ハナちゃんは、王子が好きなのかなぁ…と、思っていました。
「♪ん~ ん~ ん~⤴️」
演出が来る前に楽譜を見て自主レッスンに熱心な王子。
「ハナちゃん、ピアノひけるよね。」
「はい」
「ちょっと頼んでいい?」
稽古場の隅っこにあるピアノでをハナちゃんがひいて、王子が歌う。
王子を狙う女の子はたくさんいたけれど、少し地味目で優しいハナちゃんがお似合いだなぁ…なんて思っていました。
「あ、自分も!」
いつの間にか、二人の世界に邪魔者が増えていって、ハナちゃんのピアノの回りには、数人の男子が集まってくる。
『あ、もう、邪魔者…💦』
っと、心の中で、そっと思っていました。
だけど、ハナちゃんは、とても嬉しそう。
幼稚園の生徒に優しく教える先生みたいです。
王子も何かと言うとハナちゃん先生を頼りにしていて、見ていて微笑ましい。
私は密かに、ハナちゃんを応援していました。