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アイルランドのデータ保護委員会はEUデータ保護会議(EDPB)の仲裁を経てWhatsappに2億2,500万ユーロ(約290億2500万円)の罰金を科す

2021-09-03 14:11:20 | 個人情報保護法制

 9月3日、筆者の手元に大手ローファームFox Rothchild LLP記事「アイルランドのデータ保護委員会はWhatsappに2億2,500万ユーロ(約325億90万円)の罰金を科す:EU域内の事業者が知っておくべきこと」というレポートが届いた。なお、アイルランドのメディアによるとWhatappはDPCの決定を不服とし、今後アイルランドのHight Court(注1)または直接に欧州司法裁判所(CJEU)に持ち込むことになろうと報じている。

 筆者は罰金額の大きさよりも、事実関係特にアイルランド情報保護委員(Data Protection Commission:DPC))の域内の情報保護機関との交渉不成立、さらに2021年6月3日にGDPBへの紛争解決プロセス(GDPR第60条、第65条)を発動させた点が気になった。

 そこで、今回のブログは、(1)Fox Rothchild LLP記事にもとづきWhatsappの違法性判断の根拠の整理、(2)アイルランド・データ保護委員会(Data Protection Commission:DPC)の事実関係、経緯も含めた解説サイト内容の解析、(3)EUの仲裁機関であるデータ保護会議(EDPB)の仲裁内容、特にGDPR第65条や第60条の関係にかかる解釈問題などを公的資料等にもとづき論じるものである。

1.Fox Rothchild LLP記事「アイルランドのデータ保護委員会はWhatsappに2億2,500万ユーロの罰金を科す:EU域内の事業者が知っておくべきこと」仮訳

 同記事では明確でないが、アイルランドの記事を読むと「具体的には、WhatsAppがGDPRの第14条(注2)に違反していることが判明し、データ管理者はデータの収集方法と処理方法に関する十分な情報をデータ主体に提供する必要があると述べている」

 アイルランドのデータ保護委員会は、Facebookが所有する人気メッセージングアプリWhatsAppに2億2,500万ユーロ(約325億900万円)の罰金を科した。(注1-2)

 GDPRの対象となる企業の主な責務・問題点を次に示す。なお、わが国の保護機関である情報保護委員会も含め読者はこれらの問題指摘をどのように受け止めるであろうか。厳格すぎる?

(1)プライバシー通知の開示の起草にあたっての留意点

①ユーザーに対しプライバシーに関する通知の開示を提供する場合、それらを理解しやすさがなければならない。また関連する開示内容を1か所に保つことが重要である。ユーザーが多くのドキュメントをクリックして、繰り返し行う情報を照合させないでください。長く続くスクロールをもってスクロールさせるべきでない。

②業界の他の同業者がそれを行っているという事実は、GDPRへのコンプライアンスの決定に影響を与えない。このような議論を使用することは、GDPRが要求するコンプライアンス基準は、立法者ではなく、業界の特定のセクターのメンバーによって決定されるかもしれないと言うのと同じである。

③非ユーザーの情報を処理する時は、その情報の使用に関する目的や処理方法について十分な開示を行う必要がある。その場合、ユーザーのプライバシーに関する通知ではなく、非ユーザーが見つかる可能性のある場所を指定する必要がある。

④個人データのカテゴリ、特定の処理や操作の目的、およびこの処理操作に依存する法的根拠との間には明確なリンクが必要である。これらの項目につきそれぞれに関連しない長い箇条書きリストだけでは不十分である。

⑤処理を詳細な記述について例示する。例えば、「(t)o の安全性とセキュリティを促進する」だけでは、この目的を達成するために、ユーザーの個人データ(具体的には、どのように使用されるか、どのような文脈で使用されるか)に適用される処理や操作に関する指示を提供しない。また、「安全・安心の促進」のみでは、一般的な目的で個人データを処理する際に、どのような目的が追求されているかを十分に理解することはできない。

⑥位置情報に関する別の留意事項: 会社がユーザーの位置情報に対してさらに処理や操作を実行するかどうか、また、その場合はどのような処理操作を実行するかは明確にする必要がある。

(2)データ保持について:

①「当社のサービスを提供する必要がなくなるまで、またはアカウントが削除されるまで、のいずれかが先に来る」という文言は、ユーザーが自分のアカウントを削除した場合、会社が自分のデータを処理しなくなるという印象を与える点で、やや誤解を招く。

②ストレージ制限原則への準拠に対する説明責任を示すために、各基準が保持期間に与える影響の実用的な例を示す必要がある。

(3) 第三国への情報の移送について:

(i)移送が妥当性決定に従う、または(ii) 移送が適切な判断を受け、データ主体が、適切な判断に依存している、あるいは代替方法 (SCCs のコピー) に関する、より多くの情報にアクセスすることを可能にすると述べるべきである。

「適用可能な場合(if applicabl)」は、妥当性の決定に依存する可能性がある(may)と言うだけでは不十分である。

 また、一般的な欧州委員会のウェブページへのリンクを提供するだけでは不十分である。

2.2021.9.2 アイルランド情報保護委員会リリース「データ保護委員会はWhatsAppの調査結果についての決定を発表」の内容

 以下、仮訳する。

 アイルランド・データ保護委員会(Data Protection Commission:DPC)は9月2日、FaceBookの子会社WhatsApp Ireland Ltdに対して実施したGDPR遵守調査の結論を発表した。DPCの調査は2018年12月10日に開始し、WhatsAppが WhatsAppのサービスのユーザーと非ユーザーの両方に対するその情報の透明性という情報の提供に関するGDPRの透明性保持義務を果たしたかどうかを調査した。これには、WhatsAppと他のFacebook企業との間の情報の処理に関してデータ主体に提供される情報も含まれた。

 長期にわたる包括的な調査の後、アイルランドDPCは2020年12月にGDPR第60条 に基づいてすべての関係監督当局(Concerned Supervisory Authorities :CSA)に決定案を提出した。その後、DPCは8つのCSAから異議を申し立てられた。DPCは、異議申し立ての主題についてCSAと合意に達することができず、2021年6月3日に紛争解決プロセス(GDPR第65条)を発動させた。

 2021年7月28日、欧州データ保護会議(European Data Protection Board:EDPB)は拘束力のある決定を採択し、この決定はDPCに通知された。この決定には、EDPBの決定に含まれる多くの要因に基づいて、DPCが提案された罰金を再評価および増額することを要求する明確な指示が含まれ、この再評価に続いて、DPCはWhatsAppに2億2,500万ユーロの罰金を科した。

