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情報セキュリティ、消費者保護、電子政府の課題等社会施策を国際的視野に基づき提言。米国等海外在住日本人に好評。

米国NHTSAが米国の大手自動車部品メーカー「TRW Automotive Holdings Corp」のエアバッグのリコールを公表

2020-01-25 11:34:47 | 消費者保護法制・法執行

 筆者は、1月11日のブログおよび1月21日付けのブログで「オーストラリア競争・消費者保護委員会(ACCC) 」(筆者注1)(筆者注2)の「タカタNADI 5-ATエアバッグ」のリコールに関する警告内容を紹介した。

 ところが、1月21日トヨタ自動車は、米国やカナダ、中南米で約340万台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。米国の自動車部品メーカーの電子制御装置に不具合があり、衝突時にエアバッグが作動しない惧れがあるという。(詳しく報じている2020.1.22 Business Times記事などから抜粋)
また、同日、トヨタ自動車は日本国内向けに平成9年から平成11年に生産したヴィッツ、カローラなどの一部車両につきまして、令和2(2020)年1月22日に下記内容のリコールを国土交通省へ届けを出し、1月23日から自社HPでリコールの受付開始を報じた(筆者注3)

 このうち米国は約290万台で、日本は含まれていない。リコールの対象車種は、2011~19年型の「カローラ」、12~18年型「アバロン」など。
 エアバッグは2015年ドイツのZF Friedrichshafen AG(筆者注4)に買収された米国の大手自動車部品メーカー「TRW Automotive Holdings Corp」で社名は現在「ZF TRW Automotive Holdings Corp.」が製造したもので、米国運輸省・道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration:NHTSA)(筆者注5)が昨年4月、同社製のエアバッグを採用しているトヨタ、ホンダ、三菱自動車、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(Fiat Chrysler Automobiles NV :FCA)など自動車大手6社を対象に調査を開始していた。調査は約1230万台が対象で、今後、他メーカーにもリコールが広がる可能性がある。(読売新聞オンライン記事をもとに、一部筆者が独自に調査のうえ加筆)、なお、この読売記事は正確性に難点があり、後記5.Business Timesや後述するNHTSAサイト等を参照されたい。

 今回のブログは、わが国で詳しく論じられていない米国自動車部品メーカーのエアバッグのリコール問題を、過電圧・過電流ストレス(Electrical Over Stress:EOS )やラッチアップ(latch -up)・リスク問題等につき技術面も含め具体的に解説、紹介する。

 なお、今回の調査を通じ最も筆者が感じたことは、ハイテク技術の導入が著しい自動車業界で今後、自動運転の導入などが進めば、ますますこれらの電子部品の問題の解決が同時に進行しないとリコールの範囲はますます拡大することは否めないと考えるのは筆者だけであろうか。

1.NHTSAのエアバッグ不具合事故調査の再開
2018.3.16 NHTSAは、① Kia Motors America(기아자동차;  米国起亞自動車)(筆者注6)、 ② Chrysler (FCA US LLC)、 ③ Mitsubishi Motors North America, Inc.、 ④Hyundai Motor America(アメリカ現代自動車)、⑤ TRW Automotive Inc, ⑥Honda(American Honda Motor Co.)、 Toyota Motor Corporationを対象とする調査を再開した旨公表した。

2.2019.4.24 のBloomberg記事「米NHTSAがトヨタなども対象としエアバッグ不具合リスクで約1230万台を調査」
 以下、Bloombergの日本語版から引用する。

 2019.4.19 米道路交通安全局(NHTSA)は自動車約1230万台を対象に、衝突時にエアバッグが開かない不具合が生じる可能性について調査している旨ODI  (Office of Defects Investigation RESUME  (ODI))を公表した。

 部品メーカーのZF-TRWが供給したエアバッグ制御ユニットをNHTSAは調査。同ユニットは「過電圧・過電流(Electrical Over Stress:EOS )ストレス」(筆者注7)のために作動しなくなり、衝突時にエアバッグとシートベルト・プリテンショナー(Seatbelt Pretensioner)(筆者注8)が通常通り起動しない可能性がある。NHTSAがウェブサイトに23日掲載した通知で明らかにした。

 NHSTAは2018年、韓国の現代自動車と起亜自動車の一部車種を中心とした予備調査を開始。調査は今回大きく拡大され、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)、トヨタ自動車、ホンダ、三菱自動車の2010-19年モデルも対象に加わった。

 NHTSAは、トヨタ車でエアバッグが開かずEOSが原因として疑われる2件の衝突事故を確認しており、うち1件では死者が出たと指摘。トヨタは電子メールで配布した資料で、NHTSAの分析に協力し問題を調査しており、適切な対策を講じる方針だとコメントした。

3.2019.8.29 TOYOTA 「カローラなどのリコール」発表内容
 平成15年から平成20年に生産したカローラなどの一部車両につきまして、令和元年8月28日に下記内容のリコールを国土交通省へ届け出しました。
 ご愛用の皆様にはご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんが、トヨタ販売店からご案内させていただきますので、お早めに点検・修理をお受けいただきますようお願い申し上げます。
お客様のご愛用車が対象車両かどうかは、リコール等情報対象車両検索でご確認いただけます。以下、略す。

4.NHTSARのRecalls専門サイト 
(1)米国運輸省(現長官はElaine Lan Chao)の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration:NHTSA)がRecall専門サイトを掲げている。しかし,今回問題となったZF TRW Automotive Holdings Corp.製のエアバッグのリコールについてはNHTSAサイトで確認するしかない。

  2020.1.13 NHTSAのトヨタの 不具合報告(DEFECT INFORMATION REPORT)の一部を抜粋する。詳細は、同サイトで確認されたい。

以下は略す。

(2) 2019年12月31日付けCarComplaints.com  (筆者注9)の解説記事
 以下、仮訳する。なお、裁判制度等に関する補足は筆者が独自に行った。

 2019年12月31日 — ZF TRWカナダエアバッグ訴訟がエアバッグ会社とこれらの自動車メーカーに対して提起された:被告は、起亜カナダ、現代オートカナダ、トヨタカナダ、ホンダカナダ、FCAカナダ、カナダの三菱自動車販売である。
この集団訴訟の原告には、ZF TRWエアバッグコントロールユニットを搭載したこれらの車両のいずれかを購入またはリースしたケベック州のすべての企業および消費者が含まれる。

