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情報セキュリティ、消費者保護、電子政府の課題等社会施策を国際的視野に基づき提言。米国等海外在住日本人に好評。

米司法機関はバージニア州東部地区地方裁判所でロシアの軍人、ドネツク人民共和国の軍人ら4人に対するロシアによる侵攻後のウクライナでの米国人への拷問等につき米国「戦争犯罪法」に基づく初の容疑で告訴

2023-12-11 13:54:52 | 国防と国家の独立性

 12月6日の連邦司法省リリースは、バージニア州東部地区地方裁判所でロシア軍人やドネツク人民共和国軍人計4人を戦争犯罪容疑で告訴したが、その容疑には、2022年2月のロシアによるウクライナへの全面侵攻後のウクライナでの米国人への拷問、非人道的な扱い、不法監禁が含まれるというものである。

 今回のブログは司法省のリリース内容を概観するとともに、司法省や米国メデイアが詳しく報じていない国際紛争かかる国際人権法問題やロシア議会の決議等に関し、筆者も加盟する国際人権団体であるHuman Rights Watchの解説等について補完する。

  特に、筆者は米国がロシア軍人を国内法で起訴する根拠法は?に強い関心をもったが、その点に関する米司法機関やメデイアの説明は皆無であった。これに関し、本ブログの最後3.(12)に引用する。

 なお、筆者は2022年9月に「ロシア連邦の政治体制、法制度等からみた非民主化の実態:新たな連邦体制崩壊の危機はあるのか!」でロシアの本音を垣間見たつもりである。併せて参照されたい。

 1.連邦司法省報道局のリリース内容   

 以下のとおり仮訳する。 

 

   司法長官等の記者会見(司法省サイト動画から引用)

 被告は、スレン・セイラノビッチ・ムクルチヤン(Suren Seiranovich Mkrtchyan )氏(45歳)、ドミトリー・ブドニク(Dmitry Budnik)氏、ヴァレリーLNU (Valerii LNU )氏(姓は不明)、ナザールLNU(Nazar LNU)氏はそれぞれ、ロシアとウクライナの間の武力紛争を背景とした米国人の不法拘束に関連してとして起訴された。被告らは被害者を尋問し、激しく殴打し、拷問したとされている。また、被害者を殺すと脅迫し、模擬処刑(mock execution)(注1)も行ったという。

  メリック・B・ガーランド司法長官は「世界がロシアの残忍なウクライナ侵略の恐怖を目の当たりにしてきたように、米国司法省も同じだ。それが、司法省が米国「戦争犯罪法(18 U.S. Code § 2441 - War crimes)」に基づき、米国人に対する凶悪犯罪でロシア関連軍人4名を史上初の告訴した理由である。司法省はロシアの侵略戦争に対する責任と正義を追求するために必要な限り努力するだろう」と述べた。

 また国土安全保障省長官アレハンドロ・N・マヨルカス(Alejandro N. Mayorkas)は、国土安全保障省調査局と司法省の連邦法執行官のたゆまぬ前例のない働きのおかげで、アメリカ国民に対する考えられない、容認できない人権侵害で告発された4人のロシア兵が戦争犯罪で起訴され、連行されることになった正義の味方だ 本日封印が解かれた起訴状は、ロシアに対して明確なメッセージを送っている。我が国政府は、アメリカ人の基本的人権を侵害した人々の責任を問うためにいかなる努力も資源も惜しまない」と述べた。

 

 Alejandro N. Mayorkas 氏

 クリストファー・レイFBI長官は「ウクライナへのいわれのない侵略を開始して以来、ロシアは人権侵害を武器にして想像を絶する悲劇を引き起こしてきた。本日の起訴は、米国の「戦争犯罪法」に基づく初めてのことであり、FBIが国際法執行機関の全面的な協力を得て、これらの残虐行為の犠牲者に正義をもたらすことを明らかにした。ウクライナ紛争による人的被害はFBIの心に重くのしかかっており、我々は戦争犯罪者がどこにいても、どれだけ時間がかかったとしても、責任を追及する決意をしている」と述べた。

Christopher Wray 氏

 また、司法省刑事局のニコール・M・アルジェンティエリ司法次官補(Acting Assistant Attorney General Nicole M. Argentieri)は、「保護された人物に対する拷問や不法な監禁は深刻な人権侵害であり、処罰を免れることはできない。これらの歴史的な刑事告訴は、米国の戦争犯罪法の下で提起された初めてのことであり、ウクライナで戦争やその他の残虐行為を犯した人々に対するあらゆる手段で責任を追求するという司法省の継続的な取り組みにおける重要な一歩である」と述べた。

Nicole M. Argentieri 氏

 起訴状の申し立てによると、ムクルチャン氏とブドニク氏はロシア軍やいわゆるドネツク人民共和国の軍事部隊の指揮官で、ヴァレリー氏とナザール氏は下級軍人だった。被告らは戦争犯罪を犯したとされる当時、ウクライナでロシアのために戦っていたとされる。

