
震災から10日余り。
救助活動がほぼ終え、弱者の域外避難と復興への歩みに入った。
被災原発による放射性物質放出、電力不足の問題は残るものの、
更なる不幸が無い限り、改善の方向に向うであろう。
今日は厚い雲の中に隠れていた富士山だが、森になっていない
その火山高原は、毎年この時期から融雪や雪崩により削られていく。
そうした厳しい自然環境の中、毎年夏には大きな葉と茎を広げ、
大ぶりな紫色の花を付ける、植物がある。
私の大好きな、フジアザミだ!
その巨大な花の始まりは、秋に見られる。
花が終わったあと、一度萎んだ蕾は大気の乾燥と共に再び膨らみ、
たくさんの直径3cm以上もある綿毛を飛ばす。
その綿毛の中心にある、数ミリの黒いものが、種なのだ。
風に乗って飛び、他の荒地に落ちた種は、数mの雪の下で冬を越し、
春には芽を出し、地上には若葉を拡げ、地下にはまっすぐな根を伸ばす。
ほとんど養分のない、硬いスコリアの溶岩大地にどうやって育つのか、
その成長の謎は多い。
その根は、富士の山体に1m以上も伸びると言われ、
冬の融雪や雪崩による土壌移動にも負けることなく、
夏にはまた花を付け、ハイカーの目を楽しませてくれるのだ。
被災の皆さんも、夏には笑顔を輝かせられることを、切に願う!