福山雅治主演の集団左遷!!
どうなのこれって。
第1回目の放送を見たが、正直「うーん・・・」って感じ。面白くないわけではない。久々に見た三上博史の片眉を演技(勝手にネーミング)も悪くないし、社会ドラマでこの人が出りゃ締まる香川照之も相変わらずのくせ者ぶりを演じてます。
原作は江波戸哲夫氏の『集団左遷』と『銀行支店長』が原作で、銀行を舞台に繰り広げられる熱いワーカードラマだ。
そう、堺雅人主演で大ヒットした『半沢直樹』から続く、企業や組織のしがらみの中で情熱を持って働く男たちの話。銀行が舞台だと、どうしてもこの『半沢直樹』と比べてしまうのよね。
福山雅治がいくら土下座をしても『半沢直樹』で香川照之がプライドずたずた渾身の土下座にはかなわないし、小手伸也が嫌味な銀行監査を演じても、片岡愛之助のあの不気味さ&嫌味さと比べてしまうのよ。
そしてこの集団左遷は1994年に柴田恭平主演で映画化されてる。(共演:中村敦夫/津川雅彦)だから実写化というよりはリメイク版なんだけどね。これと比べてしまうのもどうだかなぁ。映画公開時(1994年)とは時代が違うから、今回の福山版は現代の時勢に合わせてるからね。
ではこのドラマ、面白くないかといえばそうでもない。人気のある日曜劇場だし、福山主演だからスタッフも揃えてるだろうし、予算はふんだんにかけてるだろうからか、結構見れてしまうのよ。
第一話は、福山に銀行の支店長の辞令が降りるが、その蒲田支店は光友銀行に吸収合併された大昭和銀行の元本店。元大昭和銀行で今はお飾りの光友銀行頭取の市村正規の反対も虚しく、三上博史演じる常務取締役が廃店にしようとしてる支店の一つ。福山は「頑張らなくていい」と三上に釘を刺され、赴任していってみれば元光友と元大昭和で派閥はできてるし、副支店長の香川照之は真面目に業務をこなすが定時で帰る。神木隆之介は始業ギリギリに来るゆとり世代行員で、井之脇海は融資先の社長が夜逃げして「死にたい」と口癖のように言う。
ここら辺で「あぁ、このダメ社員を熱い情熱で変えていく物語かな」なんて早合点したら大間違いだった。神木隆之介は営業で初めて取引先となった工場をなんとか貸しはがしから守ろうと紛争するし、井之脇はなんやかんやいって福山と一緒に逃げた社長を追いかける。半沢直樹の最初も確かこんなストーリーだったな。ここら辺もデジャヴ感が強いのよ。原作は全然違う人なのにね。変なの。
NHK大河『龍馬伝』で岩崎弥太郎を怪演した香川照之が、龍馬を演じた福山雅治と組んでるだけでも違和感があるのだが、蒲田支店の行員の中村アンと本部鑑査室の小手伸也ときたらもうフジの『SUITS/スーツ』とデジャヴになってしまう。
副支店長の香川照之は旧大昭和銀行系の人間で、定時で帰るのは訳があるのだろう。原作を読んでいないのでわからないが、ドラマでは病院の前でのシーンがあった。けど、まさか奥様(西田尚美)が入院してるとか子供が病気だとかじゃないだろうな。それじゃぁまるで『下町ロケット』の徳重聡だよ。「帰りま〜す」とか「残業だぁ〜」って叫ばさないよね。
そういや『下町ロケット』のWOWOW版での主役(TBS版で阿部寛が演じた役ね)は三上博史だったなぁ。
さらに言えばナレーションが貫地谷しほりってのもなぁ。彼女はテレビ東京系で今クールやってる、玉木宏主演の『スパイラル〜町工場の奇跡〜』で、銀行の貸しはがしにあいかけ倒産しかけてる町工場の長女を演じてる。そんな人になぜこのドラマのナレーションをさせたんだろう?
頑張ってしまうサラリーマンを福山雅治が演じ、頑張らず定時で帰る女を吉高由里子が『わたし、定時で帰ります』を演じる。この対極になるドラマの主演を共にアミューズがやってるが、肝心のアミューズは労働基準局(監督だったかな)が入って是正命令が出てるという皮肉さ。まぁ芸能界に労働法を適用しようってのが無茶なんだけどね。
ちなみに神木隆之介もアミューズだ。
エレファントカシマシが歌う主題歌「俺たちの明日」はすごくいい曲で、ドラマにも合ってるのでケチをつけたくないのだが、エレカシもアミューズ。こうなると「どこまでアミューズで固めるんだ!」って思ってしまうのだよ。
あ、それ以前に、福山雅治にスーツが似合わないぞ。銀行員らしい吊るしのスーツを着せて、さらに走らせるのは似合わないと思うのは俺だけか?走って息切れしてはぁはぁ言ってる福山。、なんか違和感があるのよね。これがこのドラマに入り込めない原因だとなんとなく思ってる。今後、自転車を漕ぐシーンがないことを祈る。多分、福山ファンはそんな福山は見たくないだろう(と勝手に思う)。
どうしてこう自覚がないのかねぇ。
AAAの浦田よ。
新井浩文や山口達也が酒を飲んで失敗したのに、自覚なしだな。
今回の事件は、酒に酔ってコンビニ行って、見知らぬ女にナンパ目的で声かけたけど「知らない」って答えられたから平手打ちしたんだって。なんだそりゃ?
悪いが、あなた方のグループのファンや関係者以外は、君の顔なんかしらねぇよ。自分がスーパースターとでも勘違いしてるのではないかね、自覚はないのに自尊心だけはあったんだな。
ついでに言えばAAAの他のメンバーも、そこらへん歩いてても気付かない人は多いと思うぞ。AAAファンの人には信じられないかもしれないが、ドラマ『癒されたい男』(鈴木浩介主演)に出てる宇野実彩子も「誰これ?」って思ったもん。ジャニーズレベルでない限りグループミュージシャンの知名度なんてそんなもんだ。全国区で顔と名前が知れ渡るのはごく一握りだけだよ。
でもね、問題はそこじゃないのよ。
釈放後の記者会見でやたらと「酔ってたから」「泥酔状態でした」を使って、だから「何も覚えてない」って。いかにも「お酒が悪いんです」「酔って記憶がなかったから仕方ないんです」って感じ。その理屈が通用するなら「シャブ打った後で記憶が無い」とかでも責任回避ができるってことだ。酒のせいとか酔ってたとかを言い訳にしないでくれ。イメージが悪くなる。
「酒を飲みすぎたから」「酔ってて何も覚えてない」とか言う奴の半分は嘘だと思ってる。
だって、俺も毎日飲むけど、そんな状態になったことないもん。朝目覚めたら隣に見知らぬ裸の女の人が寝てたとか一度もないし、どうやって家に帰ったのか覚えてないとかもない。もちろん酔って暴れたとか喧嘩したとか、女の子に無理やり抱きついたとかもない。
酒は水じゃないから酔うのは当たり前だ。でも、酔ってみっともない醜態を晒さないように自制しながら飲んでるもん。
これは俺が若い頃に炉端や飲み屋関係で働いてたせいかもしれない。
嫌っていうほど酔っ払い見たもん。やたらハイになる人もいれば、すけべになる人もいる。笑上戸、泣き上戸、怒り出すやつ、脱ぎだすやつ・・・。いろんな酔い方がある。
部下と一緒に来てくどいくらい同じ話を何度もするやつ(部下のうんざりした表情)。仲間内できて大きな声で騒ぐやつら(必ずジョッキや皿を破壊する)。クダを巻くくらいは可愛いもんで、完全に出来上がって周りから「もうやめとき」と言われてるのにまだ飲もうとする奴。トイレでびっくりオムレツ(隠語)作ったまま眠る奴もいた(誰が掃除すると思ってるんだ 怒)。レジで財布からお金が取り出せないくらい酩酊してるくせに割り勘計算はきっちりできる奴(せこいね)。
こんな酔っ払いになりたくないなって思ったから、できるだけ飲む時はしゃんとしてるようにした。今でもなるべくカッコ良く飲みたいと思ってる。だから本格的なBarとかで飲むほうが好き。まぁ最近はそんなオーセンティックなバーでもうるさい団体が来たりしてうんざりする時もあるのだがね。
バーボン・スコッチ・アイリッシュ・・・ウイスキーはロックで飲むのが好きだ。最近若い人はハイボールで飲むみたいだが、それはそれで良し。水割りでもストレートでもソーダ割りでもコーラで割ろうが好きなように飲めばいい。スキットルに入れて持ち歩くときもある。(アル中ではないよ)基本的にウィスキーを飲む人に変な酔っ払いはいないような気がする。
焼酎は麦ならお茶割り、芋ならお湯割、米ならロックが好きだ。甲類ならレモンハイだね。チューハイは今じゃ炉端のメニューの定番で、若い人は好きみたいだが、結構悪酔いする場合も多い。女の子で酔いつぶれて倒れてる人はシロップやカルピスとか甘いもので割ったチューハイ飲んだ人に多い。
ウォッカやジンなどの蒸留酒はロックもいいが、カクテルだね。ショートスタイルもロングスタイルもどちらも好きだ。その日の気分や、バーテンダーにお任せで作ってもらうのもいい。昔は女の子を酔わせてお持ち帰りするために洒落たバーでカクテルってのが定番だっただけに、飲みやすいがアルコール度数が多いので気をつけて。
日本酒はみんなと鍋つつく時や寿司屋とかに最高だね。冷やも好きだが人肌、熱燗も好き。ただし純米酒以外はちょっと匂いが苦手なの。昔の酔っ払いを思い出す匂いだからね。今でも電車で大騒ぎしてる中年グループからはこの匂いがするからちょっと苦手。
ワインは好きなんだけど欠点が。それはなぜか飲むと眠たくなるのだ。フレンチでもイタリアンでも、どんなに高くても安くてもワインは眠気を誘う。好きなんだけど相性が悪いのかな。ワインは女子会の定番ね。最近はファミレスで手軽にグラスワインを楽しんでる主婦たちもいるね。
今の若い人は酒を飲まなくなっている?それはアフタ−5の飲み会を回避してたり、酒のお誘いをアルハラという風潮とかを勘違いしてるデータではないかな。
バイクに乗る、楽器を弾ける、タバコを吸う。これらは若い世代はかなり減ってると思うが、酒を飲む若者はそんなに減ってないような気がするよ。鬱憤ばらしやコミニュケーションとるのに酒って手軽だもんね。
だから、こんなAAA浦田みたいに、なんかしでかしたのを簡単に「酒のせい」とか「酔っ払ってたから」とか言って欲しくないのよ。ましてや何時間飲んでたとか、いろいろ飲んでたとか。そんなん言い訳にせんといてほしいわ。
俺もなんでも飲むし、毎日飲むし、長時間飲むこともある。でも、酔っ払ってたからどうのこうのなんてなったことないぞ。酔ったら寝るくらいなもんだ。飲み会の帰りに大阪から終電乗って爆睡してしまい野洲(滋賀県)まで行ったことはあるけどね。
このままだとタバコの嫌煙の次は嫌酒がブームになるかもしれない。今の受動喫煙どうちゃらこうちゃらみたいに、アルコール排除の活動が出てきたらどうする。酒もタバコもない健全な社会には住みたくないなぁ。
「酒は万薬」
酒はタバコほど毛嫌いはされてないが、時に酔っ払いは喫煙者より嫌われるということを認識してくれたまえ。
まずは被害者、そしてファン、メンバー、関係者。君にとっては酔って意識のないたった一発の平手打ちだかもしれないが、その迷惑・被害の大きさをこれから痛感し反省したほうがいい。金髪を黒髪に染めても無駄だよ。
いろいろ春ドラマが始まっていく中、脱落組が出てきた。
クール毎にとりあえず初回は見るようにして、面白ければ続けて観る。面白くなくても2話目から面白くなるかもと見たりする場合もある。まぁほとんど、初回がダメなドラマは2回目以降もやっぱり面白くないのだが。
その中で1話目の途中で「無理!」と思って見るのをやめてしまうドラマもある。映画館ならお金がもったいないから、よほどつまらない限り途中で見るのをやめることはないのだが、テレビドラマは途中で止められる。だってお金の代わりに「時間損した」ってなるから。
『白衣の戦士』
中条あやみと水川あさみのW主演ということで見たのだが、ダメだこれ。
中条あやみって役者なの?
これだけ下手な役者を久々に見たよ。驚くぐらい下手。これでなぜ主演なんだ?
中条あやみって全然知らないのだけど、モデル上がり?
バラエティやMCでも思うのだが、マルチに活動できるモデルは少ない。もともと演技の勉強をしていなかったモデルに、演技力なんてプロデューサーとかも求めてないのかもしれないけどさ、中条あやみ、ひどすぎるぞ。
いや、モデル出身者がダメって言ってるんじゃないよ。モデル出身でも、山田優や土屋アンナ、米倉涼子、松嶋菜々子などなどいるしね。「元モデルだったの?」ってレベルのモデル出身女優さんは多々いる。風間トオルとか阿部寛だって、俳優に転身した当初演技はひどかったが、今では認められてるしね。
コメディって難しいのよ。
アクションドラマとかなら、通常のセリフや演技が下手でもなんとかなる(真木よう子とかね)。恋愛ドラマなら美貌やスタイルで補える(男女平等何ちゃらとかに怒られそうだが、事実そうだもの)。でもコメディは無理だ。熟練の役者さんでもコメディはなかなか難しいと思う。逆に言えばうまい役者ほどコメディもうまいのだ。
ロバート・デ・ニーロ。アクションやバイオレンス、サスペンスだろうがヒューマンものや恋愛ものまで難なくこなすこの名優は、コメディやらしても傑作にしてしまう(『俺たちは天使じゃない』など)。
日本で言ったら香川照之とか堺雅人とかね。佐藤二朗、生瀬勝久、勝村政信みたいに、出てるだけでなんかおもしろい事やらかしてくれそうな雰囲気を醸し出してる人もいる。
ドラマで役者がコメディを演じるには何種類かあると思う。別に分ける必要も基準もないのだが、なんとなくこんな風に書くとちゃんと分析してるみたいなので書いてみる。
一つは真面目な顔をしてやるコメディだ。心の声だったりするとなおいい。容姿端麗なほどそのギャップで面白い。
『偽装の夫婦』での天海祐希と沢村一樹、『TRICK』の仲間由紀恵と阿部寛、『カバチタレ』の常盤貴子と深津絵理などね。
一つは天然を活かしたコメディだ。本人は大真面目なんだがなんかずれてたりするところが面白い。
『富豪刑事』の深田恭子、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』の杏、『義母と娘のブルース』の綾瀬はるかなどね。
一つはボケをツッこむコメディだ。主役のボケを拾いツッコミまくる相棒的存在。かなり大げさに突っ込んでも良い。
『東京DOGDS』で小栗旬の真顔ボケをツッコミまくる水嶋ヒロ、『THE LAST COP/ラストコップ』で唐沢寿明のボケにツッコミまくる窪田正孝、『時効警察』でオダギリジョーに振り回される麻生久美子とかね。
そして全体ボケまくりなコメディ。顔芸から変な声、体全体使って演じなければいけないためにかなり上級者向け。
『ホタルノヒカリ』の綾瀬はるか、『『のだめカンタービレ』の上野樹里などがそうだ。
たぶん今回の『白衣の戦士』での中条あやみはこれをしようとしてるのだろうけど、かなりムリがある。いや、それ以前にコメディとして成り立っていない。演技力以前にこけ方、見せ方、セリフの間、すべてダメ。(もちろん元ヤンキーにも見えない)
コメディを成り立たせるのは共演者なのだが、中条あやみは周りを置いてちゃう独りよがりの演技。
長澤まさみでさえ『コンフィデンスマンJP』では寒いコメディ演技だったが、共演者の東出昌大や小日向文世が見事なサポートをしてたので観れたよ。(小手伸也も良かったね)
水川あさみは上野樹里と『のだめカンタービレ』で共演(他にも『江』『ラストフレンズ』でも共演)してて、コメディ土台はある。『のだめ〜』は上野樹里の怪演もそうだが、瑛太、伊武雅刀、及川光博、小出恵介、竹中直人、向井理・・・どいつもこいつもボケまくるのを、玉木宏が拾いまくってツッコミしてたが、水川あさみもかなり拾ってた。
バカリズム原作の『かもしれない女優たち』でも見事なコメディアンヌだったし、さらに言えば、水川あさみは大阪出身、吉本新喜劇で育ち、ボケたら突っ込むのは当たり前の関西気質が染み付いてる。コケるのも体張ってやるくらいだ。先週の『今夜くらべてみました』でも実証(実践?)してた。
『白衣の戦士』共演者には、鈴木紗理奈もいる。確か中条あやみも大阪出身のはず(『今夜くらべてみました』で水川あさみが言ってた)。紗理奈を含め、大阪人が3人いてコメディが成立しないのは何故だ。いっその事大阪弁で演技させたらいいのかもしれない。それとも紗理奈の前で元ヤンキー役を演じるのはキツイか?
沢村一樹は『偽装の夫婦』(天海祐希)『働きマン』(菅野美穂)などコメディ作品多数だし、何と言っても『サラリーマンNEO』で「セクスィー部長」を演じたくらいのはじけっぷりだ。刑事役や医者役などいろんな役をしても、どこかユーモラスでコメディ要素が醸し出されてる。
安田顕についてはいうまでもないだろう。『問題のあるレストラン』でのゲイ役をはじめ、コメディな役・作品に多数出演。この人は大泉洋と同じく、バラエティでも笑いのとれる話ができるからね。
これだけ豪華ともいえる俳優が周りが揃っていて、なぜ面白くなくて途中で観るのをやめてしまうドラマになるかなぁ。逆に不思議。
俺が面白くないとか、ダメだぁって思っただけで、世間的には「おもしろいぜ!」とか「次週が楽しみだ」とか評判なのかな。第1話目の途中までで観るのやめたけど、そのあといきなり急展開で面白くなったとかね。まぁ、いいや、『ストロベリーナイト・サーガ』に続き、「もう観ません」の箱に入れたから。
中条あやみは、佐々木倫子さんの漫画『おたんこナース』をぜひ読んでみてほしい。
春クールのドラマがどんどん始まる。
この時期はいつも大変。使命感があるわけではないのだが、仕事柄できるだけ1回目の放送は見るようにしている。面白いのは続けてみるが、こりゃダメだってのは2回目からは見ない。そこまで時間は空いてないのでね。
今クール、やたらジャニーズ出演ドラマが多いなぁ。以前もこんな記事を書いた記憶があるから、周期的にそうなるのかな。とにかく今回は多い。
『インハンド』山下智久。
彼はうまいね。キムタクと同じく何を演っても山Pと言われるが、それはそれで一つのスタイルだ。今回のちょっと変人な科学者役はかなりハマり役ではないか。菜々緒も覚醒したし濱田岳もいいぞ。
『特捜9』井ノ原快彦(V6)。
警視庁捜査一課9係の続編でもある特捜9。安心して見れる刑事ドラマだね。羽田美智子、津田寛治、吹越満、寺尾聰・・・、錚々たるメンバーの中でイノッチの演技も悪くない。(原沙知絵のぶっきらぼうさは、科捜研の女の若村麻由美と比べてしまうせいかどうも苦手だが)鑑識官役で宮近海斗(ジャニーズJr.)も出てる。
『ストロベリーナイト・サーガ』亀梨和也(KAT-TUN)が二階堂ふみと主演。重岡大毅(ジャニーズWEST)も第1話目に出てたが初回で殉職。第1話目を見て「ダメだこりゃ」って思ったので第2話は見てないからその後出てるかどうかは知らない。
『家政婦のミタゾノ』松岡昌宏(TOKIO)主演。
普通シーリーズが続くとスケールアップするものだが、このドラマはなぜかスケールダウンしてるという不思議さ。余貴美子が運営する家政婦紹介所のメンバーも減ってる。ミタゾノ(松岡)と行動を共にする家政婦は、第一シリーズの清水富美加が出家、第二シリーズの剛力彩芽はIT社長と恋愛で、その後テレビではワイドショー以外では出ない。そして今回は川栄李奈。元AKB48という肩書きがなくても十分な女優になった彼女は大丈夫か?
このドラマにはもう一人、伊野尾慧(Hey! Say! Jump)が出てるのだが、「マジでやってる?」って思うくらい下手なの。わざとやってるのかどうかはわからないが、これが真剣だったら怖いレベル。セリフは棒読み、演技は大根、他の人がセリフ言ってる時の仕草や所作はもう最悪。なんでこんなの使ったんだ?って感じ。バーターってやつか?
ファンは反論するかもしれないが、ミタゾノの定番シーンでもある停止シーン(松岡が指を鳴らすと周りの人間やモノの動きが停止する)で、彼だけプルプル足を動かしてるのを見てくれ。ストップモーションが台無しになってるのがわかるぞ。
『ミラー・ツインズ』藤ケ谷大輔(Kis-My-Ft2)。
始まったばかりなのにタイトルのお尻にSeason1ってついてるから変だなって思ったら、6月からWOWOWでSeason2をやるのね。でもね、第一話を見て、もう見なくていいやって思っちゃったの。いや、藤ケ谷くんの演技がどうのじゃないのよ。一人に役で頑張ってると思うし、脇も倉科カナ、高橋克典、石黒賢と悪くない。でもさ、暗いのよ。いやそれ以前に面白くないのよ。今後どうなるのかってハラハラ感がないのよ。別にどうなっても関係ないやって置き去りにされた感があるくらいつまらないのよ。残念。(ひょっとしたら2話以降めっちゃ面白くなるかもしれないけどね)
他にも
『わたし定時で帰ります。』(吉高由里子主演)には中丸雄一(KAT-TUN)
『白衣の戦士』(中条あやみ/水川あさみ主演)には小瀧望(ジャニーズWEST)、
『パーフェクトワールド』(松坂桃李/山本美月主演)には松村北斗(ジャニーズJr./SixTONES)が出てる。
まるでジャニーズ祭りのようにあちこちジャニーズメンバーだらけだ。
今の若い人はテレビを見ない世代(オンデマンドやネット視聴)だから、視聴率稼ぎにはならないだろうに。
ジャニーズだからとか所詮アイドルとか思っていないよ。ジャニーズでも演技の上手いのはいっぱいいる。
そりゃ、金八先生をはじめとして、昔のジャニーズのテレビドラマや映画はただのアイドルものだった。たのきん主演の『ハイティーンブギ』とかもう最悪だったなぁ。(なぜ見に行ったのかは当時の彼女に聞いてくれ)SMAP主演の『シュート』とか、もはやコメディだ。
ジャニーズ=アイドル出演=大根演技。
その認識を変えたのは本木雅弘だろう。シブがき隊解散後に『ファンシイダンス』や『シコふんじゃった』などの映画で怪演。さらに『ラストソング』や『おくりびと』とめちゃくちゃ上手い演技で泣かせてくれるのよ。その後も彼の出る映画にハズレはない。(『スパイゾルゲ』『天空の蜂』など多数)
香取慎吾(彼も今はジャニーズじゃないけど)もインパクトすごかったな。まだ世間的には「SMAPって何?」ってくらいの認識しかなかった頃に、浅野温子主演の『沙粧妙子』シリーズでの猟奇犯役の怪演。さらに野島伸司脚本ドラマ『未成年』での自閉症役は見事だった。次(?)の『ドク』はなんでやったんだろうってくらいプーだったけどね。さすがにベトナム人役はきつい(菅野美穂は中国人役だった)な。これは松本潤(嵐)が『花より男子』でブレイクした後に『スマイル』でフィリピン人ハーフ役やったのに引き継がれてる。ジャニーズは無茶なキャスティングをするね
さらに退所したメンバーなら、北公次(フォーリーブス)の『竜二』でのチンピラ役、郷ひろみの『さらば愛しき人よ』での怪演や『翔んでる警視』シリーズでのぶっ飛んだ演技などもある。
演技の上手いジャニーズは東山紀之(元少年隊)や岡本健一(元男闘呼組)を始め、岡田准一(V6)、二宮和也(嵐)、中島裕翔(Hey! Say!JUMP)などもいるし、生田斗真や風間俊介などグループに所属しない俳優もいる。
そういや最近、生田斗真が台湾を中国と別の国とみなした発言をしたと、やいのやいの騒がれてるが、これもアジアでのジャニーズ人気が半端ないせいだね。元首相(鳩山)とはえらい違いだ。
そんなこんなでブラウン管(表現が古いな、今なら液晶というべきか)を席巻するジャニーズ。
まだまだこのアイドル王国は安泰だな。
どうも困ってる人を見過ごせない。
別に正義感あふれんばかりに「世のためなら我が身を顧みず」なんて思っちゃいない。ボランティアなんかもしないし、街角の街頭募金でいくら「難病のなんとかちゃんを助けるために」とか「アフリカの子供たちになんとかを」なんてやってても基本スルーする。
でもね、目の前になんか困ってる(困ってそうな)人がいたら、声をかけたりしちゃうのよ。何に困ってるの?何か手助けできる?ってね。こういうのは見て見ぬ振りしても、後でもやもやするくらいなら、その時声をかけたほうが楽だから。
まぁ、親切心で声をかけても俺の格好を見て「なんか変な人」とか「やばいやつ?」なんて感じで「いえ・・・」って断られることもあるんだけどね。別に気にしちゃいない。
大阪メトロと名称を変えた大阪地下鉄谷町線の東梅田駅。
改札を出たところで車椅子のおばあさんが通り行く人になんか声をかけている。でも、みんなスルーして通り過ぎてる。絶対聞こえてるはずなのにね。大阪は人情の街だって言うけど、そうじゃない人もいっぱいいるのよね。
一瞬俺もほっといていこうかなって思ったんだけど、振り返っておばあさんに近づいて行って「どうしたの?」と聞いてみる。一瞬こわばった表情を見せたが、車椅子を押してほしいとのこと。ちょっと先のホワイティとつながるところがスロープになってるから、そこを超えるのを手伝ってほしいそうだ。
お安い御用だ。押してあげるよ。荷物を結構車椅子に吊り下げてるね。かなり重いよ。まるでまだ慣れてない母親が、外出時のあらゆる事態を想定して、用心のためにといろいろ用意してしまってめっちゃ重たくなってるベビーカーみたいだ。この重たさだと手で車輪を回すのも一苦労だし、疲れるだろう。
言われたスロープの所まで来たけど、このあとどうするんだろう?
