「ナタンはダビデに言った。『あなたがその男です。イスラエルの神、主はこう言われます。「わたしはあなたに油を注いで、イスラエルの王とした。また、わたしはサウルの手からあなたを救い出した。」』」(Ⅱサムエル12:7新改訳)
詩篇三二篇には、この前後におけるダビデの心の苦しみが赤裸々(せきらら)に描かれている。「私が黙っていたとき、私の骨は疲れ切り、私は一日中うめきました。昼も夜も御手(みて)が私の上に重くのしかかり、骨の髄(ずい)さえ、夏の日照りで乾(かわ)ききったからです。」(詩篇32:3,4同)▼人は自分の犯した罪を隠せば隠すほど、その良心が苦しむものである。たとえ世界中の人々が知らなくても、神の聖なる目は彼の心を照らし、追いつめる。お前はそれでいいのか、最後の審判のとき、私の前に立てるのか?と。▼助かる道はただひとつ、神にすべてありのままを告白し、ひれ伏すしかない。ダビデは王宮の並みいる家来たちの前で、ナタンから「あなたがその男です」と宣告され、すべてを暴露(ばくろ)されてしまった。大恥(おおはじ)をかいたが、あわれみにより、神の刑罰(けいばつ)をまぬがれたのであった。▼「もし、罪はないと言うなら、私たちは自分を欺(あざむ)いており、真理は私たちのうちにありません。もし、私たちが自分の罪を言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。もし、罪を犯してはいないと言うなら、私たちは神を偽り者とするのです。神のみことばは私たちのうちにありません。」(Ⅰヨハネ1:8~10同)