 DPCは、行政罰金の賦課に加えて、EDPBの決定に従い3カ月以内にWhatsAppが特定の一連の是正措置を講じることにより、その処理をコンプライアンスに準拠させるよう命令するとともに、懲戒処分(reprimand )を課した。

 EDPBは、第65条の決定と最終決定をそのウェブサイトで公開している。 

3.EDPBの2021.7.28「GDPR第65条(1)(a)に基づくWhatsAppIrelandに関するアイルランド監督当局の決定案に基づいて生じた紛争に関するEDBの拘束力のある決定1/2021 」の概要

(1)2021.7.28 EDPBは「GDPR第65条(1)(a)に基づくWhatsApp Irelandに関するアイルランド監督当局の決定案に基づいて生じた紛争に関するEDBの拘束力のある決定1/2021 」を公表した。以下、仮訳する。

 アイルランドDPC(IE SA)の決定内容は、一貫性メカニズムで処理される問題について監督当局および裁判所が下した決定に関するEDPBの公式記録レジスター(ダウンロード可)、または直接ここ9/3④で閲覧ができる。なお、 IE SAの決定のミスプリ正誤表は、直接入手できる。 

(2)EDPB決定の原本「In the matter of the General Data Protection Regulation:DPC Inquiry Reference: IN-18-12-2」:表題は以下のとおりである。大部なものであり、要旨は本ブログの第1節で述べているので、仮訳は略す。

「In the matter of WhatsApp Ireland Limited:Decision of the Data Protection Commission made pursuant to Section 111 of the Data Protection Act, 2018 and Articles 60 and 65 of the General Data Protection Regulation

Further to an own-volition inquiry commenced pursuant to Section 110 of the Data Protection Act,2018」(全266頁)

4.GDPR第60条、第65条の内容

 わが国では翻訳(一般財団法人日本情報経済社会推進協会「個人データの取扱いに係る自然人の保護及び当該データの自由な移転に関する欧州議会及び欧州理事会規則(一般データ保護規則)」(仮日本語訳))はあるが、これらの内容につき具体的に言及したものはない。GDPRをめぐる域内の紛争調整機能、さらに欧州司法裁判所への異議申し立て可能性の道をFAQの内容とともに概観する。

第60条 【主監督機関とその他関係監督機関との協力】

  1. 主監督機関は、本条に従い、合意に達するよう努めつつ、その他関係監督機関と協力しなければならない。主監督機関及び関係監督機関はすべての関連情報をお互いに交換しなければならない。
  2. 主監督機関は第61条により相互支援をいつでも他の関係監督機関に要求することができ、第62条による共同作業(特に調査の実行又は他の加盟国に拠点のある管理者又は取扱者に関する措置の実施の監視)を指揮することができる
  3. 主監督機関は、遅滞なく、事案に対する関連情報をその他関係監督機関に通知しなければならない。主監督機関は遅滞なく決定案をその他関係監督機関に意見収集のために送付するものとし、その他関係監督機関の考え方を考慮しなければならない。
  4. 本条第3項に従って協議された後4週間以内にその他関係監督機関が決定案に対し適切及び合理的な不服を表明する場合、主監督機関は、主監督機関が適切及び合理的な不服に従わない又は不服が適切及び合理的でないという意見であるならば、第 63 条で定める一貫性メカニズムに事案を送付するものとする。
  5. 主監督機関が適切かつ合理的な不服に従うことを意図する場合、主監督機関は意見をもとに修正された決定案をその他の関係監督機関に送付するものとする。修正された決定案は2週間以内に第4項で定める手続に従うものとする。
  6. すべての関係監督機関が第4項及び第5項で定める期間内に主監督機関によって送付された決定案に不服を唱えなかった場合、主監督機関及び関係監督機関は、当該決定案に合意したものとみなされ、それによって拘束されるものとする。
  7. 主監督機関は決定を採択し、主たる事業所又は管理者若しくは取扱者の単一の事業所に決定を通知するものとし、場合に応じて、主監督機関はその他関係監督機関及び欧州データ保護会議に当該決定を通知するものとし、その決定には関連する事実及び根拠を含むものとする。不服申立てがなされた監督機関は決定を申立人に通知しなければならない。
  8. 第7項の例外として、不服申立てが棄却又は拒否された場合、不服申立てがなされた監督機関は決定を採択し、決定を申立人に通知するものとし、管理者にその旨を通知しなければならない。
  9. 主たる監督機関及び関係監督機関が不服の一部を棄却又は拒否し、不服のその他部分を実行することに合意した場合、分離された決定は事案のそれぞれの部分で採択されるものとする。主監督機関は、管理者に関する行動にかかわる部分の決定を採択し、加盟国の領域上の管理者又は取扱者の主たる事業所又は単一の事業所に決定を通知し、その旨を申立人に通知するものとする、一方で申立人の監督機関は不服の棄却又は拒否に関わる部分の決定を採択するものとし、当該申立人に決定を通知し、その旨を管理者又は取扱者に通知しなければならない。
  10. 第7項及び第9項により主監督機関の決定が通知された後、管理者又は取扱者は、EU域内のすべての事業所における取扱い活動に関連し、決定の遵守を確実にする必要な措置をとらなければならない。管理者又は取扱者は、決定の遵守のためにとられる措置を主監督機関に知らせるものとし、主監督機関はその他関係監督機関に通知しなければならない。
  11. 例外状況において、関係監督機関がデータ主体の利益を保護するために行動する緊急の必要性があると考えられる理由がある場合、第66条で定める緊急手続が適用されるものとする。
  12. 主監督機関及びその他関係監督機関は、本条に基づき要求される情報を電子的手段により、標準化された形式を利用して、互いに供給するものとする。

第 65 条【 欧州データ保護会議による紛争解決】

  1. 個別の状況において本規則の正確かつ一貫した適用を確実にするため、次に掲げる場合に、欧州データ保護会議は拘束的決定を採択するものとする。

(a) 第60条第4項で定める事案において、関係監督機関が主監督機関の決定案に対して適切かつ合理的な不服を申し立てた場合、又は主監督機関が適切又は合理的ではないとし

て不服を拒否した場合。拘束的決定は適切かつ合理的な不服のあらゆる対象事項を考慮

(特に本規則違反があるか否か)するものとする。

(b) どの関係監督機関が主たる事業所の管轄権を有するかという見解に対立がある場合。

(c) 管轄監督機関が第64条第1項で定める場合において欧州データ保護会議の意見を要請しない場合、又は第64条に基づき表明された欧州データ保護会議の意見に従わない場合。この場合、あらゆる関係監督機関又は欧州委員会は欧州データ保護会議に状況を通知することができる。