「どこまで行きたいの?よかったら押して連れてってあげるよ」
おばあさんは恐縮されたのか、最初は断ったんだが、「ええよ、暇やし、どこまで?」というと「じゃぁ、お願いします」と。目的地は?えっ?大丸。近そうで遠いぞ。
さて、困った、地上ならともかく、ここは地下だ。エレベーターで一度上に上がるという手もあるが、地下で大丸まではどう行けばいい?慣れてない人は迷ってしまうほど複雑で「ダンジョン」と異名をとる梅田地下街。頭の中でルートを考える。一瞬でルートを3つほど割り出し、最短は阪神百貨店の横を通り、ぐるっと回り込む形で行くルートを伝えると、それでいいとのこと。おばあさん、梅田地下慣れてるのか、それともよくわからないからお任せされたのかわからないがとりあえず進もう。
しばらく押して歩くと汗が出てきた。よくよく考えたらこんなに長い時間車椅子押したことないな。病院とか電車の入り口とかそれくらいだ。
しかもこんな人ごみの中。革ジャケ脱ぎたいけど手がふさがるしなぁ。さらに俺はなで肩だから、前かがみで車椅子押してるとショルダーバックがずり落ちる。その度に片手運転にして直すのが面倒くさくなって、斜めがけにした。ちょっとお茶目だな。誰かに会いませんように。
サングラスかけて革ジャケ革パンで車椅子押してる姿がショーウィンドウに映る。
ちょっと異様だな。通りすがりの人はどう思ってるのかな。まぁ気にするこっちゃないけど。
梅田の地下街って普段はあまり気にならないけど、やっぱり上り下り多いよね。地下水とか陥没のせいで変なところに段があったりするのは知ってたけどね。だから段差や階段のない、スロープ化されてるるーと使ったんだけど、それでも結構登り道だったり降ってたり。こうやって車椅子を押してるとよくわかるね。
電動車椅子ならさておき、普通の手で車輪を回す車椅子なら結構大変だ。しかも車椅子使ってる人って、病気で不自由だったり、老人で腕力落ちてる人が多いわけだからね。こうやって押してるだけでも腕がだんだん突っ張ってくるのがわかる。持ち方やポジションが悪いのか、腰もだんだん痛くなってきたぞ。昔アルバイトで工事現場で砂を運ぶのに使ったネコ(三輪手押車)を思い出した。
なんやかんや世間話してたら、大丸の入り口に着いた。
何度も礼を言うおばあさんに、ええからさっさと中に入りや、照れくさいわ。
でもその時思ったのよね。阪神百貨店もそうだったけど大丸もドアは自動ドアではなく押したり引いたりして開けるガラス戸なのね。しかも大きくて重たい。自動ドアではないのは防犯とか省エネとか危険性のためなのかよくわからん。観音開きの半分を空けてあるのでいいが、もし両方閉まってたら車椅子の人やベビーカーを押してる人は不便だろうなぁ。入れたくないのか?
今年は何人の観光客がとか、海外からこんなにやってきてインバウンドだぁとか、サミットが、万博が、なんて言ってるけど、もう少しこういうところは考えなきゃいけないのじゃないかね。どうだろ、松井市長、吉村知事。
いきなり話は変わるが、4月19日から始まった新ドラマ、『執事 西園寺の名推理2』を観る。上川隆也がなんでもできるパーフェクトな執事を演じ、佐藤二朗演じる刑事とともに(というか完全に出し抜いて)毎回事件を解決するドラマだ。
執事が仕える奥様の役は、前回は八千草薫さんだったのだが闘病のため降板されたので、今回は設定そのままに吉行和子さんが演じる。
上川隆也のスーパー執事っぷりは今回もすごい。初回はイリュージョンショーでの事件だったのだが、上川隆也本陣も手品師のようにトランプさばきはするわ、舞台トリックは暴くは、最後は犯人が消えるマジックで逃亡を図るが、上川も同じ消えるマジックをして(する必要はないのだが)追いかける。
で、このパーフェクトな執事・上川隆也が吉行和子の乗った車椅子を押すシーンがエンディングであったのだが、まぁ凜としてること。かっこいい。
そうか、背筋伸ばしてもっと体を車椅子に近づけて押したらよかったのね。残念。このドラマ観た後だったらもう少しまともに押してあげられたのにね。まぁ、いいか。
いいことした後はなんかいいことがあるもんだ。宝くじでも買おうかな。なんて地元の駅降りて思ってたら、100円玉を拾った。しかも昭和50年の刻印が。
どうやらこれが今回のいいこと報酬だったみたいだ。
車椅子押し賃、約10分100円也。Timesの駐車料金並み。
一体どうしたことだ。
モンキーパンチさんに続き小池一夫さんまで亡くなられた。
令和を目の前にして、日本のサブカルチャーの礎を作られたレジェントたちが、ここ最近次々お亡くなりになられてる。合掌。
梶原一騎と共に、昭和の劇画ブームを作った原作者。(あと武論尊さんね)
小池一夫さんの作品は数多くあるけれど、『子連れ狼』が一番有名かな。
今の若い人はしらないだろうが、実はこれも今はやりの漫画の実写化ものだ。(原作:小池一夫:漫画:小島剛夕/2000年死去)仮面ライダーとかキカイダー、鉄人28号もそうだから、当時から漫画の実写化は多かったのね。
テレビでは萬屋錦之介が主演でやっていた。(確か高橋英樹版もあった。映画版は若山富三郎だったかな?)子供の名前は確か大五郎。今、シングルマザーの問題が取りざたされることがよくあるが、当時でも画期的なシングルファーザーの物語だ。
ボンカレーの宣伝でこれをパクって、笑福亭仁鶴が「三分間待つのだぞ」ってやってたのを今思い出した。それくらい当時は人気があったってことだな。
橋幸夫さんが歌った主題歌も有名ね。作詞は小池一夫。冒頭の「しとしとぴっちゃん」って歌詞はすごいセンスだ。雨の擬音で「シトシト」、雫が垂れるのを「ぴっちゃん」、さらにそれを合わせ技にするとは。見事なり。さらに言えばジャケットもかっこいいのだが、EPアダプターを付けなくていいように手裏剣をイメージした中央の穴部分もセンス冴えてます。
小池作品といえばエロスとバイオレンス。
