高倉健さんがお亡くなりになったそうです。
享年83歳。
劇場で観たのは『あなたへ』が最後となってしまいました。
僕は一度だけ健さんにお会いしたことがあります。
若い頃勤めていた映画関連会社の社内で、新作の試写に訪れたときでした。とっても綺麗なマネージャーの女性とお二人で。
その日は社内中「今日、建さん来るんだって!!」と朝から大騒ぎでした。僕は下っ端だったし、どうせ会えないと諦めていました。
しかし!!
僕の部署は幸運にも試写室(といっても35㎜どころか70㎜のフィルムもかけられる、本格的な試写室でした)のすぐ脇だったんです。
だとしても来社時間も分からなかったし、「もし会えたらサインもらおう!!」程度に思いながら同じ部署の方数名と喫煙スペースで煙草を吸っていました。
そこに突然、会社のお偉いさんに案内されながら健さんが階段を昇ってきたのです。
あまりにも急すぎる展開に、僕はサインのコトなどすっかり忘れて(多分文字通り)口をあんぐり開けて健さんを見つめていたと思います。
すると健さんの方からあの声で「おはようございます」と声をかけて頂き、映画そのままの会釈までして頂きました。
我に返った僕らも、何とか「おはようございます」と必死で声を振り絞りご挨拶(笑)
そのまま健さんは試写室へと消えて行きました。
僕はその時のコトを、まるで昨日のコトのようにありありと覚えています。多分本当の大スターだけがもつオーラ。オーラってホントに見えるんですね(^^)
ちなみに健さん以外でオーラを放っていたのを見たは、ゴルフ場のトイレでお会いしたジャンボ尾崎さんと、東京ドームのVIP席の後ろのレストランでお会いした、讀賣の渡邉恒雄さん(別な意味のオーラだけど)だけです。
とにかく健さんの訃報に接し、今はただ驚きとショックしかありません。ご冥福をお祈り致します...という言葉もむなしい火曜日の昼下がり。今夜はこれを観ながら一人追悼式ですね。