  1. 第1項で定める決定は対象事項の照会から1カ月以内に、欧州データ保護会議の会員の3分の2以上によって採択されるものとする。この期間は対象事項の複雑性を理由にさらに1カ月延長することができる。第1項で定める決定は、主監督機関及びすべての関係監督機関に対し下され及び通知され、並びにそれら機関を拘束するものとする。
  2. 欧州データ保護会議が第2項で定める期間内に決定を採択することができなかった場合、欧州データ保護会議は第2 .項で定める2カ月目終了から2.週間以内に欧州データ保護会議の会員の単純多数で決定を採択しなければならない。欧州データ保護会議の会員が分かれた場合、決定は議長の投票によって採択される
  3. 関係監督機関は第1項に基づく欧州データ保護会議に送付された対象事項の決定について第2項及び第3項で定める期間に採択してはならない。
  4. 欧州データ保護会議の議長は遅滞なく第1項で定める決定を関係監督機関に通知しなければならない。会議の議長はその旨を欧州委員会に通知しなければならない。決定は監督機関が第6項で定める最終決定を通知した後、欧州データ保護会議のウェブサイトで遅滞なく公開されなければならない。
  5. 主監督機関又は、状況に応じて、不服が申し立てられた監督機関は、本条第 1 項で定める決定に基づき最終決定を、遅滞なく、遅くとも欧州データ保護会議が決定を通知した後1カ月以内に、採択しなければならない。主監督機関又は、状況に応じて、不服が申し立てられた監督機関は、最終決定が管理者又は取扱者及びデータ主体それぞれに通知された日付を欧州データ保護会議に通知しなければならない。関係監督機関の最終決定は第60条第7項、第8項及び第9項の規定に基づき採択されなければならない。最終決定は本条第1項で定める決定を参照するものとし、当該項で定める決定が本条第5項に従って欧州データ保護会議のウェブサイトで公開されることを明記しなければならない。最終決定は本条第1項で定める決定を添付するものとする。

 なお、GDPR第65条の運用についてはかなり複雑な問題を含んでいることからEDPBはFAQ(全4頁)で詳しく解説している。このFAQに関し、筆者はわが国で具体的な解説は見た記憶はない。

 ここでは、項目のみあげるが、必要に応じ一部仮訳した。

(1)GDPRの下で国境を越えた協力はどのように機能するのか? 

(2)誰が紛争解決メカニズムを発動できるか? 

(3)第65条の下でEDPBに訴訟が提起された。次に何が起こるか? 

(4)GDPBの決定は誰に向けられて発出されるのか? 

A:.紛争解決メカニズムの下で下されたすべてのGDPBの決定は、全データ保護監督機関(SAs)に向けられ、その決定は彼らを拘束する。 

(5)次に何が起きるのか?

(6)EDPBの決定はいつ公開されるのか?

(7)域内加盟国保護機関( SAs)はEDPBのGDPR第65条の下での決定に挑戦できるのか? 

A:EDPB決定の宛先として、それらに異議を申し立てることを希望する関連するSAは、通知を受けてから2か月以内に欧州司法裁判所(CJEU)に訴訟を起こすことができる。

(8) コントローラー、プロセッサー、または申立人は、DPBによる第65条の決定に異議を申し立てることができるか? 

(9)紛争解決メカニズムを引き起こす可能性のある他の状況はあるのか? 

A:GDPR第65条に基づいてEDPBが採択した決定は、EDPBの決定に基づいて最終決定を採択するため、各国のSAを「拘束」する。EDPBの拘束力のある決定は、主に域内のSAに対処しており、それらを拘束する。

 EDPBの決定がコントローラー、プロセッサーまたは申立人にとって直接かつ個別の懸念事項である場合、本条に従って、欧州司法裁判所(CJEU)にEDPB Webサイトに公開されてから2か月以内に、EDPBの決定に対する無効化の訴訟を起こすことができる。

*****************************************************************************************:

(注1)アイルランドのHight Courtについて Citizens Information Board の資料から一部抜粋、仮訳する。

 法律か事実か、民事か刑事かを問わず、すべての問題と質問を決定することができる。High Courtは国のすべての地域からの訴訟に対処することができ、裁判所が補償または損害賠償として与えることができる金額に一般的な制限または制限はない。

特定のより重大な民事事件(名誉毀損または暴行による損害賠償請求など)では、裁判官が高等裁判所で陪審員と一緒に座ることがある。すべての場合において、評決を決定するには、12人の陪審員のうち9人の過半数の投票が必要である。

High Courtは次のことができる。

①75,000ユーロ(約967万円)以上の損害賠償請求に関する訴訟を聞く(人身傷害の場合は60,000ユーロ(約774万円))。

②法律の有効性についての質問を聞く。

③民事に関する巡回裁判所(Circuit Court )からの控訴を聞く。

④司法審査によりすべての下級裁判所の決定を審査する

地方裁判所(District Court によって提出された法律の問題について裁定を下し、法律によって提供される他の特定の状況で上訴を聞くことができる。

⑥特定の審判の決定を確認する。

公的機関による特定の決定(たとえば、移民問題に関する法務大臣の決定)を確認する。DPCが該当しようか?

(注1-2)2億2,500万ユーロ罰金の内訳につきローファームCovington& Buring LLPが解説している。その一部を引用、仮訳する。

・個人データが合法的、公正、透明性を持った方法で処理されるという要件を侵害したことによる9000万ユーロ。

・明確で平易な言葉を使って、簡潔で透明で分かりやすく、簡単にアクセスできる形で必要な情報を提供しなかったことによる3000万ユーロ。

・データ主体に対し収集した個人データに関する必要な情報を提供しなかったことによる3000万ユーロ。

・データ主体から個人情報が取得されていない情報をデータ主体に提供すべき要件を侵害したことによる7500万ユーロ。

(注2)GDPR第14条を引用する。

第 14 条 データ主体から個人データを取得しない場合に提供される情報

1.個人データがデータ主体から取得されない場合、管理者は次に掲げる情報をデータ主体に提供しなければならない。

(a) 管理者の身元及び詳細な連絡先、もしあるならば、管理者の代理人。

(b) 該当する場合、データ保護オフィサーの詳細な連絡先。

(c) 意図された個人データの取扱い目的、及び取扱いの法的根拠。

(d) 関連する個人データの種類。

(e) 該当する場合、取得者又は個人データの取得者の種類。

(f) 該当する場合、管理者が個人データの移転を意図する第三国若しくは国際組織及び欧州委員会による十分性決定の有無に関する事実、又は第 46 条若しくは第47条、若しくは第49条第1項後段で定める移転状況において、適切若しくは適正な保護措置及び個人データの複製を取得する方法若しくは個人データが利用可能になる条件に関する情報。

