あの頃(スター・番外編)4

ハナちゃんは、誰にでも優しく、いつも笑顔の女の子。

絶対モテそうな感じの女の子です。

案の定、王子がやたらと彼女に絡んでくる。

最初は、"王子とお似合いじゃない？"って思ったのですが、様子を見ると、王子のライバル役のナミ君(役名)の方に関心があるように見えた。

だけど、それに気付かない王子は、

「ハナちゃん、ピアノひいて～❗」

と、とても親しげに振る舞う。

王子は誰にでも人懐っこいタイプなので、ハナちゃんの手を握ろうが肩を抱こうがあまり驚かないが、ソレに慣れてないハナちゃんは、いつもちょっと戸惑っている。

何よりナミ君のことを気にかけているようだ。

そしてなんと、王子とナミ君、役柄上、ハナちゃんを取り合うような設定だ。

…そんなこともあるので、尚のこと、王子はハナちゃんと仲良くしたがっているように見えた。

(恋愛がメインのストーリーでは無いので、そこのところは、あまりスポットが当たらないシーンではあるのですが…)

「ハナちゃん。ここの音、教えて？」

ある時、ナミ君は、遠慮がちにハナちゃんに質問して来た。

「ここはね…」

ハナちゃんは、心なしか嬉しそうに見える。

いや、心なしか…というより、分かりやすく嬉しそうに見えた。

そんなハナちゃんの顔を見てたのは、私だけじゃなかった💦

あの頃(スター・番外編)3

ハナちゃんのピアノの回りには、数人の男子が集まってくる。

幼稚園の先生を囲む生徒たちのよう…💦

『あ、もう、邪魔者…💦』

王子と二人っきりにしてあげてよ～❗

…っと、思っていたら、なんと、ハナちゃんにの本当のお気に入りは、その邪魔者の中にいたんです💦

主演の王子のライバル役のイケメン。(こちらもまた、イケメンなワケです💦)

漫画的な話しをすると、王子が白のキラキラなら、ライバルは黒の薔薇…という感じかな？(余計にわからなくなったかな？💦💦)

例えば、こんな感じです。

イケメンだけど、

空気がうまく読めてない、王子。

あまり自己主張はしないけど、何を考えてるかわかりにくい、ライバル。

※すみません🙇イメージを表したくて、ネット上から画像をお借りしました。

あの頃(スター・番外編)2

ハナちゃんは、王子が好きなのかなぁ…と、思っていました。

「♪ん～　ん～　ん～⤴️」

演出が来る前に楽譜を見て自主レッスンに熱心な王子。

「ハナちゃん、ピアノひけるよね。」

「はい」

「ちょっと頼んでいい？」

稽古場の隅っこにあるピアノでをハナちゃんがひいて、王子が歌う。

王子を狙う女の子はたくさんいたけれど、少し地味目で優しいハナちゃんがお似合いだなぁ…なんて思っていました。

「あ、自分も！」

いつの間にか、二人の世界に邪魔者が増えていって、ハナちゃんのピアノの回りには、数人の男子が集まってくる。

『あ、もう、邪魔者…💦』

っと、心の中で、そっと思っていました。

だけど、ハナちゃんは、とても嬉しそう。

幼稚園の生徒に優しく教える先生みたいです。

王子も何かと言うとハナちゃん先生を頼りにしていて、見ていて微笑ましい。

私は密かに、ハナちゃんを応援していました。

あの頃(スター・番外編)

そのスターさんと参加したミュージカルで、少し仲良しだった女の子の恋のお話しをさせてください。

そのコは、私より2才年下の女の子。

音楽大学に在学中で、楽譜は読めるし、歌声が綺麗❗

…だけど、ダンス経験は少なく、ダンスは苦手💦

…と言って、一番華やかなダンスシーンから辞退した女の子でした。

「どうして？あの華やかなシーンに出ないともったいないよ～❗」…という、周りの女の子たちの言葉にも、

「いいの、いいの、本当にいいものを作りたいから、私はそのシーンは出ない方がいいの❗」

…と、言い切る女の子で、

…なかなか、面白い人だなぁ…と、思っていました。

女の子の名前はハナちゃん。(役名で呼んでいました)

「あんこさん、例のダンスシーン、良くなったね～❗」

ハナちゃんは、何故か私の側に居ることが多く、相談もよくされていました。

ハナちゃんは王子の話しをすることが多く、

『ハナちゃん、王子が好きなのかなぁ…』と思っていました。

あの頃(スター)29

ーーところで、

しばらくして、姫が辞めた理由を聞いた。

未成年の姫の飲酒を確認できたからだ。

実はミュージカルに参加した頃は、すでに姫は成人していたハズだったし、未成年の時期から飲酒をしていた事実を知って、田口さんは姫を辞めさせる決断をしたらしい。

アイドル好きの田口さんかと、少し侮っていたようだが、見直しました。

今は、姫もプリンセスも、そして王子もどうしているのか…全くわかりません。

憧れのスターさんは、最高の輝きを放ったまま、本当の星になりました。