池上遼一さんと組んだ『クライングフリーマン』は傑作。陶芸家なのになぜか殺し屋になって、人を殺すたびに涙を流す。百八竜というチャイニーズマフィアの長になって、全編女とやりまくる殺しまくるという無茶苦茶なクライム漫画。
他にも池上遼一さんとは『傷追い人』とか新撰組とユダヤの関係を描いた『赤い鳩(アピル)』とかいろいろあるんだけど、雁屋哲(美味しんぼの原作者)と組んだ『男組』や『男大空』とかとちょっとかぶってて、どっちがどっちだが混乱する。やたらとHなシーンが多いのが小池作品。
Hなシーンが多いといえば叶精作さんと組んだ『実験人形ダミーオスカー』とか『オークションハウス』だな。
どちらもやたらとエロいシーンが多い。しかもリアルな描写。ストーリーに脈略なく唐突に展開されるエロなシーン、それがまたかなり大胆だったりするのでたまらんのよ。
このエロスのオンパレードは、今なら「我こそは正義」と勘違いしたどこかのなんとか団体ってとこから、すぐクレームが入るのではないかね。そう考えるといい時代だったな。
小池作品のもう一つの醍醐味は、主人公が日本人でありながら世界を股にかけて活躍するってこと。
『実験人形ダミーオスカー』も『オークションハウス』も海外諸国が舞台だ。
井上紀良さんと組んだ『デュエット』では、インドの暗殺組織に育てられた主人公が財閥の女を守る。
『マッド★ブル34』ではマンハッタン・N.Y.市警を舞台に日系三世の主人公が黒人のパワーガイと組んで捜査する。毎回、白人のナイスバディ婦人警官が登場してきてエロス満載だ。
インターネットの普及で世界が近くなったせいか、逆に海外へ出る人、憧れる人が減った気がする。そのくせやたらと「何々について、日本は何番目です」なんてどうでもいいデータに振り回されたりする。
そんな今こそ、小池作品を是非読んでほしいなぁ。
また一人昭和の巨匠が亡くなられた。
ルパン三世の作者、モンキー・パンチさん。
ご冥福をお祈りします。
ルパン三世を知らない日本人はほぼいないだろう。
次元大介、峰不二子、石川五右衛門、銭形警部も誰だって知ってるだろう。
でもそんなルパン三世は放送開始当初、泥棒がメインのアニメって事で賛否両論。アニメといえば子供向けの時代に峰不二子はお色気ムンムンだし、次元もルパンも銃を撃ちまくルシ、石川五右衛門は斬って斬りまくる。しかも五右衛門は最初ルパンの敵だし、峰不二子は平気でルパンを裏切る。教育上全然良くない内容ばかり。
でも、「大事なことは漫画(アニメ)が教えてくれた」っていうのをよく聞くが、このルパン三世で知ったことは多い。教科書や学校では習えない教われない事ばかりだ。
ワルサーP38という銃(おかげでのちにガンマニアになってしまった)、インターポールという国際警察組織(銭形警部ね)、ジェットスキー(桟橋からモーターボートで引っ張られるシーン)、タイプライター(オープニングで打ち出されるその回のタイトル)など多数。あの時代に早くもコンピューターと対決したりしてるし、Time Machineなんかも取り上げてるんだけどね。
結構面白かったんだが、低視聴率だったそうで結局第一シリーズは打ち切りになってしまった。俺はこれを日本4大アニメ打ち切り作と勝手に呼んでいる。
それでもTV第二シリーズが作られたから不思議ね。
他の打ち切り3作の『ドラえもん』『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』(あくまでも俺の勝手な選定)は、映画版アニメで人気が出てまた復活って感じだったが、ルパン三世はテレビ第二シーズンの方が先。映画版は『ルパンVSクローン』と宮崎駿の映画初監督作品でもある「カリオストロの城」が有名だが、これはテレビ第二シリーズが始まってから公開されたからね。ちなみに宮崎駿と高畑勲のアニメ二大巨匠(当時はAプロダクション)はTV第一シーズンから参加してる。
『宇宙戦艦ヤマト』が打ち切りになったのは裏番組で宮崎駿が関わった『アルプスの少女ハイジ』が始まったせいだ。当時はやっぱり子供向けアニメの方が人気があったのね。でもそう考えると、なんで打ち切りになったルパン三世の第二シーズン制作がOK出たんだろうか。不思議。大人の事情ってやつですか。
ほとんどの人が知ってるルパン三世はこのテレビ第二シーズンからのルパンだ。
ルパンのジャケットの色は赤だと思われてるが、これは第二シーズンやカリオストロの城のイメージが強いんだな。テレビ第一シーズンでは青緑のジャケットだもの。ルパンの愛車もフィアットではなく当初はベンツだ。「ルパンは人を殺さない」というのもTV第二シリーズからで、第一シリーズ(特に第1話とか)ではバンバンピストル撃って殺してる。(しかも最初はワルサ−P38ではなかった気がする)「心優しい大泥棒」ルパンという設定になってしまったのは宮崎駿のせいだと思ってる。(だから俺は宮崎駿とディズニーが大嫌い)
ルパン三世は音楽もいいのよね。
第二シーズンから使われた大野雄二作曲のTHEME FROM LUPIN III(通称ルパン三世のテーマ)は名曲だ。
これと『宇宙戦艦ヤマト』『妖怪人間ベム』を日本三大アニメテーマ曲(こういう表現好きだな、俺)だと勝手に思ってる。ちなみにTV主題歌ベストならこれらに『太陽にほえろ』と『傷だらけの天使』『Gメン’75』を入れたい。当時はかっこいい主題歌やテーマ曲多かったのよね。
大野雄二作曲のTHEME FROM LUPIN III(特にシンセサイザー駆使したインストのやつでボーカル入ってないやつね)はかっこいいんだけど、第一シーズンの「ル・ル・ル・ルパン〜」ってやつも好きだったのよ。「ルパンルパンルパン〜」ってのもね。第一シーズンのエンディングで峰不二子が乗るバイクのシルエットと共に流れる「足〜元に〜」ってのも物悲しくて好き。これ以上の物悲しさ感じる曲は大岡越前のテーマ曲とドナドナくらいだな。