2.第1項で定める情報に加え、管理者は、データ主体に関連する公正で透明性のある取扱いを保証するために必要な次に掲げる情報をデータ主体に提供するものとする。

(a) 個人データが保存される期間、もし不可能であるならば、当該期間を決定するのに用いられる基準。

(b) 取扱いが第6条第1項(f)号に基づく場合、管理者又は第三者によって求められる正当な利益。

(c) 管理者に対し個人データへのアクセス、訂正又は消去、データ主体についての取扱いの制限を要求する権利、又は当該取扱いに不服を申し立てる権利とともに、データポータビリティーの権利の存在。

(d) 取扱いが第6条第1項(a)号又は第9条第2項(a)号に基づく場合、撤回前の同意に基づく適法な取扱いに影響を与えることなしに、いつでも同意を撤回する権利の存在。

(e) 監督機関に不服を申し立てる権利。

(f) 個人データが発生した情報源、もしあてはまるならば、一般の人々がアクセスできる情報源から来たものであるか否か。

(g) プロファイリングを含め、第22条第1項及び第4項で定める自動化された意思決定の存在、少なくともそのような状況において、関連する論理について意味ある情報、データ主体に関する当該取扱いの意義及び予測される結果。

3.管理者は第1項及び第2項で定める情報を次に掲げる時期に提供するものとする。

(a) 個人データが取り扱われる具体的状況を考慮し、個人データの取得後合理的期間内。ただし、遅くとも1カ月以内。

(b) 個人データがデータ主体に連絡を取るために使われるならば、遅くとも当該主体に初め

て連絡した時点。

(c) 他の取得者への開示が予測されるならば、遅くとも個人データが初めて開示される時点。

4.管理者が個人データを取得した目的以外の目的で個人データを追加的に取扱うことを意図する

場合、管理者は当該他の目的に関する情報及び第2項で定めるようなあらゆる関連性のある追加的情報を追加的取扱いがなされる前にデータ主体に提供しなければならない。

5.第1項から第4項は次に掲げるいずれかの場合は適用されない。

(a) データ主体がすでに情報を所持している場合。

(b) 情報の提供が不可能であるか、若しくは過度の困難を伴う場合。特に公共の利益の目的、科学的若しくは歴史的研究目的又は統計目的達成に関する取扱い。ただし、第89条第1項で定める条件及び保護措置に従っているか、又は本条第1項で定める義務が実施できそうにない若しくは当該取扱いの目的の達成が損なわれる場合に限る。このような場合、管理者は、特に情報を公然と入手し得るようにすることを含め、データ主体の権利及び自由並びに正当な利益のために適切な対策をとるものとする。

(c) 取得又は開示が、データ主体の正当な利益を保護するための適切な対策を規定している

管理者が服する EU 法又は加盟国の国内法によって明確に規定されている場合。

(d) 個人データが機密のままであるべき場合。ただし、法令の守秘義務を含め、EU 法又は加盟国によって規定されている職務上の守秘義務に服する。

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中国政府の一連の未成年者保護法及び未成年者犯罪予防法の改正動向や国家新聞出版局の未成年者のオンラインゲームにより制限を課す通知発出等の動きの真の背景?

2021-09-01 18:51:06 | 中国の立法・法制度

 中国政府は近年、Aribaba(注1)やTencent(注2)など先端AI企業に対する独禁法等規制強化の一方で、オンラインゲーム等インターネットの悪影響から未成年者保護強化に向けた取組を一層強化している。

 具体的な項目を以下あげる。

(1) 2020年10月17日改正の未成年者保護法は、インターネットからの心身の保護等を、また同年12月26日改正の未成年者犯罪予防法は、「専門学校」による矯正制度等を新たに整備した。

 (2) 2018年8月30日 TechCrunch記事「中国大手インターネットTencentは中国のインターネット大手Tencent(腾讯)は、未成年者を確実に特定して子供たちがゲームをプレイできる時間を制限できるようにするために、ビデオゲームに新しい年齢チェックシステムを導入することを発表した。子供のオンラインゲームを警察のIDチェックと同等と見なす計画されたID検証システムは、中国のゲーム業界で初めてのものであり、未成年のプレーヤーを正確に識別し、既存のプレイ時間制限を課すことができるというものである。

 (3) 2019年3月28日 中国の国家サイバースペース管理局(国家互联网信息办公室:CAC)は、「若者の中毒予防作業を試験的に行うための短いオンラインビデオプラットフォームを組織した」と報じた。すなわち、同日、CACは、Douyin(抖音)(注3)、Kuaishou (快手)(注4)Volcano Video(火山小视频))などの短いビデオプラットフォームを指導および編成し、若者の依存症対策システムを試験的に開始した。これは、未成年者の健全な成長を保護し、業界の社会的責任を果たし、良​​好なネットワーク環境を構築するための革新的な重要性を持つ、若者の中毒予防作業を実行するオンラインショートビデオの分野での最初の試みである。

 (4) 2021年7月27日、ユーザー会員数が10億以上といわれているFincent Chat(微信)は詳細不明の技術的アップグレードを理由に登録を一時的に停止した。その後8月25日に再開している。

 (5-1)2021年8月30日 国家新聞出版局(国家新闻出版署)は、未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぐために、より厳格な管理に関する通知を発布した

 (5-2)2021年8月30日 8国家新聞出版局(国家新闻出版署)は、未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぐために、より厳格な管理に関する通知記者会見

 (6) これら一連の真の狙い実名アカウントの義務化、ネットワーク情報の国家統制強化は間違いない?

