富士山の世界文化遺産登録に向けて、遅れをとっていたかに思えた静岡県
の動きが、にわかに活発になってきた。
構成資産に選ばれている「白糸の滝」(富士宮市)の再整備について、
滝つぼにある売店(写真)2店舗を移転させるそうだ。
また、2月の地盤調査の結果をもとに、売店通りの店舗の集団移転も検討
しているようである。
今年の夏には、ユネスコ諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)の現地
調査が予定されていることもあり、山梨の市町村の動きも活発だが、
いよいよ静岡県側が、本気を出し始めたようだ。
とにかく、お金をかけないままで登録に持ち込もうとしている山梨側に対して、
静岡側の市町村は、人口も産業も大きく、動く時にはやることが違う。
3月には、直接は関係の無い「陣馬の滝」周辺の道路拡張工事をしていた。
ビジターセンターを例にしても、山梨県の施設を上回る施設を、御殿場市が
作ってしまった。
遺産候補リストに載った数だけは多い山梨だが、果たして静岡と対等に協力して
やっていけるだろうか?
案外、「登録になれば観光客が増えて・・・」と簡単に考えている行政関係者が
多いように思う。
登録の為には、人力もお金もかかる。その為には、多くの人の理解と協力が必要
となってくる。私たちは、そうした活動環境の醸成ができるだろうか?