GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

死亡フラグ立ちまくり 特捜9 Season4第三話

2021-04-22 03:53:54 | MUSIC/TV/MOVIE

死亡フラグという言葉がある。

いつからそう呼ばれだしたのかわからないが、ドラマでも映画でも漫画でも「あぁ、もうこいつ死ぬな」って感じるあれだ。

パニックもので「もう嫌だ〜」と小屋から飛び出る女。戦争もので同僚に「この戦いが終わったら故郷に帰ってあの子にプロポーズするのさ」とか言ったりするアレだ。アクションものなら窮地で仲間に「ここは俺が食い止めるから」『無理だ』「いいから行け!」『でも・・・』「大丈夫だ、後で必ず追いつく」『絶対だぞ』の三連チャン定番コースってのもある。

これらのパターン(フラグ)が出てきたら、間違いなくそいつは死ぬ。

そう、それが死亡フラグ。

 

まさか特捜9で死亡フラグが出てくるとは。

しかも最終話とかでなく途中話で。この4月に始まったseason4のまだ第三話目だ・・・。

 

知らない人のためにちょこっと書いておくが、「特捜9」は渡瀬恒彦主演で始まった「警視庁捜査一課9係」を継承する刑事ドラマ。渡瀬さんがお亡くなりになられた後(ドラマ内ではテロ対策室アドバイザーに転任)、2018年からV6の井ノ原快彦くんが特捜班リーダーとなり、個性派な刑事たちと共に事件を解決していく人気ドラマだ。

基本的に一話完結型で、特捜班刑事は「警視庁捜査一課9係」時代からの吹越満と田口浩正、羽田美智子と津田寛治、そしてseason1から登場の山田裕貴が井ノ原快彦とバディを組んで捜査する。

 

今回死亡フラグが立っていたのは津田寛治。役名は村瀬健吾。

season4に入る前、いやSeason3の時から「津田はもう特捜9を降りたがってる」なんて情報が飛び交っていた。勿論いつものように出所不明の“関係者の話”によるとだ。週刊誌のいつもの手なのでスルーしてたが・・・。

俺はこの津田寛治という役者が好きだ。そして吹越満も好きな役者の一人で、羽田美智子も昔から好きだ。だから誰一人欠けて欲しくない。

でも、今回の第三話。出だしからいきなり「最近昔のことをよく思い出す」と津田寛治が語るシーンから始まる。いきなり不穏だ。嫌な気しかしない。

 

今回は刑事ドラマなのに事件は発生せず、津田寛治の回想がメイン。

8年前によく仕事で着ていたスーツからブドウの形をしたイヤリングが出てきたのだが、誰のものなのか、なんで入っていたのか、全く思い出せない。記憶を辿っていきながら特捜班のメンバーとの出会いや衝突、葛藤、絆などを津田が思い出していく。

普段衝突(張り合って)ばかりで、周りからは犬猿の仲と思われてる吹越満。その相方で特捜班のムードメーカーでもある田口浩正。今日はなぜか珍しく昼飯を一緒に食う。やばいな。

最初は頼りなかったが、そのまっすぐな人柄で人を惹きつける、主任の井ノ原快彦。若手刑事として登場して4年、成長著しい山田裕貴。

もうこれだけでも死亡フラグが何本も立っているのだが、鑑識課の宮近海斗くんにブドウのイヤリングを証拠品では?と鑑定してもらうシーンで登場させたり、Season1,2の班長・寺尾聰やseason3から登場しラストでようやく心開いてくれたの中村梅雀、さらには渡瀬恒彦さんの想い出まで、2006年から2017年の「警視庁捜査一課9係」、2018年からの「特捜9」の映像をふんだんに使いメイン登場人物総出演。

まるで初心者用ガイドのよう。いや、この回想シーン全部が死亡フラグ。この先いなくなっても記憶には残りますよってか。

 

今日は何も事件が起こらないまま平穏無事に退社。

このまま終わって欲しいと願っているのに、やはり津田寛治は帰り道で羽田美智子と遭遇。15年以上のバディで友達、同僚、恋人の曖昧な関係の羽田美智子との思い出に浸りながら夜道を歩く。そうなるよね。

ブドウのイヤリングを見せると「あれ?これって」と羽田美智子はわかった様子。そして「じゃぁここで」と別れるのだが、津田は橋の向こうから「小宮山君(羽田美智子の役名)」と呼び、引き留める。

羽田のところまで走ってきた津田は、もどかしそうに何かを言いたそう。羽田美智子も何か期待してる。このまま恋フラグに移行か。それならそれでいいぞ。

 

しかしその期待はあっさり裏切られる。

 

津田の口から出てきた言葉は「飯を食いに行かないか?」

『ごめん、さっき真澄先生(原沙知絵演じる監察医)とご飯食べたとこ』「そうか」『じゃぁ明日行かない?』「明日か・・・」『明日も会えるじゃない』

これはヤバイ。死亡フラグのストーレートだ。

死亡フラグが立ってしまった奴に明日は来ない。それがセオリー・定番だ。今風に言えばデフォルトだ。

 

そこで別れ、それぞれ帰路につく二人。

ふと見上げると月が綺麗。そんなこといいからサッサと家に帰ってくれ。頼む。

津田寛治の背後から何者か忍び寄る気配。衝撃を感じ、背中に手をやる。真っ赤に染まる手のひら。倒れる津田。大丈夫か津田。頑張れ津田。

薄れゆく意識の中で階段を駆け上げって逃げていく犯人が見える。

つかもうと伸ばした手は、月をつかもうとしたのか、それとも妹の思い出のブドウか。

 

次週へ続く・・・。

 

 

そのあとの次週予告が下手くそな作りで、ネタバレやこの先の展開がわかったりするような場面が使われてたりして、興ざめしてしまう場合がある。「なんだぁ生きてるやん」とかね。

だが特捜9の次週予告は、この先の展開が全くわからんように作られてた。津田は生きてるのか?死んだのか?

したがって次週必ず見る。いや、見なければいけない。

早く1週間過ぎてくれ。

新型コロナウイルス第3波のせいで、間もなく緊急事態宣言が出る大阪だが、巣ごもりの楽しみが一つ増えた。

このコロナが収まったら美味しいもの食べに行こうっと。

いけない、これ、死亡フラグかもしれない・・・。

北斗七星の横に死兆星が見えませんように。

 


イチケイのカラス 面白いよ

2021-04-20 21:00:11 | MUSIC/TV/MOVIE

イチケイのカラス。

竹野内豊と黒木華が主演する裁判官を主人公にしたドラマ。

これが面白い。

裁判官を主人公にしたドラマは初めてじゃないかな。

裁判官じゃないけど、時代劇には「遠山の金さん」や「大岡越前」など奉行ものがあったけどね、現代版じゃこの「イチケイのカラス」が初めてじゃないかな。

 

日本はアメリカと違って法廷ものってあんまり受けないからか、いろいろコンプライアンスがあって制作が大変だからなのか、裁判官が主人公とか裁判所が舞台のものはない。

裁判所は警察ドラマや弁護士ドラマの法廷シーンで出てくるくらいだ。でも、法廷でのメインはあくまでも被告と弁護士と検察官。無罪か有罪か論戦攻防が白熱してても、裁判官はせいぜい「静粛に」くらいしかセリフがない。

 

警察ドラマや刑事ものは数多くある。長寿やシリーズになってる人気ドラマも多い。でも、裁判のシーンが描かれることはほとんどない。捜査中心で犯人(容疑者)逮捕までがメイン。せいぜい取り調べシーン、自白するとこまでだな。

警察はその後に取り調べの内容や自白を調書にまとめて検察に送検。検察が保留、不起訴、起訴するかを判断して、起訴したらようやく裁判。ここら辺の流れさえあまり知られていない。

その検察を主人公にしたドラマは、単発ものや2時間ものではあったけど、連続ドラマでは木村拓哉主演の「HERO」が最初じゃないかな。

今回の「イチケイのカラス」を「HERO」の二番煎じだとか言ってる人もいるみたいだが、どこ見てんだ?全然違うぞ。無理やりこじつけんでもいいやん。共通してるのは破天荒な主人公であるってことと、小日向さんがどちらにも出てるって事くらいだもの。そもそも検察と裁判官では立場が違うねんからさ。

 

逮捕された容疑者の弁護を担当するのが弁護士だが、弁護士もののドラマも少ない。これまた単発ものや2時間ものではあったけど、連続ドラマでは堺雅人主演の「リーガル・ハイ」まではほぼ無かった。

というのも前述の通り、普通の暮らしをしている日本人にとって、裁判所ってほぼ縁のないところだからだろう。

ほとんどの人が裁判所でどんなことが行われてるかは、テレビや映画の場面でしか知らない。ましてや法廷に立ったことのある人は、犯罪者(容疑者)になったか民事訴訟を起こされた人くらいだろう。証言台に立つなんてこともまぁほんど無い。

刑事事件で起訴されて裁判になれば99.9%有罪判決が下されるってことも、松本潤主演の弁護士ドラマ「99.9」のおかげで世間に浸透したが、それまでは知られてなかったもんな。

いや、それ以前に一般人は拘置所、留置所、刑務所の違い、執行猶予とか保釈とか保釈金とかのことなんかも、ちんぷんかんぷんだろう。

起訴されて有罪判決が出るまでは容疑者でしか無い。不起訴や無罪になれば無罪だ(もちろん上告とか二審・再審で有罪判決になる場合もあるけど)。

それなのにマスコミ・メディアは、芸能人が逮捕されたとか拘留されたらもう犯人扱い。連日ワイドショーでアレヤコレヤと騒ぎたて、いかにも最近調子に乗ってた故の事件だとミスリードする。

その後、不起訴になろうが起訴保留になろうがそのことは書かない報じない。犯罪者のような扱いのままだ。

「ご迷惑をおかけました」と、警察署や拘置所の前で頭をさげる芸能人に容赦なくカメラのフラッシュたきまくり、マイクを向ける。取材してるマスコミやメディアの連中はそのあたりちゃんとわかってるのかねぇ。

 

明らかに美人局に引っかかったような婦女暴行容疑をかけられた高畑裕太も不起訴だ。

未成年とはいえシングルマザーに完全にはめられた小出恵介も書類送検はされたが不起訴処分だ。

「車でひき逃げしたぁ」と散々騒ぎたてまくられ道路交通法違反容疑の伊藤健太郎も不起訴処分だ。

犯人扱いで散々騒いだマスコミやメディアは、彼らに謝罪したのか?

 

そりゃ中には覚せい剤や大麻などの薬物使用や所持、暴行や傷害事件などの現行犯逮捕など、一発でアウト誰がどう見てもダメだろうってのもある。

でも起訴か不起訴かは検察の判断、有罪か無罪かの判決は裁判所の判断だ。マスコミが決めることではない。

 

そういったことを考えながら「イチケイのカラス」観るのも悪くないよ。

月9のドラマにしては、いかしたファッションキメた横文字職業のかっこいい男女も出てこないし、好きだの嫌いだの、誰と誰が付き合ったり別れたりしないしないんだけどさ。

まぁ「こんな裁判官はいねえよな」ってのは言いっこなしでね。

それはどんなドラマでも言えることだからさ。

 


ネメシス 第一話と脚本家か演出変えた?

2021-04-19 22:45:44 | MUSIC/TV/MOVIE

ありゃまぁビックリ。

ネメシスの第2話、めっちゃ面白かったのだよ。

第1話ではガッカリ感が半端なかったのだが、第2話は一転「こりゃ面白いぞ」と。

なんでだ。

演出家が変わったのか?脚本家が違うのか?

第1話と第2話に一貫性がないのだよ。まだ2話目なのにこんなんで大丈夫か?

 

ベテラン探偵・江口洋介から事務所を引き継いだポンコツ探偵(自称:天才探偵)・櫻井翔と、その助手・広瀬すず。事務所名をネメシスと改名し、凸凹コンビが難事件を解決していく。

このドラマを簡単に説明するとこんな感じだ。実際そう番宣されていた。

いつものことだがこの先はネタバレを多大に含むので、まだ観てない人や録画してまとめて観ようと思ってる人はこの先は読まないように。

 

ベテラン探偵の江口洋介は櫻井翔と共に20年前に事件に遭遇している。江口洋介の親友仲村トオルは娘・広瀬すずとインドで暮らしてたが、帰国後江口や櫻井と墓参り中に突然姿を消した。

江口洋介は仲村トオルの事件を探ることに時間をかけるため、探偵事務所を「ネメシス」と改名して櫻井翔に託す。広瀬すずは現在探偵見習い(アシスタント修行中)で櫻井翔の助手だが、実は天才的推理力と抜群の運動神経と推理力・洞察力を持つ。

ということをバックテーマにして、堅苦しいサスペンスものではなく、気楽に見れるコミカルな要素を入れたドラマに仕上げようという製作陣の意図は第1話を見てわかった。

そして回を重ねるごとに20年前の事件と3人の関係とか、事故の際に車に同乗してた真木よう子が何者とか、なぜ仲村トオルはインドで広瀬すずと暮らしてたのかとか、日本帰国後に失踪した理由とか、いろんな謎を毎回の依頼・事件に絡めつつ、伏線を回収しながら解き明かされていくように進んで行くのだなと。

 

連続ドラマの第1話目は登場人物の説明(キャラ設定)を交え、ドラマ全体のテーマとかを盛り込まなきゃいけないから、どうしても煩雑で詰め込み過ぎになったりする。それは仕方がない。

最近のドラマの悪いクセだ。

バカでもわかるようにしたいのか、いちいち描写しないと伝わらない(理解してもらえない)と思ってるのかわからんが描き過ぎ。分かりやすくするために説明台詞多すぎ。従って盛り込みすぎ&詰め込みすぎ=くどくなる。視聴者は自分で推測したり推理したり、この先の展開を予想したりしたいのだよ。

しかし、第2話でいきなりそのキャラ設定や、パターンを使わないとか変えるってのはどうなの?