  今回のブログは、これらの内容を逐一解説するとともに、習 近平最高指導者を中心とする中国政府執行部の取組課題を追うとともに、この問題の本当の狙いを観察する点.にある。

 1.「未成年者保護法」及び未成年者犯罪予防法の改正動向

 海外立法情報課 湯野 基生「【中国】未成年者保護法及び未成年者犯罪予防法の改正」(全4頁)(外国の立法 No.288-1(2021.7)国立国会図書館 調査及び立法考査局)から一部抜粋する。

*2020年10月17日改正の未成年者保護法は、インターネットからの心身の保護等を、同年12月26 日改正の未成年者犯罪予防法は、「専門学校」による矯正制度等を新たに整備した。

【背景と経緯】2018 年に策定された第13 期(2018~2022 年)全国人民代表大会の立法計画では、未成年者保護法の改正及び未成年者犯罪予防法の改正をセットで検討することが明記された。

(1)未成年者保護法

 未成年者保護法は 1991 年に制定され、2006 年に全部改正された。今回の改正では、近年の中国で関心の高い、父母又は後見人(以下「保護者」)及び未成年者(18 歳未満の中国公民)と密接に関わる組織の人員による未成年者に対する放置・虐待、学校内での暴力・いじめ、オンラインゲーム等のインターネット中毒等の問題を中心に据えて、法案が作成され、2020 年10 月 17 日、改正法が採択・公布され、2021 年 6 月 1 日から施行された。

(2)未成年者犯罪予防法

 刑事責任年齢6未満の未成年者に対する制度として、必要に応じて政府が専用施設に収容して再教育する「収容教養」及び非行未成年者の矯正を目的とする「専門学校」等が存在した。これらは施設不足等により、長らく有効に機能していなかったが、2016 年以降、中国共産党中央及び国務院により、非行未成年者矯正の中核施設として専門学校を整備強化する方針が示された。

未成年者犯罪予防法(1999 年制定)の初の全部改正となる改正法は、2020年12月26 日に採択・公布され、2021年6月1日から施行された。改正法では「収容教養」の名称は削除され、専門学校が担う「専門教育」制度が規定された。

2.中国のインターネット大手Tencent(腾讯)は、未成年者を確実に特定して子供たちがゲームをプレイできる時間を制限できるようにするために、ビデオゲームに新しい年齢チェックシステムを導入することを発表

 2018.9.6 TechCrunch 「政府の取り締まりの中でゲーマーの年齢確認チェックを強化する傾向がある」仮訳する。

 中国のインターネット大手Tencent(腾讯)は、未成年者を確実に特定して子供たちがゲームをプレイできる時間を制限できるようにするために、ビデオゲームに新しい年齢チェックシステムを導入することを発表した。

 新しい実名ベースの登録システムは、当初、人気のある王者栄耀のファンタジー・マルチプレイヤー・ロールプレイングバトル・アリーナ(MOBA)(注5)ゲームの新規プレイヤーに義務付けられた。ロイター通信によれば、2018年9月15日頃に導入される予定である。

 Tencentの新システムは、ブルームバーグによると警察のIDチェックと同等と見なす計画されたID検証システムであり、中国のゲーム業界で初めてのものであり、未成年のプレーヤーを正確に識別し、既存のプレイ時間制限を課すことができると主張した。

 2017年7月、Tencentは、12歳までの子供には1日最大1時間、13歳から18歳までの子供には1日最大2時間のプレイ時間を課すと述べた。しかし、子供が年齢チェックを回避できれば、そのような制限は無意味である。

 「これらの措置を通じて、Tencentは、未成年のプレーヤーを賢明にゲームに導くためのより良いガイドを継続したいと考えている」と、強化されたチェック方法についての公式WeChatアカウントの声明で述べ、また、要件を他のゲームにも徐々に拡大する予定であるとも述べている。

 合計で、Tencentのゲーム・ポートフォリオには 中国に5億人以上のプレーヤーがいると報告されている。

 この動きは、健康問題や子供たちの中毒への恐れをめぐるビデオゲームに対する中国政府による取り締まりの真っ只中にある。2018年8月30日、中華人民共和国教育部:MOEのウェブサイトに掲載された声明(注6)は、未成年者の近視の悪化に対抗するために新しい縁石が必要であると述べた。

 各大臣たちは、子供たちがゲームをプレイできる時間を制限したいと長い間述べてきた。ただし、ビデオゲームの人気とアクセス可能なデバイスの急増を考えると、その結果を達成することは明らかに大きな課題である。

 年齢確認を公安データベースにリンクするというTencentの動きは、政府が子供のデジタル活動も管理するという目標を達成するための重要な新しい一歩を表しているようである。

 2017年、中国政府は一般的なインターネット規制も強化し、長年の実名登録規則を倍増させた。

3.2019年3月28日 中国の国家サイバースペース管理局(国家互联网信息办公室:CAC)は、「若者の中毒予防作業を試験的に行うための短いオンラインビデオプラットフォームを組織した」と報じた

 3月28日、国家サイバースペース管理局は、Douyin(抖音)、Kuaishou(快手)、Volcano Video(火山小视频)などのショート・ビデオ・プラットフォームを指導および編成し、若者の依存症対策システムを試験的に開始した。これは、未成年者の健全な成長を保護し、業界の社会的責任を果たし、良好なネットワーク環境を構築するための革新的な重要性を持つ、若者の中毒予防作業を実行するオンラインショートビデオの分野での最初の試みである。

 今回試運転する「青少年ゲーム中毒防止システム(青少年防沉迷系统)」は、ショート・ビデオアプリに組み込まれている。毎日初めてアプリを起動すると、ポップアップ・ウィンドウが表示され、保護者と10代の若者は、より使いやすい「ユース・モード(青少年模式:Youth Mode)」を選択する。「ユース・モード」に入った後は、ユーザーの利用時間、サービス機能、オンライン時間の制限があり、ユーザーはティーンエイジャー専用のコンテンツプールにしかアクセスできない。また、地理的位置の特定やユーザーの行動分析などの技術的手段を通じて、農村地域の取り残された子供ユーザーのスクリーニングを試験的に行い、自動的に「ユース・モード」に切り替える。

 過去1、2年で、オンラインの短いビデオの急速な発展に伴い、若者のゲーム中毒を防ぐために短いビデオプラットフォームが実行しなければならないことが社会的責任になった。中国互联网络信息中心(CNNIC)が発表した第43次「中国のインターネット開発状況に関する統計レポート」(注7)によると、2018年12月現在、私の国のショート・ビデオユーザーの数は6億4,800万人に達し、そのほとんどが若いユーザーである。オンラインショートビデオの急速な発展は、若者の間でさまざまなレベルの依存症を引き起こした。親や社会のすべての関係者はこれを批判している。関連部門は、ショートビデオ・プラットフォームでの依存症対策システムの開発と運用を促進することが不可欠である。

