今日も涼しいのである。
もはや夏は去り、秋へと移行している。
まるで政権交代劇のようにドラスティックである。
名残のセミに
名残のセミよ
君が声を張り上げるほど
夏はかなたへと去っていくというのに
君の声が彼岸のかなたへと届くころには
ヒグラシがしみじみと林に木霊(こだま)しているのだ
名残のセミが
ミーンと
けたたましいいま
庭には可愛げな花たちが競い合いを避けて
それぞれが自立しようとする
全体としてのアンバランスが
秋の清涼感を紡ぎだす
セミが
名残のセミが
いま
ひとりで声を張り上げている
寂寥感が漂う
共鳴することの無い
寂寥はかなたへと
捨象されてしまうというのに
名残のセミよ
ぼくの内部に沈殿せよ
沈殿せしめよ
そして何億光年かの季節を過ぎ
再生せしめよ
命のほのほを燃やし続けよ
と
道を歩くとき、目を凝らしているとセミの亡骸に出会う。
彼の生涯を思うと、一抹の寂しさに陥るのだ。
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荒野人
もはや夏は去り、秋へと移行している。
まるで政権交代劇のようにドラスティックである。
名残のセミに
名残のセミよ
君が声を張り上げるほど
夏はかなたへと去っていくというのに
君の声が彼岸のかなたへと届くころには
ヒグラシがしみじみと林に木霊(こだま)しているのだ
名残のセミが
ミーンと
けたたましいいま
庭には可愛げな花たちが競い合いを避けて
それぞれが自立しようとする
全体としてのアンバランスが
秋の清涼感を紡ぎだす
セミが
名残のセミが
いま
ひとりで声を張り上げている
寂寥感が漂う
共鳴することの無い
寂寥はかなたへと
捨象されてしまうというのに
名残のセミよ
ぼくの内部に沈殿せよ
沈殿せしめよ
そして何億光年かの季節を過ぎ
再生せしめよ
命のほのほを燃やし続けよ
と
道を歩くとき、目を凝らしているとセミの亡骸に出会う。
彼の生涯を思うと、一抹の寂しさに陥るのだ。
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