 2022年4月、ムクルチアン氏とその指揮下の兵士らは、被害者の米国人をウクライナ南部ヘルソン州マイラブ村の自宅から誘拐、拉致し、少なくとも10日間不法に監禁したとされる。誘拐の際、ムクルチヤン、ヴァレリー、ナザールらは被害者を裸のまま地面にうつぶせに投げつけ、両手を後ろ手に縛り、頭に銃を向け、彼らの銃の銃床などで激しく殴打したとされる。その後、ムクルチヤン、ヴァレリー、ナザールらは被害者をマイラブにある即席の軍事施設に移送したとされる。

 バージニア州東部地区のジェシカ・D・アバー連邦検事(U.S. Attorney Jessica D. Aber)は、「これらのバージニア州の告発は、被告らの行為が戦時の文民保護に関するジュネーブ条約(ウクライナとロシアは共に1949年のジュネーブ諸条約、及び同法ジュネーブ諸条約第一追加議定書の締約国である)の重大な違反であるだけでなく、米国法にも違反していることを反映している。我々は、ウクライナにおける戦争犯罪加害者の責任を追及する司法省の取り組みの最前線にいることを誇りに思っており、今後も追及を続けていく。我々は、この事件の捜査パートナーである戦争犯罪責任チーム、FBIワシントン現地事務所、国土安全保障省捜査局のこれらの容疑に必要な証拠を収集するための傑出した努力に感謝する」と述べた。

  

  Jessica D. Aber 氏

 また同起訴状は、ムクルチヤン氏とブドニク氏が少なくとも2回の尋問を主導・参加し、その間に被告ら4人が被害者を拷問したと主張している。ある尋問中、ムクルチヤン氏、ヴァレリー氏、ナザール氏は被害者の服を脱いで写真を撮ったとされる。その後、被告らは被害者を激しく殴り、後頭部に銃を突き付け、撃つと脅したとされる。ブドニク容疑者は被害者を殺すと脅し、最後の言葉を求めたという。その直後、ナザールらは模擬処刑を行ったとされる。容疑者らは被害者を地面に押し倒し、後頭部に銃を突き付け、銃をわずかに動かして被害者の頭のすぐ上に弾丸を発射したとされる。

さらにFBIワシントン現地事務所のデビッド・サンドバーグ担当次官補は、

「これらの歴史的な容疑は、FBIと世界中に広がる我々のパートナーによる複雑な捜査の集大成である」と述べた。「FBIは今後も国内外のパートナーと協力して正義を追求し、他者に対してこのような残虐行為を行った者の責任を追及していく。」と述べた。

 国土安全保障調査局(HSI)のカトリーナ・W・バーガー(Executive Associate Director, Homeland Security Investigations :Katrina W. Berger)副局長は、「ロシア軍といわゆるドネツク人民共和国を代表して、これら4人はアメリカ国民の人権を侵害したとされる」「容疑によると、彼らはアメリカ国民を不法に拘束して拷問し、さらには模擬処刑まで行った。これらの戦争犯罪容疑の封印を解くことは、責任ある当事者に裁きを受けさせるための重要な一歩である。HSIは今後も、国内外を問わずアメリカ国民の人権を侵害する者を積極的に追及していく」と述べた。

Katrina W. Berger 氏

 被告らは不法監禁、拷問、非人道的扱いという3件の戦争犯罪と、戦争犯罪共謀1件で起訴されている。有罪判決が下された場合、被告はそれぞれ最高で終身刑に処されることになる。

*米国の人権侵害者に関する情報、またはこの起訴状で名前が挙がっている被告の所在地に関する情報を持っている一般の人々は、1-800-CALL-FBI (800-225-5324) または FBI を通じてオンライン チップ フォームまたは HSI(1-866-DHS-2-ICE)、または ICE オンライン チップ フォームを通じて FBI に連絡することを勧める。すべてに 24 時間スタッフが常駐しており、ヒントは匿名で提供される

*本起訴は単なる申し立てに過ぎない。すべての被告は、法廷で合理的な疑いを超えて有罪が証明されるまで、無罪と推定される。

起訴状原本参照。

2.ロシアのプーチン大統領は2022224日にウクライナに対する宣戦布告とロシア議会下院の決議

 Human Rights Watchの解説を、以下、抜粋する。

 (キエフ)ロシア連邦議会下院(国家院)は2022年2月15日、ウラジーミル・プーチン大統領に対し、ウクライナ東部の2地域を独立国家として承認するよう求める決議を採択した。なお、両地域はロシアが支援する武装組織が支配している。

 プーチン大統領は2月22日の記者会見で、ロシアが独立として認める領土は、ウクライナ政府の支配下にあるドネツク(ドネツィク)とルハンスク(ルハーンシク)両州のかなりな部分に及ぶと述べた。