 ZF TRWエアバッグシステムには、車の室内に設置され、車両の前部にある衝突センサーに電気的に接続されたエアバッグ・コントロールユニット(ACU) (筆者注10)が含まれる。ACUは、エアバッグとシートベルト・プリテンショナーがクラッシュ(機能停止)時に展開する必要があるかどうかを決定する。
 このクラッシュ検出システムには、クラッシュの重大度を検出し、必要に応じてエアバッグを展開し、シートベルト・プリテンショナーを巻き込む"アプリケーション固有の集積回路"(ASIC) (注11)もある。つまり、集積回路に欠陥がない場合である。
 しかし、このクラスアクションでは、原告はメーカーがアプリケーション固有の集積回路を過負荷にし、エアバッグやシートベルトのプリテンショナーの展開を防ぐためにクラッシュ中に作成された余分な電気信号を可能にする電気オーバーストレスの影響を受けやすいため、欠陥があると主張した。
 ZF TRW製エアバッグコントロールユニットは、ASICに損傷を与える可能性のある有害な信号の送信を防ぐ配線と回路を備えているはずであるが、訴訟では車両が十分な保護を持っていないと主張した。
 カナダ運輸省(Transport Canada)は、一部の車両のリコールを発行したが、集団訴訟では、影響を受けるすべての車両がリコールされていないと主張している。これまでのリコールには、2016年のクライスラーリコール、2018年の現代自動車と起亜自動車のリコールが含まれる。
 ZF TRWカナダ・エアバッグ訴訟は、ケベック州(province)の控訴裁判所(Provincial Courts of Appeal) (筆者注12)においてモントリオール地区 - J.ジョナスゾーン対ZFオートモーティブホールディングス株式会社らに対し提起された。
原告は、消費者法グループ有限責任会社(Consumer Law Group Inc.)が代表する。

2014-2019 Acura RLX
2014-2019 Acura RLX Hybrid
2012-2014 Acura TL
2015-2017 Acura TLX
2012-2014 Acura TSX
2014 Acura TSX Sport Wagon
2012-2013 Acura TSX Sportswagon
2010-2011 Dodge Nitro
2009 Dodge Ram 1500
2010 Dodge Ram 3500
2012-2019 Fiat 500
2013-2015 Honda Accord
2014-2015 Honda Accord Hybrid
2012-2015 Honda Civic
2012-2015 Honda Civic GX
2012-2015 Honda Civic Hybrid
2012-2015 Honda Civic SI
2012-2016 Honda CR-V
2012-2017 Honda Fit
2013-2014 Honda Fit EV
2012-2014 Honda Ridgeline
2013-2019 Hyundai Sonata
2013-2019 Hyundai Sonata Hybrid
2015-2017 Jeep Compass
2010-2012 Jeep Liberty
2015-2017 Jeep Patriot
2010-2018 Jeep Wrangler
2013 Kia Forte
2013 Kia Forte KOUP
2013-2019 Kia Optima
2012-2016 Kia Optima Hybrid
2014 Kia Sedona
2013-2017 Mitsubishi Lancer
2013-2015 Mitsubishi Lancer Evolution
2014-2015 Mitsubishi Lancer Ralliart
2013-2016 Mitsubishi Lancer Sportback
2013 Mitsubishi Outlander
2009-2012 Ram 1500
2010-2012 Ram 2500
2010-2012 Ram 3500
2011-2012 Ram 4500
2011-2012 Ram 5500
2012-2018 Toyota Avalon
2013-2018 Toyota Avalon Hybrid
2011-2019 Toyota Corolla
2017-2018 Toyota Corolla IM
2011-2013 Toyota Corolla Matrix
2012-2017 Toyota Sequoia
2012-2019 Toyota Tacoma
2012-2017 Toyota Tundra

5.最近のリコール情報やカナダでのクラスアクション等の動向
 2020.1.22 BusinessTimes記事「Toyota Recalls 3.4 Million Vehicles For Defective Airbags」を前述の説明と重複するが、以下、仮訳する。

 衝突時にエアバッグが膨張するのを防ぐことができないという電気的欠陥を理由として、トヨタ自動車や他の自動車大手が対象になる世界で約600万台以上の車両をリコールすることを余儀なくされたとトヨタは火曜日に発表した。
すなわち、これらの車には事故や衝突時の振動や騒音から完全に保護されていない電子機能が装備されている場合があり、エアバッグが適切に配備されない可能性があるというものである。
 問題の電子制御ユニットは、シートベルト、特にいわゆるオートプリテンショナーの機能にも影響を与える可能性がある。リコールは、約300万台の米国車を含み、2011-'13マトリックス、2011-'19カローラ、2012-'18アバロン、2013-'18アバロンハイブリッドモデルをカバーしている。

 米国運輸省・道路交通安全局(NHTSA)は2019年4月、トヨタがリコールした車両を含む多くの自動車メーカーが関与する1,200万個以上のエアバッグの不具合の可能性について調査を開始した。
 NHTSAによると、電気流れの過負荷が膨張に失敗したエアバッグの"考えられる原因"と考えられているトヨタのユニットを含む即死にいたる事故を含む2つの正面衝突事故を特定した。当該クラッシュは、新しいトヨタのカローラモデルを含んでいた。
 NHTSAは、調査対象のエアバッグが2010年から2019年までに1,200万台以上に搭載され、トヨタ、ホンダ、フィアット・クライスラー、現代自動車、三菱、起亜自動車が販売したと指摘した。

 ドイツの世界的な自動車部分メーカー「ZFフリードリヒスハーフェン(ZF Friedrichshafen)」(筆者注4)が所有するTRWオートモーティブホールディングスが最初に製造した電子制御ユニットは、これらの自動車会社が製造した車両に搭載されていた。NHTSAは、およそ8人が故障に関連して死亡したと述べた。

 フィアット・クライスラー、起亜自動車、現代自動車は以前、TRWエアバッグコントロールユニットに搭載された250万台以上の車両のリコールを発表しており、衝突事故で死傷する可能性がある。

 フィアット・クライスラーは、自動車メーカーが2016年に同じエアバッグ問題で約200万台の車をリコールした際、電子欠陥に関連する可能性のある3人の死亡と5人の負傷者の報告があったと明らかにした。

 起亜自動車と現代自動車は、2018年にエアバッグの故障問題で100万台以上の車をリコールした。2018年にこの2つの自動車会社は、北米で4人の死者と6人の負傷者が欠陥のある電子ユニットに接続されたという報告を明らかにした。

 トヨタ自動車のディーラーは、必要に応じてエアバッグ制御装置とそのワイヤーフックの間にノイズフィルターを設置すると述べた。日本の自動車メーカーは、2020年3月中旬頃にリコールのリコールを車の所有者に通知すると言う以外は、疑わしいエアバッグシステムに関連した負傷者や死者の数は明らかにしなかった。

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(筆者注1) わが国では ACCCを「公正取引委員会」と訳すことが多い。ACCCのHPから該当箇所を詳しく引用する。
「消費者、企業、コミュニティに利益をもたらすために、(1)市場における競争と公正な取引を促進し、また(2)国家レベルデでインフラ・サービスを規制する。ACCCの主な責任は、個人と企業がオーストラリアの競争保持、公正な取引、消費者保護法を運用すること、とりわけ「2010年競争と消費者保護法」(筆者注2)を遵守することである。

上記(2)【規制機能】の内容を以下、仮訳する。
競争が制限されている一部の市場では、国内インフラ産業に関連するさまざまな規制機能と、価格監視の役割がある。ACCCの機能は次のとおりである。
① 全国的に重要なインフラストラクチャ―・サービスの価格とアクセス条件を決定する。
②  大量の水、エネルギー、通信に関する業界固有の法律の遵守を監視および法執行する。
③ 特定の商品やサービスの価格と品質に関する監視と報告により、市場の状況の影響に関す
る情報を提供する。
④ 関係者が規制の枠組みとインフラストラクチャ市場の構造と運用を理解するのに役立つ情
報を広める。
③  政府および政策当局からの要請に応じて、規制結果および競争力のある機能的な市場をどのように達成できるか等についてアドバイスを提供する。

 一方、わが国の「公正取引委員会(Fair Trade Commission、略称:JFTC)」の役割を確認しておこう。
 日本の行政機関の一つである。 内閣府の外局として、内閣総理大臣の所轄の下に設置される合議制の行政委員会である。「公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進すること」を任務とする(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律27条の2柱書、1条)。 
そして、自由主義経済において重要とされる「競争政策」を担っている(中央省庁等改革基本法21条10号)(Wikipedia から抜粋)

 以上から比較して考えると、ACCC訳語は「公正取引委員会」でもないし「競争・消費者委員会」でも言葉足らずであろう。筆者なりに意訳すると「競争・消費者保護委員会」といえようか。

(筆者注2)オーストラリアの「2010年競争と消費者保護法」は、市場のほとんどの分野、サプライヤー、卸売業者、小売業者、消費者間の関係を対象とする。その立法目的は、公正な取引と競争を促進し、消費者保護を提供することにより、オーストラリア国民の福祉を強化することである。広く次の項目をカバーする。
① 製品の安全性とその分類
② 不公正な市場慣行の改善
③  価格の監視
④ 業界規範の監視
⑤  業界規制–空港、電気、ガス、通信業界の規制
⑥  合併と買収の監視

(筆者注3) トヨタのリコールサイトを見ておく。 なお、専門用語については筆者が青字で加筆した。
1.不具合の状況
 運転者席用エアバッグのインフレータ(膨張装置)において、吸湿防止が不適切なため、ガス発生剤が吸湿することがあります。そのため、使用過程でガス発生剤が吸湿や乾燥を繰返した場合など、エアバッグ作動時に正常に展開しないおそれがあります。
2.改善の内容
 全車両、予防的措置としてエアバッグインフレータ(エアバッグをふくらませるためのガスを発生させる装置で、電気が流れると内部の火薬に火がつき、薬品を高温にして化学反応を起こさせる仕組み。金属容器に収められた状態でハンドル内に組み込まれており、タカタ製のインフレーターは不具合でこの金属容器が破裂する事故があった:朝日新聞キーワード解説から引用)またはエアバッグアッセンブリ(下図国土交通省の解説図を参照)を代替品と交換します。
なお、代替品の準備にお時間をいただきますので、準備が整い次第あらためてご案内します。

 

(筆者注4)ドイツ、フリードリヒスハーフェンに本社を置くZF Friedrichshafen AG(以下、ZF)1/22⑲は1915年創業のグローバル・サプライヤーで、ドイツ企業トップ100内、世界の自動車部品サプライヤーのトップ5内に位置している。2015年に創立100周年を迎えたZFは、2018年時点で世界40カ国に230の事業所を展開しており、およそ14万6,100人の従業員を擁している。

 (筆者注5) NHTSAは、自動車や運転者の安全を監視する米国運輸省の部局。交通事故による死亡・障害の防止および経済的損失の削減を図るため、自動車の安全性に関する調査の実施、情報の公開、安全規格の制定などを行う。1970年設置。(「デジタル大辞泉」から抜粋)

(筆者注6) 起亜自動車(Kia Motors Corporation)は、大韓民国の第2位の自動車メーカーである。2016年の売上げ台数は330万台で、世界第8位。 
 かつてはマツダ、フォード・モーターと密接な関係だったが、1998年の経営破綻を境に現代自動車の傘下に入って以来、現代と密接な関係となり、「現代-起亜自動車グループ(現・現代自動車グループ)」を構成している。(Wikipedia から抜粋)

(筆者注7) EOSとは、ラッチアップ(マイコンは膨大な数のPN接合で構成されています。その中にはPN接合が2つ連なった4重構造の「PNPN」が構成さている部分があります。PNPNの構造は、電力用スイッチング素子として使用される「サイリスタ」(Thyristor)の構造であり、マイコン内のPNPN部分は「寄生サイリスタ」と呼ばれます。サイリスタは、アノード(Anode)とカソード(Cathode)とゲート(Gate)の3端子で構成され、通常アノードからカソードへ電流は流れませんが、ゲートに信号を入力するとアノードからカソードに向かって電流が流れます。一度、流れ始めた電流は、電源を切らない限り流れ続けます。この時のオン抵抗は非常に小さいので、大電流が流れます。これと同じ現象がマイコンの中の寄生サイリスタで発生することを“ラッチアップ(latch -up)”と呼んでいる。
 マイコンでラッチアップが発生すると内部に大電流が流れ、正常に動作しないどころか、最悪の場合はマイコン内部の配線の溶断、素子の破壊などを引き起こします。正常な使い方をしていれば、ラッチアップは発生しませんが、電源の立ち上げ手順を間違えたり、急峻な高電圧ノイズが端子に入った場合に発生します。EDN.jp「Q&Aで学ぶマイコン講座(4):ラッチアップって何? (1/3)」ら一部抜粋。)や、電源電圧の印加手順間違いなどで、IC内部にスペック以上の高電圧が印加されたり、大電流が流れたりすること。