おっといけない。モンキー・パンチさんの訃報ニュースが入ってきて、あれこれ思い出してたらルパンの話ばっかりになってしまった。でも、正直モンキー・パンチさんの漫画ってルパン三世しか知らないのよね。アクションコミックスの第1巻の初版本を持ってるのがちょっと自慢。
長谷川町子さんが亡くなられてもサザエさんが続いてて、さくらももこさんが亡くなってもちびまる子ちゃんが続いてるように、モンキーパンチさんが亡くなられてもルパン三世は続くのだろうか。
俺にとって、ルパン三世の声といえば山田康雄さんなんだが(栗田貫一は山田康雄のモノマネをしてるだけだと思ってる)1995年にお亡くなりになられてる。初代銭形警部の声をされてた納谷悟朗さんも2013年にお亡くなりになられてる。井上真樹夫さん、小林清志さん、増山江威子さん、皆さんご高齢だ。
ルパン三世はどうなってしまうのだろう。ちょっと心配だ。
ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート。
窪田正孝主演の放射線技師の話だ。
またもや流行りの漫画の実写化で、原作は横幕智裕・モリタイシの 『ラジエーションハウス』。
なんでタイトルの後にいちいち「〜放射線科の診断レポート」とかつけたのかよくわからん。流行りなの?「〜」つけるの。なんかつけて長たらしいタイトルにしたほうがかっこいいと思ってるのかどうかわからんが、前クールでは『トレース〜科捜研の男〜』とか『記憶捜査〜新宿東署事件ファイル〜』とかあったし、ちょっと前だと『DOCTORS〜最強の名医』『RESCUE〜特別高度救助隊』『Around40〜注文の多いオンナたち〜』とかね。今クールは他にも玉木宏主演の『スパイラル〜町工場の奇跡〜』や『神ちゅーんず〜鳴らせ!DTM女子〜』ってのもある。余計なものつけないでシンプルなタイトルでいいと思うんだけどなぁ。
話がいきなり脱線してしまったが、このラジエーションハウスはその名の通りレントゲンやMRI、CTなんかの放射線科(室)の話。
第1話を見終わっての感想は「なんだこりゃ?」。
いや、ほんとよくわからんのよ。憧れの幼馴染の女の子(本田翼)との再会に関するコメディ部はただスベってるだけだし、肝心の放射線検査のシーンは適当だし、病名や診断名もわからんまま、何を、何で、何がしたくてPCに打ち込んで、何を導こうとしてるのかもさっぱりわからん。
外科ドラマなら手術シーンが見せ場のように、こういう診断ものだったら検査シーンやチーム(放射線室)の人間が協力してってのが見せ場のはずなんだが、窪田君だけなんかちまちまやってるって感じ。
最近の医療ドラマによくある、ずば抜けた才能をもった医者が上司との確執や、上層部での教授とか院長の座を狙ってるゴタゴタとかに、我関せずって感じで理想の医療を極めて行くってドラマかなとも思ったのだが、そうでもないみたいだ。なんか海外で権威のある医者(博士)に認められたのを院長の和久井映見が見てスカウトしたことになってるが、いまいち凄さがわからん。
『ブラックペアン」のニノや『ドクタ−X』の米倉涼子のように「すごい!」とか「なんてスピードだ」とか「もうなんとかを切除した」とかって手術シーンがあるわけでもないからね。グッド・ドクターの山崎賢人みたいなサヴァン症候群とかみたいに膨大な知識を覚えられるとかでもないし。
なんかのドラマに似てるなぁっと思ったら、吉田羊主演の『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』に似てるんだ。吉田羊はどんな手術も成功してきて「ゴッドハンド」と呼ばれる優秀な外科医だったが、娘の事故のPSTDで幻覚を見るようになりメスを置くが、総合病院の院長・高橋克典に誘われ、手術をしないことを条件に新設の解析診断部診断医として働くって内容。
この解析診断部のメンバーが、外科医(相武紗季)救命救急医(たんぽぽ白鳥)、病理医(滝沢沙織)、神経内科医(笛木優子)。検査結果や診断データをもとに、メンバーそれぞれが自分の専門分野を活かし治療方針などをディスカッションして導く。
でも、今回の窪田くんのドラマはそうでもない。なんか勝手に窪田くんが暴走してるだけなのです。
タイトルバックやエレベーターに乗る前にメンバーが集結するところ、そしてそれぞれが机に座って黙々と自分のこと(食事や化粧やスマホ)してるところなんかは、キムタク主演の『HERO』に似てる。でも、あのドラマはキムタクが勝手に行動して振り回される相棒が松たか子(&北川景子)なんだが、今回は広瀬アリス。ちょっと役不足。本田翼が外科医ってのもなぁ。吉高由里子の検事(正義のセ)と同じくらい違和感があるなぁ。上司の遠藤憲一を始め、浜野謙太、丸山智己、山口紗弥加などメンバーはいいんだけどね。
で、2話目(4月15日放送)はもう観るのやめようかなって思ってたんだけど、もう1話だけ見てみようって。今回ダメだったらもういいやって軽い気持ちで見たんだが、ありゃま、第2話は面白かったのよ。第一話とは比べ物にならないくらい面白かった。脚本家が変わったのか?ってくらい。
第1話でのしょうもないコメディはなくなり(犬のシーンであるにはあったがそれは伏線で、本田翼の過去につながることだった)、エレベーター集結もなかった。遠藤憲一の離婚届や息子の話と、患者のシングルマザー(中越典子)と息子の話を絡めてるストーリーも良かった。
これは次回も見なくっちゃって。
ちょっと大きな病院に行くと最初に医者に問診され、詳しく検査するからとレントゲンやMRI、CT、血を抜かれたり肺活量調べられたり、次はあそこ、次はここへと別の場所に行かされ、その都度待たされ、診察が終わる頃にはヘトヘトになって、それこそ病人になってしまうくらいだ。
でも、友人(前のマンションでの隣人)が以前言っていたのだが、個人病院なら先生が全部やって判断してってなるけど、やっぱり外科と内科は違うし、皮膚科、神経科、診療内科、泌尿器とか部位によってそれぞれ専門科(医)にみてもらったほうが絶対いいとのこと。小児科とか産婦人科、眼科や歯科なんかはもちろん別だものね。もちろん検査やレントゲンなんかもね。専門技師が撮る写真とは全然違うそうだ。(さらにうまい下手がある)