 

第1話のメインストーリー。いやこっちがサイドストーリーか。

記念すべき新事務所の第一号依頼者として、大富豪・伊武雅刀の専属医師の大島優子が事務所に訪ねてくる。大島優子と江口洋介といえば「7人の秘書」のデジャヴ感。

それはさておき、伊武雅刀に脅迫状が届いてて、それは6人の愛人への遺産相続遺言状が絡んでるのでは?って依頼。

 

この第1話で櫻井翔は大島優子の車で伊武雅刀の豪邸に向かう。同行しようとした広瀬すずに江口洋介は「お前は見習い中」「お留守番だ」と。それでも広瀬すずは窓から縄梯子で抜け出し、勝手に車に潜り込んだ。

第2話でも、当然この流れで行くと思うじゃない。「お前はお留守番だ。見習い中だ。」と釘を刺され、ふて腐れるけど抜け出して付いてくる広瀬すずってパターン。なのに、第2話では依頼者の住む孤児院に向かう櫻井翔と江口洋介の車に、当たり前のように最初から広瀬すずが乗っている。第1話の「お留守番。見習い中。」はどこへ行った?

 

第2話の依頼を簡単に説明すると、第1話の富豪殺人事件解決で一択有名になったメネシスに依頼が殺到。そんな中、女子中学生が「お兄ちゃんを探して」と依頼をしにくるって話。

第1話では依頼者の大島優子が訪ねて来た際、広瀬すずが緑色のパンに赤いハサミが飛び出した「ザリガニパクチーバーガー」という得体の知れないハンバーガーを食べている。別のシーンでは毒々しい色のタピオカドリンクを美味しそうに飲んでいる。インド育ちの変な味覚を演出したいのか?

しかし第2話では全くその気配なし。

その代わりにインドなんちゃらポーズ。第2話から登場した道具屋・上田竜也に「面白いことしてくれたら」と言われインドのサル、インドのベンガルトラ、インドのイグアナ、インドのカマキリ・・・次々とモノマネをする。

そして第2話ラストではジャッキーチェンばりにカラリパヤットを決め悪人(黒幕/真犯人)をやっつける。

インドで育ったってキャラ設定。これから次々といろんなのが出てくるのか。広瀬すずが可愛いからまぁいいけどさ。

 

第1話であっさり伊武雅刀は殺され、ダイイングメッセージがあったりするが、この謎解きの部分がめっちゃチャチくてがっかりしたのだよ。

探偵物の醍醐味はこの謎解きの痛快さにあるんじゃないの?

左利きで浴槽が邪魔でとか、ダイイングメッセージを愛人たちが次々と書き足してったとか、挙句には背が届かないから水のケースを持ってきたとか。櫻井翔は犯人も事件の全貌も謎も全くわかってなくて、代わりに広瀬すずが謎解きをする。それはいい。櫻井翔のポンコツを補う実は有能な広瀬すずって設定だろうからな。

が、紙に書いて櫻井翔に教えるってのはどうなのよ。

そう、名探偵コナン君パターンね。

スケッチブックにサインペンで次々と書くって・・・、TV局のADじゃあるまいし。

じゃぁ第2話でもこのパターンは継承されてるかと思いきや、イヤモニに変わってた。

第1話の事件解決で報酬たんまりいただけたからハイテクになったのか。いや、それよりも第1話と第2話の間に広瀬すずの推理力は認められたのか。だから当然のように最初から車に乗って同行してたのか。もう第1話の回収か。

 

パターン設定やキャラ設定はどうなったんだということばかり気になってしまい、第2話の兄妹のいる孤児院(今は養護施設っていうのね)が20年前の事件に関連あるみたいだとか、行方不明の兄はラッパーに憧れクラブに出入りしてるが、そこはオレオレ詐欺集団も絡んでるみたいだとか、全然入ってこないぞ。

行方不明のお兄ちゃん役は窪塚洋介の息子・愛流で、海外留学を夢みてる妹のためにお金を貯めようして、焦ってオレオレ詐欺の受け子までしてしまった。

その彼が下手くそなラップを披露しようが、そもそも17歳では(条例で)クラブには出入りできないやろとか、河川敷でお菓子のブリキ缶にお金貯めてても取られるぞとか、そこに1週間の行方不明なのに万札が何枚入ってあんねんとか。細かいこと言いだしたらきりがない。

ドラマなんだからな・・・。

でも、例えば道具屋の上田竜也に作ってもらった追跡シール(GPS/アプリ連動)。

このシールの台紙ごと櫻井翔が持っていたから、バイクで逃げる奴(後で殺される奴)に彼が蹴飛ばされた際に靴に貼れたのはわかる。が、広瀬すずは逃げる窪塚愛流の靴にどうやってこのシールを貼った?どこに持っていた?

とか、結構アラ多いのよね。

この辺りも脚本家か演出が変わってるのか?って思わせるとこなんだよ、第1話ではそんなアラはあまり気づかなかったからな。

 

事件現場に登場する刑事・勝地涼と中村蒼はサングラスにブランドスーツ。明らかに名作「あぶない刑事」のタカとユージを気取らせてる。(車がレパードかどうかは不明)これは同作に出演していた仲村トオル(多分ドラマ初出演作だ)へのオマージュか?

富田望生が「薫(カオル)」と呼ばれてるってことは彼女が浅野温子のポジションか?それにしては出番(見せ場/セリフ)が少ないな。無駄使いだな。

第1話で「横浜は探偵が多すぎる」とカッコいいセリフを往年のあぶ刑事のように決めたり、第2話では「開けて欲しけりゃ令状持ってこい」って今時の口上をタれる黒幕の金庫をいきなり銃で撃つとか、この辺りは一話でも二話でもぶれていない。

コンプライアンス全盛の今、これからもどんどんエスカレートしてやってほしいくらいだが、今回のドラマを見てる層(今の若い子)はわかるのか?あぶない刑事ネタ。

40-50代の視聴者層狙いか?それとも20年前の事件が絡んでるということを暗に匂わせてるのか?

 

大島優子が車のハンドル握ったらスピード狂になるという設定は第2話にも登場し健在。準レギュラーか?

次の第三話のゲストは橋本環奈。ますます一体どの視聴者層を狙ってるんだか不明だが、堅苦しいサスペンスものではなく、気楽に見れるコミカルな要素を入れたドラマにしたいのはわかる。

それはわかるのだが、せめてキャラや設定には一貫性を持ってくれ。

第二話は面白かったので、このスピード感とノリでこの先行って欲しいところだ。

 

櫻井翔は北川景子の執事だった時は見事な推理を披露してたのになぁ・・・。

 


今こそソロ活

2021-04-18 23:13:57 | MUSIC/TV/MOVIE

ソロ活女子のススメ。

ソロカツ=単独活動。今まであまり聞いたことなかった言葉だが、まぁ字からして一人で活動することだろう。

と、前回と同じような出だしで書いてみた。

っていうか、就活とか婚活ってのから始まり、最近は何でもかんでも「活(カツ)」をつければいいと勘違いしてないか?さらに今回のは「女子」までついてる。

刀剣女子。キャンプ女子。カープ女子。ジェンダーなんとかだと騒ぐ人がいるが、女子とかつけるのはOKなのか。基準がよくわからん。

だが、ソロ活は今のコロナ禍においては大いに賛成なので、「なんでも活をつければいい問題」と「女子つけたら流行語っぽくなると勘違い問題」はこの際スルーさせてもらう。

 

いつものことだがネタバレを多大に含むので、まだ観てない人や録画してまとめて観ようと思ってる人はこの先は読まないように。

 

ソロ活女子のススメ。

このドラマはタイトル通り、女の人が一人で活動することを描いたドラマ。

主演は今ノリに乗ってる江口のりこ。「半沢直樹」の国会議員役で一気に知名度を上げ、前クールでは長瀬智也主演の「俺の家の話」、池脇千鶴主演の「その女、ジルバ」にも出演。そして今回満を持して初の主演だ。

俺はこの人の演技が好きだ。演技なのか素なのかよくわからん飄々としたところがいい。感情の入ってないようそっけなさと、時折ボソッと言うギャグ。それも周りに伝わらず一人ボケツッコミ。自己完結するセリフまわしや間の取り方、演技のうまさはさすが大阪出身の女優だ。(ちなみに平岩紙も大阪だ。大阪女優は無表情型が多い)

特に「時効警察」がお勧めだ。観てない人はぜひ観てくれ。

 

その江口のりこが40歳のOLを演じる。

趣味はソロ活。一人で行動し、一人で楽しむ。誰にも邪魔されず、誰にも気兼ねせず、自分おおもむくまままに。

テレビ東京はこんな一人で楽しむ人を描くドラマを作るのが好きみたいだ。いや、柳の下のドジョウ狙いかもしれんが。

 

中年男が今日のご飯を食べる店を探し、一人で食べることに至福を感じてる姿を描いた「孤独のグルメ」。

松重豊主演でドラマ化された当初は、明らかに少ない予算と少ないスタッフで作られたの丸わかりで、さらに深夜に放送されてた。にもかかわらずコアなファン層がつき、回を重ねるごとに人気が出て、もうSeason8になる大ヒットおひとりさまドラマだ。

この「孤独のグルメ」のヒットにあやかり、テレビ東京はおひとりさまを描いたドラマをどんどん創り出してきた。

武田梨奈演じるOLが、一人でいろんなお店に行きお酒や料理を楽しむ「ワカコ酒」。

夏帆と三浦貴大が隔週交代でそれぞれ一人でキャンプに行き、焚き火や料理を満喫する姿を描いた「一人キャンプで食って寝る」。

ネプチューンの原田泰造が一人でいろんなサウナに行き、‘ととのう’姿を描く「サ道」。

濱津隆之演じる中年サラリーマンが一人で車を走らせ、次世代には閉店し(潰れ)てるかもしれない飲食店を探して飯を食う「絶メシロード」。

他にもいろいろあるが、とにかくひとりで楽しむ姿を描くドラマをテレ東は作る。

 

しかし残念ながら、Season8と続く「孤独のグルメ」以外では、「ワカコ酒」がSeason5と続いてるのを除き、ほぼ単発で終わってる。

理由は簡単だ。

おひとりさま。言い換えれば一人ぼっちのドラマである以上、誰かと喋るとか会話するってのは町の人や店の人くらいで、あとは独り言や脳内妄想である。

「孤独のグルメ」では松重豊がオヤジギャグを交えながら、絶妙の言い回しをする。「今の俺は何を食べたいんだ」「この店を選んだ俺、大正解」「タルタリストの俺としてはたまらん味だ。タマランチ会長」「油断してた。後から辛さが強烈なパンチを浴びせてきた」などなどがナレーションされる。

豪快な食べっぷりとこの脳内独り言のおかげで、観てるとこっちまで腹が減る。

だが、他のおひとりさまドラマのほとんどは、この独り言および脳内妄想の部分が弱いのだ。明らかに「脚本」の「台詞」なのだ。

役者の力量もあるのだろうが、早口だったり大げさだったり。まぁ会話劇じゃなくナレーションだから仕方ないが。

 

江口のりこの独り言(ナレーション)はうまい。

1話二部構成で、第1話ではソロ焼肉とソロリムジンを楽しむ。

 

ここにいるカップルはできてるとまで言われる焼肉屋に、一人で入るというのは、かなりのソロレベルだ。一人飯に慣れた男でもなかなか勇気のいることだが江口のりこはクリアする。

「二人で食べるとおいしいね」は否定しないが、本当にそうか?まずはタン塩って頼むがタンって本当に好きか?好きなペースで好きなように焼いて食う。

網に野菜を乗せのせられまくって、スペース取られた上に焦がされることもない。ご飯をいきなり頼んでも怪訝そうに「もう頼むの」などと言われる筋合いもない。焼肉は一人の方が絶対会う。欠点はいろんなものが頼めないことだが、はらみロースカルビつらみセンマイミノシマチョウコブクロタン・・・今日はどれを選んで食べるかと楽しめば問題はない。

ってのを江口のりこは見事に演じる。脳内妄想独り言のナレーションも、いちいち頷ける。俺もソロ焼肉屋では全く同じだと。

 

 

ソロリムジンもわかるなぁ。

以前ロサンゼルスに友人と旅行した際、リムジン(&ガイド兼運転手)をチャーターして街案内をしてもらった。地元民しか行かないであろう店やスポット、さらにはマリーン(海兵隊)御用達のガンショップまで。どでかいリムジンでお金持ち気分でロスの街をいろいろ連れて行ってもらえて、これで二人で300ドルくらい。めっちゃお得。

それで味をしめ、今度は一人でサンフランシスコ行った際にもリムジンチャーターして、街ガイドしてもらった。ホテルまで迎えに来てくれたどでかいリムジンの後部座席で、マフィアの幹部になったかのように一人シャンパンを飲みながら、ゆっくり窓の外を流れていく街を眺めながら走るリムジン。

周遊バスを使えば、タクシーチャーターの方が安い、ツアーに入れば有名地にガイド付きで行ける。利用したことない人はそういうだろう。違うのよ、気持ちの贅沢がしたいのよ。

 

一人で旅行するのが好きと言えば、まず「なんで」と聞き返される。「一人で寂しくない?」とか「旅行はみんなといった方が楽しいやん」とか言うんだ。行きたいところに気ままに行く。誰かに合わせたり、時間気にしたりしなくていい。それが一人旅の醍醐味なのだよ。

唯一の欠点はセルフィー以外では自分の写真が撮れないってことくらいかな。まぁインスタとかSNSで「こんなとこ来てまーす」ってリア充&個人情報さらけ出すような真似はしてないから全然いいけどね。

 

第2話目の江口のりこのソロ活は「一人で動物園へ行く」だ。

この動物園ってやつも、なぜか「急がないと全部見れないぞ」と、全部見なきゃ元が取れない衝動に突き動かされてしまう家族連れ、カップルが多数だ。江口のりこ曰く(脳内で)「まるでロールプレイングゲーム」「全動物コンプリートのために来てるのか?」に同感。

江口のりこは大鷲にターゲット絞り、それだけを見て楽しむ。カピパラもアルパカも、虎もライオンもキリンも象も眼中になし。

そうなのよ、何も全部見なきゃいけないわけでもないし、今日を逃すともう見れないわけでもない。そもそもそんなにみんないろんな動物好きなのか?ムツゴロウさんの血が流れてるのか?

