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気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

大洗女子学園チーム戦車のキット (その四)

2013年09月26日 | ガルパン模型制作記
 大洗女子学園チームの戦車模型のおよび車輌のキットの選択理由や制作上のポイントなどについての現時点でのまとめです。今回は、カメさんチームの38 (t) 戦車および駆逐戦車ヘッツアー、カモさんチームのルノーB1bisおよび九五式小型乗用車を取り上げましょう。


 カメさんチームの搭乗車は、対プラウダ戦までが38 (t) 戦車、対黒森峰戦では駆逐戦車ヘッツアーとなっています。いずれもプラッツより公式キットがリリースされていますが、上画像は38 (t) 戦車です。箱絵は、聖グロリアーナ女学院との親善試合時の金色塗装時を表しています。黄色のように見えるのですが、塗料はゴールド系が指定されています。ただ、ゴールドと言っても色んな色調がありますから、劇中のイメージと見比べながら、ある程度の調色をやる必要がありそうですね。
 私自身は、全国大会出場時のジャーマングレー一色塗装の姿に仕上げる予定ですので、金閣寺のようなキンキラキンの戦車とはまず縁がありません・・・。


 プラッツの公式キットは、上画像のドラゴンのキットが元で、これを箱替えしただけのようです。E/F型とあるように、後期型を再現したキットです。ですが、ガルパン仕様は前期型に属するので、公式キットをそのまま仕上げると劇中とは違う姿になります。これについては以前の記事でも少し触れましたね。
 ですので、プラッツの公式キットやドラゴンの元キットを使用する場合は、どうしてもあちこち改造したり作り変えたりしないといけないわけです。私自身が今までにノートにまとめた、各キットごとの制作ポイントや改造ポイントを振り返ってみると、この38 (t) 戦車が、プラッツ公式キット各戦車の中では、最も改造箇所が多いんですよ・・・。


 では、ガルバン仕様に最も近いキットはあるのか、というと、この上画像のB型のキットが唯一の製品であるようです。トライスターから出されたキットですが、現在では生産も販売もしていないようで、入手がとても困難です。時々、このキットがオークションなどに出品されているのを見かけますが、希少品であるために取引価格も一万円を超えるケースが少なくないようです。

 こうした現状をふまえますと、38 (t) 戦車をガルパン仕様に仕上げるには、トライスターのキットを高価でもいいから何としてでも入手して組み立てるか、ドラゴン系のプラッツ公式キットを通販で安く買って必要な箇所を改造するか、の二通りの方法があるということになります。
 また、プラッツの公式キットやドラゴンのキットでは、履帯も全部作らないといけないので、改造と合わせれば相当の手間がかかります。そこで、タミヤのマーダーⅢのキットについている履帯を転用するという方法もあります。周知のように、マーダーⅢは38 (t) 戦車の車台に75ミリ砲または76ミリ砲を搭載した対戦車自走砲ですので、履帯は38 (t) 戦車と同じですし、タミヤのキットではベルト式になっています。
 以上をふまえた上で、私自身は、プラッツの公式キットを購入して改造するという方法を選びました。無理してトライスターのキットを買うより、公式キットを改造して、その過程を楽しんでみようと考えたからです。履帯も、タミヤのマーダーⅢのキットのベルト式部品を転用する方向でいこうかな、と思案しています。履帯だけでなく、他のパーツも幾つか転用出来るかもしれませんね。車輪とかは、やっぱり後期型なので転用は難しいかも。


