エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

屋久島遠征・・その② モッチョム岳(940m)

2012年11月03日 | 山紀行 (本州)
屋久島遠征・・その②
屋久島三大岩壁の一つ・・モッチョム岳(本富岳) (940m)


「モッチョム岳」東側の麦生から望む

■ 山 行 日   2012年10月27日(土)  日帰り
■ コ ー ス   千尋の滝コース
■ メ ン バ ー  
夫婦登山 №19
■ 登 山 形 態  タナヨケ歩道 登山道
■ 地 形 図   1/25000地形図  「尾之間」

■ コースタイム  登り 3時間  下り 2時間20分
<登り>
登山口7:15--万代杉8:25~35--モッチョム太郎9:05~10--神山展望台9:45
--モッチョム岳10:15
 (登り 3時間・・休憩含む)

<下り>
下山10:50--神山展望台11:15--モッチョム太郎11:45--万代杉12:10~25
--登山口13:10
 (下り 2時間20分・・休憩含む)

★ モッチョム岳(本富岳)・・・

屋久島の南部に位置する花崗岩からなる山で漢字では「本富岳」と表記している。
モッチョムとは、この地域の言葉で女性の秘部を表す言葉に由来しているようだ。
日本一の陰陽山とも呼ばれ、山の西方からは陽、東方からは陰に例えられる姿を見る事が出来る。
頂上巨岩の南岩陰には尾之間地区の岳参りの祠があり、この山が岳参りの「前岳」とされてきた
歴史を持つことが分かる。
北方の「耳岳(1202m)」「割石岳(1410m)」とともに尾之間三山に数えられる。

標高は高くないが、急傾斜で腕を使う部分もある厳しい登山道であるため「この山を登る事が出来
れば屋久島の山は大概登る事が出来る」と言われることもある。



登山口になる「千尋の滝駐車場」と売店・・・売店のすぐ先に登山口がある。


モッチョム岳登山口


案内板左のイラストマップ

★ ミニ日高・・・

北海道チームと別れを告げて早朝6:30レンタカーで民宿を出発する。
登山口となる「千尋の滝」駐車場には7:00に着き早々に登る準備を始める。
売店横の駐車場に一台の車を見るが、店は開店前でまだしまっている。誰も居ない朝の観光スポットだ。
千尋の滝はすぐ近くから見られるようだが、下山後の楽しみにしてまずはモッチョムに挑む事にする。


登山口 7:15
ネットやガイド本でも調べていたが、登山口からいきなりの急登が始まる。
宮之浦岳の登山口は標高1360mに対し、ここの登山口は標高270mと低く照葉樹林帯が多い。
屋久杉は700m近くになって万代杉と対面し以降ポツンポツンと確認出来る程度に出合う。

登山道は日高の急登を思い出す斜度があり時折胸が着きそうなほどだ。
照葉樹林の木の根がそこら中に張り巡り花崗岩を混じえてどこまでも続く感じだった。
ただ、根は細くても大変固く花崗岩は登山靴でも滑り難いので日高の泥道に比べたら楽勝・・・
と言ってはお叱りを受けるだろうか。

藪道も無いしどんなに急登でも楽しい山行だった。何より屋久島には熊が居ないので安心感が違う。
(まぁ時々屋久鹿と屋久猿には驚かされるが・・・笑)

じわっと汗を掻いた頃花崗岩の鎖場に出合う。ロープもあるが使わずに登れた。
少し斜度も緩みルンルンで登る。小沢の渡渉では苔むした緑と清流の流れに癒される。
コース上には頻繁にピンクのテープが印され迷う事は無い。



いきなりの急登も楽しい屋久島登山だ・・・

万代杉 8:25~35
標高680mの尾根に出たところで突然出合う。
余りにも大きく、高い。

樹高20m 桐周り17.2mもあるそうだ。



万代杉




こうした癒しの空間にも出合える・・・水場は2箇所ほどあった


登山道のほとんどがこんな感じの道・・

★ モッチョム太郎と花子・・・

モッチョム太郎 9:05~10
ガイド本には、万代杉から10分でモッチョム太郎と記されていたが30分掛かった。
登山道に案内板が無ければ見過ごしてしまう樹林の奥に立っていた。

樹高は万代杉より高い30m 桐周りは13mあるそうだ。
モッチョム太郎の向かい側には「モッチョム花子」という屋久杉もあると後で知ったが、この時には
向かい側の屋久杉にさえ気が付かなかった。(残念)



モッチョム太郎とエバ親爺

★ 神山展望台・・・

神山展望台 9:45
前方が明るくなって突然視界が広がる。そこには大きな花崗岩をド~ンと置いたように周りの木々を
押し潰した感じで足元から海と集落を一望する。高度感たっぷりの絶景だった。