 

さらに水族館に行く。

屋外の動物園と違って、水族館は神秘的だ。順路も指定されてたりする。

俺はクラゲが好きで。3時間くらい暗い部屋でライトアップされながら漂うあいつらを見てたいのだが、誰かと一緒だとそうもいかない。

イルカはグルグルせわしなく泳いで、ジンベイザメはゆったり泳ぐ、イワシは集団でグルグルとってのを見て出口に向かって歩くしかない。

マニアの中にはどのペンギンがどのペンギンと恋仲でってのまで把握してるペンギン観覧者がいたりする。俺もいつかアシカやオットセイのショーを見ながら「あの小さかったハナ(仮名)がもうこんな演技ができるようになったのか」と呟いたりする、まるで宝塚歌劇の研究生時代から、ジャニーズのジュニア時代から見守ってきたタニマチのようになりたいものだ。

 

第3話のソロ活は「プラネタリウム」と「ラブホ」

うーん、なんてことないソロ活なんだが、江口のりこさんの独り言&脳内妄想で、今度俺もプラネタリウム楽しんでみようかなって気分になる。

最近のプラネタリウムはかなり綺麗だそうだし、BGMもコッテて、さらにシートもかなりいいそうだ。そういや兵庫県明石の天文科学館には日本最古のプラネタリウムがあって、稼働日数が2万日を超えたって以前ニュースでやってたな。久々に行ってみようかな。

 

ラブホは一時期プチホテルとか呼び方変えようとしてたけど、最近はまたラボホに戻ったね。でもサービスや設備、アメニティや食事なんかは下手なビジネスホテルより充実してるそうだ。

江口のりこは満喫してたが、一人ラブホは男だとちょっとヤバイ。ホテルによっては一人では泊めてくれないところもある。いかがわしい商売で使割れたり、自殺するかとか疑われるからな。

一人で先に出るのも嫌がられる。相手とトラブルになってたり、商売で使われたのかと事件性を疑われる。

最近は精算しないとドアロックが解除されないホテルもある。ドアにクレジットカードリーダーがついてるが、スキミングとか大丈夫か?家事とか地震の際は開けてくれるんだろうな。

って最近は全く利用する機会がないのでいらない心配だ。したがって、これはあまり共感できなかったな。

それよりも帝国ホテル30泊いくらとかの超お得プラン利用したいなぁ。コロナ禍で稼働率の悪くなったシティホテルの苦肉の索、ホテルを自宅代わりに使いませんかプラン。おひとり様長期滞在プラン。

掃除やごみ捨ての心配はいらないし、タオルやシーツは毎日交換される。食事付きにすれば朝夕は問題ない。ホテルを家にしてる富豪や文豪になった気分になれていいかもしれない。

 

外出をするなとか、4人以上の会食をするなとか、するならマスク会食しろとか、時短営業しろとか、東京には来るなとか、ぜーんぶひっくるめてこう言え。

「おひとり様で行動してくれ」と。

一人で繁華街の飲み屋に行く方が集団で行くよりはまだ安全だ。まぁ、時短営業の目をかいくぐって換気の悪い場末のスナックで、おっさんががなってカラオケしてるようなとこは一人で行こうが数人で行こうが一緒だが。

それでもおひとり様推奨しようよ。

大阪でも東京でも名古屋でも、どこでも通勤や繁華街はある程度の人混みはあるけど、それをいちいち取り上げて「人出は変わってません」とか報道するな。「これ以上は死活問題」とか飲食店の嘆きを取り上げるな。「自粛に飽きた、コロナは怖いけど自己責任で」って公園や歩道で飲んでる若者集団取り上げるな。

それよりも「おひとり様」の楽しみ方を報道してくれ。

 

これだけ感染者が増え続けて3度目の緊急事態宣言がとか言ってても、東京五輪を未だ止める気がないのが不思議だが、ならせめておひとり様、GoToロンリーキャンペーンしてくれないか。

かなりの感染・クラスターは防げると思うのだがね。

おひとり様万歳。

 

おひとり様に躊躇してる人は、是非この「ソロ活女子のススメ」見てくれ。

今こそ、江口のりこと共にソロ活を堪能してくれ。

 


リコカツ 詰め込みすぎで何がなんやら

2021-04-17 21:11:51 | MUSIC/TV/MOVIE

リコカツ。

リコカツ=離婚活動。今まであまり聞いたことなかった言葉だが、まぁ字からして離婚までの活動のことだろう。就活とか婚活ってのから始まり、最近は何でもかんでも「活(カツ)」をつければ言葉として成り立つと勘違いされてる気がする。

 

いつものことだがネタバレを多大に含むので、録画しててまだ観てない人やまとめて観ようと思ってる人はこの先は読まないように。

 

北川景子と瑛太(おっといけない今は永山瑛太ね)の二人が主演のこのドラマ。

ファッション誌で働く北川景子が、5年間付き合った彼に「君は一人でも生きていける人だね」的なこと言われて別れ、雪山で「ばかやろー!」って叫んだら滑って落ちて遭難して、助けに来てくれた瑛太と出会い、すぐ結婚したが二人の価値観が合わず・・・。

離婚をテーマにしたコメディドラマねって感じで第一話を観たのだが、かなり不満と不安が残る。

このドラマ結構奥が深い。っていうか闇か。ほんでもって詰め込みすぎなのだ。

トレンド・流行の最先端を切り開くファッション雑誌のお洒落な編集者と、肉体派で生真面目な自衛官のカップルが結婚するという「そんなんうまくいくわきゃないだろ!」的な前提はともかく、主要登場人物のほぼ全員が何らかの問題を抱えてる。

しかもその登場人物や夫婦などが、見事にステレオタイプで描かれてるのだ。

 

これは脚本家が悪いっていうより多分プロデューサーが悪い。

「離婚をテーマにしたドラマを作ろう」って始まり、ゼロ日婚、夫婦の価値観、男尊女卑否定男女平等論、シングルマザー、熟年離婚とどんどん広がったんだろうね。そこに定年退職後も昔の肩書きを使い、年金生活なのに未だに家事を嫁にさせて当然と勘違いしてる旦那や、これからは趣味に勤しみ自分らしく楽しんで生きたいと欲する奥さんとかまで描こうとすると、こんな詰め込みすぎのドラマが出来上がる。

 

永山瑛太の役が航空自衛隊の航空救難団のエースってことで、これはあの名作ドラマ「空飛ぶ広報室」のように、航空自衛隊を丁寧に描いてくれるのかと期待したのだが、まぁ見事に裏切られた。

 

吹雪き始めた雪山にヘリで救助に向かうシーンは良かったのだが、そこだけだ。

その後の結婚式シーンは、多分実際の自衛隊員の結婚式の取材はしてないなってくらいダメ。自衛隊員の結婚式は出たことある人だったらわかると思うけど、自衛隊関係者は驚くくらいみなさん姿勢が良いのだよ(返事も良い)。幕僚長だの一佐だ1尉だの階級が上の者が参加してるから尚更お行儀も良い。

したがって幹部のいない同期や同僚・後輩のみの二次会で初めて弾けるのだ。そのはじけっぷりは一般人には止めようがないくらいだ。機動隊でも怪しい。日本最強の軍団だからな。

この結婚式の描写でも、流行の最先端を捉えるファッション誌の編集者側の参加者は、おしゃれで煌びやかでドレスアップされて華やかで、自衛隊側は行儀よく座りながらも出てきた料理を秒でたいらげながら、「いいなぁ」「綺麗だなぁ」「付き合いたいなぁ」と脳内で妄想してるなんて描いてたら、その後の二人の夫婦生活・価値観が合わないところもスムーズに描けたと思うんだけどな。

 

新婚旅行といえど、自衛隊員が越境する旅行はかなり面倒な手続きがいる。ましてや海外旅行?その辺をドラマでは軽くスルっと流してた。

新居もなぁ。官舎じゃなく車で基地まで一時間のところにマンションを買ってリノベーション。転勤っていうか配属先がまだまだ変わる若き自衛官で?

「ドラマなんだから細かいとこ抜き」ってのはわかるけどさ。

そういったことや生活リズム、しきたりや慣習など一切吹っ飛ばして、「任務のことについては国家機密だから家では一切話せない」って瑛太が北川景子に言うシーン。予備知識なくいきなりこう言われてもなぁ。視聴者も「なんで?」って思うだろう。いや「そういうもんなのね」って感じか。

もう少し自衛隊や任務についてる自衛官のこと丁寧に描いてよ。

自衛隊マニアじゃないけど、結構ガッカリなのだ。

 

 

このドラマが始まる前に、「ぴったんこカン・カン」ってバラエティ番組に永山瑛太と北川景子が番宣兼ねて出演した。航空自衛隊百里基地でロケ。永山瑛太が航空救難団のエース役を演じるからか、幹部が北川景子に一目会いたいからか全面協力。なんと二人が戦闘機に乗ってアフターバーナー、離陸前のGを体験するって企画までOKされてた。

 

 

隊員が礼儀正しくピシッとしながらも、北川景子が登場した際、内心はめっちゃ浮かれてるのが微笑ましい。永山瑛太はちょっと無愛想でリアクション(ノリ)が悪かったので「あれ?」と思ったのだが、それはこのドラマの自衛官役・緒方に合わせてたのね。

でも、ドラマではその自衛隊のことはちょびっとしか描かれていないうえに、瑛太はただの姿勢が良くて大声で、筋肉バカで大飯食らいで、デリカシーがなくファッションに疎いセンスの悪い奴として描かれた。そんな自衛官今どきいるか?

 

さらにステレオタイプな人物像描写はまだまだ出てくる。

北川景子のお母さん・三石琴乃は美魔女でエッセイスト。この人テレビや映画で見たことないんだけど、女優さんなの?なんか演技下手だぞ。セリフは下手ではない(いや上手い)のだが、仕草や動作が喋りと合っていないのだ。声優さんか?

お父さん・佐野史郎は大手広告代理店(経理だけど)を定年退職しても過去の名刺を持ち歩き配る。いるよな、いつまでも昔の肩書き(会社)の威光を忘れられないで威張り散らす年金親父。コンビニやファミレスで店員に偉そうに喚いてるクレーマー親父のほとんどがこのタイプだ。そして若い女の子好きね。バブル時は「ザギンでシースー」ってブイブイ言わせてた口ね(佐野史郎は経理だけど)。

永山瑛太のお父さん・酒向芳は元自衛官で厳格。家では「あれ」「それ」「これ」だけでお母さん・宮崎美子は理解しお茶出したりする。家の事は全て奥さんに任せっきりで、旦那が偉いと勘違いしてる昭和時代の親父ね。定年退職後もいつまでも家の中で偉そうにしてるが、

この二組の夫婦も熟年離婚を考えてる。もちろん奥さんの方からの三行半だ。

給料を持ち帰ってきて養ってもらってるうちは我慢できたが、もう世話はいいだろう。いつまでも三食用意して小間使いや家政婦のように扱われるなら、人生100年時代(誰が言い出したのかは知らんけど)、残りの人生は自分のために使いたい。

 

と、ここまででもすでに「いかにも!」ってステレオタイプでアップアップなのだが、それだけでは済まない。まだ出てくるぞ。

北川景子の元彼・高橋光臣は弁護士で彼氏としては申し分ないが結婚願望0男。結婚に価値を見出せなく、自由気ままな独身生活を楽しむ古い言い方で言えば独身貴族。今風の言い方は知らん、最近はなんて呼ばれてるんだ?

ジム(自衛官がジム通いするか?基地にいくらでもトレーニング機材あるぞ)で偶然瑛太と出会う。

グラマラスな女の子に器具の使い方教えてる際に胸が当たって戸惑う純粋でウブな自衛官。そこへ現れるその彼女の元彼。瑛太を今の彼と勘違いし攻撃するがあえなく制圧される。ってところもいかにも今まで使われてきた描写だが、さらにそこへ北川景子の元彼が居合わせてってのも加わると、いかにもの二乗だ。

 

北川景子のお姉さん・平岩紙もどうやらワケあり。子供連れて家を出ているみたいだ。結婚式も娘と二人だったし、ホテル暮らししてるみたいだし。

平岩紙は「朝顔」では旦那の板尾釧路を尻にひくカカア天下の法歯学者だったが、「俺の家の話」ではプロレスラーで家に殺気を持ち込む長瀬智也と別れた元ヨメ役だった。「俺の家の話」では多動症の息子に理解を示す恋人・前原滉との間に女児を授かり再婚するが、その彼は「仕事での僕の代わりはいるけど、旦那の代わりはいない」と1年間の育児休暇を取るような男だった。

いかにも「今の時代に合ってるでしょ」「これからは夫婦平等、家事も男もする時代」って「意識高い系」な旦那を演じてたが、そこは宮藤官九郎脚本、戸田恵梨香に「無理、ずーと家にいるなんて無理」と逃げて行かせてた。

 

最近じゃ「旦那も家事するべき」とか「男女平等」とかが声高いに叫ばれて、男も料理や掃除、洗濯などの家事をすることが当たり前の風潮だ。それをしない男はダメな夫で、家事を一緒にしてくれる旦那は良い夫。

そうなると夫の給料でやりくりする奥さん、夫を内助の功で支えてるだけの奥さんはダメ奥さんということになってしまう。

ただの永久就職狙いで寿退社など許さない。共働きできるだろ?フレックスも育休産休も取れるよ。旦那の稼ぎで子育てしたり、家事に勤しみたいって奥さん像は許されない。

そもそも「奥さん」とか「嫁さん」て言葉さえ問題視される世の中である。「夫の所有物じゃない」とか「奥に引っ込んでろってか?」と。男女平等なんだからと。

旦那は稼いで奥様はそれを支える。結婚式で度々祝辞で使われた「三つの袋」の話はもはや過去のこと。胃袋を掴め、給料袋を掴め、堪忍袋ハシゴまで隠しておけ。バージョンによっては「お袋さん(姑)を大事に」なんてのもある。

それは昭和の考えで、令和の時代には合わないと。

 

北川景子は仕事場で後輩編集者員・武田玲奈に良かれと思ってアドバイスするが、それをパワハラだれたと上司にチクられ企画を下される。今時コンプライアンス重視の雑誌編集部で、一方的なパワハラ告発だけで処分を下したりするか?

