猫の画は人気があるだけでなく、画家自身をアピールする材料にもなりました。
絵画技法はアカデミーで習得することが主流であった時代、
アカデミー出身の生徒はほぼ必ず猫をえがきました。
アカデミーの最重要課題である展覧会にて、人物画と静物画は数多く出品され、
その中に猫は何度も登場しました。
人の体やガラスや金属の質感、果物の艶やかさと対比するように、
猫の毛並みを表現することで、技量をみせることができたのです。
インテリアとしても人気の高い動物画は、
よい稼ぎになったらしく、なかなか芽の出ない新人画家や女流画家の主な収入源となっていました。
しかしモダン芸術が台頭したことにより、アカデミーは衰退。
古典主義は過去の遺物として嫌厭されるようになりました。
そしてアカデニズムの代表でもあった動物画も廃たれました。
そのあおりで、動物画で人気を博した画家たちのほとんどが忘れ去られた存在となったのです。
次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!
次回は1月の予定です