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相変わらず野中柊さんも読んでますが・・・
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本にまつわるオムニバス形式の本。
さらさらと読めた。
人と本との関わり方を考えさせられた。
一番最初の記憶の風景
一番楽しかった時の風景
一番悲しかった時の風景
さて、みなさまは思い出せますか?
かぇるも考えてみたのですが、
どこにでも転がっているような、ありがちなことしか思い浮かばず、
いかに日々、ぼんやりとやり過ごしていたかが露呈してしまった
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心して毎日を過ごそうと思いました。
そして、記憶だけでなく記録にも残さねば・・・そのためにもブログ活用しよう
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各作者がいじめをテーマに書いた短編集。
蒼々たるメンバーだったので、かなり期待をして読んだのですが、
有名作家のものは、もひとつな感じでした。
私が一番良いと思ったのが、湯本香樹実の「リターン・マッチ」
いじめられていた男の子が、いじめた人、一人一人を屋上に呼び出す。
ケットウジョウというのを靴箱に入れる。
「放課後、屋上に一人でこい、誰にも言わず、一人で来い。
誰かに言ったり、来なかったり、あるいは仲間を連れてきたら、
僕は自殺する。
その場合、遺書には君の名前と、君が僕にしたことを書くつもりだ」
という内容のもの。
後に、なぜあんなことをしたのかと問われると、
殴られたって、どうなったって、あの屋上でならいいんだよ。
だって、手紙を書いて呼び出したのも僕なら、
そういうことを考えついたのも僕なんだ。
自分の意志で始めたことなんだから、ひどい目にあったって納得できる。
わけもわからず、ただいじめられているのは、もういやなんだよ。
と言う。
事態は悪化というか、複雑に進んでいくのだけど、
少年の心をリアルに表現できており、引き込まれた。
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6つの恋の物語。
でも、6つがバラバラじゃなくて、微妙に繋がっている。
こういう形式はたまに見るけど、なかなか良い。
作者も自己満足できるだろうな・・・なんて思ってしまう。
若い恋愛、大人の恋愛、年の差カップル、不倫、片思い
いろんな恋の形があり、みんな一生懸命だ。
どの恋の話も素敵だと思った。
やはり、野中さんの作品は、爽やかな話が良いと思った。
野中作品には、たびたびゴダールの映画の話が出てくる。
古い映画なのだろうが、ちょっと興味が湧く。
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2時間ぐらいでさらっと読めた。
面白かったけど、・・・・・何も残らなかったかも
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たまにあるよね、そういう本
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