さらにトイレの個室で落ち込んでる北川景子の耳に、「北川景子を貶めるためにやったことだ」と同僚に話す武田玲奈の声が・・・。うーんもはや古典のような展開。陳腐なシナリオだ。

で、個室から北川景子が出てきて武田玲奈に「どうしてそういうことするのかなぁ。言いたいことあるなら直接言ってよ」と言う。普通このパターンだと、武田玲奈は気まずくてトイレから慌てて出たりするのだが、このドラマでは「正直見た目だけじゃないですかぁ」と言い返す。

今時の、実力もないくせに何か勘違いしてる新入社員をステレオタイプで描いたのだろうが、さらに武田玲奈ははっきりと「顔で仕事がもらえてるくせに偉そうにしないでくださいよ」と北川景子に言う。

 

この「顔がいいだけで」に似たセリフは、瑛太のセリフ「顔やスタイルはパーフェクトな君」もあるのだが、これを実際に脚本で使われる女優・北川景子ってすごいな。

北川景子という女優以外では、このセリフは成り立たない。

「なりたい顔何ちゃら」とか「美人だと思う女優何ちゃら」とかで、必ず上位にランキングされる北川景子ならでは。これが佐々木希とか白石麻衣とかでもダメかもしれない。北川景子以外の女優やタレントでは、この「顔がいいだけで」ってセリフが成り立たないだろう。凄いな。

 

 

このあと北川景子が自分が新入社員だった時のことお武田玲奈に語るのだが、案の定武田玲奈は「はいはい。ババアの説教は以上ですか?見た目だけの先輩の言葉はなんにも響きませんので。」と。BGMはAdoの【うっせぇわ】を使ってくれたらぽったりだったかもしれない。

しかし、北川景子がババアと呼ばれる時代なのだね。

 

とかなんとか、褒めたりけなしたり忙しい第一話レビューなのだが、とりあえず第2話に期待だ。

 

あ、それから永山瑛太が北川景子をかばって、階段で滑り落ちるシーン。

木村拓哉が「B.G.身辺警護人」でしたのと同じく、彼女を抱きかかえながら階段を背中から滑り落ちていくシーンは圧巻だ。距離角度、ともにB.G.より長いし急だ。

そこらへんの刑事ドラマや2時間サスペンスものなら、まず間違いなく翌日に死体で見つかるであろうこのシチュエーションを、「イタタタ」で済ます永山瑛太。

自衛官はターミネーター並みにタフだとこの脚本家は勘違いしてるんか?て突っ込んでしまいました。

 

瑛太のコメディ演技は悪くないぞ。


松井珠理奈の卒業コンサート

2021-04-12 03:13:01 | MUSIC/TV/MOVIE

SKE48の松井珠理奈の卒業コンサートが、名古屋の日本ガイシホールで行われた。

うーん・・・早かったような長かったような。

 

「大声ダイアモンド」のPVで彼女を見て一気にハマった。

TVでAKB48が出る番組をチェックするのだが、彼女がいない。そりゃそうだ。彼女はSKE48の一期生だったのだ。そんな基本的なことさえ知らなかったのだよ。

 

「最近、松井珠理奈って女の子にハマってる」

そう言うと周りの奴は言った。「ロリコンか?」と。

不思議なもんだ。俺は学生時代に同級生がピンクレディや山口百恵にハマってる時、全く興味がなかった男だ。別にLGBTが絡んだジェンダーマイノリティなど深刻な話ではない。ただ興味がなかっただけだ。

デビューしたての頃の山口百恵は中学生。その他のアイドルと呼ばれる女の子らも、中学生や高校生だった。その子らのファンが全てロリコンだったのか?違うだろう?ただのアイドルファンだろう。

 

年齢を重ねてからアイドルのファンになると「年甲斐もなく」と言われる。「いい歳こいて」とも言われる。

大きなお世話だ。

韓流の若い子にハマるおばさんも、子供と一緒にジャニーズ沼に陥る母親も、地下アイドルの若い子にお金を落としまくるおっさんも、二次元に恋するヲタも、どれも似たようなもんだ。メジャーかマイナーかの違いくらいしかない。

変なクスリや胡散臭い儲け話に金使うより、アイドルに金を使う方がよっぽど健全だ。

 

とまぁ熱く語ってみたが、別に俺は熱烈な追っかけでもないし、「推し命!」とハチマキ巻いてペンライト振っているわけでもない。

ただ、松井珠理奈が卒業を発表した時「あぁ、その時が来るのね」と思い、そして今日「その日が来たのね」って思ったの。

 

2018年のAKB総選挙で一位になってから、体調を崩し、休業したり、復帰したりと大変だった。中学生から高校生そして成人と、年齢を重ねるごとに色んな知識も増してしまうし、嫌な体験もするだろう。純粋に見えてたものが実は裏があったり、カラクリを知ったり、嫌なところも見ちゃうだろう。

そして卒業を発表してからコロナ禍に巻き込まれ、延期、延期、延期だった。

そしてようやく4月11日、卒業コンサートが行われた。

 

コンサートにはプロレス団体「ノア」のレスラーが登場したり、矢神久美らSKE48の1期生メンバー11人が駆けつけたり、矢方美紀や佐藤すみれなど旧メンバーもステージに現れたそうだ。

しかし、ちょっと残念。

松井玲奈は登場しなかったみたいだ。

 

SKE48結成時から「W松井」として、チームを牽引してきた松井玲奈がいなかったら、珠理奈は早々につぶれていたかもしれない。

AKB48の選抜メンバーとしてTVに出演する際も、同じSKEの玲奈がいてくれて心強かっただろう。

ドラマ「マジスカ学園」での「ねぇ、怒ってるうぅ〜?」って松井玲奈がいたから、前田敦子の後釜を静かに狙うセンター珠理奈が活きていた。

その松井玲奈が、松井珠理奈の卒コンに来ない・・・。

スケジュールの都合か?

聖火リレーは走ったのに・・・。

前日の10日に同じく日本ガイシホールで行われた、高柳明音の卒業コンサートにはアンコールでサプライズ出演したのに・・・ 。

 

女優として忙しいのはわかる。AKB関連グループ卒業生で、“元”の冠をつけなくていいくらいに活躍してる人は少ない。前田敦子と大島優子、そして松井玲奈くらいだろう。ちゃんと一本立ちしてるのは。

 

松井珠理奈が一本立ちできるかどうかは今後の活動次第だ。松井玲奈くらい活躍して欲しいところだが、演技力という点ではかなり差がついてる。

それと、あんまりプロレスに傾倒しすぎるとやばいぞ。藤原紀香みたいにK-1を知名度アップのための踏み台にするくらいじゃないと。(ファンの方ごめんなさい、あくまでも個人的推測です)

まぁ、大きなお世話だが。

 

ちなみに卒業公演は29日にSKE劇場で行われる。

今後の活躍に期待。

 

 

追記:

松井玲奈は高橋みなみや小嶋陽菜と同じく、ビデオメッセージで登場したらしい。


吉田羊 生きるとか死ぬとか父親とか

2021-04-11 19:34:04 | MUSIC/TV/MOVIE

吉田羊さんの新ドラマが始まった。

「生きるとか 死ぬとか 父親とか」。このドラマが面白い。

 

“独身のカリスマ”と呼ばれる(誰がそう呼んでるのかは不明だが)ジェーン・スーが、家族との思い出を綴ったエッセイの実写ドラマ化。

主演の吉田羊が演じるのは、40代半ばのエッセイ書いたりラジオのパーソナリティをしている女性。

生涯未婚で生きる人が増えている昨今、どういう風に暮らしていくのか、この先どうなるのかの不安を胸に秘めつつ、強がって生きてる女性もいるだろう。もちろん満喫してる人もいるし、老後の心配や両親の介護など現実にぶち当たってる人もいるだろう。そういう人たちに向けてのメッセージを送るドラマ。(だと思うが違うかもしれん)

 

吉田羊は母(富田靖子)を亡くしてて、父親(国村隼)とは別居しているのだが、この父娘との関係が面白い。リアルである。

ファミレスでロイヤルミルクティーを所望する父親のために、他の客に怪訝そうな顔をされながらもドリンクコーナーで技を駆使してロイヤルミルクティーを作るシーンは、なかなか見応えがあった。

またなぜかいきなり新しいマンションに住み替えたいという父親のために家賃援助、さらにはなぜか1年分の家賃前払いの肩がわりまでさせられる。

この二つのシーンで「私なら絶対しないわ」と思った女性と、「わかるわぁ」と思った女性に二分されると思う。男にはちょっと理解できないが、父娘の関係というのは厄介なものかもしれない。まぁ最近は父親とはほとんど口もきかないが、母親とは友達親子ってくらい仲がいい人もいるから、家庭環境や家族の歴史によって違うんだろうけどさ。

 

最近のドラマはこういった40代前後の女性を描くものが増えたね。

最近はテレビの視聴者層が変わってきたせいかな。

以前のテレビ視聴者層は20代から30代前半の女性がターゲット。

バブル時は、それこそ20代後半から30代前半の女性に向けて、都会のお洒落な男女の恋物語が描かれてた。美男美形の男女が、「わぁ!おしゃれ〜」(生活感なし)って部屋に住み、「敷居高そう!」(お値段も高そう)ってところでご飯を食べたり酒を飲み、東京の夜景をバックにライトな恋を楽しむいわゆるトレンディドラマってやつね。

男女金等雇用法が出来て、企業で働く女性はお茶汲み寿退社要員ではなく一般職にもなれるようになったけど、そんな突然変わらんよ。

当時のOLは短大出ていい会社の勤めても、相変わらず結婚までの腰掛けって意識の人は多く、24歳はクリスマスツリーとまで揶揄してた。お局にはなりたくない。寿退社、それが理想。そのためには商社マンとの合コンが命。9時5時で残業しません(接待は別)。

商社マンもそれを承知で合コンセッティングする。スッチーが一番人気で丸の内のOLが二番人気ね。ユーミンやサザン洋楽アーティストのコンサートチケットをゲットし、ブランド品をどれだけプレゼントできるか、おしゃれなフレンチやイタ飯屋にどれだけ連れて行けるかで見定められていた。

 

さてここまで読んで「そうだったなぁ」って思う人は現在40ー50代の人で、「へぇそうだったんだ」って思う人はまだ30代から20代の人だろう。

当時の働く女性の涙ぐましい努力。いい男をゲットするための自分磨きには余念なし。化粧品も服もブランド品を買い、給料カツカツで生活してても水準は落とさず、有給使ってグアムだ!サイパンだ!パリだと海外旅行をする。

そう、お金と体力との戦いだったのよ、OLって。

山口美江さん演じるOLが「シバ漬け食べたい・・・」ってつぶやくCMが、この当時のOLを表している。「24時間働けますか」って、今なら完全ブラックなキャッチコピーの栄養ドリンクCMが流れてた時代の裏側だ。

 

今じゃぁOLもスッチーも短大も死語だけどね。

 

時代は変わり、上昇志向のある女性社員も増えた。会社もそれを求めた。

短大主流だった頃は「四大出?」なんて言われて敬遠されていた。だって会社は、女性新入社員は男性社員の嫁候補くらいにしか考えていなかったもの。20歳の短大卒と22歳の4大卒では若さも扱いも違ってくるからね。

それが今や短大はなくなり、女性社員は四年制大学を出てるのが当たり前。女性だからと冷遇されることもなくなった代わりに女性だからと優遇されることもなくなった。

そのおかげで結婚までの腰掛けでよかった女性は困った。お茶汲みやコピー取りでいい給与もらえて有給取り放題で、玉の輿見つけたら寿退社ってのは求められなくなった。働くなら男と同じような環境で男と同じ仕事をこなさなければいけなくなった。

 

上昇志向の女性にとってはチャンスだ。能力のある女性はやればやっただけ認めてもらえる。男に負けないようにバリバリ働く。残業もこなす。

ポジション(役職)とか、給与とかと引き換えにして、最近コンパも飲み会行ってない。それどころか休みの日はバタンキューで寝てる。

それでも自分磨きはしなければ。エステ、ジム、ヨガ、英会話、美味しいもの食べる・・・。

 

こうなると、会社やコンパで一生食わせてくれる男を見つける必要がない。お金も仕事も充実してしまってるからな。それにチャラい男や上っ面だけの男は見抜ける目を持ってしまった。

俗に言われる永久就職先は必要ないのだと気づいてしまった。

結婚は面倒なだけだ。仕事辞めろとか家庭に入れとか、子供を産めとか育児や家事に専念しろとか。二人が良くても家族とか親戚とかうるさい奴が出てくる。なんでそんなもののために自分の生活や夢を犠牲にしなければいけないのだ?

おかげで結婚しない女性も増えた。

 

結婚できないのではない。仲のいい気の合う男がいないわけでもない。タイミングが悪かったり、機会を逃したのかもしれないが、結婚に魅力を感じない。

結婚した昔の友人は、幸せそうな子もいるし、愚痴ばっかり言ってる人もいる。子供に生活サイクルのほとんどを奪われてる人もいれば、DINKSで二人で満喫してる人もいる。

 

さぁ、女性の理想の生き方ってなんだ。これからの女性はどう生きるべきだ。

誰が決めるわけではない。自分の人生は自分が決めるのだ。

でも、誰かに話を聞いてほしい。そっと背中を押してほしい。間違ってるよと否定してほしい。頑張ってるねと応援してほしい。

頑張って生きてる女性、そんな人をちょっとだけ手助けをする夜のラジオ。吉田羊がパーソナリティを務めるラジオ番組にはそんな悩める女性リスナーからの声が届く。

ってドラマだ。(前フリ長いよ)

悩める女性。ぜひ観てくれ。

 

余談だが、このドラマ内の架空のラジオ番組で、吉田羊の相方(サポート)を務めてる田中みな実。かなり滑舌が良く声のトーンも良い。うまい。

それで「まるで本物のアナウンサーみたい」って思ってしまった。

・・・

よくよく考えたら田中みな実は本物のアナウンサーだ。馬鹿か俺。

最近、タレントとしての田中みな実や、ドラマ「ルパンの娘」で深田恭子演じるLの一族に対抗する女盗賊のイメージが強すぎて、フリーアナウンサーだってことすっかり忘れてしまってた。

「俺の家の話」で、長州力が長瀬智也のラリアットを受けるシーンを見て「わあ!長州力ってプロレスラーっぽい」って言ってるようなもんだな。

反省・・・。

 


五郎さんかボルサリーノか 田中邦衛のイメージ

2021-04-02 22:17:37 | MUSIC/TV/MOVIE

俳優や芸能人の中には、モノマネされたそのイメージが定着してしまう人がいる。

田中邦衛さんはその典型的な例ではないか。

ほとんどの人が知ってる田中邦衛さんは「北の国から」の黒板五郎だろう。正確には五郎さんの喋り方や仕草を芸人さんによってモノマネされた田中邦衛。

 

純と蛍と富良野で暮らしてて、丸太小屋が燃えたり、材木を慰謝料に当てて石で家作っり、屋根から落ちて死にかけたり、無農薬農法したり、柴犬を飼ったり、牧場が破綻したり・・・ってのは全く知らなくても、あのカタリベ口調は知ってる。

「子供がまだ食ってる途中でしょうが(怒)」かもしれない。

どちらにしてもモノマネで広まった田中邦衛さんのイメージ。「北の国から」シリーズを一話も見ていない人でも、五郎さんの田中邦衛を知っている。これはすごいことだ。

 

 

関根勤が言っていた。「みんなが知ってるジャイアント馬場さんは、僕のモノマネの馬場さんです」と。

「頭突きをされ、アポー!と言いいながら片膝をつく馬場さんを、実際にプロレスの試合で見たことある人はほぼいないはず。あれは僕が考えた馬場さんのモノマネだもの。実際にそんなシーンがあったわけではない」と関根勤が言っていた。

俺もTVで全日本プロレスの試合をよく観てたが、馬場さんがヘッドバッドかまされたりして「アポー」とうずくまるシーンなんて見たことがない。

 

俳優や芸能人は、芸人のモノマネによって一気に全国区になったりする。

太陽にほえろ!での松田優作の殉職シーン。腹を撃たれて「なんじゃこりゃぁ〜」と叫ぶあの有名なシーンをリアルタイムで観た人は少ないはずだが、ほとんどの人は知っているくらい有名だ。

これは今やモノマネというよりはリスペクトのように使われてる。

「バイプレイヤーズ〜名脇役の森の100日間〜」でも、[刑事7]の主役争いで6人のキャストが歴代刑事ドラマ主人公をパクってキャラ立てに必死になってた中、勝村政信が白のGジャンGパンの刑事キャラになっていた。

ちなみにその際、柄本時生はニヒルでふふんと鼻声の警部、志田未来はヨーヨー持ったセーラー服、近藤芳正はスーツにメガネで紅茶、杉野遥亮はレインボーブリッジを封鎖できないヨレヨレコート、渡辺いっけいは「うちのかみさんがね」が口癖の刑事キャラを演じてた。

これくらいイメージが衆知されてるとモノマネもしやすいね。いやモノマネされるからキャラ立ちしてるのか。どっちだ。どっちでもいいか。

 

山口百恵が引退コンサートで最後にマイクをステージにそっと置く。今では誰でも知っている有名なシーンだが、あれもモノマネで広まった。

実は当時、ほとんどの人が勘違いしてたのだが、ラストコンサートを生で見た人(約1万人)以外はそのシーンを見れていない。

「え〜?でも私マイクを置くシーンを見たよ」っていう人は、実は山口百恵が「夜のヒットスタジオ」に最後の出演をした時のシーンなのだ。あの時に初めてマイクをステージに置いたのだよ。(本当)

さらにほとんどの人が認知してるのは、夜ヒットや後楽園コンサートでの百恵ちゃん本人の歌唱シーンではなく、芸人さんによるものマネでのマイク起きパフォーマンスだ。

今ではYouTubeや懐かしの映像として、ラストコンサートのマイクを置くシーンが流れたり再放送されたりしてるからどっちでもいいのだが、あれ以降、引退コンサートでマイクをステージに置くという行為自体が山口百恵のモノマネでしかない。従ってアイドルもアーティストも引退ライブで誰もやらなかった。

しかしつい最近、某アイドルが引退コンサートでやったそうだ。多分そのアイドルのファン層は山口百恵をリアルで知らないのだろう。だからあまり気にならないのだろうか。

 

モノマネが広まりすぎて本家が困ってしまう場合もある。

岩崎宏美はコンサートで「シンデレラ・ハネムーン」を封印してたそうだ。この曲を歌ってると観客が笑いこらえてるのがわかるそうだ。コロッケのモノマネを思い出すのか。困ったもんだ。それこそ営業妨害である。

逆に美川憲一みたいに、コロッケがモノマネしてくれたおかげで復活できた人もいる。美川憲一は以前起こした大麻事件からTVから遠のいていたが、「コロッケがモノマネしてくれたせいでまた呼んでもらえた」と本人が感謝してた。

 

アントニオ猪木の「なんだコノヤロー」とか、長州力の「キレてないですよ」とかみたいに、モノマネが広まったから逆に本人が自分のモノマネをするという、逆輸入(リサイクル?)な場合もあるけどさ。

別に本人は自分のモノマネをしてるつもりはないと思うが・・・。

 

田中邦衛も「自分で自分のモノマネをしてるんじゃないか?」って葛藤してたのではないかな。

あくまでも勝手な想像だけど。

みんなは「北の国から」の五郎さんをイメージしてるから、裏切らないようにしようって。

田中邦衛さんはインタビュー番組やトーク番組にはほとんど出なかったそうだが、あの口調で話すのが求められてるのが原因ではないかな。あくまでも俺の勝手な想像だが。

 

俺にとっての田中邦衛さんイメージは「北の国から」の五郎さんではなく、「仁義なき戦い」の槙原政吉だ。

高倉健さん主演の「網走番外地」シリーズでは毎回役名が違ったが、「仁義なき戦い」シリーズで田中邦衛さんは、一貫して菅原文太と対立する組幹部・槙原を演じていた。

だから余計そのイメージが強いのだ。

 

 

菅原文太さんのイメージも「仁義なき戦い」の広能昌三。目を細めて「こんながのぉ」とか「しとりゃぁせんのじゃ」って広島弁使うヤクザのイメージがかなり強い。

高倉健さんにしても菅原文太さんにしても、このヤクザ・博徒イメージからの打破にはかなり苦労された気がする。ある時を境に任侠路線の映画やドラマは避け、後年は人情物に出演するようになってるもの。田中邦衛さんもそうなんだろう。

 

TVコマーシャルでは弾けた田中邦衛がみれるぞ。

「大正漢方胃腸薬」のCMで魅せる、身体に無駄な力をみなぎらせた田中邦衛。「食べる前に飲むぅ!」は名言だ。

「KSD」のCMの田中邦衛も元気だった。CMを知らない人には全く分からないネタで悪い。

 

人気漫画「ONE PIECE」で主人公のルフィら海賊と対立する世界政府の海軍。

その海軍の最高幹部・大将は三人いるのだけど、そのひとり黄猿(ボルサリーノ)はどう見ても田中邦衛だ。ボルサリーノといえば「トラック野郎 爆走一番星」で田中邦衛が演じた役名がボルサリーノ2だからたぶんそこからだろう。

海軍大将の残りの二人のモチーフは、青雉(クザン/現在行方不明)は間違いなく松田優作。赤犬(サカズキ/現在本部元帥)は菅原文太だ。

この度、田中邦衛さんがお亡くなりになられたので、これで海軍大将三人のモデル全員が亡くなられた。

 

安らかにお眠りください。

 


バイプレイヤーズに寺島進が復活!

2021-03-20 21:41:37 | MUSIC/TV/MOVIE

ウォー〜!!

つい画面見て叫んでしまった。

バイプレイヤーズ 名脇役の森の100日間〜。

そう、実際の俳優に本人役で演技させ、局の垣根を勝手に飛び越えてオマージュやらパロディやらDisりやら(許可とってるのかいないのか不明)盛り込んだ、あのテレ東の伝説的ドラマ『バイプレイヤーズ』の第三弾である。

今回は、コロナ禍で都会から離れた森に囲まれた撮影所“バイプレウッド”に、各局の連ドラなどの制作チームや俳優が一気に集まってしまったことで起こる(いや、たぶん実際にもあるであろう)大騒動を描く。ついでに映画版『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』も同時撮影進行中だ。

 

最初にキャスト41人が発表された。続いて18人が公開、そして22人が公開され、ラスト17人が公開された。計算したらわかるが計98人(犬が1匹含まれてるが・・・)。番宣ポスターでは、2人分だけ隠された場所が・・・。

 

 

正体が明かされていなかったが、もしや?と思っていた・・・。

一人は寺島進ではないだろうかと。

 

2017年の第1シリーズ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』では、タイトル通り田口トモロヲ、松重豊、遠藤憲一、光石研、そして寺島進が大杉漣さんの別荘でシェア生活をするってのだった。

そして2018年の第二弾、『バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜』では寺島進はスケジュールの都合が合わないってってことで参加してなかった。さらにドラマ終盤で大杉漣さんが急逝された。

その時も、そのあとも、寺島進だけがコメントを出さなかったので「なんかあったのかなぁ・・・」と訝しがっていたのだが、業界の大人の事情なのかもしれない。が、業界人じゃないからよくわからん。

 

しかし、予告にも全くそんな気配を感じさせず、ネットの前情報もまったく無しに、いきなり第11話に寺島進が登場。

そりゃ「ついにあの男が」って匂わせはあったけどさ。

ウォオ〜っって叫んじゃったよ。

 

5人の再会シーンはマジでなんか感動した。

「まぁ色々あったからさ」って寺島進の台詞が意味深。

だが、そんなことどうでもいいのだ。

じゃぁこっちに出ない?いいねぇ、契約とか大丈夫?大丈夫だろってノリで最後のバトルロワイヤルシーンに参加する寺島進。途中でもう裏方に回るわって。だって俺途中参加だもんって。

ジャスミン(北香那)との再会シーンもよかったぞ。

 

 

さぁこうなると残り一人は誰だ。

やはり大杉漣さんかなぁ、でもどうやって?

あっ役所広司さんかも。映画版には出てるもんね。映画告知CMで「ヤクショ!」「ヤクショ!」って掛け声入れられて戸惑う役所広司さん映ってるし。

第12話には宮沢りえも登場するみたいだ。

 

「でもテレ東だろ?」と大杉漣さんが第1シリーズで自虐な台詞を言ってたが、今は「やっぱりテレ東」だな。

好き勝手やってください。

 

映画版も楽しみだ。


村上ポンタさんが・・・

2021-03-16 17:05:46 | MUSIC/TV/MOVIE

日本屈指のドラマー、村上“ポンタ”秀一さんが亡くなられた。

春一番(キャンディーズ)、UFO(ピンクレディ)、プレイバックPart2(山口百恵)、勝手にしやがれ(沢田研二)など歌謡曲から、井上陽水、山下達郎、氷室京介、近藤房之助などフォーク・ロック・ブルーズ、そしてガッチャマンなどのアニメ主題歌まで、幅広いジャンルドラムを叩く人だ。

 

演奏曲は1万五千曲を超えるという。

またどれもうまい。

ラジオから流れてきた曲を聴いて「うまいなぁこのドラム。誰が叩いてんの」と絶賛したが、実はその曲のドラムは村上“ポンタ”秀一さん本人が叩いてたって。誰の曲を叩いたかなんて、あまりに多すぎて本人も覚えちゃいないんだろうね。

 

ポンタさんのドラムは、「手数は多いが絶対歌の邪魔はしないドラム」。

山下達郎曰く「曲想、音楽的な情景の変化って、ドラムが担うもの」だそうだ。

「リズム隊が二流(ダメ)だと曲も二流(ダメ)になる」と、すでにスタジオミュージシャンとして多忙だった村上ポンタに、どうしてもレコーディングに参加して欲しくて頼み込んだ逸話もあるそうだ。

「優秀なドラマーは手数が多い」「上原ゆかりの方がもっと多いけど、ポンタさんの方が抑制的だ」そうだ。「最近のドラマーはオカズが本当につまらない」とも・・・。

 

年下の男の子(キャンディーズ)なんかのドラムは結構手数が多い。でも、全然歌の邪魔をしていない。

勝手にしやがれ(沢田研二)などでは、シンプルに正確無比なリズムを刻んでる。

プレイバックPart2(山口百恵)なんか、かなり複雑なキメ(?)の多い複雑高難易度曲だが、さらりとかっこ良く叩いてる。

 

廃盤になっていた、デビュ−25周年記念アルバム「Welcome to My Life」(1998年発売)のサイプレスが始まったようだ。参加ミュージシャンも豪華。山下達郎、矢野顕子、忌野清志郎、桑田佳祐、井上陽水、CHAR、仲井戸麗市、渡辺香津美、高中正義・・・レジェント球がこれでもかと並ぶ。

そういやポンタさんの25週年だったか。吉川晃司が歌った「飾りじゃないのよ涙は」でサブイボもののドラムが聴ける。ぜひ機会あれば聴いてみてくれ。ちなみにサックスは武田真治だ。

 

ご冥福をお祈りします。


NHK大河ドラマの見所は

2021-02-21 13:58:02 | MUSIC/TV/MOVIE

NHK大河ドラマ。

長谷川博己主演の『麒麟がくる』が終了して、先週から吉沢亮主演の『晴天を衝け』が始まった。

いきなり北大路欣也さんが出てきて「徳川家康です」って挨拶されてビックリ。これは『麒麟がくる』のラストで明智光秀が生き延びて天海説を暗示しているのか、それとも『麒麟がくる』で風間俊介が演じてた若き家康の続きなのか、それとも次の次(2023年)の第63作目大河『どうする家康』で松本潤が家康を演じるという番宣なのか。どれにしてもよくわからん。

 

大河ドラマといえば、歴史上の人物に焦点を当てその生涯を描くってのがパターンだ。

したがって賛否両論がある。あまり有名じゃない人だと「誰それ?」って興味がわかないし、有名な人だ「このシーンを何故省く!」とかクレームが入る。「この部分が史実と違ってる」ってのはどっちの場合でもある。それは仕方がない。

 

前者の「誰それ?」は『いだてん』とか『おんな城主 直虎』『花燃ゆ』あたりではないか。大河の前から金栗なんとかや田畑なんとかって人を知ってる人はかなりの高齢者か五輪関係者だけだっただろう。そんな人の一代記を誰が観たいとNHKは思ったのだろう?

