HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

たとえば・・・

2006年11月09日 | ELLEGARDEN
たとえば、コートを手作りする時、まずはデザインに何日も費やす。やっとデザイン画を完成し、型紙を作る。さらに糸から表地に裏地、針の細さそういうものから丁寧にそして悩みながら選んでいく。次に型紙に合わせて失敗しないように生地を裁断して、パーツをつくる。それを一つずつ手で縫い合わせて、そで口から襟、裾の始末までぬかりなく、縫い目もしっかりそろえて、ひと糸ひと糸に心をこめて針を動かしていく。そして、ほんの少し刺繍なんかも施しながら、それも決してコートの全体的なイメージを損なわないようにデザインも慎重に決める。刺繍の糸も厳選して上品なものを選び、絵をそこに糸で描く。ボタンもその素材から形・大きさもコートのバランスと対比しながら選び、一つ一つしっかりと縫い付けていく。そして、完成。コートのどの部分にも行き届いている自分の思い・・・それを羽織った人の事を想像する。その人を暖めることを思う。冷たい風からも守ってくれるように・・・と。

そんなアルバムが『ELEVEN FIRE CRACKERS』だ。このアルバムがあれば、これから来る冬も心は温かくいれるだろう。そしてどんな季節であろうと、つらい風が吹いた時は温かく包んでくれるだろう。


このアルバムの3曲目はシングルカットになった「SPACE SONIC」。これも英語詩。

日本語訳では「多分ね 完璧な人間はいないんだよ だけどさ 誰がなりたがる?」とある部分。

こういう言葉をさらっとかけてもらったら、今の時代のこどもたちはなんか救われるんじゃないかなって・・・

それにしてもこの曲のメロディ展開というか演奏の絡み合いというのかがすごくて、何度聴いても圧倒される。ドラムのビートからギターのインストからベースのたたみかけから、かなり難しくて、こういう曲ができてしまうっていうのはこのバンドの底力ゆえんだ。メンバーひとりひとりのレベルがすごいんだよね。ライブでこの曲をやってくれた時にはもう天に昇りそうになる(笑)

4曲目の「Acropolis」はすごく言葉に力があって、その言葉が怒濤のように押し寄せるかんじ。そしてメロディの感じはもう英米の名のあるバンドたちのひけをとらない感じ。もうこんなところまで来ているんだって・・・

5曲目の「Winter」はいろんな英語の固有名詞が並べられる。そして日本語がそこに続く。これはミックス詩の曲。それなのにすごく自然に聞こえてしまう。英語と日本語が音の流れからすごく自然に溶けあっていくんだ。淡々と歌われて行くのに演奏はすごくエモーショナルな展開をしていって、それこそパレードみたいな感じがする。そう言葉のパレードみたいなイメージだ。歩いて行くんだ・・・規則正しく言葉たちが。この曲にはせつなさもあるけれど、どこか笑顔がちらつく。不思議なんだけど、聴けば聴くほど細美くんやメンバーの笑顔が見える・・・とびっきりの笑顔が・・・なぜだろう?



まだまだ私の勝手な感想は続くけれど、これはあくまで私自身が感じたこと。人によって聴き方も感じ方もいろいろ。だから適当に読み流して下さって結構なんだけど、一度は是非このアルバムを聴いてほしいな・・・って思う。私の言葉では表現しきれない多くの部分が一度聴くことでわかってもらえるかもしれないから・・・

逆展開的に言うなら、このアルバムを好きだという私自身、ELLEGARDENをこんなにも好きだという私自身、のこともわかってもらえるかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする