エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

宮廷神官物語 十一

2020-06-22 20:26:38 | 
榎田ユウリ 著  角川文庫  令和2年 6月25日 初版

朝ドラを見ていると、終盤になると決まってそれまでの出演者がなんらかの形で出てくる。

この物語もこれで最終巻なんだろうね。
今までの登場人物がほぼ揃って出てきて、全部の伏線が回収された、というか、うまくおさまっていた。

しかし、泣いたなー。
命がけで記憶を失った鶏冠の中に入って失われた記憶を取り戻そうと努める天青と、鶏冠が愛しくてたまらないのにそれを見せず、可愛がられている天青に嫉妬心すら抱く苑遊のふたり。
苑遊の生い立ちは鶏冠と似たり寄ったりだったし、天青とも似た能力をもっていた。

天青はいつの間にか自分の中の『慧眼児』をコントロールできるようになっていた。記憶を失わせたまま今に留まろうとする苑遊と対峙し、記憶喪失の鶏冠を救い出す。
その時の、青き龍の出現。 天青が、龍になった。 鳥肌もの(笑)

敵でもあった苑遊すら助けた天青。

今度は鶏冠の危機に自らが盾になって命を守った苑遊。

苑遊が傷も癒えぬうちに姿をくらまし、天青に残した手紙の所では号泣した。
かっこよすぎる退場や(笑)

曹鉄は武官に戻ったし、藍晶王子は、藍晶王になった。
櫻嵐もいつの間にか嫁いだようで鶏冠に懐く可愛い姫君まで生まれていた。

とてもすっきりと後味の良い終わり方を迎えていたと思う。

これって、知らなかったけれどもともと角川ビーンズ文庫で刊行されていたものの新装版なんだね。 ビーンズ文庫ではここで終わっているが、帯にもあるように書下ろしの続編が出るようなので、楽しみに待ちたい。

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