「井伊直虎、あぁ知ってるよ」って人はよほどの戦国マニアだろうし、杉文と聞いて「吉田松陰の妹で久坂玄瑞と結婚した後のかとり実和子ね」などという人は山口県歴史保存会の会員かなんかだろう。そんな通な人は大河ドラマ見ないか、見ても「この部分が史実と違ってる」ってげんなりするんだろうな。

 

『麒麟がくる』は明智光秀が主役だ。

明智光秀はよほどの勉強嫌いや過去に興味は無いぜって人以外は知ってるだろう。『信長協奏曲』の主人公サブローは知らなかったが、光秀が信長の天下取りのサポートをし、出世し、本能寺で裏切り、山崎で秀吉に討たれ三日天下で終わるってことは衆知だろう。

 

明智光秀は戦国史にいきなりに登場してくる。それ以前は不明だ。したがってそんなところを想像であれこれ描かれてもなぁって。ましてや堺正章や岡村隆史とか門脇麦って・・・。

それよりは斎藤道三(本木雅弘)や帰蝶(川口春奈)との出会い、織田信長(染谷将太)と出会い足利義昭(滝藤賢一)の上洛をサポートするってところからを十分描いてくれた方が視聴者は嬉しいのではないかね。

三好三人衆が急襲してきた本圀寺での戦いで、信長の援軍が来るまで義昭を守りきった話とか、浅井長政の裏切りによる金ヶ崎の戦いで、秀吉とともに少人数で撤退戦をしのぎきった話とかはちゃんと描かれてたのかな?

 

明智光秀は作法も教養もあるのにベジータ並みに高い戦闘能力を持ち、銃の扱いもかなり長けてたみたいだ。

 

明智光秀は決して善人ではない。そんなお人好しなら戦国時代を生き抜けないし、ましてや出世なんか絶対無理だ。

フロイス曰く「才知、深慮、狡猾さにより信長の寵愛を受ける」「裏切りや密会を好む」「己を偽装する抜け目のなさ」「謀略を得意とし計略と策謀の達人」。

だから比叡山焼き討ちも冷静にこなし、柴田勝家や滝川一益など織田家譜代家臣を追い抜き最初の城持ち大名に出世してライバル秀吉をも一歩リードするのだ。

なのに何故かNHK大河ドラマは明智光秀をいい人として描きたかった節がある天下泰平を願う。そのために戦っている。まるで北斗の拳のラオウが、乱世を収められるのは暴力による支配のみだと覇王を目指したようだ。

 

その光秀は本願寺との天王寺での戦いで死にかけるけど、信長自身が救援に来てくれたくらい愛されてた。その信長を、何故光秀は本能寺で討ったのか。陰謀説、怨恨説、野望説、朝廷関与説、イエズス会関与説、秀吉謀略説・・・。歴史マニア最大の謎だが、これをたった2話で描くという無茶はいかんよ。

 

さらに秀吉の中国大返し、その間の光秀の動き、そして最後の山崎の戦い。

これだけで少なくとも4ー5話は必要だと思うのだがなのにたった1話だったみたいだ。

すごいなぁ。赤穂浪士の討ち入りで「吉良は大石内蔵助率いる赤穂浪士に明け方屋敷に攻め込まれ首を取られた」ってナレ死で終わられたようなもんだ。

 

大河ドラマの見所は合戦シーンではないのか?

そりゃ、今までに何度も描かれてるからって省きたくなるのもわからんでもないが、それでもやっぱり両軍入り乱れての戦闘シーンは見たいのよ。

 

桶狭間で今川義元を信長が奇襲して討ちとるのは誰もが知ってる。でも見たいのよ。その今川義元は本当は輿になんか乗ってなかったとか、実は剣術にも長けてたとか、どう描いてもいい。でも雨の中、鬨を上げて少数精鋭の信長軍が攻めていくシーンはやっぱり描いて欲しいのよ。

同じように金ヶ崎の退き口でちゃんと逃げおおせたことも誰もが知ってる。浅井長政の裏切りを、お市が両端を結んだ小豆で知らせてくれた説も使おうが使わまいがいい。

比叡山焼き討ちの正当性をどう描こうがいい。

長篠の戦いで三段銃攻撃があったとかなかったとか、そもそも武田騎馬軍団は戦闘時に馬に乗って戦っていないとか、武田勝頼は風林火山の旗印の使用が認められてなかったから指物があるのはおかしいとか、そんなのどうでもいいのよ。合戦シーンさえあればね。

 

大河ドラマファンは、史実上有名な戦国武将が主役の場合はそこらへんを期待してると思うんだけどな。

 

戦国時代や幕末というのは主役級クラス、メジャーキャラクターがかなり多い。それこそ誰を主役にしてもドラマが作れるくらいだ。誰に焦点を当てて何をどう描くかで変わってくる。

あまり有名じゃない人だと「誰それ?」って興味がわかないから、どれだけ視聴者を引き込めるかが勝負になってくる。

『篤姫』で宮崎あおいが演じた天璋院篤姫や、『功名が辻』で仲間由紀恵が演じた千代も、どちらかといえばマイナーだが、ドラマの描き方がかなり良かった。

 

『功名が辻』はお家断絶状態の山内一豊が、織田信長〜秀吉〜家康と仕えて土佐一国の大名となるまでのサクセスストーリーとそれを支えた嫁・千代の話だ。

一般的に知られてるのは、旦那のためにへそくり全額ぶっ込んで名馬を買う「内助の功」や、あとは千代紙という綺麗な小さい折り紙の語源ってくらいだ。

しかし時は群雄割拠の戦国時代。したがって有名な戦いがいっぱいある。そこでどんな功名を上げるかってのもタイトル通り肝心なのをちゃんと作り手は心得てたみたいで、戦闘シーンも迫力あり描かれてた。

 

『篤姫』も九州薩摩の島津家〜島津斉彬の養女となり徳川家定に嫁ぐ姫さまの物語。

徳川の嫁なんて歴史上は表に出てこない人だ。多分大河ドラマがなければ篤姫という名前を知ってる人は全国民1%位だっただろう。

しかし宮尾登美子さんの原作を田渕久美子さん脚本によって、幕末最大のホームドラマとして描かれてた。家定と斉彬が死んだ後も、幕末の騒動から徳川という家を大奥から支えた女。家茂や慶喜を影で支えた女。

もちろん幕末の有名な事件や戦いもちゃんと描かれ、戦闘シーンもふんだんに盛り込まれてた。当然有名な幕末志士もあちこちに出てくるから、見てる方もわかりやすいし感情移入がしやすい。

 

大河ドラマと朝ドラは、役者なら誰もが一度は出てみたいと思うそうだ。

なんてったって国営放送、全国津々浦々どこでも見られるもんな。

民放では準主役級の俳優が、大河ドラマにチョイ役で出たら故郷の親族に「ようやく役者として一人前になったんだね」と言われたって話があるくらいだ。故郷に錦を飾るとか、認めてもらえるのは、歌手なら紅白、役者なら大河か朝ドラなんだろう。

 

今やドラマに欠かせない脇役・バイプレイヤーたちが、実名で本人役を演じるテレ東の人気ドラマ『バイプレイヤーズ』。season3になる今回の『〜名脇役の森の100日間〜』は、コロナ禍によって、森に囲まれた辺鄙なスタジオ・バイプレウッドに各局の連ドラや映画の制作チームが一気に集まった騒動を描く。

この第7話でついにあの国営報道までバイプレウッドに登場。

『アウトローの森』という映画撮影中(出演中)の役者(バイプレイヤー)たち、チンピラ役ならこの人・波岡一喜、元暴走族総長・宇梶剛士、任侠モノの重鎮・菅田俊、役者界喧嘩最強と言われる本宮泰風など、ガチで任侠・ヤクザ映画やVシネマの似合うこのメンツでさえ、口では「国営放送は撮影スケジュールをガッチリ抑えられてしまうからその間は他の民放の番組に出れなくなる・・・」と言ってるが、本音は「出たい」ってことをうまく描いてた。

 

そのNHK大河ドラマ。

先週から吉沢亮主演の『晴天を衝け』が始まった。

幕末の志士でも明治維新の礎を作った人でもない。経済界から日本を動かした男。新一万円札になる男。

よほどうまく作らんと、視聴率は右肩下がりになっちゃうぞ。

ただせさえ明治は「まだ昔じゃない」って感覚だからな。「大河にはふさわしくない」って思ってる人も多いのではないかね。

さぁどうなるんだろう。

 

 

ここまで書いといてなんだが、『麒麟がくる』は一度も観たことがなく、人(お客様)から聞いた話と想像だけで書きましたので、違ったらごめん。

ちなみに『晴天を衝け』も観る気はない。


うっせぇわにハマってる

2021-02-13 19:27:57 | MUSIC/TV/MOVIE

「うっせぇわ」という楽曲にハマってる。

ってなことを書くと「今頃ですか〜」などとマウントを取ってくる人がいるが、それこそ「うっせぇわ」だ。SNSやネット全盛の今、情報はあっという間に駆け巡り、トレンドやなんとかランキングで急上昇とかなるそうなのだが、俺が知ったのはつい最近だからしょうがない。

「アメリカ大陸を見つけたんだ」とか「織田信長が本能寺で殺されたみたいだよ」とか言ってるわけではない。それなら「今頃ですか〜、すでにコロンブスが見つけてますよ(笑)」とか「もう秀吉が光秀を山崎の合戦で打ち取ってますよw」とか言われてもいいが、たかが楽曲のトレンドで時代遅れ呼ばわりされるってのもね。

 

そんなことよりこの「うっせぇわ」、かなり面白い曲だ。

最初に出だしのフレーズを聞いた時はチェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」のパロディソングかと思った。しかしどうやら違うようだ。リスペクトかオマージュかはされてるのだろうが、チェッカーズが触るものみな傷つけてたのに対し、こちらは内面的にムカツいてるのだ。

思春期に「あなたのためを思って」とか「将来のために」とかで押し付けられるありがた迷惑(別名:大きなお世話)なお節介に対し、ムカつくのは当然であるが、それをここまで見事に楽曲にしたのはすごい。

普通ならそのイライラを、盗んだバイクで走り出したり、真夜中に校舎の窓ガラス叩き割って解消するのだが、この歌の主人公はあくまでも心の中で「うっせぇわ」と思うだけなのだ。その鬱憤が溜まりに溜まって爆発しないことを願うだけだ。

 

これはボカロなのかな。歌い方や声色はかなり椎名林檎っぽいが、これはこれでよし。椎名林檎だって出てきた時は戸川純っぽいと言われてたもんな。がなり声も結構いいぞ。

GO!GO!7188やチャットモンチーに通じるスピード感と、やくしまるえつこ(相対性理論)やPSY-sのような世界観がかなりいい感じ。

 

特にサビの部分の「うっせぇ!うっせぇ!うっせぇわ」。

山口百恵の「これっきりこれっきりこれっきり」から沢田研二の「ダーリングダーリングダーリング」を経由し、AKB48の「会いたかった会いたかった会いたかった」まで続く同じ言葉の3連発攻撃。これはかなりヤバい。今風に言えば「エモい」か。

もちろん上には円弘志の「とんでとんでとんで・・・」攻撃ってのもあるのだが(この曲はさらに「まわってまわってまわって・・・」と続くからね)、この「うっせぇ!うっせぇ!うっせぇわ」はかなり耳に残ります。テツandトモの「何でだろう〜」と同じくらいのリフレインパワー。

 

そして曲のラストのリズムもいい。

プッチモニ。の「ちょこっとLOVE」のエンディングと同じように、このリズムパターンはかなり耳に残ります。

 

YouTubeでの再生回数がすごいと、マスコミ・メディアがこの楽曲を取り上げ始めてるのだが、その扱い方がちょっと嫌。

歌っているのはAdoって人なのだが、何なのかな?【18歳女子高生シンガー】って。

大手メディア・マスコミは紹介する際、わざわざ【18歳】とか【女子高生】とかつけて紹介してるのだが、今更【18歳】とか【女子高生】とかに何の価値があるというのだろうか?

「18歳が作った曲とは思えない出来だ」とか「18歳でこんな曲を作るなんてすごい」と言いたいのか?モーツァルトのように5歳で作曲したってのならちょっと驚きだが、18歳なら別に驚くことでもない。

石川さゆりが「津軽海峡・冬景色」を歌ってたのも18歳の時だし、宇多田ヒカルは15歳で1stアルバム「First Love」を700万枚売ってるよ。

「歌ってるのは女子高生だ」とかも別に驚くことでもない。

山口百恵は中学生の頃から歌ってたけど?

