あの頃(スター・番外編)9

役作りについての論議に火がついた。

最終的に裏切る…という設定だったら、その部分にウェイトを置くのか…。

それとも、そこに至るまでの部分で役作りをするか…。

理屈はどうあれ、ナミ君が好きなサエちゃんは、仲良く(側にいたい)したい。

「役作りのせいにするのは変だよ」王子が呟いた。

　

確かに、その頃、不自然なほどにサエちゃんがナミ君の隣に居る。

ナミ君が、違和感を感じはじめたようだった。(サエちゃんは、甘えん坊の恋愛体質らしく、好きな人が出来ると、わかりやすい)

それに気づけないサエちゃんの態度に一石を投じた王子の言葉に、サエちゃんが凍りついたのだった。

それから、サエちゃんは、ナミ君の側にいることが無くなった…。

…かと言って、ハナちゃんの側に来ることもない。

さて、例のバトルシーン。

ハナちゃんとサエちゃんの心に距離が出来てしまったようで、とてもギクシャクしているように見える。

良く見ると、サエちゃんは、ハナちゃんの顔を見ようとしていない…。

そんなバトルシーンの稽古風景は、危なっかしい💦

そんなサエちゃんの態度も察して、ハナちゃんも、ギクシャクし始めた。

あの頃(スター・番外編)8

ハナとサエのバトルシーンが白熱してきた。

…まぁ、それでも、どこか遠慮がちなので、勢いがあまると、急に笑顔になったりしていました。

そして、実際の恋愛模様は…というと、サエちゃんはハナちゃんの側にいる事がなくなりました。(それまでは、同じ大学ということもあって、いつも一緒に居たのですが…)

そして、気づくとナミ君の側に…。

「最近、サエは、ナミ君の側にいるよな～」

冗談混じりに、仲間の男の子がそんな言葉を本人に放った。

「サエの役作りだよ😃」

…"役作り"発言が良くなかった。

「最終的には、サエはナミを裏切るワケだから、本当なら気持ちは"敵対"してるものなんじなないの？」

確かに、サエはナミ君を裏切ることを目的に近づいてくる…という設定。

だけど、サエちゃんは、前半の本性を隠してナミに近づく…という部分にウェイトを置いて役作りをしている…と。

仲間の男性は、「いやいや～、本性の部分の"裏切るサエ"で役作りをするもんでしょう？普通！」

…サエちゃんは言い返す言葉が見つからず黙ってしまった…。

「サエちゃんの考える通りでいいと思うよ」

助け船を出したのは、件のナミ君。

(そんなところにホロッと来ちゃうのよね、女子は💦)

「私の考えでいきます。」

サエちゃんは、ナミ君に"許可"をもらったかのように、嬉しそうにナミ君の横に行った。

　

「やっぱり、変だよ。」

王子がポロリと呟いた。

「役作りのせいにするのは変だよ。」

あの頃(スター・番外編)7

ミュージカルの稽古に励みながらも、徐々にそれぞれの恋もようが見えて来た風景💕

王子やら、ハナちゃんやら、ナミ君やら、サエちゃんやら、出演者が多くて、ちょっとややこしくなって来たので、少しでもわかりやすく、絵に表してみました。

恋のライバル、ハナちゃんとサエちゃんの

バトルシーンが追加された。

作品は恋愛ものではないので、バトルシーンと言っても、"恋のバトル"では無いのですが、わかりやすく『ナミ君好き』が見えてきたサエちゃんと、ナミ君から思いを寄せられる役のハナちゃんのバトルはちょっとドキドキです。

台本を見る限りだと、物語の最後の方に裏切る役のサエに真意を迫るハナ。

逃げるサエを追い詰め、捕まえて真実を探り出す…。というような設定でした。

女の子同士のバトルなので、最初の頃は遠慮がちで、まるでじゃれ合っているような雰囲気のものでしたが、稽古が進むにつれて、気持ちが出来上がっていくと、迫真のものになっていきます。

…それと、同時に、ハナちゃんとサエちゃんの三角関係が複雑化してそれもドラマの味付けになってしまったのか、周りにもドキドキが伝わるものになって行きました。

あの頃(スター・番外編)6

ハナちゃんは、ナミ君が好き…(たぶん)

ハナちゃんの友達のサエちゃんもナミ君が好き…(たぶん)

(たぶん)←とは書きましたが、結構、周知のことでした。

サエちゃんも、稽古が進むにつれて、ナミ君の側に居ることが多くて、(あれ？そんな感じの"仲"なの？)なんて思わせる雰囲気を醸し出していて(おそらく意識的に)ハナちゃんを牽制しているようにも見えました。

…まぁ、それでも、ナミ君がいない時には、ハナちゃんとサエちゃんは、仲良く(？)稽古をしてたりしていたのですが…。

　

ある時…、

王子とナミ君がハナちゃんを取り合う…というシチュエーションの稽古の時、ハナちゃんは、最終的には王子が好き…という設定なのですが、どう見ても、ナミ君寄り…と演出にも見えたようで、

「おいおい、ストーリーを変えるな！」

と、言われて笑いが起きました。

そこで、王子は、戦線離脱。

四角関係は終わりましたが、笑っていなかったのはサエちゃん。

三角関係の構図は、かなり強めに確認できた感じでした。

そして、なんと、私的にはドキッとするシーンが追加されました。

ハナちゃんとサエちゃんのバトルシーン💦

あの頃(スター・番外編)5

ハナちゃんは、ナミ君にも音楽のアドバイスをしている。

王子に教えている時よりも、あきらかに嬉しそうだ。

そんな嬉しそうな顔を、仲間のひとり、サエちゃん(役名)が見ていた。

サエちゃんは、ハナちゃんの同じ大学の後輩で、一緒にオーディションを受けて、一緒に受かって、一緒に稽古に励む…という、本当に気が合うかどうかは別として、

"いつの間にか"一番の仲間…的な存在のようだった。

サエちゃんは、役柄的には、ナミ君と一緒に居るタイミングが多く、最初の頃はハナちゃんと一緒に居たが、稽古が進むにつれ、ナミ君の側に居ることが多くなっていった。

もちろん、役作りとしては、正解なのでしょうが、実はキチンと台本を読み込むと、サエちゃんは、最後にはナミ君を裏切る側の役。

役作り的には、どちらにウエイトを置くのかな？なんて、考えたりしていました。

…まぁ、それは別としても、サエちゃんも、役作り…というより、ナミ君が好きだよね～⤴️という感じに見えていました。

ここで、四角関係…というか、複雑な図形が見えて来ました💦