 続いて駆逐戦車ヘッツアーです。これはプラッツの公式キットですね。元はドラゴンのキットですが、部品数は少なめに抑えられているので、たぶん元キットの中身をある程度減らしたのかもしれません。
 問題は、この公式キットも厳密にはガルパン仕様と異なる、という点です。劇中のガルパン仕様は、前期と中期と後期のごちゃまぜ状態であるのに、この公式キットは前期型です。劇中のヘッツアーの最も目立つパーツのひとつである、後部マフラーが前期型タイプなので、公式キットもそうなったのかもしれません。ところが、劇中のヘッツアーは、後部マフラー以外は中期型や後期型の特徴が多いのです。後部のハッチ配置や機銃の防楯は後期型のそれですし、誘導輪に至っては末期型のみにみられる六穴タイプです。
 とにかく、ごちゃまぜ状態なんですね。アニメ表現上の都合による改変が、ヘッツアーに関しては特に多いように感じるのは、私だけでしょうかね。いずれにせよ、公式キットをそのまま組むと、ガルパン仕様にはならないわけです。
 でも、ドラゴンからは「黒騎士物語」仕様の後期型のキットも出ていて、そっちにはガルパン仕様に通じるパーツがほとんどあるわけですから、これらの部品を入れ替えるだけで、劇中に近づけることはある程度可能だったはずなんですね。こういうところでプラッツが真剣に検討して頑張ってくれれば、公式キットも今よりもっと良いものになったと思うのですが・・・。


 さて、ヘッツアーのキットは、従来はこの上画像のタミヤ製品がよく知られています。これは中期型を再現しており、公式キットよりはガルパン仕様に近いと言えましょう。ただ、目立つ箇所のひとつ誘導輪が六穴タイプでないうえに、後部ハッチの一番後ろのハッチが再現されておらず、主砲の形状もやや異なります。なので、これらの相違点を修正するという作業が、このタミヤのキットを作る上では必須となるでしょう。
 ディテールの方は申し分ないです。さすがはタミヤですね。パーツも程よく抑えられて作りやすいです。履帯も作りやすいベルト式と連結式の2種類が用意されていて、モデラーのニーズに広く応えようとする意欲が感じられます。こういう気配りが、とても大切なんですよ。こういうところを、プラッツも見習ってほしいですね。

 私は、幸運にもこのタミヤのキットを、模型サークルの仲間に貰いました。貰うだけでは申し訳ないので、私の在庫にあった駆逐艦「陽炎」のキットを進呈しましたが、相手は「戦車専門のオレが軍艦を作るのはチト難しいなあ。スケールが一気に小さくなるもんなあ」と苦笑していました。
 とにかくタミヤのキットが手に入ったのですが、私自身は、ヘッツアーのキットはアカデミーでいこうと考えていたのでした。


 これが、アカデミーのキットです。これは後期型をベースに再現していますが、中期型や末期型のパーツも揃っているので、ある程度時期に幅が持たせられるキットです。ガルパン仕様にほぼ通じる後部のハッチ配置がモールドされているほか、機銃の防楯、六穴タイプの誘導輪もちゃんと入っています。惜しい事に後部マフラーだけが、後期の簡易タイプになっているわけですが、そこはプラパイプなどで自作するしかありません。私の場合は、タミヤのキットから転用出来るので良かったです。
 また、プラッツ公式キットやタミヤキットでは、車輪のボルトの数や配置が劇中と異なります。アカデミーのキットも異なるのですが、配置が似ているので、パッと見た感じではあまり違いが目立ちません。履帯も連結式なので、制作は楽な方です。
 こうした諸点を勘案して、私はこのキットに決めたのですが、あんまり在庫が無い製品なので、購入するまでが大変でした。毎日いろんな通販サイトをチェックして、入荷した時点でパッと注文しないと、あっという間に「品切れ」になるんですよ。ガルパン戦車模型のモデラーさんの多くが、ヘッツアーに関してはこのアカデミーのキットで制作されていますので、とにかく人気があってすぐ売れてしまうわけです。


 次は、カモさんチームの戦車および車輌のキットです。


 カモさんチームの戦車ルノーB1bisは、公式キットが出ていません。上画像は、タミヤののキットです。フランスの戦車や車輌のキット自体があまり出ていないので、ルノーB1bisに関しても、このタミヤ製品がほぼ唯一の市販キットとなります。比較的新しい時期の製品なので、出来も組み立てやすさもバッチリです。これはもう迷わなくていいですね。