(筆者注8)ホンダが、ホンダ車のSEATBELT PRETENSIONERの図解入り解説サイトが詳しく解説している。

 (筆者注9) “CarComplaints.com”は、自動車のオンライン苦情問題リソースであり、訪問者がサイトに提出した苦情データに基づいて、グラフを使用して自動車の欠陥パターンを示す。その受付ける苦情は、車両、車両コンポーネント、および特定の問題ごとに公開されたデータを使用して論理グループに編成される。補修にかかる平均コスト、障害時の平均走行距離、一般的な解決策、および個々の所有者のコメントが各問題グループに対して表示される。苦情データにアクセスするために必要な料金やユーザー登録は不要であるあるが、車の苦情を提出するにはユーザー登録が必要である。

(筆者注10) エアバッグコントロールユニット(ACU)とは、衝突による衝撃から乗員を守るため、衝撃検知と各エアバッグの点火制御を行うセンサとコントロールユニットをいう。

(筆者注11) ASIC(application specific integrated circuit)とは、特定用途向け集積回路)は電子部品の種別の1つで、特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路の総称である。(Wikipediaから抜粋 )

(筆者注12)カナダの裁判所制度の概観図:カナダ司法省のサイトから抜粋、引用

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ACCCが 「潜在的潜在的かつ即死に至るタカタNADI 5-ATエアバッグ装備車の詳細リスト」  を追加公表

2020-01-21 17:18:57 | 消費者保護法制・法執行

 

  去る1月11日の筆者ブログで解説したオーストラリア競争・消費者保護委員会(ACCC)1月10日付けで、「タカタNADI 5-ATエアバッグ」のリコールに関する警告内容を紹介した。その際、対象となる車のメーカーは8社でリコール対象台数は約78,000台と記されていたが、実際ACCCのリリースで記載された対象となる車の製造メーカーはAudi, BMW, Ford, Honda, Mazda の5社のみであった。 

 筆者は、後日のACCCの安全規制局(Product Safety Australia)の統合版のリリースを期待していたが、このほど1月20日付け ACCCの安全規制局(Product Safety Australia)でその手元に届いた。また、筆者が独自に調べた各ユーザーにとって各メーカーのホットラインの情報提示の資するための安全規制局のサイトから全8社の対象車の機種モデルやホットラインの連絡先を調べたので追加的に報告する。

 

 

 

 

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イラクのウクライナ機撃墜事故は起こるべくして起きたことの問題とわが国のP3C哨戒機や護衛艦の派遣問題

2020-01-16 12:35:59 | 国際政策立案戦略

 

 1月8日(水)にテヘラン空港(Tehran Imam Khomeini International Airport :IKA))(筆者注1)を離陸したウクライナ国際航空のPS752便が離陸直後に墜落した事故について、イランの地対空ミサイルが撃墜した可能性が高いと発表し、その後、11日にはイランのロハニ大統領が米国からの攻撃から自国民を守る厳戒態勢下での人的ミスによる撃墜を認めるとともに哀悼の意を表した。

 このような国際的な緊張下での地対空ミサイルによる民間旅客機の撃墜事故としては、2014年7月17日のMH17事件(筆者注2)、また古くは1988年7月3日、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦ヴィンセンス(USS Vincennes) (筆者注3)はウィリアム・C・ロジャーズ三世艦長の指揮の下、ホルムズ海峡においてイラン航空655便のエアバスA300B2に対してSM-2ブロックII艦対空ミサイルを2発誤射し、これを撃墜した。この事故により乗員乗客290名全員が殺害されたという事件がある。 

 今回のブログの目的は、(1)イラクやイラン上空は米国やイラン革命防衛隊や国軍などの制空下にある点で民間航空機の安全対策である。また、(2)世界の湾岸国を含む主要国が従来から力を入れている中東海域の安全対策である「合同多国籍海上部隊(Combined Maritime Forces (CMF)」の実態、とりわけオーストラリアを中核とするマニトウ作戦(Operation MANITOU)の概要等を正確に理解することにある。

 なお、EUのイランの核問題に関する最終合意(包括的共同作業計画)(JCPOA:Joint Comprehensive Plan of Action)について今回の紛争激化がどのような影響を与えるかなど、わが国としても看過しえない重要な問題であるが、この問題自体特別に取り上げるべきテーマであることから、別途まとめる。

1. イラクやイラン上空は米国やイラン革命防衛隊や国軍などの制空下での民間航空機の安全対策

(1)米国・イラン紛争の拡大と民間航空機の安全対策

 今回の事故の背景には国際紛争下の危険地域の民間航空機の航空路の安全措置の一環であり、例えば米国連邦運輸省傘下の連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA)は1月7日、米国の民間航空機に対してイラク、イラン、オマーン湾およびペルシャ湾上空の運航を禁止すると発表した。イランがイラクの米軍駐留基地をミサイルで攻撃したことを受けた措置である。

 また、ロイター通信等は8日以降、次のような民間航空機の迂回ルート措置を報じた。(1)大韓航空(Korean Air Lines)とタイ国際航空(Thai Airways)は、イランによるミサイル発射の前からイランとイラクの上空を避けていたと表明、 (2) カナダ運輸省(Transport Canada)は、自国民が57名が死亡するなど中東情勢を巡りFAAと緊密に連絡を取り合っているとしたほか、エア・カナダがルート変更1/13⑫を行っていると明らかにした、(3) インドの航空規制当局は航空会社に正式な指示は出していないが、当事者企業と会合を開き、引き続き警戒するよう助言した、(4) シンガポール航空(Singapore Airlines)はイランによるミサイル発射後、同社のすべての航空機がイラン上空を避けて運航すると明らかにした、 (5) マレーシア航空(Malaysia Airlines)はイラク上空を通過する便は運航していないが、イラン空域を通過する便についてはルート変更を行う方針を示した。(6) 台湾のチャイナエアライン(中華航空)はイランとイラクの上空飛行は自粛するとした、(7) 豪カンタス航空は、当面イラクとイランの上空を避けるためにルートを調整すると表明、(8)ドバイに拠点を置くエミレーツ航空(Emirates)とフライドバイ(flydubai)は8日、イランのミサイル攻撃を受け、バグダッド行きの帰路のフライトを欠航とした、(9)カザフスタンのエア・アスタナ(Air Astana )とSCAT(SCAT Airlines)はイラン上空の飛行を中止あるいはルート変更を検討、(10) エールフランスとオランダのKLMオランダ航空のグループは、安全を確保するためとして、イランやイラク上空でのすべての飛行を取りやめることを決め、東南アジアなどとを結ぶ便は別のルートで運航することなった、(11) ドイツのルフトハンザ航空も当面の間、周辺空域での飛行を取りやめる、(12) ノルウェーLCCであるエアシャトル(Norwegian Air)もUAEのドバイ便のルートを変更することを明らかにしている等、世界に影響が広がっている。一方、(10) イランと米国の間の緊張のため、半民・半政府のトルコ航空は当分の間、イランとイラクへのフライトを停止した. 他方、(11)カタール航空(Qatar Airways)はイラク行きの便は通常通り運航している。

