オーバーフロー？ ①

　便利な世の中になったものだ。一時代前にはとても考えられない状況が現実となっている。
　例えば、昔は本が欲しいと思ったら、書店に行って、その本を探す。その書店に欲しい本がないと分かると、また、別の書店に行って探す。そして、ようやく目的の本を見つけると、その本を手に取って、ちらっと目を通し、財布の中身と相談して購入するかどうかを決めた。ところが、今はどうだろう？書店に行って、店員に「こういう本、ありますか？」と聞く。店員は、パソコンを操作し、本のデータベースからその本を検索し、教えてくれる。また、自宅にいても、インターネットで本の通販サイトを開き、情報検索すれば、即座に欲しいと思っている本を探し出してくれ、在庫があれば、すぐに購入手続きをして、翌日あるいは翌々日には自宅にその本が配送されてくる。最近では、書店に足を運ぶことすらなくなってきた。

　こうしたことは。買い物に限ったことではない。テレビを観たいと思ったとき、地デジの番組表を見て、そこにも観たいと思った番組がないと、BSの番組表、CSの番組表を探してみる。現在放送しているものに限らず、過去のものまで遡って探し出すことができる。また、場合によっては海外のものまで探して観ることができる。それは留まることがない。