 タミヤは、ルノーB1bisのキットを2種類出しています。先の画像がフランス軍仕様、上の画像がドイツ軍仕様です。第二次大戦でフランスはドイツに降伏して占領されましたから、ルノーB1bisも鹵獲または接収されてドイツ軍が使用していたわけです。でもそのまま使っていたみたいで、フランス軍仕様とドイツ軍仕様の差異はあんまり無かったらしいです。
 それで、キットも同一だと聞きました。だから、どちらのキットを買っても同じです。私はフランス軍仕様キットを買いました。

 このルノーB1bisは、ガルパン戦車模型の中では簡単に作れる優良キットに属します。ただし、ガルパン仕様に仕上げるにはやはり幾つかの小改造が必要です。最も手間がかかる箇所は、転輪部分のスカートの除去とプレートの追加だろうと思います。あとは削ったり省いたりの作業で済みます。この転輪プレートは、戦車博物館に現存する実車や第二次大戦中の実車の写真を探しても全然見あたらないので、これもアニメ特有の謎設定なのかもしれません。
 ただ、キットの転輪を、劇中と同じようにプレートに揃えるのは難しそうです。一番前の転輪だけが持ち上がってる状態ですから、プレートに収まらないのです。このあたりをどうするかは、モデラーそれぞれの判断も様々にあるようです。私自身がキットの部品を見て色々測ったところでは、劇中と同じ形にするならば部品も履帯も少々いじることになりそうだな、という感じです。
 でも、このキットは、大洗女子学園チームの戦車模型のおよび車輌の全てのキットのなかでみたら、作りやすさは二番目ぐらいだろうと思います。


 では、一番作りやすいキットは何か、というと、この上画像の九五式小型乗用車なんです。通称の「くろがね四起」の方が通りがいいらしいですね。製品精度では定評のあるピットロードの公式キットで、バーツの合いも抜群です。しかも小改造が必要ありませんので、そのまま組み立てても問題ありません。ピットロードがガルバン企画に参入して公式キットを出してくれたのは大正解でしたね。
 しかもこの公式キットにはもう一つの功績があるんですよ。それはガルパンキャラクターデカールのカモさんチームバージョンが実現されたという点です。カモさんチームの戦車は、前述のルノーB1bisなのですが、これはタミヤの製品なので公式キット化はまず有り得ないわけですが、それではカモさんチームバージョンのデカールも出せないではないか、と、ガルバンファンの不満が巻き上がるわけですよ。それをピットロードが見事に解決してくれた格好です。
 ピットロードは、周知のように、軍艦艦艇キットの方でも、きめ細かな商品作りと販売サービスを充実させています。かゆい所に手が届くというか、分厚い気配りというか、モデラーのニーズを深く先取りしてくれるというか、そういうところが感じられるんですけれども、その精神でガルバン劇中の色んな車輌をどしどしキット化してくれたらな、と思います。
 それにしても、大洗女子学園チームの戦車模型のおよび車輌のキットで、作りやすさの1番と2番をカモさんチームが占める、というのは単なる偶然なんでしょうかね。園みどり子率いる風紀委員会の厳格なまでの姿勢が、作りにくいキットを排除したのかもしれませんね・・・、って、そんなわけ無いでしょうが !


 これは、公式キットの元キットです。陸軍の「くろがね小型貨物自動車」を再現しており、九五式小型乗用車の貨物用バージョンというのが正しい分類のようです。戦時中の写真などを見ても幌がついておらず、こっちの状態が普通だったらしいですね。実際の陸軍や海軍では、九五式小型乗用車は小型乗用車の形状で使用されていて、幌付きオープンカーの姿が戦時中の写真でも多く見られます。タミヤのキットの形状がそういう感じですね。
 なので、ガルバンの幌付きの形というのは特殊な形式だったのかもしれません。陸軍や海軍にあるトラックで幌がついてるのは、大抵は九四式や九七式などの自動貨車なんですね。ピットロードの元キットには荷台の幌はついていませんので、ガルパン仕様の幌付きの形というのは、ひょっとするとガルパン独自のアニメ謎設定では、と思ったりもします。 (続く)

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