一昔のアイドルはほぼ女子高生だったし、今でもAKB48や櫻坂46とかにはJKいっぱい在籍してるぞ。新型コロナウイルスの特効薬のを高校の科学研究クラブに所属する生徒が作ったとかいうのなら世界的なニュースだがね。

 

別に「なんとかジェンダーだ」「何とか差別だ」とか騒ぎ立てる気はないが、ちょっと気になった。

素直にこの楽曲はいいorダメだでいいやん。

「体にいいから(食べなさい)」「健康のために(運動しなさい)」など、「何々のために」と押し付けられる価値観に、心の中で反抗するしかできないすべての人が、この楽曲を待ち望んでた(ような気がする)。

大きなお世話に心の中で叫ぶ。

「うっせぇわ」

 


妄想トレインでの秋吉久美子の老害ぶり

2021-02-08 20:59:10 | MUSIC/TV/MOVIE

妄想トレインという番組がある。

番組の正式タイトルは『友近・礼二の妄想トレイン』。鉄道好きで知られる中川家の礼二と友近が司会する鉄道番組だ。女子鉄アナの久野知美とともに、毎回ゲストを2人くらい呼んで、理想の鉄道旅を妄想で楽しむ番組だ。

 

東京近郊から北陸や東北、山陰、九州まで、時刻表を駆使し、列車を乗り継ぎ目的地まで旅する。ただしゲストを連れて一緒に旅をするのではなく、スタジオで妄想してるだけ。

乗車する列車の外観や内装・設備・サービス、走行風景、車窓など、鉄道好きにはたまらない映像盛りだくさん。列車は当然のごとく、路線の歴史や駅などの薀蓄もある。乗り換え駅でのグルメやちょっとした観光も紹介、見ごたえある風景など、鉄男や鉄子さんでなくても楽しめる「鉄道で旅行に行った気になれる」番組である。

 

ゲストのうちの一人は鉄道オタクだったりする。

石原良純や徳永ゆうき、飲み鉄の六角精児さん、俳優やタレント、歌手など、まぁ鉄道好きというのは世にいっぱいいるんだなぁと、毎回どの人も感心させられるほどの知識を持ってはる。

もう一人のゲストは、あまり鉄道には詳しくないが旅は好きとかおいしいものが好きって人が呼ばれてる。アイドルだったり俳優だったりね。だいたいゲストは男女1人ずつってパターンが多い。

 

今回のゲストは土屋礼央と秋吉久美子。

土屋礼央はアカペラグループRAG FAIRなどで活躍するミュージシャン。大の鉄道愛好家でタモリ倶楽部の鉄道企画シリーズなんかにも出たくらいだ。妄想トレインにも放送2回目にゲストで出演している。

秋吉久美子。元祖不思議アンニュイ女優だ。

若手アイドルや女優はニッコリ笑ってスマイルって70年代に、日産自動車(確かルーチェだったか)のCMでは微笑んでたおさげの子。

しかし、秋吉久美子は笑わない女だった。良く言えばクール、アンニュイ。悪く言えば何を考えてるかわからない、場を読めない、しらけさせる、ワガママ・・・。

だが、その冷めた表情や言動と裏腹に映画では平気でヌードにもなれる役者魂。『八甲田山』や『異人たちとの夏』など名演も多い。

 

その秋吉久美子を、この『妄想トレイン』で久々に見た。いや、他にも出てはるんだろうけど、俺は久々に見ただったのよ。

女でも老害の人っているんだな。

そう思わされた。

 

土屋礼央が鉄道旅の楽しみを語っている時、つい「渓谷や川が」と言ってしまったことに秋吉久美子がツッコミを入れた。それがボケに対してツッコムというよりは、呆れてる、バカにしてるような言い方だったのがすごく気になった。

ただの言葉かぶりじゃないか。「温かいお湯が欲しい」とかと一緒で、それほど気にすることじゃない。世間では、チゲ鍋とかフラダンスとか、かぶってる言葉だって氾濫してるんだからさ。

土屋礼央は多分、車窓から見える谷間の岩がゴロゴロある渓流いいよね、陸橋を越えながら眺める雄大な河川の景色もたまらないよねって感じで言いたかっただけなのにさ。

それを呆れたように、無知かのように、蔑むかのように。お前は言語教師か!って突っ込みたくなったよ。

 

そりゃ女優だから台詞一つの意味、言葉とかも大事にしてるんだろう。それはわかる。

だが、たかがと言っては悪いがバラエティ番組だ。NHKとかの教育番組でもないし、ましてや土屋礼央はミュージシャンだ。作詞で突っ込まれるならまだわかるが、妄想鉄道旅のバラエティで?って感じ。

 

そのあとの秋吉久美子はもっとダメだ。

やる気がないのか、あまり興味がないのか、それともこれが世間が求めてる秋吉久美子像ですよねと勘違いしてるのか、終始ダルそう。

今回は会津福島へお座敷展望列車(お座トロ)で鬼怒川経由で楽しむ旅なのだが、出だしの出発駅と時間を決める際から文句をつける。「品川から(新宿だったっけ?)ではダメなのか」。妄想なのにさ、朝が早いとか、もっと近場から出てないのかって。

この人はドラマや映画のロケとかに行くのでも多分こうなんだろう。マネージャーさんはかなり苦労してるだろうな。

 

礼二や友近が熱く、「この列車はここがすごいよね」とか「ここまで来たらここにも寄りましょう」なんて言ってるのに全然反応せず。いったい何しにこの番組に出てきたんだ。

ここへは何駅から歩いて何分、タクシーで数分ってのに即答で「じゃぁタクシーで」を始め、乗り鉄も撮り鉄も食べ鉄もがっかりのコメント満載だ。

唯一まともに喋ったのは会津名物の1本のねぎを使って蕎麦を食うところだけ。もちろん全然美味しそうではなかったけど。

 

番宣か何かのタイアップとかでねじ込んだのかわからないが、プロデューサーもなぜこの人をゲストに呼んだんだ?って感じ。事務所のゴリ押しか?何かの忖度か?

 

こういった番組の醍醐味は、普段は縁のない路線や列車の旅で「あぁ行ってみたいなぁ」とか「乗ってみたいなぁ」「それ食べてみたいなぁ」なんて見てる側が妄想できることだ。

だから視聴者が楽しめるようにゲストを含め語らなくてはいけない。それができなければ番組として成り立たないのだから。

しかし、秋吉久美子は絶望的にダメだ。行きたいと思うどころか会津福島には行くなよ、行っても大して面白くないぞとでも言いたいのかって穿ってしまうほどだ。

彼女は何か福島に恨みでもあるのか。

俺の両親は山口県生まれで、ことあるごとに会津は敵だなどと口にする時代錯誤な親だったが、秋吉久美子もそうなのか。蛤門で薩摩・会津に手痛い打撃を受けたのを未だにひきづってるのか?新撰組も嫌いか?

 

秋吉久美子以降、大原麗子、藤谷美和子、戸川純、小林麻美、石原真理子、広末涼子・・・アンニュイとかプッツン女優とか不思議ちゃんとか色々呼ばれる人が出てきたが、このSNS全盛の今、ちょっとした失言で一気に叩かれる。

俺は俳優のように演技を生業にしてるような人は、普段の私生活がだらしなかろうが変であろうが構わないと思ってる。いろんな役を演じ分けなきゃいけないんだからね。普段は抜け殻のようでもいいのよ。

普段SNSで「私はこんな生活してまーす」なんてやってる人は自殺行為だと思ってる。そんな私生活リア充が猟奇的な役を演じったってギャップしかないもの。普段は朝サプリメントとヨガしてるんだろ?って。

 

それなら普段の言動はなんか変、って言われるくらいでいいのかもしれないが、最近世間は冷たい。女優だからとかミュージシャンだからとか贔屓目に見てくれない。なんてったって芸人に対してもモラルや常識を求めるくらいだからな。

広末涼子が記者会見中突然泣き出したりしたくらいから、業界はこのぷっつん女優とかをどう扱っていいかわからないようになってきた。世間も面倒臭いなぁと持て余し始めた。

だから沢尻えりかが「別に」と言った途端に誹謗中傷責める責める。あれが高倉健や桃井かおり、樹木希林とかだったら多分誰も何も言わなかっただろうに。吉永小百合さんみたいにいつも模範解答みたいなこと求めてるのかな。

 

そう思うんなら、秋吉久美子がバラエティ番組でそぐわない発言や行動をしてても許してやれよ、って言われそうだが、誤解しないでほしい。俺は別に「許せん」とか「謝罪しろ」なんて思ってないよ。

ただ、あぁこういったアンニュイさを代表するような女優さんは、バラエティには全く向かないなぁ。

アンニュイや気だるさが売りでも、今は求められてないんだなと。時代に取り残されてしまったんだなと。もはやただの老害みたいになってしまうんだなぁと。

 

片桐はいり、江口のりこ、安藤サクラ・・・個性派女優と呼ばれる女優さんは現在も多数おられるけど、そのうち淘汰されていくのかなぁ。

女優は演技だけしてりゃいいんだなんて暴言を吐く気はさらさらないが、バラエティ番組などに無理に出る必要もないぞ。

少なくとも秋吉久美子。もうバラエティには出ないほうがいい。

 


見たいのはコレじゃない 監察医朝顔2

2021-02-02 21:36:02 | MUSIC/TV/MOVIE

上野樹里が主演を務めるドラマ・監察医 朝顔。

2019年の7月クールの月9で前回放送され、大好評だったのかseason2が制作されることになった。2020年の夏秋2クール連続放送の予定だったが、新型コロナのせいで各ドラマが軒並み遅延や中止。その影響で2020年末クールから2021年1月クールに変更された。

今、そのseason2の12話目なんだが、どうも今回イマイチ入り込めない。なんか毎回コレジャナイ感が・・・。

あっこの先かなりネタバレになると思うから、まだ撮り溜めして見ていない人はこの先は読まないでね。

 

この監察医・朝顔は漫画原作で、ドラマ化にあたって一部変更されてるが、上野樹里演じる法医学者が事件や事故の被害者・遺体を検視し、隠れた真実を見つけ出すって内容は変わりない。

警視庁捜査一課の敏腕刑事だったが東日本大震災(原作では阪神淡路大震災)で被災し行方不明になった妻(上野樹里の母)・石田ひかりの遺体を捜すために、所轄・野毛山署に移動願いを出した父・時任三郎。

所轄の刑事・風間俊介と上野樹里は結婚し同居、二人の間には娘・ツグミ(加藤柚凪)が生まれ、神奈川県警捜査一課に移動した。

刑事の父・時任三郎と夫・風間俊介は捜査によって、上野樹里は法医学・解剖によって、それぞれご遺体の隠された真実を見つけていくっていうのがこのドラマの大幹。特に上野樹里は震災直前まで一緒にいた母のことがトラウマとして残ってて、それが検視の際にご遺体の「生きた証」を見つけ出そうとする原動力となっている。

その仕事・現場での緊張感を、朝顔(上野樹里)の家で繰り広げられる何気ない日常が丁寧に描枯れることで緩和されてたのが、このドラマの魅力だ。

season1はそれがうまく描かれてた。

 

ところがseason2はなんかちょっとおかしい。

脚本家が変わったのか、演出家やプロデューサーが変わったのかわからないが、なんかずれてるぞ。随所で「このシーンいる?」とか「何が描きたいんだろう???」ってのが満載なのだ。

 

まず事件が起こってもその事件自体はあっけなく解決する。下手すりゃナレ死ならぬナレ逮捕だ。

肝心のご遺体の死因もなんかなぁってのばっかり。

第1話の歩道橋事故でパニックの最中痴漢してたとされたご遺体は突然死。第2話のご遺体は結局感電死の後の不幸な事故、第6話〜7話で風間俊介に誤射の嫌疑がかけられた事件も、死んでた遺体が歩いたんだって・・・。

あんまり捜査と法医学が結びついていない。

 

第1話で「恋人はあいつのせいで死んだ〜!殺されたんだ〜」と喚き回ってた若い男(ジャニーズJr.?名前知らん)は煩いだけで超下手くそでウンザリ。

第2話の双子の兄弟の弟が、死んだ優秀な兄になりすまし入れ替わってるということを、現場に何度も足を運んだり、昔二人が描いた絵によって見抜いたりするのだが、それは警察の仕事で監察医・上野樹里の仕事ではない。

 

season1で上野樹里の勤務先にアルバイトできてた田川君が、歯科医師(実家が歯科)になるため辞め、代わりにやってきた望月歩は、勝手に検視解剖されたご遺体の画像を自分のスマホで撮影し、それを友人にネットに上げられ大炎上。一旦は呆れるみんなだが、結局許す。ありえんやろ・・・。

このせいで法医学主任教授・山口智子は退職するのだが、資料を残す部屋を作るために教授室を改装して使いましょうとか提案してたのや、大谷亮平がチョロチョロとうろついてたのは全てこれの前振りだったのか?

 

season1の最初の方では高時給目当てで法医学などには興味なく、空気の読めないキャラだった志田未来もseason2では立派な即戦力。だが狂犬病の疑いのある患者に使ったメスで自分の指を傷つけてしまう。

これ、『コードブルー』で戸田恵梨香がすでにやってない?(あれはエボラ出血熱だったが)

『バイプレーヤーズ season3』の第1話で「芝居のためなら魂以外は平気で捨てる」と紹介された志田未来だけに感染に怯えた迫真の演技を見せたが、これは今のコロナ禍、逼迫してる医療現場を比喩して描いているのか?

「上野樹里が山口智子がいないのを補おうと働くことによって周りにしわ寄せがきてる」を描くことによって今のコロナ患者受け入れ医療施設の現状をメッセージしてるのか?

「過労から注意力散漫になり油断してしまう現場スタッフ」を描くことによって、医療現場の大変さを伝えたいのか?

感染症の怖さを描きたかったのか?

 

それなら板尾釧路のハムスターとか、中尾明慶の移動パン屋店員・矢作穂花への恋心とか、要るの?

後でこれもなんか事件と絡んでくるのかなぁ。

 

時任三郎は遺体探し専念のために刑事を辞め舅(上野樹里の祖父)の元へ行くのだが、その義父・柄本明は、入れ替わりのように入院してしまう。

第1seasonでは未だに娘・石田ひかりの遺体を探す時任三郎を疎ましく思ってたのだが徐々に理解、最終話で家族全員揃って訪ねて来た際に、上野樹里と娘をシンクロさせた幻を見て慟哭する演技は見事だった。

時任三郎は車のキーを忘れたり、道を間違えたり覚えられないから書き留めたり、認知症の症状が出てる。「俺の家の話」でも西田敏行が認知症になってるが、見てて辛いだけだぞ。

 

風間俊介は誤射を疑われ監察官に執拗に取り調べで責められ、事件解決後は発砲の後始末で刑事部長の田中要次に依願退職を迫られる(憎たらしい監察官がここでは味方になる)。

こんなこと描くから警官が舐められるんだ。どうせ撃てないんだろうってね。撃ったら始末書書いて出世コースから外れるぞってね。

しかも長野の交番勤務に異動になるという、もはやなんのこっちゃよくわからん展開。

神奈川県警から長野県警に移動なんてのはまずありえんと思うがそこはドラマだ大目に見よう。

旅館の跡を継ぐために退職した検視官・三宅弘城がseason2では山梨県系の検視官として復職し、さらに神奈川県警の検視官として戻ってきてるのだから。そのとばっちりでseason1で上野樹里らのやり方に不服だったが徐々に打ち解けてきた検視官・杉本哲太がいなくなった。

 

朝顔・上野樹里の家は時任三郎も風間俊介もいなくなり、娘・加藤柚凪と二人暮らし。

season1で描かれてた家族団欒の和気藹々シーンはもうない。

 

それを補うかのように登場させたのか?風間俊介の姉・ともさかりえ。

信用金庫に勤めてたのを辞めてから警察学校行って警官になって、署長推薦受けても3人に一人しかなれない刑事になり、退職した時任三郎に変わり野毛山署強行犯係に配属される。旦那と子供を茨城に残し単身赴任というドラマとはいえこれでもかってくらい強引すぎるほどゴリ押しな設定。

そのともさかりえは風間俊介の代わりにしょっちゅう上野樹里の家にやってくる。しかし、見たいのはそれじゃぁない。

捜査では全く役に立っていないし先走るしいらんこと言うともさかりえ。上野樹里宅に来たり風間俊介の引っ越し手伝ったり、なんかしょっちゅう休んでるし、一人早上がりしてるのか?ってくらいだ。これなら別に刑事って設定じゃなくて良くない?