 パイロットシステムの経験の要約と管理システムの改善に基づいて、中国国家サイバースペース管理局は、2019年6月に全国の主要なオンラインショート・ビデオ・プラットフォームで「青少年オンラインゲーム中毒防止システム」を包括的に促進および開始し、統一された業界標準を実施した。担当者は、若者がインターネットに夢中になりすぎないようにするためには、両方のインターネット企業が社会的責任を真剣に果たすこと、そして社会のすべての部門の共同の努力、特に学校と学生の親の間の緊密な協力が必要であると述べた。中毒防止の仕事を可能にするためには、技術の進歩を促進し、予防の意識を高める必要があり、良い社会的効果を生み出すことが必要である。中国国家サイバースペース管理局は、関連部門と協力して、インターネット企業が主な責任を厳格に遂行するように監督および指導し、若者の健全な成長のための優れたサイバースペースを作成するためにすべての力を調整する。

4-1.2021年8月30日 国家新聞出版局(国家新闻出版署)は、「未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぐために、より厳格な管理に関する通知」を発布

(1)2021.8.30 TechCrunch「中国は子供のオンラインゲームを週3時に制限」仮訳する。

  中国の国家新聞出版局は、未成年者のオンラインゲームに制限を課す通知を発表した。9月1日、ビデオゲーム会社は、金曜日、土曜日、日曜日の午後 8 時から午後 9 時まで、ゲームの時間を週3時間に制限する必要がある。

 この新しい制限により、中国当局はオンラインゲームへの追加に取り組みたいと考えている。中国新聞出版局によると、オンラインゲームは未成年者の身体的および精神的健康に影響を与えるとする。

 これらの時間制限を実装するためには、ゲーム会社は実名ベースの登録システムを活用する必要がある。2018年、Tencentはこのシステムを使用して、広く人気のあるモバイルゲームであるオナー・オブ・キングスのプレイ時間を制限し始めた。

 当時は、12歳までの子供が1日1時間、13歳から18歳までの子供に対して1日2時間まで遊ぶことができるので、制限はそれほど厳しくはなかった。当時、当局は未成年者の近視の悪化を懸念していた。

 サインアップ のフローでは、ユーザーは ID 確認システムを使用する必要がある。規制当局は、ゲーム会社が現地の規制に準拠しているかどうかを定期的にチェックする。

 新しいルールがビデオゲーム全体にどのような影響を与えるかは興味深いであろう。オンラインゲームは具体的に言及されており、ソロゲームは今後制限されない可能性がある。同様に、コンソールゲーム(家庭用ゲーム機)や外国のゲームが新しい実名ベースの登録システムを実装する必要があるかどうかは不明である。

一部の若いゲーマーは、外国のサーバーにサインアップすることで制限を回避するように誘惑される。また、大人のプレイヤーはまだ24時間365日プレイできることも注目に値する。

 このニュースに続いて、Tencentは声明を発表した。「encentは強い支持を表明し、できるだけ早く通知の関連要件を実施するためにあらゆる努力をします」と、同社は述べた。

(2)2021年8月30日 国家新聞出版局の未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぐために、より厳格な管理に関する通知に関するリリース仮訳

 2021年8月30日 国家新聞出版局は、未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぐために、より厳格な管理に関する通知を中央政府直轄の地方、自治区、自治体の報道・出版局、オンラインゲーム企業、関連業界団体:宛て通知を発布した。

 しばらくの間、未成年者のオンラインゲーム過剰利用や執着は、通常の生活学習と健全な成長に悪影響を及ぼし、社会のあらゆる側面、特に親の大多数に強い懸念゙が反映されている。未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぎ、未成年者の心身の健康を効果的に保護するために、より厳格な管理措置を講じるために、以下の要求要件を通知する。

1.未成年者にオンラインゲーム・サービスを提供する時間を厳しく制限する。本通知日から、すべてのオンラインゲーム企業は、金曜日、土曜日、日曜日、祝日の毎日20時から21時までのみ、未成年者に1時間のオンラインゲームサービスを提供し、それ以外の場合、未成年者にオンラインゲームサービスを提供することはできない。

2.オンラインゲームのユーザーアカウントの実名登録とログイン要件を厳格に実施する。

 すべてのオンラインゲームの利用にあたりユーザーは、国家出版局(国家新闻出版署)の「オンラインゲーム中毒防止実名認証システム」にアクセスする必要があり、またすべてのオンラインゲーム・ユーザーは、ゲームアカウント登録とオンラインゲームにログインするためには、実際の有効な識別情報を使用する必要があり、オンラインゲーム企業は、任意の形式(訪問者体験モードを含む)での、実名での登録および要件にそってログインしていないユーザーにゲームサービスを提供してはならない。

3.すべてのレベルの出版管理部門は、オンラインゲームサービスの提供期間、実名登録とログイン、標準支払いなどの状況の監督と検査を強化し、検査の頻度と強度を高め、厳密に実装されていないオンラインゲーム企業に対して、法律に従って厳重に対処する

4.家族、学校、その他の社会のすべての側面を積極的に指導し、未成年者の健全な成長に資する良好な環境を構築し、法律に従って未成年者の親権の職務を遂行し、未成年者のネットワーク・リテラシー教育を強化し、未成年者がオンラインゲームを使用する際に、実際の認証を使用するよう促し、未成年者がオンラインゲームを使用する期間に関する規定を厳格に実施し、未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぐために、未成年者を指導する。

5.この通知でいう未成年者とは、18歳未満の市民を意味し、オンラインゲーム企業はオンラインゲーム・サービスを提供するプラットフォームを含む。

 この通知は2021年9月1日から施行する。 未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぐに関する国家出版局の通知(新発[2019]34号)の関連規定が本通知と矛盾する場合は、本通知が優先される。

4-2国家新聞出版局の関係者は、「未成年者がオンラインゲームにふけることのさらなる厳格な管理と効果的な防止に関する通知」に関する記者の質問に答えた

 国家新聞出版局(National Press and Publication Administration)は最近、「未成年者がオンラインゲームにふけることのさらなる厳格な管理と効果的な防止に関する通知」を発行した。国の新聞出版局の関係者は、通知の背景と要件に関する記者の独占インタビューを受け入れた。

質問1:今回の発表の背景を説明してほしい。

回答:近年、中国のオンラインゲーム業界の急速な発展に伴い、いくつかの顕著な問題もある。特に、未成年者がオンラインゲームに夢中になっているという問題は、社会に広く懸念を引き起こしており、親の大多数は強く反応した。

