しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <アブサロムの反乱>

2025-02-20 | Ⅱサムエル記
「アブサロムはイスラエルの全部族に、ひそかに人を遣わして言った。『角笛が鳴るのを聞いたら、「アブサロムがヘブロンで王になった」と言いなさい。』」(Ⅱサムエル記15:10新改訳)

アブサロムは長年にわたり、心にあたためていた野望を、ついに実行し出した。父王に対する失望と憎しみ、王位簒奪(おういさんだつ)という野望である。▼これまで何度も記したように、すぐれた息子とはいえ、彼の致命的な短所(たんしょ)は、全能の神へのおそれと敬虔(けいかん)がなかったことである。つまり、父ダビデがどんなに主を敬愛(けいあい)し、自らの罪深さにもかかわらず、けっして主のみもとを離れず、日々祈り、悔い改めの生涯を送っていたか、そしてそれがどれだけ一族全体の祝福になっていたか、ということについて心霊的に盲目(もうもく)だったのだ。▼そもそも、神と契約を結んだイスラエル民族の王位は、異邦人帝国のように人間が定めたものではなく、神に油注がれた人物だけが就く(つく)ことがゆるされる。たとえアブサロムが三男であろうと、順位など関係ないという事実を彼は軽視した。王宮で育った貴公子(きこうし)アブサロム、彼に心からの謙遜があったらと、誰しも思うであろう。▼「結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。神は、善であれ悪であれ、あらゆる隠れたことについて、すべてのわざをさばかれるからである。」(伝道者12:13,14同)