 ここで、わが国の対応を見てみる。国土交通省の赤羽一嘉国土交通相は10日の閣議後記者会見で、イラン情勢の悪化を受け、船舶・航空輸送事業者に安全運航に関する注意喚起を行ったと明らかにした。旅行会社に対してもツアー客に適切な情報提供を行うよう要請したほか、イランやイラクへのツアーについては企画中止を含めた慎重な判断を求めた。

 また、外務省海外安全ホームぺージでは「中東地域における緊張の高まりに関する注意喚起(その2):民間航空機の運航について」という警告を行っている。

 

(2) 中東地域の戦闘状態拡大における民間航空機の誤撃墜の例

 代表的かつ大規模なものは、①1988年7月3日、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦 (USS Vincennes, CG-49)はウィリアム・C・ロジャーズ三世艦長の指揮の下、ホルムズ海峡においてイラン航空655便のエアバスA300B2に対してSM-2ブロックII艦対空ミサイルを2発誤射し、これを撃墜し290人が死亡した事故である。② マレーシア航空(MH17)便撃墜事件は、2014年7月17日にオランダのアムステルダム・スキポール空港からマレーシアのクアラルンプール国際空港に向かっていたマレーシア航空の定期旅客便であるマレーシア航空17便が、巡航飛行中の17時15分頃(現地時刻)、何者かの発射した地対空ミサイル「ブーク」によって撃墜され、ウクライナ東部のドネツィク州グラボヴォ村に墜落した航空事故である。ボーイング777の5番目の全損事故であり、撃墜による航空事故として298人という死者数が史上最多の事故である。(筆者注2) 

  今般のPS752便の墜落事故に関連して、1月10日のABC news  Analysis「Iran should pay attention to claims of Ukraine Airlines PS752 missile attack, with lesson to be learned from MH17 disaster」が興味深い記事を載せているので以下で、一部抜粋のうえ仮訳する。

「イラン軍が数次にわたるイラクの米軍基地にミサイル攻撃を仕掛けたばかりのなので、テヘランは米国の対応に対して厳重な警戒態勢を敷いていただろう。つまり、イランの防衛中隊(Missaile Bettery)の司令官が突然空港の近くで予期せぬレーダーの読み取りを提示された場合、彼は応答するわずかな秒を持っていたかもしれない。今回のミサイル攻撃は起こるべき出来事ではないが、これらの決定は即時分析と応答に依存するのが現実である。

 この航空機は、そもそも飛ぶこと自体が間違いだったのか? もちろん、PS752便がそもそもテヘラン空港から飛ばないことを決めていたら、こんなことは起こらなかったであろう。確かに、PS752便はキエフからカナダへの運航途上であったが、次の(3)の写真のとおり彼らは非常に緊張した空域を飛んでいたことも事実である。」 

(3) ウクライナ国際航空PS752便の具体的飛行航路

 1月11日のBBC NEWSは「Iran plane crash: What we know about flight PS752」と題する関係する情報を集約した記事を載せている。筆者は、すでにflightrader 24.comサイトにて今回のPS752の航路につき確認を行っていたが、BBCがこの航路の確認を改めて行ったことは筆者が抱いていた問題意識と共通性があると判断し、ここで詳しく引用する。

 上記地図で見るとおり墜落場所は飛行場から約13kmすなわちイラン国内であることは間違いない。同時にイラク軍の管理下にある空域であろう。

Flight PS752 on flightradar24 から引用 (筆者注4)

  ここで飛行計画を変更する時期であったが、慎重さよりもスケジュールを優先するという運命的な決定が下された。一部の人々は、イラン革命防衛隊(IGRC)の「コッズ部隊(Al Quds Force)」のガゼム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官の暗殺で不必要に緊張を高したことで米国ドナルド・トランプを非難するであろう。また、他の人々は、地域全体の攻撃と代理挑発の長い歴史のためにイラン政権に対する国内の非難をはっきりさせよう。 

 いずれにしても176人の犠牲者を取り戻したり、取り返しのつかないほど人生が変わった家族や愛する人たちの耐え難い痛みを和らげるものはない。PS752便には乗員9人乗客167人が搭乗していた。(筆者注5)

  多くのオーストラリア人はかつて38人の死者を出したMH17事故を通してその恐怖を知っている。この損失は間違いなく深く痛みを伴う感情を引き起こすであろう。

 しかし、今回のフライトPS752便の被害者すべての人のための迅速で包括的かつ正確な調査結果および裁判のチャンスはほど遠いといえる。 

【MH17事故裁判に関するブログ筆者の補足】

 CNNによると2019年6月20日、マレーシア機(MH17)撃墜に関し、国際合同捜査チームは起訴されるのはロシア人のイゴーリ・ギルキン、セルゲイ・ドゥビンスキー、オレグ・プラトフの3容疑者と、ウクライナ人のレオニド・ハルチェンコ容疑者を殺人罪で起訴すると発表した。(筆者注5)

 また、ネザーランドのメデイアである“NLTimes”は、2019年11月29日付け記事で「マレーシア航空MH17便の墜落事故の刑事責任を調査する裁判は、2020年3月9日にスキポール空港の厳重に確保された裁判所の複合施設で始まる。ハーグの地方裁判所に正式に割り当てられたこの事件は、裁判所の審理のライブストリームと、最大500人のジャーナリストと300の職場を収容するプレスセンターも提供される。以下、略す。」と報じている。

 

