ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「旅のラゴス」 筒井 康隆 読了!

2014年09月05日 20時31分38秒 | 作家 た行
「旅のラゴス」[新潮文庫] 筒井 康隆 (著)  2014.8.22読了 。

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。


前から、読もう読もうと思っていてなかなか読まなかった作品。読んでよかった。
なんだろな言葉では言い表せない読後感。人生を垣間見たような、長い旅をしたような。薄い本なのにちょっと疲れた感じ。
この主人公にとって生きるということは、いろいろな経験を重ねることであり、それは旅なんだろうな。こんな一文がこの本の終わりに出てくる…
「わたしは、そもそもがひとつ処にとどまっていられる人間ではなかった。だがら旅を続けた。それ故にこそいろんな経験を重ねた。旅の目的はなんであってもよかったのかもしれない。たとえ死であってもだ。人生と同じようにね。」
やはり、生きるということは、死ぬことなんだよな…8点。