 ウクライナ東部のドンバス地方では、ロシアが国境沿いの軍隊を空前な規模で増強しており、戦闘が激化している。欧州安全保障協力機構(OSCE)特別監視団によると、2月中旬以降、接触線沿いの紛争地域で、2014年の停戦合意への違反行為が日々大幅に増加している。

 いかなる名目でも、ウクライナにいるロシア軍は、ジュネーブ条約を含む国際法上の占領軍と見なされる。ロシア軍が正式にウクライナ東部に侵入した場合、後述するように、ジュネーブ第4条約における「占領」行為に該当することになる。「LNR」または「DNR」と自称する地元「当局」の主権主張、またはロシア政府による両者の独立承認は、占領に関する国際法の適用に影響を及ばさない。

3.ロシアとウクライナの武力紛争に関連する国際法

 Human Rights Watchの解説を、以下、抜粋する。

 ロシア軍とウクライナ軍との敵対行為は、国際武力紛争として、国際人道法(主に1949年のジュネーブ諸条約(Convention (I) for the Amelioration of the Condition of the Wounded and Sick in Armed Forces in the Field. Geneva, 12 August 1949)(注2)1977年のジュネーブ諸条約第一追加議定書((Protocols Additional to the Geneva Conventions of 12 August 1949, and relating to the Protection of Victims of International Armed Conflicts (Protocol I))1907年のハーグ条約(陸戦の法規慣例に関する条約)および慣習国際人道法の諸規則によって、規則が規定されている。

*ウクライナとロシアは共に1949年のジュネーブ条約、及び同法第一議定書の締約国である。

(1)戦時国際法の基本原則とは?

 国際人道法(または戦時国際法)は、武力紛争の危険から、民間人などの非戦闘員を保護するための法律である。国際人道法は、紛争の全当事者による敵対行為(戦争の手段および方法)に適用される。前提として、紛争当事者はつねに戦闘員と民間人を区別しなければならない。民間人が攻撃の意図的な標的になることは決してあってはならない。後述するように、紛争当事者には、民間人および民用物への被害を最小限に抑えるため、実行可能なあらゆる予防措置を講じる義務がある。戦闘員と民間人を区別しない攻撃や、民間人に不均衡な被害を与えるような攻撃を行ってはならない。

(2)国際人権法はウクライナにも適用されるのか?

 国際人権法は、ウクライナにも適用される。国際人権法はつねに有効であり、あらゆる状況に――戦時国際法が同時に適用される武力紛争中や占領下も含めて――当てはまり続ける。そして、人道法の規範が、特別法(lex specialis)、すなわち特定の状況に対するより具体的な規範として、人権規範に優先する場合がある。

 また、ウクライナとロシアはともに、欧州人権条約(ECHR)、市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR:自由権規約)、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約(CAT:拷問等禁止条約)など、多くの地域的または国際的人権条約を締結している。これらの条約は保障される基本的権利を要点を述べたもので、そのうちの多くの権利は、国際人道法下で定められた戦闘員や民間人の基本的権利とも一致する(例:拷問や非人道・品位を傷つける扱いの禁止、差別の禁止、公正な裁判を受ける権利の保障)。

 なお、前述の欧州人権条約と自由権規約は、戦時下や公式に宣言された「国民の生存を脅かす公の緊急事態」(欧州人権条約第15条)の期間中、特定の権利に対し一定の制限を課すことを認めている。しかし、このような権利の削減は、例外的かつ一時的なものでなければいけなく、また「事態の緊急性が真に必要とする程度」でのみ容認される。また、一部の基本的権利(生命に対する権利、拷問など虐待から保護を受ける権利、不当な拘束の禁止、拘束の合法性に関する司法審査の保障義務、公正な裁判を受ける権利など)は、たとえ公の緊急事態下においても、つねに尊重されなければならないとされている。

(3)合法的軍事攻撃の対象とは?

 戦時国際法のもと、攻撃の目標は「軍事目標」に限定される。軍事目標とは、軍事行動に効果的に資する物であることを示し、またその全面的または部分的な破壊、奪取または無効化が明確な軍事的利益をもたらすものを指す。敵陣の戦闘員、武器、弾薬、建物や車両など、軍事目的で使用されている物などが該当する。国際人道法は、武力紛争中、民間人の犠牲がある程度避けられないことを認識してはいるが、紛争当事者には依然、戦闘員と民間人の区別義務、及び戦闘員など軍事目標のみを標的とする義務が課される。ただ、民間人は、戦闘中の戦闘員を支援するなど、「敵対行為に直接参加している」間は、攻撃対象から除外されない。

 戦時国際法はまた、軍事目標とみなされないもののすべてを「民用物」として定義し、戦時国際法の下保護されている。民用物(家屋、集合住宅、企業などのビジネス、礼拝所、病院、学校、文化財など)への直接攻撃は、それらが軍事目的に使用されていたり、軍事目標になっていない限り、禁止されている。しかし、通常民用物とされる施設に軍隊が配備されている場合、攻撃は禁止されない。だだ、対象物の性質に疑義の余地が存在する場合、戦争当事者はそれを民生用と見なさなければならない。

(4)禁止されている軍事攻撃とは?

