後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔97〕やはり本会議では、「避難用住宅の長期無償提供を求める請願」一票差で否決でした。

2016年06月25日 | 市民運動
  ブログ〔95〕「避難用住宅の長期無償提供を国と福島県に求める請願」の続編です。
 やはり予想通りになってしまいました。総務文教委員会で4対3でこの請願は採択されたのですが、6月24日(金)の議会最終日の本会議では不採択になってしまいました。
 ここでの賛成討論は請願紹介者のふせ由女議員(共に生きる)と佐々木あつ子議員(日本共産党)でした。反対討論はありませんでした。採決の結果は、9対10で不採択です。
賛成は日本共産党4人、風・生活者ネット4人、共に生きる1人、反対は清瀬自民クラブ6人、公明党4人でした。
 反対の根拠も示さず不採択に荷担するというのは許せない行為ですね。問題の本質を探ることより、数の論理がまかり通る世界なのですね。
 
 以下の文章は請願者の連れ合いの簡単な報告です。

福田 緑です。
 昨日で本会議が終了し、不採択が決定しました。請願当日の傍聴など、ご協力ありがとうございました。

□福島原発事故による避難用住宅提供打ち切りの撤回と、避難用住宅の長期無償提供を国と福島県に求める請願

〔請願の趣旨〕
国と福島県は、福島原発事故による被災者への応急仮設住宅(公営住宅等を利用した「みなし仮設住宅」を含む。)の提供を2017年3月末で打ち切るという方針を示しました。しかし、被災者は故郷での平和な生活を原発事故によって破壊され、現在もやむをえず避難生活を続けているのです。『原発事故子ども・被災者支援法』の(基本理念)第二条2では、
「被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。」と定めています。従って、帰還を望んでいない家庭への無償住宅支援の打ち切りは、この基本理念を否定することになり、撤回するべきです。また、被災者が安心して故郷に帰れるようになるまでは、避難用住宅長期無償提供をするべきです。
 以上の2点について、国と福島県に意見書の提出を求めます。

●請願が不採択となって
  福島原発事故避難者は2016年5月16日現在、約16万人で、全国都道府県1,114の市区町村に所在しています(復興庁ホームページより)。そのうち、東京都には6,749名が避難しているとのこと。清瀬市には5月の段階で28世帯65名が所在し、帰りたくても帰れない強制避難の方々は18世帯45名とうかがいました。つまり、清瀬市内に住んでいる自主避難者は10世帯20名ということになります。
この清瀬市内に住んでいる自主避難の方々は、避難生活を続けたくても来年3月で住宅支援が打ち切られてしまうということになりますが、彼らは単なるわがままで避難生活を続けているわけではありません。多くの避難者は、避難すること自体に家族や親族の反対があったり、避難先で何か説明しなければならないような気持ちで肩身の狭い思いをしたりして生活しています。6月12日に、葛尾村の避難指示解除がなされましたが、その地域にはまだ放射線管理区域よりも高い放射能があるのです。放射線管理区域は、「人事院規則 職員の放射線障害の防止」で、年間に換算すると5.2ミリシーベルトとされていて、その地域内には防護服を着て入らなければなりません。中で飲食も禁止されているのです。それと同じか、もっと高い線量の地域に、「しっかり除染をしたのでもう安全ですから女性も子どもも戻って生活しなさい。来年3月で住宅支援は打ち切ります。」と言わているのです。一般の人々は年間1ミリシーベルト以内と決められているのに、何で事故で苦しい思いをした人たちがその何十倍もの放射線の中で「住み、料理をし、飲食をし、遊び、普通の生活をしなさい」と言われなければならないのでしょうか。とても納得できるものではありません。せめて事故前とほぼ同じ状態に戻るまで住宅支援を続けるべきです。
 ある被災者は、「住宅支援という言葉がそもそもおかしいんですよ。私たちは家も生活も事故によって奪われたのですから、これは本来なら東電が賠償すべきものです。それを勝手に打ち切ることは許されません。」と訴えていました。
 総務文教委員会では賛成4名で採択となりましたが、残念ながら本会議では右表(略)の通りの結果で不採択となりました。委員会の討論で、「国はできる限りの支援をしていく気持ちはあると思うし、切り捨てはしないと思う。現時点では賛成できない。」という発言がありました。この言葉の通りになるのか、今後しっかり見届けたいと思っています。

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