なんで、こんなインパクトのないネーミングにしたのかなぁ
「移動と表現」という展示をやっているのは知っていましたが、こんなにすごいものとは思いませんでした
3月15日のNHK日曜美術館で、この美術展が、
「ニシムイ 沖縄・知られざる美術村」
というタイトルで紹介されているのを見て、ぜひ行ってみたいと思いました
戦争直後のアメリカ占領下の首里に「ニシムイ」と呼ばれた美術村があったそうです。そこでは、沖縄の画家達が、アメリカ兵相手に絵を売って生計を立てていました
アメリカに渡った、それらの絵の一部が、今回初めて里帰りしました。
今まで単なる「売り絵」と思われていましたが、そんなレベルの低いものではない、画家達の真剣な表現への熱意がこもった作品の数々です
玉那覇正吉の「自画像」からは、内側からこみ上げてくる、混沌としたエネルギーを感じます
これは安谷屋正義の「中城湾の眺め」ですが、占領後に米軍が作った真新しい道が、強く目に刺さってきます。
人々が行き交う生活から生まれた道ではない、強引にブルドーザーで作った道です
そんな米軍相手に絵を売って生きている自分は、いったい何者なのか
穏やかな海の風景の裏にある、作者の嘆きが聞こえてきそうです
「美術館開館一周年記念展覧会 移動と表現」
沖縄県立博物館・美術館(那覇市) 3月29日まで