 上述したように、民間人や民用物への直接攻撃は禁止されている。また、戦時国際法では、無差別攻撃も禁止されている。無差別攻撃とは、軍事目標と民間人、または民用物を区別なく攻撃することを示す。無差別攻撃の例として、対象を特定の軍事目標のみとしない攻撃や、特定の軍事目標のみを対象とすることのできない兵器を用いる攻撃が考えられる。

 禁止されている無差別攻撃に、「区域砲撃」が含まれる。区域砲撃とは、民間人または民用物が集中している地域に、多数の軍事目標が明確に分離されている状況下で、全地域を単一の軍事目標とみなし、砲撃、またはその他方法手段で攻撃をすることを示す。司令官は、軍事目標に向けて攻撃を行う際、巻き添えによる民間人の被害を最小限に抑えることができる手段を選択しなければならない。兵器がきわめて不正確で、民間人に被害を及ぼすことなく軍事目標を標的とすることができない場合、その兵器を配備すべきではない。

 また、均衡性の原則に反する攻撃も禁止されている。均衡性の原則に反する攻撃とは、予期される具体的かつ直接的な軍事的利益との比較において、巻き添えによる民間人の死亡、負傷、または民用物の損傷などが過度であると予測できる攻撃のことを示す。対人地雷やクラスター弾は国際条約で禁止されており、その本質的な無差別性から、決して使用してはならない。

(5)人口密集地帯での戦闘における、紛争当事者の義務は?

 国際人道法は、都市部での戦闘を禁じていない。しかし、多くの民間人がいるするため、紛争当事者は民間人の被害を最小限にする措置を講じる義務を負う。戦時国際法は紛争当事者に対し、軍事行動を行うに際しては、民間人に対する攻撃を差し控えるよう不断の注意を払い、巻き添えによる民間人の被害及び民用物の損傷を防止し並びに少なくともこれらを最小限にとどめるため「すべての実行可能な予防措置をとる」ことを求めている。これらの予防措置には、攻撃対象が軍事目標であって民間人または民用物でないことを確認するためのすべての実行可能なことを行うこと、状況が許す限り攻撃について「効果的な事前の警告」を与えることが含まれる。

 人口密集地に展開する部隊は、人口の集中している地域またはその近傍に軍事目標を設けることを避けるとともに、また民間人を軍事目標の近傍から移動させるよう努めなければならない。交戦国は、軍事目標または軍事行動を攻撃から守る手段として、民間人を「盾」として使用してはならない。「盾」とは、民間人の存在を故意に利用して、軍隊または地域を、攻撃の対象とならないようにすることとされる。

 ただ、攻撃を行う側に、民間人に危険が及ぶリスクを考慮する義務が免れることはない。攻撃を行う側は、相手勢力が居住地内、またはその近傍に正当な軍事目標を設けたという理由で、責任は相手勢力にあると考えてはならない。

(6)人口密集地帯での爆発性兵器(通称EWIPA)の使用は?

違法である無差別・不均衡な攻撃にあたる可能性が高いと懸念される。重砲、空爆(爆発半径が広い兵器)、またはその他の適切な照準のない間接砲(まったく見えない標的に用いられる兵器)での、人口密集地に位置する軍事目標への攻撃は、民間人へ及ばす深刻な脅威から、現代の武力紛争において最も懸念される攻撃である。

 市町村への爆撃や砲撃は、多数の民間人に殺傷をもたらし、また心理的被害を与える。また、長期的には、民間建物や重要なインフラ設備の被害、医療や教育などの基本的サービスの中断、地元住民の避難などがあげられる。爆発性兵器は、人道上のリスクをさらに高める可能性があり、特に低い精度、広い爆発半径、多数の弾頭の同時投下などの要素で、より広範囲に影響を及ぼすと考えられる。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、武力紛争の当事者に対し、居住地に広範な影響を及ぼす爆発性兵器の使用を避けるよう求めてきた。

(7)「人間の盾」の使用とは?

 「人間の盾」とは、特定の場所・地域または軍事勢力が、軍事攻撃の対象とならないよう、民間人の存在を意図的に利用することと定義されており、この行為は戦争犯罪である。ただ、「人間の盾」とされるのは、民間人を攻撃を阻止するために利用するという特定の意図がある場合のみ。居住地内、または近傍に軍隊、武器、弾薬を配置する前述の行為も、違法なものとなりうるが、「人間の盾」には該当しない。敵対勢力は、「人間の盾」を利用する軍事目標を攻撃することは国際法上可能である。しかし、その攻撃が均衡的であるかどうか、すなわち、民間人の生命・財産の予期される損失が攻撃によって予期される軍事的利益を上回るかどうかを、見極める義務を負う。

(8)紛争当事者による空港、道路、橋などのインフラへの攻撃は?