 

野毛山署強行犯係係長の戸次重幸も謎。

なぜか上野樹里宅の食器や道具のありかを細かく知っている。おかしいなぁ、season2の最初の方で、まだ時任三郎も風間俊介もいる頃に風呂上がりの姿を見られて誤解された話からそんなに経ってないんだけどなぁ。「なんとかの皿は三番目の棚」とか「調味料はどこどこ」とか、いつそんなに詳しくなるくらいこの家に上がり込んだんだ?

しかも軽快に中華鍋を振るい「ミシュランがどうのとかの中華料理店で働いてた」とか裏設定までされてる。要るか?このシーン。

 

入院する前に柄本明が時任三郎を連れて行った定食屋(夜は居酒屋?)の女将・大竹しのぶは石田ひかりの同級生。テレフォンカードを大事そうに持っていて、つながらないのをわかっていなが店の緑の公衆電話で石田ひかりの携帯電話にかけてる。

 

しかしこの大竹しのぶ、なんか陰キャラで、時任三郎にコナをかけたり遠回しに口説いたりしてる。

父の認知症を疑う上野樹里からの「変わりはないですか?」って質問にも平気で「大丈夫よ」と嘘を言い、「もの忘れくらいあるわよ」と言い放つ。

車の鍵を忘れたり、柄本明が転院したのに前の病院に行ったり、明日の電車の時間を何度も聞いたり、流石に気づいた上野樹里に「わかってたでしょ、なんで嘘ついたんですか」と問い詰められても「都会で仕事して、子供もいて、おじいさんの介護しながら、父の面倒まであなた見れるの?」と言い放つ。

さらには「平さん(時任三郎)には私が付いているから」とマウント。もはや思い込みの激しいストーカー並み。怖いぞ。

 

season1でも産廃業者のせいで土砂崩れに巻き込まれた風間俊介は、season2でもトンネル崩壊事故に巻き込まれる。

長野県のトンネル崩壊事故なのだが、なぜか神奈川県警の検視官・三宅弘城が指揮をとり、さらに上野樹里の大学にも派遣要請が入り、以前も災害検視の経験がある志田未来や中尾明慶などとともに現地に入る上野樹里。

風間俊介の携帯を何度も鳴らすが連絡が取れない。どうも先日から幽霊が出るとか変な音がするという地域の声でトンネルに巡回しに行ったみたいだ。

間違いなく巻き込まれ、死亡フラグ立ちまくりの展開だったが、今回も無事。

だったが今度は留守番を頼んでいたともさかりえが目を離したすきに、ツグミ(加藤柚凪)がいなくなる。こちらもじいじ(柄本明)のとこへはどうやっていくの?」「新幹線に乗って行くんだよ」なんて会話とお絵描きが前振りされてたから、行こうとしたんだろうけど、なんかなぁ。

 

上野樹里が働きすぎで大変そうだからとか変に気を使ってる子供って。

今回season2の加藤柚凪はただのイヤイヤ期のガキにしか見えなくて、どうも苦手なんだが・・・。

 

結局トンネル崩壊事故では死人は0。これじゃぁ、風間俊介が事故に巻き込まれたのも、つぐみ(加藤柚凪)が行方不明になるための前振りでしかない。

見たいのは上野樹里のしかめっ面や辛い顔ではない。

見たいのは子供が気を使ってる姿ではない。

無理をして頑張ってる姿ではない。

 

ご遺体から法医学の力によって、真実の声を聞く姿。

捜査によって事件の解明や追及をする姿。

そして仕事の顔とは違う子供を交えたリラックスした家族との顔。

これが見たいんだけどなぁ。

 

監察医 朝顔 season2はどうやら違う方向のようだ。

来週からはもういいか。

 


ちょっと残念 ミヤコが京都にやってきた!

2021-02-01 21:34:08 | MUSIC/TV/MOVIE

京都を舞台にしたドラマ『ミヤコが京都にやってきた!』。

佐々木蔵之助演じる京都の町医者の元へ、離婚以来会ってなかった娘(藤野涼子)が12年ぶりに現れるって話。

 

佐々木蔵之介といえば京都の作り酒屋の息子。しかも洛中に唯一残る佐々木酒造の三代目、生粋の京都人である。その彼が京都の往診専門の町医者を演じてる。したがって京言葉は全く問題がない。

ただし、どんなに方言をうまく使おうともネットなどでは「あの言葉は地元人は使わない」とか「あのイントネーションは変」だとかいう奴がいる。自分が使わないからって基準なのか、それとも明らかに間違ってるのかは他の地区の人には全くわからないはずなのにね。所詮TVドラマなんだけどな。

 

でもドラマなんかではいくらクレームが入ろうとも、地元人はまず使わないであろう「いかにも」って感じの方言を使った方が、全国の視聴者にはキャラクターがわかりやすくていいかもしれない。

『MIU404』での菅田将暉や、『半沢直樹』での南野陽子の大阪弁がいい例だ。二人とも大阪出身なのに、いかにも「わてらなにわでっさかいなぁ」って感じの、「それは河内弁か泉州弁か摂津弁かどこでつこてる言葉やねん」ってイントネーションの明らかにおかしい「大げさいかにも大阪弁」を使っていた。

 

さて、そんな佐々木蔵之助はいいとして、友人役の市川猿之助はちょっといただけない。

4代目市川猿之助のスーパー歌舞伎に佐々木蔵之助が俳優として異例の出演したりしてるから、交流あっての出演なんだろうけどさ。俳優に歌舞伎の舞台が無理なように、テレビの世界に歌舞伎俳優は合わない。アクやオシが強すぎてさ。最近、尾上右近とかもドラマやバラエティに出てるけど、もう飽きたよ。

香川照之はどうやねんって言う人がいるかもしれないが、彼が9代目市川中車を襲名したのは、二代目猿扇が亡くなってからだしね。役者としてのキャリアを積んでからの話だ。(名を残すために彼の息子を歌舞伎の世界に引き入れるために襲名させられただけだし)

猿之助が友情出演かどうかはわからないが、歌舞伎俳優に京都舞台のドラマは絶望的に無理。京言葉以前に仕草や立ち振る舞いが東人すぎて。『半沢直樹』で「はんざ〜わ〜詫びろ〜」ってやるのとは違うからなぁ。まぁ松本幸四郎さんをはじめ、昔のTV時代劇には歌舞伎役者が主演してたのいっぱいあるんだけどさ。現代劇はちょっとね。

なぜ同じ京都人である西村和彦さんとか使わなかったのか不思議。

 

そして、12年ぶりに現れた娘・ミヤコを演じるのが藤野涼子。

この子がなぜ抜擢されたのかわからない。過去にどんなドラマや映画に出てたのか全く知らないに等しいが全然ダメ。

なんで突然現れたのかって謎を演出したいからか、それとも久々の対面だからどう振る舞えばいいのかわからない娘ってのを出したいのかわからんが、とにかく終始仏頂面。

これが清原果那のように演技がうまけりゃまだ仏頂面でも観れるのだが、嫌悪感しか生まないくらい下手。この子は演技経験ほとんどないのではないか?どこかの劇団に所属してる女優か?浜辺美波と同じくらいダメだ、ファンの人ごめんって感じ。

 

もう一昨年の話になってしまうのだが、2019年の年末に同じように京都を舞台にした単発ドラマが放送された。

『ちょこっと京都に住んでみた』というタイトルからわかるように、東京で暮らす木村文乃が京都の大叔父の家でしばらく生活するって話。

仕事(デザイナー)を辞め現在無職の木村文乃は「人生に失敗した」と悲観してる。そこへ母から「京都に住む大叔父さんが怪我したそうだから様子を見に行ってくれ」と言われ、渋々京都にやってきて大叔父の家でしばらく生活するって話だが、これはかなりいいドラマだった。

京都に住む大叔父役は近藤正臣。彼も生粋の京都人(山科)だから言葉や仕草・立ち振る舞いに全く違和感がない。

このドラマは誰かが殺されたりなんか大きな事件が起こったりはしない。東京の便利な暮らしに慣れた木村文乃は昔ながらのしきたりや風習が残る京都の暮らしに戸惑う。近藤正臣におばんざいやお菓子のお使いを頼まれても「スーパーに行けばいっぺんに済むのでは?」と最初は合理的に考えるが、町の人と会話し触れ合うたびに便利さが逆に無くしたものを見つけていくって話。

 

このドラマでは実存する京都の老舗がそのまま登場する。豆腐の「とようけ屋山本」を始め鰻、七味唐辛子、麩、サバ寿司、和菓子・・・最後は角打ちの酒屋まで登場する。

今回の『ミヤコが京都にやってきた!』も番宣で佐々木蔵之助が「地元出身の僕も知らない古い名所や進化を続ける新名所がいっぱい登場!」と言ってたのだが、ちょっと期待はずれ。鴨川デルタの飛び石や南禅寺の水路閣など、どのガイドブックにも載ってるもう飽きそうな観光名所ばっかり。

ミヤコが海外の友人に名所案内を送ってたりSNSで発信するためだって設定なのはわかるけどさ、サバ寿司の店やパン屋さんなんかも出てきたが、ちょっと京都観光案内しすぎじゃない?脚本が大阪出身〜京都大学卒の今井雅子さんとは思えないくらい京都が陳腐に描かれてるのは、大人の事情ってやつか?

 

『ちょこっと京都に住んでみた』のように、てっきりハートフルなドラマになるのかと思ったのだが、ただ単にロナンス詐欺に騙されてるとも気付かず、金をせびりに来た娘とそれに戸惑う父の話でしか今の所ない。

『ちょこっと京都に住んでみた』では、「美味しい和菓子屋教えて」と聞く木村文乃に近藤正臣はきっぱり断る。「いいもん、いいよネットで探すから」と言う木村文乃に近藤正臣は『やめとき、自分の好きなもんは自分で探さなあかん、スマホなんかに頼らんと自分の嗅覚だけで探したらええんや、あんたには自分の好きなもん探す自由があるんや』と諭す。

自分の嗅覚よりもネットの評価で店を選ぶ現代人。ぐるなびとか食べロゴがダメとは言わないが、所詮他人の評価でついてる星。ミシュランがどうしたこうしたってのと同じだ。自分の直感で店探し、行ってみて自分で感じてみて決めればいい。

女お一人様酒呑み漫画の『ワカコ酒』作者の名言に「店はググるな、暖簾をくぐれ」ってのがあるが、全くその通りだと思う。

 

おっといけない話がそれちまったが、この『ミヤコが京都にやってきた!』は、東京で居場所を無くした娘が12年ぶりに父のところにやってきて、京都の町でいろんな人や店に出会い自分を取り戻す話かと思ったが、どうやらそんな展開にはなりそうにもない。

現在第4話だが今の所、家捜しして婆さんの着物を勝手に質に入れたり、父の口座から勝手に金を引き出したり、飯の支度も洗濯もせず居候してる、仏頂面で愛想のない娘。ロマンス詐欺に騙されてるのを匂わせてる脚本も嫌だが、全くその通りだったというなんのひねりもない展開はもっと嫌。

 

それでも結構いいシーンはあったりする。

「彼に会うなら着物はどないや、確か婆さんのがあったなぁ、どこにしもたっけ」という佐々木蔵之助に「あれ質屋に売った」「もっと金になるかと思ったけど1万円にしかならんかった」と正直(?)に打ち明ける娘。

普通なら「なんてことしてくれんねん」とか「盗人か」と怒るところだが、佐々木蔵之助は「1万円にもなったんかぁ、そりゃよかった」。

そのカネも相手の外人に送ったんか?と聞く蔵之助に「自分のもの買うのに使った」と答える娘。「そりゃ婆ちゃん喜ぶなぁ」という蔵之助。

本音と建前、遠回しな言い回しが常の京都人を見事にここで演出してる。

昨年11月の放送された『作家刑事 毒島真理』での佐々木蔵之助と真逆。元警視庁捜査一課の敏腕刑事で現在は人気ミステリー作家役を演じた佐々木蔵之助は、中山七里の原作を忠実、いやそれ以上に演じていて、辛口・毒舌・無神経・人の神経を逆なでする言動のオンパレードだった。

 

「京都で先の戦争って言うたら応仁の乱のことですわ」とか「ぶぶ漬けでもどないですか」などはすでにネタ化されて、大阪での「もうかりまっか〜ぼちぼちでんなぁ」と同じく普段に使われることは皆無だが、京都の言い回しってやつは現在も存在する。

秘密のケンミンショーでたびたび取り上げられるが、あれは相手を気遣って遠回しに言ってるんだと。角が立たないようにしてるからだと。

俺は以前あるお店で「いい時計してはりまんなぁ」と褒められた。その途端同席してた友人(洛中生まれ)が「ほな、そろそろ行こか」って言い、おいとますることになった。店を出てからあれは嫌味なんやと、「ええ時計してるのにそれは飾りですか(動いてますか=時間わかってはりますか=はよ帰りよし」ってことやと。うーん難しい。でも、遠回しに言われたら角はたたんわね。

 

今のマスク注意されたくらいでキレたり、居座ったり、ごねたりする人には京都人が諭したらいいかもしれへんね。

「男前が台無しになるからマスクはされへんのですな」とか「マスクしてへんってことは喋りはらへんってことやねんなぁ、美声が聞けず残念ですわ」とかね。

あかん、生粋の京都人やないから思いつかへん。

でも、いい歳して航空機をはじめ公衆の面前で今時マスクを拒否してゴネるような奴には、どんなに粋に言おうともわからへんやろうね。無粋やから周りに迷惑かけようが不快にさせようが平気なんやから。

 

ミヤコが京都にやってきた!

ちょっと残念でもったいないドラマである。