新板猫乃狂言つくし
贅沢禁止令がたびたび発令され、
庶民が贅を凝らした衣装や調度品を持つことだけでなく、
歌舞伎や遊女も贅沢を促す存在として取り締まり対象になりました。
姿を絵にすることまで禁止され、浮世絵師たちは苦難を強いられました。
そこで考えられたのが擬人化。人の姿に扮した猫を実在の人に置き換えて描いたのです。
これらの浮世絵は、一見ただの猫のキャラクターのように見えましたが、
持ち物や仕草から連想する謎かけを解けば、
人気の芸妓や歌舞伎役者だとわかる仕掛けがあったのです。
反骨心あふれる絵師らは、この技法を用いて
時の政治家を茶化す浮世絵も発表されたのです。
彼らの努力とユーモアあふれるセンスで
誕生した人型の猫は人気が出て、
風刺目的から離れて使われるようになりました。
次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!
次回は8月の予定です