2.中東海域の安全性と日本の船舶の安全のためのわが国のとるべき課題

 わが国の海上自衛隊のP3C哨戒機2機、護衛艦「たかなみ」を中東のオマーン湾、アラビア海北部、バブルマンデム海峡東側のアデン湾の3海域の公海に派遣することは多くのメデイアが報じたとおりである。

 この中東の基地一覧は米国のワシントンDCに拠点を置く非営利、非党派の公共政策および研究機関である“American Security Project”が公表している「U.S. Military Facilities in the Middle East Region」からの抜粋である。ちなみに「星マーク」はキャンプ、「飛行機マーク」は空軍基地、「錨マーク」は海軍基地、「トラックマーク」は搬送基地であり、それぞれをクリックする各基地の概要が確認できる。

  上記の2つの地図を比較したら、今回の防衛省や内閣が派遣を行う目的が「調査・研究」のみで紛争に巻き込まれないで済むと思えないのは筆者だけではなかろう。 

 ところで、わが国のメディアが本格的に報じていない中東海域の合同多国籍海上部隊(Combined Maritime Forces (CMF))の実態を改めて検証するのが、今回のブログの2番目の目的である。 

 この問題を改めて理解するうえで参考となるのは、最近時のオーストラリアの公共放送である「ABC news」や関連する同国の国防省の「マニトウ作戦(Operation MANITOU)」サイトを一部仮訳する。 

 (1)マニトウ作戦(Operation MANITOU)の概要

 ルールに基づく安定したグローバルセキュリティへの貢献は、オーストラリアの国家目標の一つである。1990年以来、オーストラリア海軍(Royal Australian Navy :RAN)は中東地域で海上警備活動を行っており、オーストラリアの経済的、貿易上の利益にとって戦略的に重要なままである。

 MANITOU作戦は、中東地域(Middle East Region:MER)の海洋の安全保障、安定、繁栄を促進するための国際的な取り組みを支援するオーストラリア政府の貢献の現在の名称である。強化されたセキュリティ環境は、貿易と商業を促進しながら、オーストラリアの安全でオープンな同地域へのアクセスを保証する。

 マニトウ作戦は、中東地域のオーストラリア国家本部である統合任務部隊633(JTF633)の指揮下にあり、オーストラリア海軍は、日常的に主要艦隊(MFU)を中東地域に派遣し、日本を含む33か国からなる合同多国籍海上部隊(Combined Maritime Forces (CMF) に割り当てられている。 

(2) 合同多国籍海上部隊(Combined Maritime Forces (CMF) (筆者7) (筆者注8)

 合同多国籍海上部隊は33カ国で構成され、以下の3つの原則的な合同任務部隊を持っている。

①  テロ対策と海上安全保障活動を行う合同任務部隊150(Combined Task Force 150)

 CTF 150の使命は、海洋領域での機動作戦(maneuver)の自由を制限することにより、テロ組織とその関連する違法行為を混乱させることである。CTF 150の活動は、テロ組織が活動を行ったり、人員、武器や収入を生み出す麻薬や炭を移動するリスクのない方法を否定することになるため、世界的なテロ対策の重要な部分である。そのメンバー国はAustralia, Canada, Denmark, France, Germany, Italy, Republic of Korea, Netherlands, New Zealand, Pakistan, Portugal, Singapore, Spain, and Turkey, United Kingdom and United Statesである。 

② 反海賊取締行為を行う合同任務部隊151(Combined Task Force 151)

 CTF 151は多国籍軍である。この部隊は、3~6ヶ月単位で参加国間で入れ替わる。CTF 151の部隊の機能、任務の流れは、様々な国が任務部隊に船舶、航空機、人員を割り当てるにつれて絶えず変化する。 

③アラビア湾の海上保安活動を行う合同任務部隊152 (Combined Task Force 152 )

 2004年3月に設立されたCTF 152は、合同多国籍海上部隊(CMF)が運用する3つのタスクフォースのうちの1つである。CTF 152は、アラビア湾、特に湾岸協力会議(GCC)(筆者注9)諸国間の地域海軍協力を強化する。

 CTF 152はアラビア湾で活動し、任務は、戦域安全保障協力機構(Theater Security Cooperation、TSC)の活動を調整し、ペルシア湾中部およびホルムズ海峡南端からイラン・イラク領海線におよぶ南部一帯での海上治安活動を実行し、テロ対策や湾岸地域諸国の安全保障の補完を行う。海上保安業務(MSO)を実施し、発生する可能性のある危機に対応する準備を整えている。また、同部隊は石油プラットフォームを含む主要な海洋インフラをテロの脅威から保護するために活動しています。CTF 152作戦は、海上の安全保障を損なったり、その他の違法行為を行おうとするテロリスト集団やその他の人々が、その原因をさらに引き起こすために活動を行う自由を否定され、陸上の出来事に影響を与える。

 CTF 152は、サウジアラビア、バーレーン、ヨルダン、カタール、クウェート、アラブ首長国連邦、英国、米国を含む様々な国からの船、航空機、人員で構成され、また、イタリアとオーストラリアからの参加が含まれる。CTF 152の部隊は、3〜12ヶ月ベースで参加国間で入れ替わる。 

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(筆者注1)テヘラン空港:テヘラン中心から約30km

(筆者注2) マレーシア航空17便撃墜事件は、2014年7月17日にオランダのアムステルダム・スキポール空港からマレーシアのクアラルンプール国際空港に向かっていたマレーシア航空の定期旅客便であるマレーシア航空17便が、巡航飛行中の17時15分頃(現地時刻)、何者かの発射した地対空ミサイル「ブーク」によって撃墜され、ウクライナ東部のドネツィク州グラボヴォ村に墜落した航空事故である。ボーイング777の5番目の全損事故であり、撃墜による航空事故として死者数が史上最多の事故である。

 当時、ウクライナ東部では政府軍と親ロシア派による内戦が勃発していた。直後の2014年7月23日、ウクライナ東部のマレーシア航空17便が墜落した現場近くで、親ロシア派武装勢力がウクライナ軍の戦闘機2機を撃墜している。ロシア国防省は、ウクライナ側の戦闘機が、ロシア領からの攻撃で撃墜されたとの主張について否定した(Wikipedia から抜粋)

