パーン❗
平手打ちの音が稽古場に響いた。
シーンと静まりかえる。
皆も凍りついている。
何となく、嫌な空気であることは、皆察していた。
サエちゃんは、この空気をどうおさめるんだろう…。
『ごめん、ごめん💦間違えちゃった💦』
…と、言うしか無いような気がする。
…が、サエちゃんは黙って稽古場を出ていった。
…え?
このシチュエーションで出ていくと、戻りにくいのでは?💦
やむを得ず、稽古は休憩。
叩かれたハナちゃんは、放心状態が続いたが、やがて気を取り直し、稽古場から出ていくことをせずに、稽古場の隅で、じっと下を向いていた。
サエちゃん…、戻って来るんだろうか…。
この稽古場の空気から察するに、戻らないとマズイ…。
そして、何かしらの説明も必要だと思う…。
ナミ君も、ハナちゃんに近づけずにいた。
……やがて、サエちゃんが戻ってきた。
そして、何事も無かったかのように、戻ってきて、次の稽古を待つ…。
…え?💦とりあえず、ハナちゃんに謝罪はないの?💦
ハナちゃんの頬は、みるみる赤く腫れている。
皆、気にはなるけど、敢えて、ソレには触れない。
演出も、何事も無かったかのように、次のシーンの稽古を進めた。
ハナちゃんとサエちゃんのバトルシーンは途中のままだが…、その日、そのシーンに触れることは無く、終了。
稽古が終わると、ハナちゃんもサエちゃんも、そそくさと稽古場からいなくなった。