 民用の空港、道路、橋は民用物ではあるが、軍事目的に使用されていたり、軍事目標がそれら施設に設けられていたりする場合には、攻撃されうる軍事目標となる。その場合にも、均衡性の原則が適用される。紛争当事者は、攻撃によって予期される軍事的利益と、民間人が被る短期的及び長期的な損害を比較考慮しなければならない。つまり、紛争当事者は、民間人への影響を最小限に抑えるあらゆる方法を検討しなければならない。民間人へ予測される被害が、予期される軍事的利益を上回る場合、攻撃を行うべきではない。

(9)戦時国際法とサイバー攻撃の関係は?

 コンピュータネットワークへの攻撃、すなわち「サイバー戦争」は、ジュネーブ条約で特に取り上げられていない。しかし、サイバー攻撃にも、戦争の方法と手段に関する基本原則や規則が同様に適用される。サイバー攻撃は軍事的目標のみを対象とし、無差別的でも不均衡的でもあってもならない。例えば、民間人に長期的な損害を与える電力網への攻撃は、空爆であれサイバー戦争であれ、不均衡で違法なものとなる恐れが高い。民間人への背信行為、集団処罰、報復措置の禁止は、サイバー戦争でも引き続き適用される。

 また、政府がサイバー攻撃やサイバー戦争に関わる行為は、基本的権利との抵触が懸念される。2015年、国連総会は、政府専門家グループ(UN GGE)による報告書を承認し、国際法のサイバー空間への適用可能性に関する合意見解を採択した。これにより、国家行動の規範に対するコミットメントが定められた。具体的には、インフラを故意に損傷させたり、公衆サービスの使用や運用に妨害を生じさせたりする情報通信技術(ICT)への軍事行動を実施しないか、それを故意に支援しないこと、また、ICT技術を用いた国際的不法行為に自国領土が使われることを故意に見逃さないことなどが含まれる。また、最近提出された国連政府専門家グループによる報告書では、病院のみならず、エネルギー施設、水道などの衛生施設、教育施設、金融サービス用設備などが、国民に不可欠なサービスを提供する重要インフラの例として挙げられている。

(10)国際人道法違反の責任を問われるのは誰か?

 犯罪の意図をもって――すなわち故意または結果を顧みずに――なされた国際人道法の重大違反行為は、戦争犯罪となる。戦争犯罪は、ジュネーブ諸条約が定める「重大な違反行為」、および国際刑事裁判所議定書などに慣習法として記載されている。中には幅広い犯罪が含まれていて、民間人に対する意図的かつ無差別的な不均衡な攻撃、人質の利用、人間の盾の使用、集団処罰の実行などが挙げられる。また、個人も、戦争犯罪の未遂、幇助、促進、援助、教唆で、刑事責任を問われる可能性がある。

 また、戦争犯罪を計画、または扇動した者にも責任が及ぶことがある。指揮官や民間人指導者は、戦争犯罪の実行を知りながら、あるいは知るべき立場でありながら、それを防止する措置を十分に講じなかった場合(例:責任者への処罰)、指揮責任を問われ、戦争犯罪で訴追されることがある。

(11)国際法の重大な違反行為に対する説明責任を確保する上で、誰が第一義的な責任を負うのか?

 重大な違反行為に対し法の正義を確保することの第一責任は、その違反に関与した国民が属する国家の責任にある。政府は、職員またはその法的管轄下にある人びとが関与する重大な違反行為を調査する義務を負う。政府は、軍事法廷や国内裁判所などの機関が、重大な違反行為の有無を公平に調査し、国際的な公正裁判基準に従い、それらの違反行為の責任者を特定・起訴し、有罪とされた個人に対して、その行為に見合った処罰を与えるようにしなければならない。非国家武装勢力は、その内部における戦時国際法の違反者を訴追する同様の法的義務を負わないものの、戦時国際法を遵守する責任があり、裁判を行う場合には、国際的な公正裁判基準に従って実施する責任を負う。

(12)ウクライナで起きた戦争犯罪や人道に対する罪を国際刑事裁判所で裁くことは可能か?

 国際刑事裁判所(ICC)は、2002年7月1日以降に行われた大量虐殺、人道に対する罪、戦争犯罪の容疑者を調査し、起訴し、裁判にかける権限を持つ、常設的国際裁判所である。

 ただし、これらの犯罪に対して管轄権を行使できるのは、次の場合に限られる:

・犯罪がICCローマ規程の締約国の領域内で発生し、

・犯罪の容疑者がローマ規程締約国の国民であり、

・ローマ規程の締約国でない国が、裁判所書記に正式な宣言を行うことにより、問題となる犯罪について裁判所の管轄権行使を受諾し

・国連安全保障理事会がICC検察官に事件を付託した場合

 ロシアとウクライナはICCに加盟していない。しかし、ウクライナは2013年11月以降に自国領内で生じた犯罪について、同裁判所の管轄権を受諾したため、これによって裁判所への協力義務も負うことになった。2020年12月、ICC検事局は予審を終え、ICCの根拠となるローマ規程の定める基準が満たされているので、正式捜査を開始すると発表した。しかし、正式な捜査を開始する許可を、裁判官に対してまだ求めていない。また、ICCは最終手段としての裁判所であるため、国内の捜査・訴追がなされれば、ICCの活動を補完するものとなりうる。

(13)ウクライナで起きた国際犯罪を他国が起訴することは可能か?