 国家新聞出版局は、未成年者のオンラインゲームへの耽溺を防止することを重視し、2019年に「未成年者のオンラインゲームへの耽溺防止に関するお知らせ」を発行し、未成年者がオンラインゲームにふけるのを防ぎます。そして、準拠したオンラインおよびオペレーティングゲームへのすべてのアクセスを実現し、中毒防止作業の徹底的な進歩の基礎を築きました。最近、多くの親が、オンラインゲームに夢中になっているティーンエイジャーの中には、通常の学習生活や心身の健康に深刻な影響を及ぼし、一連の社会問題を引き起こしていると報告している。多くの親は惨めになり、心の痛みになっている。未成年者にオンラインゲームサービスを提供する期間をさらに制限および短縮するために、実名検証を実装する。10代の若者は祖国の未来であり、未成年者の心身の健康を守ることは、幅広い人々の重要な利益に関係し、国民の若返りの時代における新参者の育成に関係している。社会から報告された未成年者によるオンラインゲームの過度かつ過度の使用の問題に対応して、国家新聞出版局は新学期の初めに通知を発行し、オンラインゲーム、およびより良い社会的効果を達成するための依存症対策活動を積極的に推進し、未成年者の健全な成長をエスコートする。

質問2:通知の主な内容は何か?

回答:この通知は、習近平の新時代の中国の特徴を備えた社会主義の考え方に基づいており、人々の立場を守り、問題の方向性を守り、厳格さを守り、未成年者がオンラインゲームに夢中にならないようにするための重要なリンクに焦点を当てている。主に4つの対策を提案している。第一に、当初の規定に基づき、未成年者にオンラインゲームサービスを提供する期間をさらに制限し、オンラインゲーム会社に未成年者にオンラインゲームを提供する時間を大幅に短縮するよう要求する。すべてのオンラインゲーム会社はオンラインゲームのみを提供できます。金曜日と土曜日、日曜日と法定休日は、毎日20:00から21:00まで未成年者に1時間のサービスを提供し、それ以外の時間帯は未成年者にオンラインゲームサービスを提供しない。

 第二に、国家新聞出版局(National Press and Publication Administration)のオンラインゲーム中毒防止実名検証システムが完成して運用された後、オンラインゲームアカウントの実名登録要件の厳格な実装を繰り返すことである。オンラインゲームはシステムに接続されている必要があり、すべてのオンラインゲームユーザーは本物の有効なID情報を使用する必要があり、ゲームアカウントの登録とログインのために、オンラインゲーム会社は任意の形式(ゲストエクスペリエンスモードを含む)など本名で登録およびログインしていないユーザーにゲームサービスを提供してはならない。第三番目は、依存症対策の実施の監督と検査を強化することである。オンラインゲーム会社がゲームサービス、実名登録、標準化された支払いを提供する期限の実施については、出版管理部門が検査の頻度と強度を高め、それらを厳密に実施していないオンラインゲーム会社に法律および規制に従って対処する。第四番目は、家族や学校などの社会セクターが積極的に行動を起こし、後見人の責任を真剣に受け止め、未成年者の健全な成長につながる良好な環境を共同で作成し、未成年者がオンラインゲームにふけることを防ぐための共同の取り組みを形成することである。

質問3:オンラインゲーム会社が未成年者にオンラインゲーム・サービスを提供する時間を厳しく制限する通知の考慮事項はいかなる点か?

回答:すべての世代のティーンエイジャーは独自のゲームを持っている。オンラインゲームはインタラクティブで、没入型で、エミュレート(特定のハードウェア向けに開発されたソフトウェアを別の設計のハードウェア上で実行させること)され、操作が簡単で、当然より魅力的である。未成年者はまだ肉体的・精神的発達の段階にあり、自制心は比較的弱く、オンラインゲームを使いすぎたり、依存したりする傾向がある。そのため、常にオンラインゲームの管理と依存症対策の焦点となっている。

 2019年の国家新聞出版局の「未成年者がオンラインゲームにふけることを防止するための通知」では、オンラインゲーム会社が未成年者にゲームサービスを提供する時間は、法定休日中に1日3時間を超えてはならず、それ以外の時間は1日3時間を超えてはならないことを規定した。この点では、多くの親は、基準がまだ比較的緩いことを反映しており、厳密にそれを減らすことを勧奨した。今回の通知は、未成年者の研究、生活、健康的な成長の必要性を考慮して、オンラインゲーム会社が未成年者にオンラインゲームサービスを提供する期間をより厳しく制限し、未成年者がカラフルで健康的で有益なさまざまなレクリエーション活動、運動や社会的慣行に積極的に参加するようにガイドするものである。

 同時に、この規則は、2021年6月1日に施行された「未成年者の保護に関する中華人民共和国の法律」等も具体化している。サービスプロバイダーは、22時00分から翌日の8時00分まで未成年者にオンラインゲームサービスを提供することは許可されていない。そして大衆の声に応えて、より厳格で詳細な規制が行われた。さらに、未成年者に少しの時間が残されている理由は、主に、一部の教師と保護者が、ゲーム、特に一部のスポーツゲームやプログラミング、チェス、囲碁などのゲーム形式への適度な露出は理解でき、許容できると報告しているためである。健康的な成長にはプラスの効果がある。また、この通知はオンラインゲームのみを対象としており、保護者や未成年者は、状況に応じて心身の健康に役立つオンラインゲーム以外のゲームを管理することができる。

質問4:通知要件を実装するように企業をより適切に促進するにはどうすればよいか?

回答:ゲーム会社は依存症対策の主体であり、常に社会的利益を第一に考え、社会的懸念に積極的に対応し、率先して社会的責任を負い、依存症対策の要件を断固として実行する必要がある。この通知により、ゲーム会社の依存症対策の責任が再び明確になった。すべてのゲーム会社は、主な責任を厳密に遵守して実行し、包括的な依存症防止システムを設定し、実名の検証を厳密に実行し、未成年者として認定されたユーザーに対して断固としてそれらを実装する必要がある。期間管理と消費量制限は、実際の行動と結果とともに、社会全体に対する誠実さ、責任を示している。過去2年間で、国家新聞出版局(National Press and Publication Administration)は、企業の依存症対策調査に対する罰則を強化した。

  2020年には、数万のゲームを検査し、あらゆるレベルの出版管理部門と話し合い、さらに多くの問題に対処する予定である。50以上の企業があり、何千もの問題を調査して対処している。通知が出された後、私たちは監督と検査をさらに強化し、特別で一元化された修正を実行し、ゲーム会社のローカル検査を1つずつ整理し、中毒防止作業の正常化を促進し、幸運で機能的な会社を見つける一方で、割引や柔軟な行動を許可する。

 次のステップでは、国家新聞出版局(National Press and Publication Administration)は、通知と社会的フィードバックの実施に従い、問題指向と効果指向を順守し、互いに学び、欠落をチェックし、中毒防止作業を促進して達成する。目に見える結果をもたらし、若者の健康的な成長を効果的に保護する。

 質問5:未成年者がオンラインゲームに夢中になるのを防ぐために、家族や学校はどのような役割を果たさなければならないか?

