エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

なぎさ

2023-03-17 16:30:52 | 
山本文緒 著  角川文庫  令和3年 4月30日 4版

これも、いつもの知人から「読んで」と渡されたもの。
これはグロい系の本ではなかったけれど、やっぱりなんだか読み進みにくかった。

基本、ストリーテラーが複数でいるのって、読みにくいんだわ、わたし。
大昔? 「冷静と情熱のあいだ」なんてのも読んだけれど、あっち側とこっち側がうまく繋がれば文句ないの。

この作品は故郷を出て、結婚し佐々井冬乃となった人物と、その夫の佐々井の部下でもあった川崎という芸人をあきらめた男が、物語を進めていく。
そこに、冬乃の妹の菫や菫の「友達」だという何をしているのか何を考えているのがよく分からないモリという男も出てきて、なんだかややこしいようになっていく。

冬乃と菫の親もろくでもないし、佐々井くんもなんだかつかみどころがない。
住んでいるアパートでボヤを出して冬乃の所に菫が転がり込んできたが、実はこの姉妹もそんなに仲良く育ってきたわけでもない。
菫に誘われてカフェを始めたり、夫の勤め先がとんでもないブラック企業で、夫は体調も悪くなるし。。。

最後の解説にとてもうまくまとめられた事が記されていても、正直、わたしは解説の堀本裕樹氏の書いているようにはあまり感じられなかったんだなぁ。

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