 戦争犯罪や拷問など、国際法に違反する一部の重大犯罪は、「普遍的管轄権」適用の対象となる。これは、ある国の国内司法制度が、たとえその国の領土、あるいはその国の国民によって、あるいはその国民に対して行われなかったとしても、その犯罪を捜査し、起訴する能力を有することを意味する。1949 年のジュネーブ諸条約や拷問等禁止条約などの条約は、自国の領土内または管轄権下にある犯罪容疑者の身柄引き渡し、または起訴を、国家に義務付けている。また、国際慣習法では、その他の犯罪(たとえばジェノサイドや人道に対する罪)の責任者について、犯罪の発生場所を問わずに国家が起訴してもよいことが一般的に合意されている。

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(注1) 「模擬処刑」は、対象者に自分が処刑に導かれていると信じ込ませる拷問方法である。 これには通常、対象者に目隠しをしたり、最後の願いを語らせたり、墓穴を掘らせたりすることが含まれるが、場合によっては対象者の後頭部に空砲を発砲することまで行われることがある。(Academic Kidsから抜粋、仮訳した)

(注2) 1949年のジュネーヴ諸条約(ジュネーヴ4条約)は、 武力紛争が生じた場合に、傷者、病者、難船者及び捕虜、これらの者の救済にあたる衛生要員及び宗教要員並びに文民を保護することによって、武力紛争による被害をできる限り軽減することを目的とした以下の4条約の総称。日本は、1953年4月21日に加入。

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フィンランドとスウェーデンの軍事同盟NATO 加盟問題と両国のわが国の軍事面の関わり、さらにNATO事務総長来日の真の目的は?(その2完)

2023-02-18 13:30:00 | 国防と国家の独立性

フィンランドとスウェーデンの強み(Atlantic Councilレポートから抜粋、仮訳する。

 約131,000平方マイルのフィンランドは、面積ではヨーロッパ最大の国の5番目であるが、人口はわずか5.5百万人で、人口では大陸で24番目に大きい国です。これら 2 つのデータポイントを合わせると、フィンランドの人口密度は非常に低く、平方マイルあたりわずか24人であることがわかる。フィンランドにとって、このような小さな人口でこのような広大な陸地を守ることは決して容易ではなく、実際には、崩壊しつつあるロシア帝国からようやく解放された1917年以来、国は独立している。独立を達成し維持することは、フィンランドが徴兵による市民兵士(注12)の大規模な予備軍に支えられた小さな現役軍(今日では約30,000人の軍隊)に依存していることを意味する。完全に動員されると、フィンランドは280,000人の部隊を配備することができる。

 フィンランド最大の兵役である陸軍は、約22,000人の現役軍で構成されている。フィンランド軍は、ドイツ製の高度なレオパルト2A主力戦車の旅団に相当するフィールドであり、世界で最も優れた戦車の1つであり、保護、火力、機動性の点でアメリカのM2A2エイブラムス、イギリスのチャレンジャー155、フランスのルクレールよりも間違いなく優れている。またフィンランド軍は、世界で最高の9つである韓国製の155mm K9自走装甲榴弾砲(South Korean-built 155mm K9 self-propelled armored howitzers)を含む、ヨーロッパで最も強力な砲兵部隊の1つを持っている。

 フィンランド海軍は陸軍よりも大幅に小さく、約4,700人の要員で構成され、主に小型のパトロールおよび沿岸水上戦闘員、地雷戦艦、水陸両用上陸用舟艇、および兵站/支援船で構成されている。ハミナ級ミサイル艇(Hamina-class missile boats)(注13)の最近のアップグレードにより、フィンランドは空中、水面、水中からの脅威を監視および対抗する能力が向上した。また、その「飛行隊2020調達プログラム」(注14)は最近遅れを経験したが、フィンランド海軍は最終的に7つの古いプラットフォーム、特に1つのポフヤンマー機雷敷設艦(注15)

Finnish minelayer Pohjanmaa

 2つのハメーンマー機雷敷設艦(Hameenmaa minelayers)(注16)、4つのラウマミサイル艇(Rauma missile boats)を、砕氷と機雷戦能力を備えた4つの新しいマルチロールコルベットサイズの水上戦闘艦に置き換える。