 (筆者注3)  ヴィンセンス (USS Vincennes, CG-49) は、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦。1988年7月3日、ヴィンセンスはウィリアム・C・ロジャーズ三世艦長の指揮の下、ホルムズ海峡においてイラン航空655便のエアバスA300B2に対してSM-2ブロックII艦対空ミサイルを2発誤射し、これを撃墜した。この事故により乗員乗客290名全員が殺害された。(Wikipediaから抜粋)

(筆者注4) flightradar 24”(フライトレーダー24)とは、2006年、2名のスウェーデンの航空ファンが、ヨーロッパ北部・中部のADS-B受信ネットワークの構築をスタートし、2009年に公開した。希望するユーザーは、誰でも受信したADS-BのデータをFlightradar24のサーバに送信できるシステムとして公開されたため、世界各国の航空ファンの協力によってレーダーの対応範囲が拡大し、現在はヨーロッパ、アメリカをはじめとしてアジアやオセアニア、アフリカの一部に対応している。 従来は、航空管制官やパイロットしか知ることのできなかった、航空機の位置情報・飛行経路が手軽に取得できるため、航空事故発生時にマスメディアの情報源として用いられている。(Wikipedia から引用)

 ちなみに、“flightrader 24”で見た2020115()840分現在のわが国の周辺の航空機の飛行ライブ情報を引用する。

 

(筆者注5) PS752便の死者の国別内訳は、イラン人が82人、カナダ人が63人、ウクライナ人が11人、スウェーデン人が10人、アフガニスタン人が7人、イギリス人が3人であった。カナダ人がイランの次に死者が多かったのはイラン系カナダ人やイランからの留学生が多く含まれていた点がその背景にある(110日付 CBC news Canada's victims of Flight PS752は州別家族の写真を具体的に掲示している)

(筆者注6) 2019620日、マレーシア機撃墜に関し、国際合同捜査チームは起訴されるのはロシア人のイゴーリ・ギルキン、セルゲイ・ドゥビンスキー、オレグ・プラトフの3容疑者と、ウクライナ人のレオニド・ハルチェンコ容疑者を殺人罪で起訴を発表した。、ギルキン容疑者はロシア連邦保安庁(ФедеральнаяслужбабезопасностиРоссийскойФедерации:FSBの元大佐で、ドゥビンスキー容疑者はロシア連邦軍参謀本部情報総局(лавное разведывательное управление:GRU)に雇われていた。プラトフ容疑者はロシアの特殊部隊「GRUスペツナズ」の元兵士である。 

(筆者注7) 世界経済は、広大な海洋を横断する物資の移動を確実にするために、国際海域を航行する自由に依存している。世界の海軍は、地域が安全であることを保証するために、互いに協力し、協力し、外部機関と協力して取り組む必要がある。合同多国籍海上部隊(CMF)は、国際テロの脅威に対抗するために2001年に創設されたが、その後、海賊対策活動を含むように任務が拡大された。もともと12か国の同志国の海事軍の集団であったCMFは、現在、湾岸協力会議(GCC) (筆者注7)からの積極的な支援と東南アジア諸国からの関与の高まりを受け、世界中からの33カ国で構成されている。なお、33か国とは次の国をいう。日本を含む33か国( Australia, Bahrain, Belgium, Brazil, Canada, Denmark, France, Germany, Greece, Italy, Iraq, Japan, Jordan, Kuwait, Malaysia, Netherlands, New Zealand, Norway, Pakistan, Philippines, Portugal, Qatar, Republic of Korea, Kingdom of Saudi Arabia, Seychelles, Singapore, Spain, Thailand, Turkey, UAE, UK, USA, Yemen). (CMFHPから引用、仮訳) 

(筆者注8) Combined Maritime Forces (CMF)”の訳語につき、わが国では防衛省等は「連合海上部隊」あるいは「合同任務部隊」を使うのが一般である。しかし、平成29年度版防衛白書中で“Task Force 150”等の具体的な説明の中では「米中央軍の隷下で海洋における安全、安定、繁栄を促進することを目的として活動する多国籍部隊。33か国の部隊が参加しており、CMF司令官は米第5艦隊司令官が兼任している。海洋安全保障のための活動を任務とする第150連合任務部隊(CTF-150)、海賊対処を任務とする第151連合任務部隊(CTF-151)、ペルシャ湾における海洋安全保障のための活動を任務とする第152連合任務部隊(CTF-152)の3つの連合任務部隊で構成されており、CTF-151には自衛隊も部隊を派遣している。」と注記している。したがって、従来の防衛省の訳語は、この内容に即して筆者が使う本文や(筆者注6)で引用したWikipedia の訳語である「合同多国籍海上部隊」等と比較しても具体性に欠けると思われる。 

(筆者注9)湾岸協力会議(Gulf Cooperation CouncilGCC、アラビア語:مجلسالتعاونلدولالخليجالعربية)は、中東・アラビア湾岸地域における地域協力機構である。正式名称は「Cooperation Council for the Arab States of the Gulf(湾岸アラブ諸国協力会議、CCASG)」。日本政府での呼称は湾岸協力理事会(GCC)1981525日にアブダビで設立。本部はリヤド。現在の事務局長はバーレーンのアブドゥッラティーフ・ビン・ラーシド・ザイヤーニー。(Wikipedia から抜粋) 

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ACCC 「トヨタ、マツダ、スズキが深刻な安全リスクから新しいエアバッグ安全リコールに参加」の新たな意義を見る

2020-01-11 14:31:58 | 消費者保護法制・法執行

 

 オーストラリアのタカタ製エアバッグのリコールについては、従来からわが国メディアでも以下のような記事が取り上げられている。

(1)  2017年7月24日記事

 オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は24日、タカタ<7312.T>製エアバッグのリコール(回収・無償修理)について調査していると明らかにした。

 同国の警察はこれより先、シドニーで今月、自動車が衝突して運転していた男性が死亡した事故について、欠陥エアバッグが原因だったとの見方を示していた。これがタカタ製であれば、同社製の欠陥エアバッグによる世界で18人目の死亡例となる。ACCCによると、オーストラリアでは2009年以降、230万台以上がリコール対象となっている。以下略す。

(2)  2018年2月28日記事 

 オーストラリア当局は、欠陥のあるタカタ製エアバッグを全てリコール(無料の回収・交換)させる。豪競争消費者委員会(ACCC)が28日にウェブサイトに掲載した資料によると、国内の自動車の約7台に2台が強制的なリコールの対象となる。

 自動車メーカー各社は、2020年末までにエアバッグの交換を完了する必要がある。既に自主的なリコールの対象だった車両のほかに、新たに130万台に今回の措置が適用される。

