エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

悪い夏

2022-04-01 16:01:03 | 
染井為人 著  角川文庫  令和3年 11月 20日 6版

文庫本の帯に『クズとワルしか出てこない。』とある。

実際、読んでいてむかつくほどのクズとワルばかり。
ヤクザ、生活保護費を不正に受給しているやつ。
不正受給者の弱みに付け込んで悪さを働くケースワーカー。
ネグレクトの母親、不倫女。

ひとりぐらい善人が出てきて、なんとかしなくては・・・と奮闘しても良さそうなものを欠片もない。
帯にはまた『鬼畜ノワールサスペンス』とも。
確かに。。。

生活保護受給者のことを『ケース』と呼ぶのはこの本で初めて知った。 だから、役所の生活福祉課の彼らがケースワーカーといわれるのも。

生活保護受給は決して悪い事ではないけれど、この小説の中のヤクザの言葉にも一理ある・・・というか、盗人にも三分の理だな、とヤクザの言葉に納得させられたのが、
『生活保護を貰ってる奴らは、楽して金を得ているからずるい』ではなく『一生懸命働いているのに生活保護世帯よりも安い賃金しか貰えない社会はおかしい』のくだり。

胸くそ悪い小説だけど、途中で止められなくなった。


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