標高975mの神山展望台から下界を見下ろす・・・


展望台から少し移動するとモッチョム岳本峰も確認出来る・・


本峰の岩根で唯一見つけた花・・・名前は不明

★ アップダウン・・・

最大で80mのダウン・・その間に登り返しもありロープの鎖場も2箇所あった。
この山の厳しいと言われるハイライトがここに集結した感じだ。それでも辛抱のアルバイトは30分である。
途中右手には耳岳と展望台を結ぶ稜線の南西斜面に一枚岩となった大岩壁に肝を冷やす。

そのモッチョム岳南壁は、七五岳北面、障子岳周辺と共に屋久島三大岩壁に数えられるほど。
最大標高差は700mもあると言うからクライミングの苦手なエバには縁遠い場所だ。





耳岳南西面の大岩壁・・吊り尾根から望む


「後ろに見えますのがモッチョム・・でございま~す」と余裕のガイド

★ いよいよ・・・

最後は頂上岩峰の基部を回り込むように徐々に登りいよいよ頂上か?
と思わせる岩の登りに出合う。しかし、そこは頂上ではなくさらに大きな岩を回り込んで・・・・





これが最後のロープ・・・ここを登ると頂上です。

モッチョム~・・・

モッチョム岳 10:15
頂上では先客三名様と出合う。登行途中でも先行者三名と出会っていた。
私たちより早い組が4組みも居てびっくり・・・
聞くと車は売店の奥に登山者用の駐車場があって停めるらしい。(納得です)

ともあれ登頂しました~
先客三名様にも拍手で迎えて頂き感激で~す。
展望最高、高度感最高です。



モッチョム岳頂上・・・背中側が南、眼下の集落は尾之間、逆光気味でした~


北側の展望・・・尾之間三山と言われる「割石岳」「耳岳」が一望出来る。


モッチョム岳頂上・・・北を背に眩しい一枚です。右の岩の切れ目が下り口になります。

下山開始 10:50

登山口  13:10


★ 感謝・・・

昨日に引き続き今日のモッチョム岳も快晴下で登頂出来ました。
普段のエバ夫婦ならキツイ山を二日間続けて登るほどパワフルじゃないし、
どうせ屋久島は一週間に10日雨が降ると言っていたので・・・計画の幾つかは中止になって休養日で
島めぐりと安易なところもありました。

筋肉痛も無くケガも無く無事下山出来た事を山の神に感謝したいと思います。

下山後、時間にも余裕が出来たので島の観光めぐりをしましたのでこのページでアップします。


★ 千尋の滝 (せんぴろのたき)

モッチョム岳登山口ともなる千尋の滝展望台は、島の南東を流れる鯉之川の上流にある。
駐車場から徒歩2分。
400m×200mという信じられないほどの巨大な花崗岩の一枚岩のV字形の窪みを流れ落ちる。
滝の落差は約60m。
展望台から見ても花崗岩のスケールの大きさが分かる。水量がもっと多いと迫力満点だろう。








★ トローキの滝

全国で2箇所しかない海に流れ落ちる滝のひとつ。
千尋の滝と同じ鯉之川の河口で県道の赤い橋とモッチョム岳を背にした景観がすばらしい。
干潮時の落差は8mほど。



モッチョム岳と赤い橋そして滝の景観が見事である


モッチョム岳をズームアップ

★ 平内海中温泉

干潮前後2時間のみ海中から湯船が現れる。
目前に大海原が広がり潮騒が絶えず耳に届く。
混浴で脱衣場も無く岩場で着替える。足湯もあった。

「温泉入浴心得」を良く読んでから近づこう。

湯加減は上々も残念ながら入浴する時間は無かった・・・ので
足湯だけ頂戴しました。




  

★ 大川の滝 (おおこのたき)

島の南西部に流れる大川の下流にある滝。
日本の滝百選にも数えられる名瀑。
200以上ある屋久島の滝を代表する落差88mの滝で険しい岩肌を滑り落ちる姿は迫力ある。

駐車場から遊歩道を歩きほんの2~3分で滝壺に近付ける。




★ 中間ガジュマル (なかまガジュマル)

中間川の下流沿いに生息するガジュマル群。
なかでも樹齢300年を超えるといわれるアーチ状のガジュマルは屋久島最大の巨木。
車一台が楽に通れる大きさ。

「ガジュマル」とは・・・
クワ科の常緑高木で、熱帯アジアに広く分布し、幹からたれた気根は地に着いて支柱になる独特の木。
昔から沖縄では精霊が宿る神木と言い伝えられ、大切にされて来たという。








★ 屋久島みそラーメン

大画面、大音量のテレビがある安房の某ラーメン屋さん
日本シリーズ第1戦を観ながら頂いた「みそラーメン」と言うより、五目野菜ラーメンの印象が強い。
味の評価はそれぞれですが・・・・・・まぁまぁでした。






※屋久島遠征・・・目次編はこちら
※屋久島遠征・・・その① 宮之浦岳はこちら

※屋久島遠征・・その③  縄文杉はこちら 
※屋久島遠征・・その④  白谷雲水峡はこちら 
※屋久島遠征・・その⑤  ヤクスギランドはこちら
※屋久島遠征・・その⑥ END ラスト3時間の島巡りはこちら




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