絹糸のしらべ

一絃の琴、きもの、文学etc…日本人のDNAが目を覚ます・・・

寝不足の原因は

2009年07月12日 01時30分14秒 | イ・ジュンギ
「王の男」をもう3回も見てしまった。
はじめはジュンギだけを見ていたけど、
見終わって、どうしてこの相方のチャンセンが自由になっても
逃げていかなかったのか気になった。
そうか、チャンセンにとってコンギル(ジュンギ)はただの相方では
なかったのだ。
友情なのか愛情なのかはわからないが
彼にとってコンギルは大切な存在以上の者、
すなわち、彼自身の命だったのだ。
だから、死の危険を冒してもコンギルのいる宮殿を去れなかったのである。

ああ、そうだったんだ。
たとえ自分が助かっても、コンギルのいない世界はチャンセンにとって無と同じなのだ。
それに思い至ってから見る2回目。
冒頭の絵草子とともに流れる美しく荘厳な音楽が
チャンセンのコンギルに対する無償の愛を連想させて
とても切なく聞こえる。

そして、この狂気に満ちた王様の、秘められた悲しみや孤独に
改めて気づかされる。
コンギルが王に惹かれたとは思えないが、王の涙に感じるところがあったのは
間違いない。
芸人として、人を笑わせてきたコンギルが
芸が人を(王を)癒すことが出来ることに気づく。
そこで宮殿を出ようとするチャンセンとぶつかるのである。
チャンセンは嫉妬する。
王とコンギルの間に生まれかけたものに。

題名どおり王さまが男色か、といえばそうでないような気もする。
王さまは、ただ孤独だった、母親と離されて悲しかった、寂しかった、
それが精神のバランスを崩させていたともいえるからだ。
女官では得られない、高潔ななにかを求めていただけかもしれないのである。

いや~、語れば長くなってしまいますね~
ほんと、よく出来た映画って何回見ても面白いわ。
ィ・ジュンギは背も高く声も低めなのに
なぜかこう守ってあげたい女性に見えてくるからすごいです。
せりふはすごく少ない。
自分に降りかかってくる運命をそのまま受け入れる、
そういう感じがよく出ていました。


それに引き換え、「初雪の恋」はさ~~
お金の無駄使いだよ。
興行としては失敗だそうで、当たり前ジャン、と思ってしまう。
宮崎あおいがいかんよ。この人の得意技は元気な女、ですよ。
この映画と「フライ・ダディ」で、ジュンギはダブルパンチの失敗だったそうだ。
まあ、「イルジメ」がまたヒットしたので良かった良かった。