 回答:オンラインゲーム中毒は社会問題であり、中毒防止作業は、社会のすべての部門の共同の努力を必要とする体系的なプロジェクトである。政府と業界は、常に中毒の予防をゲーム管理の最優先事項とし、中毒防止管理のシステムと実装を厳格に実施し、中毒の防止をしっかりと推進する必要があります。未成年者がオンラインゲームにふけるのを防ぎ、親が必要であり、教師は保護と教育の義務をよりよく遂行し、未成年者を保護する法的責任を効果的に引き受け、ケアを強化し、規範に同行して抑制し、インターネットを使って子供たちが良い生活習慣と習慣を形成するように導く必要がある。たとえば、National Press and Publication Administrationの依存症防止の実名検証システムが確立された後、それは企業とユーザーに信頼できる正確な身元検証を提供し、依存症防止作業を促進する上で重要な一歩を踏み出した。しかし同時に、一部の未成年者は、親のID情報を使用したり、成人のID情報を購入したりして、実名認証をバイパスし、ID制限を突破した。これにより、期間制限が無効になり、依存症対策効果に影響を与える重要な理由になる

 この問題を解決するためには、保護者が監督と監督を強化し、学校が教育と指導を強化し、未成年者が法律や規制を理解して習得するのをよりよく支援し、関連する要件を厳格に実施することが急務である。次のステップでは、国家新聞出版局は、教育部、共産主義青年同盟の中央委員会、全中国女性連盟、およびその他の部門と協力して、特殊教育を実施するための小中学校を組織し、奨励する。保護者、教師、生徒は、関連するポリシーや規制を真剣に研究し、インターネット・リテラシーを育成および改善し、保護者に子供のゲームアカウントの管理を強化するよう促し、未成年者がオンラインゲームを使用する際に本人であることを確認するように指導し、未成年者がオンラインゲームを使用し、中毒防止要件を実装するための社会的相乗効果を形成する時間の長さをチェックする。また、オンラインゲーム業界には、親、教師、学校との連携とコミュニケーションを強化し、未成年者の健全な成長のための良好な環境を共同で作成するよう要請する。

6.これら一連の真の狙い実名アカウントの義務化、ネットワーク情報の国家統制強化は間違いない?

 欧米メディアが指摘するように、年齢確認を公安データベースにリンクするというTencentの動きは、政府が子供のデジタル活動も管理するという目標を達成するための重要な新しい一歩を表しているようである。

 さらに言えば、中国の監視社会を通じた国民管理、情報・言論統制はまだまだこれからと考えるのは筆者だけではあるまい。その典型は国家サイトを閲覧しようとすると100% 習 近平最高指導者の画像から始まる。個人独裁体制問題はますます深まろう。

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(注1)Aribabaアリババグループ( 阿里巴巴集团:Alibaba Group Holding Limited)は、中華人民共和国の情報技術 (IT) などを行う会社であり、持株会社。本社は浙江省杭州市。

1999年の創立以来、企業間電子商取引(B2B)のオンライン・マーケット (www.alibaba.com、china.alibaba.com、www.alibaba.co.jp)を運営しており、240あまりの国家・地域にて5340万以上の会員のほか、5つの子会社を保有している。(Wikipedia から一部抜粋)

(注2) Tencentは、インターネット関連の子会社を通してソーシャル・ネットワーキング・サービス、インスタントメッセンジャー、Webホスティングサービスなどを提供している。活動拠点は中国にあるが、アリババグループなどと同じく、租税回避と当局の監査を経ずに国外の証券取引所への上場するため、登記上の本社はケイマン諸島にある。

(注3)「Douyin(抖音/ドウイン)」は中国版TikTokとも呼ばれるはショートムービーSNSですが、実は中国が本家となっています。北京に本社を構えるバイトダンス社(北京字節跳動科技有限公司)が、2016年9月にリリースしていて、その海外版が「TikTok」である。

(注4) 快手(クアイショウ)は、中華人民共和国の北京快手科技有限公司が開発運営しているモバイル向けショートビデオアプリである。中国本土版「快手」と南米版「Kwai」と南アジア地域版「Snack Video」の3種類がある。

(Wikipediaから一部抜粋)

(注5)マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ (MOBA) は サブジャンル の ストラテジービデオゲーム それぞれ プレーヤー 単一を制御します キャラクター ゲームの過程で向上し、チームの全体的な戦略に貢献する一連の独自の能力を備えています。 最終的な目的は、各チームが戦場の反対側の隅にある敵の主要な構造を破壊することです。ただし、MOBAゲームには、敵チームのすべてのプレーヤーを倒すなど、他の勝利条件があります。(.wikiqube.netからから一部抜粋)

(注6)国務院「子供の視力を保護するために発表された新しいスキーム」仮訳する。

更新日:2018年8月31日7:26 AM Xinhua 

 中国政府は、健康と国の将来のために、子供と10代の若者の間で近視、つまり近視の増加を抑えるために、8月30日に新しい計画を展開した。

 この計画は、中华人民共和国教育部(中華人民共和国教育部:MOE)中华人民共和国国家卫生健康委员会(国民健康委員会:NHC)、および他の6つの部門が共同で発行したもので、2030年までに6歳児の近視率を約3%に維持することを目的としている。小学生は38%を下回り、中学生と高校生の割合はそれぞれ60%と70%を下回る。

 またこのスキームは、中国のティーンエイジャーの全体的な近視率は2018年から2023年まで毎年0.5パーセント以上削減されるべきであると述べた。発生率の高い州では、削減は毎年1パーセントに達するはずである。

 このスキームでは、眼鏡の製造と販売に対する規制の強化と、ティーンエイジャーのオンラインゲーム時間の制限が必要である。

こ の計画は、習近平大統領が最近の指示で要求したように、中国の10代の若者の近視率を大幅に減らして子供たちに「明るい未来」をもたらすことを目的としている。(以下、略す)。 

(注7)中国互联网络信息中心(https://cnnic.net.cn)の「中国のインターネットの発展に関する統計レポート (CNNIC发布第47次《中国互联网络发展状况统计报告》」はなかなか面白い解析レポートである。毎年発刊されており、」中国語に自信のある読者は挑戦されたい。

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