 フィンランド空軍は、3,000人を超える現役要員で最小のサービスであるが、まもなくバルト3か国の中で最も技術的に進んだものになる可能性がある。2021年後半、フィンランドは64機の米国製F-35A第5世代戦闘機を購入する意向を発表し、最終的にレーダー回避ジェット機を飛行し、フィンランドが高度な相互運用性を維持できるようにする他の7つのヨーロッパNATO加盟国に加わった。フィンランドが2026年までにF-35Aを所有し始めると、18年代半ばから飛行してきた現在の1990年中期から配備してきたF-18sの62機艦隊も段階的に廃止し始める。

 F-35を購入する決定は、フィンランドの国防費を国内総生産(GDP)の2%以上に引き上げ、これはNATOが合意した防衛投資のしきい値である。ロシアの侵略を受けて決定された追加の資金配分は、今後数年間でこの割合をさらに増やすであろう。この資金の多くは、フィンランドの先進的でありながら高度に専門化された防衛産業に利益をもたらす。その会社のいくつかは、装甲車輪付き車両(Armoured Wheeled Vehicles)

PATRIA 6X6

砲塔付き迫撃砲システム(turreted mortar systems)(注17)

 特定のC4ISR / C5システム、およびロジ/スティクス/ソリューションなどの分野で世界をリードしている。

 同様に、スウェーデンは、大規模で洗練された防衛産業と、米国や他の主要な西側パートナーとの協力の長い歴史を持つ卓越した諜報機関に支えられて、比較的小さいながらも有能で高度な軍事力を維持している。2010年代初頭以来、スウェーデンは、ほぼすべてのサービスと機能に影響を与えたソビエト連邦の崩壊の余波で行われた縮小決定をロールバックしてきた。それにもかかわらず、多くの西側の専門軍隊と同様に、スウェーデン軍は民間部門で提供されるより有利な給与と競争するのに苦労している。その結果、その現役部隊はわずか14,600人の軍隊とやや小さいままである。2018年に復活したばかりの徴兵制は、冷戦中に利用可能な10万人のほんの一部であるわずか10,000人の予備軍をもたらした。

 とにかく、スウェーデン軍は一連の高度な能力を持っている。陸上領域では、7,000人の強力なスウェーデン軍が、ドイツ製のレオパルト2A主力戦車、米国製のパトリオット防空システム、およびスウェーデン独自のCV90歩兵戦闘車(Combat Vehicle 90)を配備している。

 スウェーデンの陸軍も、空挺大隊を含む幅広い能力を持っています。 化学、生物、および核防衛会社。 2つの戦闘工兵大隊; そして2つの砲兵大隊。 これらのフィールドの最後のものは、世界で最高の 1 つとして評価された、高性能の自走式アーチャー 155 mm 砲兵システム(self-propelled Archer 155mm artillery system)(注17)で、世界で最高の1つと判断される人もいる。

 約2,700人の軍隊で構成されるスウェーデン空軍は、約100機のマルチロール(およびスウェーデン製)のJAS 35グリペンジェットによって固定されているす。厳格で寒い天候条件で単独で戦う可能性がある必要性を反映して、グリペンはメンテナンスをほとんど必要とせず、短い離着陸ができるように作られた。その結果、飛行時間あたりのコストは、たとえばF-35のほんの一部である。

 スウェーデン海軍は、約2,100人の人員を擁する3つの国防サービスの中で最小であるが、世界で最も先進的な機器のいくつかを運用している。スウェーデン製のゴットランドディーゼル電気潜水艦(Gotland diesel-electric submarine)(注18)は、空気に依存しない推進システムを備えた最初の非原子力潜水艦であり、水中での耐久性を数日から数週間に延長   する。それにもかかわらず、スウェーデン海軍は、フィンランド海軍と同様に、一般的にブルーウォーター海軍ではなく、両国の海軍は主にバルト海で活動するように構成され、装備されている。これはスェーデンとフィンランドの両方の明らかな脅威認識と関連するセキュリティの優先順位を反映している。この地域におけるロシアの脅威の永続的な性質を考えると、同盟のメンバーシップがこの点で変化をもたらす可能性は低い。

 フィンランドとは異なり、スウェーデンは防衛費のGDPの 2% のしきい値をまだ超えていない。 しかし、スウェーデン政府は、2021 年から 2025 年までの期間の防衛予算を 40% 増額することを承認し、2022 年の 72 億ドル(約9648億円)から 2025 年までに 110 億ドル(1兆4700億円)に総額を増やし、70 年間で最大の防衛費の増加をマークした。 スウェーデンはまた、2025 年までに最終動員力を 90,000 人まで増やすことを法律で定めた。2022 年 2 月にロシアがウクライナに侵攻して以来、スウェーデンの中道左派政権は、防衛のためにより多くの資金を提供することを約束し、2% の目標を 今後数年、早ければ 2028 年に達成する能性がある。

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(注12) フィンランドの徴兵制-フィンランドの選択(Conscription - a Finnish choice)

