50回公開学習会「袴田事件の現状と再審公判の手続」(無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会主催)のお知らせが届きました。3月3日(日)、カトリック清瀬教会で開催されます。
合わせて、無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会の会報が同封されていました。16頁にも及ぶものです。本号はなんと112号になります。その活動に敬意を表したいと思います。
お馴染み、鎌田慧さんのコラムをどうぞ!
◆祝島の反原発闘争 鎌田 慧(ルポライター)
上関原発(山口県)に島ぐるみで反対していた「祝島島民の会」の創
設者・山戸貞夫さん(73)と十数年ぶりに電話で話した。
彼は18年前、現地での実力闘争で頸椎(けいつい)を損傷したあと転倒
を繰り返し、ついに重度の脊椎損傷で下半身不随。7年前介護老健施設
に入居して車椅子生活。
それでも個人通信『祝島情報』を発行して、四国電力と町長など町の
幹部とが癒着する「企業城下町」批判などを書いて全国の読者に発送し
続け「体が動かなくとも気力で勝負」と意気軒昂(けんこう)だ。
中国電力は昨年8月、 買収した原発用地に、関西電力と共同で「使用
済み核燃料」の中間貯蔵施設を建設すると発表。年が明けた24日、いき
なりボーリング調査と称して森林伐採を開始した。
上関原発は、1982年に2基建設計画が発表された。が、40年たっても
未完成。瀬戸内海に突き出たかぼそい半島の先端にある長島、そのさら
に端っこが予定地。
しかし、鼻先にある祝島の島民がこぞって反対。
中国電力は町長を龍絡したり寄付金を配ったりして建設用地を獲得し
たものの、福島原発大事故発生もあって頓挫している。
中間貯蔵施設の受け入れは原発交付金や固定資産税などが入るまでの
「中間収入」を図る算段。
瀬戸内海の真っただ中に、ふたつの核施設を建設するなど尋常の沙汰
ではない。未来なき原発の現状だ。
(1月30日「東京新聞」朝刊23面「本音のコラム」)