 オーストラリアでは09年以降、欠陥のあるタカタ製エアバッグを搭載した車両が約270万台リコールされている。同国ではタカタのエアバッグが原因とされる事故で死亡1件、重傷1件が報告されている。以下略す。 

 以上読んでわかるとおり、これら記事では自動車メーカー名が明確に表に出てこない。これらの記事はAPやブルームバーグ等欧米の主要メディアの翻訳版であるが、その理由は何かという筆者の疑問への答えはいかなる点であろうか。

 その意味で今回のACCの発表とその背景にある自動車業界の安全性問題の根の深さが理解できよう。以下で、ACCCのリリース文仮訳を行うとともに、その新たな意義を検証する。 

1.ACCC(オーストラリア競争・消費者保護委員会)のトヨタ、マツダ、スズキ車のユーザー向け警告

 1月10日、人気のトヨタ・スターレットを含む1996年から1999年の間に製造された18,000台以上の車両の自主回収を発表し、影響を受ける車両の買い戻しを申し出た。これらの車両には、潜在的に致死につながるタカタNADI 5-ATエアバッグが装着されている。

 ACCCのスティーブン・リッジウェイ(Stephen Ridgeway)委員長代行は次のとおり述べた。「これらのエアバッグは、事故で誤って展開し、高速で車両のキャビンに部品や金属片を推進することによって、車内の人々を傷つけたり、死に至る可能性がある。これらエアバッグは、クラッシュ時に完全に膨張していない場合もあり、ドライバーを期待どおりにその保護ができなかった。

 影響を受けるトヨタ、マツダ、スズキの車両の所有者は、直ちに車両の運転を停止し、緊急の無料検査を手配するためにメーカーに連絡することを勧める。オーストラリアの安全当局は現在、オーストラリアでこれらのエアバッグの不配備の疑いに関する4件の事件の報告を受けている。これらの事件は、BMW車の死亡と重傷、トヨタ車の死亡と重傷をもたらした。

 ドライバーはこれらの警告を真剣に受け止める必要がある。これらのエアバッグは、死亡または重傷につながる深刻な安全リスクを引き起こす可能性がある。自ら命を危険にさらさないでほしい。そして、あなたの車が影響を受ける場合、他の輸送手段を検討してほしい」 

 各消費者は、下表で車両の車両識別番号(Vehicle Identification Number)を確認するか、ACCCのオーストラリア安全規制局 (Product Safety Australia website) (筆者注1)にアクセスして、自分の車がこのリコールに含まれているかどうかを確認する必要がある。自分の車が影響を受けているかどうかを確認するために助けを必要とする人は、助けを求めて各メーカーのホットラインを鳴らすべきである。

 具体的には、トヨタは、交換用エアバッグが利用可能になるまで、車両を買い戻すか、長期的な代替車のレンタルを提供するサービスを提供している。 また、マツダとスズキは、影響を受ける車をオーナーから買い戻すことを申し出ている。

 トヨタ、マツダ、スズキによる本日の自主回収は、2019年11月以降、アウディ、BMW、フォード車にかかる約17,000台の自主回収に続くものである。ACCCの支援を受けたインフラ・運輸・都市・地域開発省は、ホンダと三菱の自主回収を完了しようとしている。これらのリコールはまもなく開始される見込みである。 

 アウディ、BMW、フォードはすでにリコールを開始しており、緊急的に顧客に連絡している。影響を受けるアウディ、BMW、またはフォードの車両にアクセスしていて、まだ連絡を取っていない場合は、メーカーに緊急の無料検査を手配してほしい。 

 さらに、アウディ、フォード、ホンダ、マツダ、三菱、スズキ、トヨタは、この安全問題の結果、クリスマス休日期間中に大きな困難を経験している消費者に対して、緊急の短期支援を検討することに合意した。この苦難の支援を求める消費者は、自動車メーカーの本社に連絡することができる(下記の連絡先詳細)。BMWのオーナーは直接BMWに連絡して、車両を点検用に手配要求することができる。

 今回の消費者向けの詳細については、タカタNADI 5-ATエアバッグのリコールを参照されたい。 

2.今回の一連の緊急措置の背景と重要な問題点

 これらの車両には、8つのメーカーにわたる約78,000台のオーストラリア車に搭載されたタカタNADI(非アジドドライバーインフレータ)タイプの5-ATエアバッグが搭載されている。これらの車のかなりの数はまだ登録され、国内の道路上で走行している可能性が高い。

 今回問題となる「NADI 5-ATエアバッグ」は、既存のタカタ製エアバッグの強制リコールの下で幅広いメーカーから多数の新しい車でリコールされたエアバッグとは異なる。

 以前にwww.ismyairbagsafe.com.auをチェックして、エアバッグがエアバッグのリコールの強制の影響を受けているかどうかを確認したドライバーでも、再度オーストラリア安全規制局のウェブサイトも確認する必要がある。 

 タカタの承継会社であるジョイソン・セーフティ・システムズ(JSS) (筆者注2)は、世界的に供給されている特定のインフレータ(エアバッグインフレータ:自動車のエアバッグ用のガス発生装置)安全リスクを確認している。

 2019年12月3日に米国道路交通安全局(NHTSA)に機器の欠陥報告書が提出され、2020年初めに米国で影響を受ける車両のリコールが見込まれている。

 また、2019年11月のBMWリコール直後、豪インフラ交通省はすべての自動車メーカーに連絡を取り、オーストラリアの他のどの車両が影響を受ける可能性があるかを判断した。

 

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(筆者注1) Joyson Safety Systems(JSS)は米国ミシガン州アーバーンヒルズにグローバル本社を置き、25か国の98ロケーションから主に自動車用部品、システム、 及び技術を提供しており、また5万人を超える従業員によりグローバルにネットワークを展開している。

JSSは中国上海に本社を置くNingbo Joyson Electronic Corporation(SHA:600699、「Joyson Electronics」)の子会社である。

 (筆者注2) 2017年11月、均勝(寧波均勝電子(ジョイソン・エレクトロニクス;Ningbo Joyson Electronic))は、傘下の米子会社である自動車部品大手、キー・セイフティー・システムズ(KSS)を通じて、相安定化硝酸アンモニウムを使用したエアバッグに関する事業を除くタカタ株式会社を買収すると発表した。買収金額は、約1,750億円(15.88億米ドル)と公表されている。

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