フィンランド国防軍サイトから抜粋、仮訳

 フィンランドの一般徴兵モデルによって生産された有能なユニットと大きな予備のおかげで、フィンランドに対する潜在的な武力行使に対する信頼できる先制基準があり 必要に応じて国全体を守る。徴集兵サービスは、国防軍’の準備を作成および維持し、軍の国防任務のための徴集兵を訓練する。

 フィンランドは軍事同盟NATOのメンバーではないため、自国で領土を守る用意がある。フィンランドの徴兵は安全保障環境の要件を満たし、陸軍、海軍、空軍が危機や戦争の状況で効果的に行動するための十分なリソースを生み出す。徴兵制は、大規模で有能な予備金を生成する費用対効果の高い方法である。

 フィンランド憲法第12章(National defence)第127条(Maanpuolustusvelvollisuus)によると、すべてのフィンランド国民は国防に参加する義務がある。18歳から60歳までのすべてのフィンランド人男性は兵役の責任を負い、女性は自発的に兵役を申請することができる。 兵役の責任者は、武装または非武装の兵役または非軍の(民事)の兵役を完了する必要がある。兵役中、徴集兵は質の高い軍事訓練を受ける。兵役を終えた後、彼らはフィンランド国防軍’予備軍に召集される。

*フィンランド憲法第 12 章国防第127条【国家奉仕】の筆者仮訳

すべてのフィンランド市民は、祖国の防衛に参加するか、法律の規定に従って祖国を支援する義務がある。

有罪判決に基づいて軍事国防への参加を免除される権利は法律で規定される。

(注13) ハミナ級ミサイル艇(フィンランド語: Hamina-luokan ohjusvene, 英: Hamina class missile boat)は、フィンランド海軍のミサイル艇。1998年-2006年に4隻建造された。(wikipediaから抜粋 )

(注14) 戦隊2020はフィンランド海軍のプロジェクト。その目的は、海軍が廃止する7隻の船を交換することである。廃止される船舶を交換するために、4隻の最新のコルベットが調達される。マルチロールコルベットは、一年中海上で海軍の任務の範囲を効果的に遂行できる水上戦闘員である。

multi-role corvette

(注15) 2022.3.4にフィンランドとネザーランドは、ネザーランドが保有するレオパルト2A6主力戦車(MBT)の残りの在庫のほとんどを4年間でフィンランドに約2億ユーロ(約298億円)で譲渡することに合意した。 カール・ハグランド国防相は先週の木曜日に買収を承認した。合意に基づき、フィンランドはネザーランドからLeopard 6A10戦車100台を調達し、10年間の運用を維持するロジスティクスパッケージとスペアパーツを調達した。協定は、1月20日にオランダでハグランドと彼のオランダのカウンターパートであるジェニーンヘニスプラスチャートによって署名される予定である。納入は2015年に開始され、2019年まで継続される予定である。(PARTYARD MILITARYサイトから抜粋、仮訳)

(注16)ヘメンメア級機雷敷設艦(フィンランド語: Hämeenmaa-luokan miinalaiva, 英語: Hämeenmaa class minelayer)は、フィンランド海軍の機雷敷設艦。1992年に2隻建造された。船体は鋼性・上部構造物は合金で造られており、砕氷能力を有している。また、ステルス性への配慮がされている。

 2006年から2008年に近代化改修が行われ、艦砲、艦対空ミサイル、近接防御能力、レーダーなどの電子機器の装備が強化された。(Wikipedia から抜粋 )

https://www.businessinsider.com/swedish-gotland-class-carrier-killer-subs-give-nato-undersea-advantage-2022-7

(注17)アーチャー自走榴弾砲(、FH77BW L52、英語: ARCHER Artillery System、スウェーデン語: Artillerisystem 08)は、スウェーデンとノルウェーが共同で開発した新世代の自走榴弾砲である。アーチャーは、ボルボ建設機械製の6×6(六輪駆動)ダンプトラックA30Dのシャーシを基にし、荷台部分に52口径155mm榴弾砲FH77/Bを搭載した砲塔を搭載している。この砲塔は自動装填装置によって完全に無人化されており、砲塔に搭載された砲弾と発射薬の装填作業と射撃はすべてキャビンからの指示と操作に基づいて自動的に機械が行う。そのため、数分で何十発もの砲撃が可能となっている。また、GPSを内蔵した榴弾が発射可能となっており、長距離からの精密射撃も可能である。(Wikipediaから抜粋 )

(注18) ゴットランド-クラスの潜水艦(Gotland-class submarines)は 近代化されたスウェーデン海軍 の ディーゼル電気潜水艦であり、スウェーデンのコッカム 造船所で設計および構築された。彼らは世界で最初に潜水艦を特集し、スターリングエンジン 空気に依存しない推進力 ( AIP )システムで起動。水中耐久性を数日から数週間に延長した。 この機能は、以前は 原子力潜水艦でしたかできなかった。(Wikipedia から抜粋、仮訳)

詳細情報はNaval news(Saab Delivers 2nd Upgraded Gotland-Class Submarine To Sweden)を参照。

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