
恵文社一乗寺店を出て、曼殊院通を少し一乗寺駅の方へ引き返し、最初の交差点を右折して叡山電車線路の西側の道を南下しました。

300メートルほど歩くと、上図のように左手に白川疎水の分水路が見えてきます。その南で斜めに白川疎水通と交差します。

白川疎水通との交差の南に北大路通が東西に通ります。そこへ左折してすぐに叡山電車の踏切を渡りました。

踏切から25メートル東で、南東へ分離する白川疎水通に折れます。そのまま疎水に沿って歩きます。

100メートルほど進むと、右手に大きなマンション「エスリード一乗寺」が壁のようにそそり立ちます。

その南の交差点が叡山電車の茶山駅への道との合流点にあたり、劇中に登場した場所の一つです。

上図のように、2期のオープニングのワンシーンになっています。建物だけでなく、電柱、交通標識、ガードレールに至るまで完全に一致します。
この景色がある道は、茶山駅から京都造形芸術大学への通学路の一つであり、私も何度か歩いた記憶があります。だから、テレビで初めて見た途端に、あっ一乗寺道の南分かれの道じゃないか、と分かりました。

疎水橋の上から見た疎水です。この辺りでは疎水水面が周囲の地表よりも高くなっていて、いわゆる天井川の状態になっています。これだけの高低差がある場所はここだけなので、アニメのスポットの特定も割合に楽だったのではないかと思います。

実は、この道の一つ北の道が古くからの一乗寺道であり、それは茶山駅の北を通ります。しかし、茶山駅の改札が南側に向けられたため、これに接した南の分かれ道の方が要路として発達し、いまでは京都造形芸術大学の正面に直接連絡するルートになっています。
それで、大学の講義終了後に帰りを急ぐ学生が、なかなか来ないバスよりも、この道を歩いて茶山駅から叡山電車に乗り、京阪電車に乗り継いで移動してゆくのが普通でした。その懐かしい道を、久し振りに歩きました。

予定では、造形大近くの食事処で一休みする積りでしたが、5系統のバスがすぐに来てしまいましたので仕方なく飛び乗り、そのまま平安神宮・美術館前まで移動しました。

バス停の向かいには、京都府立図書館本館の建物があります。建物自体は2001年の新築になりますが、上図の東面外回り部分は、明治41年の建設になる当時の新館施設のファサード(正面外構)のまま残されて、その文化財価値を考慮しての保存がはかられています。このファサードが、劇中にそのまま登場します。

劇中シーンです。2期番外編(第27話)「計画!」に出てきます。

ファサード上部レリーフ部分は、劇中においては、上図のように左半分しか出ていません。

全部出すと、御覧のように右から左へ「京都図書館」と読めますから、場所が特定出来る「京都」の二文字は出すわけにはいかなかったわけです。劇中では関東地方のどこかの県であるという設定ですから・・・。
ですが、京都の人ならこの歴史的建造物はたいてい知っている筈ですので、聖地の特定は容易であっただろうと思います。 (続く)