陀如来が真ん中に置かれ、
その周りに仏教の守護神である
八部衆像が置かれています。
その八部衆のうちのひとりが
「阿修羅」です。
三面六臂という特殊な形ですが
表情はとても人間ぽいですねえ。
また腕のバランスなんかも絶妙です。
かつてこの阿修羅には
全面の右手が肘より少し先くらいが
焼失していたそうです。
それを再現してこうして
合唱させて再現されています。
戦闘の神様なのに、
なんともまあ筋肉のない
子供ような手ですね。
光明皇后の強い意志が
このような姿を作らせたんだと、
先日テレビでいってはりましたね。
この仏像は身長153.4センチ。
小さくまとめられたその姿からは、
まあ何とも言えないオーラが
放たれているようで、
見ていると体が小刻みに震えてきそうでした。
興福寺は藤原氏をはじめ
様々な人々によって守られ
発展してきました。
一方、奈良では東大寺という
巨大なお寺があります。
興福寺と東大寺、この二つの
集団は様々な場面で対立し、
競い合ってきたんですねえ。
様々な歴史を飲み込みつつ、
ここに並べられた仏像群は
それぞれの時代を見続けてきたのでしょう。
そしてこんなところにも、
小さな児童を連れた集団が
ドワーっと入ってきます。
う~ん、きっと小さな子供たちの中には、
これらはポケモンの一種、
なんて考えてるのも
きっといるんでしょうねえ。
八部衆の中には、
象をかぶった仏像や角が生えた
三つ目の像もあります。
顔が鳥になっている
半獣半人像もあるので、
(これが6月1日の朝日新聞に掲載
されて驚きでしたーー追加)
「ああこれがポケモンの原点なのか」
と思ったりしてね。
入口から20mくらい歩けば
もう展示は終わりです。
さあ、これで見たかった
阿修羅像もしっかり見ましたし、
興福寺に来た目的は果たしました。
では納経所へ記帳してもらいに行きましょう。
この興福寺は藤原氏と
強い関係があります。
その藤原不比等の1周忌に建てた
「北円堂」と
その約100年後に藤原内麻呂追善のために
建てられた「南円堂」があります。
西国三十三カ所の納経は、
その後者である「南円堂」で
行われています。
第九番札所です。
ここに行くと、結構外国人もいてはりますね。
アジア人の他にも
白人系の外国人も結構いてはりますね。
納札をおさめ、ろうそくをつけ、
線香をつけお参りしているだけでも
何となく視線を感じました。
ああ、ああしてお参りするのかと。
そしてお参りをした後は、
納経をしてもらいます。
見ている中国なんかにも
こういう納経の制度は
あるんですかねえ。
外国人が納経帳だしても、
書くのは中国語や英語じゃなく
やはり日本語でしょうねえ。
doironがいただいたのは
「奉拝 南円堂 興福寺」と書く
シンプルな納経でした。
ああでもこれで9筆たまりましたねえ。
さあこの後は近辺を
少し歩いてみましょう。
木陰に石像が林立する間を
階段で降りていきます。
そこが興福寺の放生池である
「猿沢の池」です。
周辺がきれいに整備されて
散歩道になっています。
この池には七不思議があるそうです。
・澄まず・濁らず・出ず・入らず
・カエルはわかず・藻ははえず
・魚が七分に水三分。
ここには地下水が湧いているのでしょうねえ。
何となく、きれいなんだか
そうじゃないんだか、
よくわからん感じでしたなあ。
さて、ぼちぼちお昼なので
今日はここで昼食ですね。
池の横にあるコンビニで
ちくわうどんを買ってきました。
いやあなかなかいいものですねえ。
こうして三十三カ所をまた
一つ終えました。
四国はもうすぐ結願なのですが、
こちら西国はもう少しありますね。
次は滋賀県の石山寺と岩間寺を
両方訪ねる歩き参りを考えています。
ここではあの淀川歩きで見た
ナワシロイチゴの
収穫もできそうやしなあ。
とりあえず阿修羅に震えた興福寺参り、
これにて終わりです。