昔のレントゲンはフィルムで、現像に時間がかかっていたのだが、今はデジタルでスピーディ。(今回のドラマでもちょっと描かれてた)
カルテも電子カルテで医局員や医者、看護婦、技師がタブレットで共有してる時代。だからこそ分業制の方がいいのだそうだ。
でも、よほど大きな病院とか、よほど大きな手術じゃない限り検査結果やレントゲン写真やCT画像を見て会議(ディスカッション)したりするわけじゃないからね。大抵の小規模や中型の病院では、最終判断を下すのは担当の医者。その医者が(特に外科医に多いらしいが)が変なプライドにまみれてると、いくら進言しても無視されるそうだ。俺が腕を折った時の担当外科医がこのパターンだったな。当たり外れってラーメン屋とかならいいけど病院や医者はちょっとね。
下手すりゃ命にかかわるし。
医療ミスは薬剤投与とか手術のこととかがクローズアップされるけど、それ以前に診断ミスや判断ミスの方が多いだろう。俺の親も個人病院で診察を受けた時「食べ過ぎのせい」とか言われてたが、あまりにもおかしいので大学病院に行かせたら膵臓癌だった。レントゲンとかもその時撮ったのにわからなかったのかねぇ。俺も結核と誤診されたこともあったな。
最近は警察モノと病院モノのドラマが多い。
これってやっぱりやはり一般人(視聴者)が興味あるからかなぁ。
沢村一樹なんて『DOCTORS〜最強の名医』で外科医をやり、『未解決の女 警視庁文書捜査官』(波留/鈴木京香)『絶対零度』『刑事ゼロ』で刑事をやって、今回のクール『白衣の戦士』ではまた医者をやる。4月14日に放送したアガサ・クリスティの『予告殺人』でも警部役だし、4月28日には『未解決の女 警視庁文書捜査官』のスペシャルが放送されるがもちろんまた警視役だ。白衣と警察ばかりだな。
今回の主演の窪田正孝も『ST 警視庁科学特捜班/赤と白の捜査ファイル』(藤原竜也/岡田将生)では刑事、『THE LAST COP』(唐沢寿明)でも刑事、『アンナチュラル』では医大生(UDIラボのアルバイト)、で、今回の『ラジエーションハウス』では医師免許を持った放射線技師。
放射線技師をはじめ検査技師とか薬剤師とかもっとクローズアップしてほしいなぁ。どこかの医科大学が女性はハンデがあるからみたいなことを言って入試で落としてたらしいが、外科医はともかく各専門分野の医者は女性でも全然遜色ないから公平にしてほしいな。こういったある部署(科)をクローズアップしたドラマが増えると、女性も看護師や介護士だけでなく医療界に興味を持つ人が増えるんじゃないかな。
ちなみに一番高給取りで、立場的にも一目置かれるのは麻酔医らしいです。『ドクターX』で内田有紀が演じてたけど、どんな手術でも麻酔医によってスムーズさが違うらしい。手術しなければならない病気になった時は、麻酔医のいい人がいる病院を選ぼう。もちろん検査技師もね。
さぁ、第3話はどうなるのでしょうか。
見続けるか、見るのやめるかは次の第3話で決めることにしよう。
ストロベリーナイト・サーガ。
竹内結子のヒット作の続編で今回は二階堂ふみが主演。
亀梨くんも出るということで期待して観たのだが・・・。ダメだこれ。多分第2話からはもう観ないだろう。
人気シリーズの続編とか2とかいうのは前回のファンが安心してみれるもの。1から説明されなくても前回シリーズを見てた人はわかるし、どの人がどんな役でどんな舞台設定ってわかる。それがシリーズものの安心感。
でも、それはキャストが一緒の場合だ。そりゃもちろん一部のキャストは殉職したり転勤したり入れ替わってもいい。「相棒」とか「科捜研の女」でもそうだもの。
今回のストロベリーナイト・サーガ。前作とはもう全く別物と言っていいほどのキャスティング。
竹内結子の役が二階堂ふみで西島秀俊の役が亀梨和也。ここまではまぁいいとして、メンバーが全部変わってる。宇梶剛士の役は石倉保。丸山隆平の役は湯田康平。高嶋政宏の役は山口馬木也。渡辺いっけいの役は岡田浩暉。津川雅彦の役が伊武雅刀で、武田鉄矢の役が江口洋介。もう誰が誰なんだか最初から仕切り直し。小出恵介の役が消されてたりする。
生瀬勝久の役は今回今野広喜が演じてるのだが、彼のインチキくさい関西弁がもうダメ。完全にステレオタイプの関西弁。彼は絶対関西人じゃないだろ?
ここまでキャスト総入れ替えしちゃうなら、それはもう全く別物。
そりゃ3年B組金八先生でも毎回生徒は変わるよ。でも、先生とかご近所さんなんかはそんなに変わらないやん。あぁ今回もこの人が出てるって安心感がね。
水戸黄門でも遠山の金さんでもあるシリーズからいきなりガラッと変わったりするよ。でもあそこまで知名度高い長寿番組だと、誰が演じてても「あぁこの人はこの役だな」ってわかるもの。
今回のストロベリーナイト・サーガがなぜこんなに新キャストでやったのかわからないが、それでも内容が面白ければ心機一転見れるはずなんだ。なのになぜ駄目なんだろう。なぜ入り込めないんだろう。これだけのキャストだ。演技が下手なわけでもないし、ストーリーが悪いわけでもない。前作のイメージが強すぎるから?違和感があるから?
いや、ケイゾク(中谷美紀/渡部篤郎)とSPEC(戸田恵梨香/加瀬亮)は世界観は一緒だが別物だし、今、新シリーズでSICK'S(木村文乃/松田翔太)もやってるがキャストも設定も全然別だ。だけど面白いからこれはこれとして見れるもの。
単につまらない。画面が暗い。重い。安心感があるはずのシリーズ物なのに、あまりにも違和感がありすぎて、入り込めないまま第1話が終わってしまった。いろんな要素が詰まってるからなんだろうけど、よくわかんないや。
ただこれだけは言える。
次週はもう観ない。
4月12日から始まったインハンド。
これはかなり面白いドラマだ。
寄生虫や感染症という一般人には馴染みの薄いものをメインにしたドラマなのだが、わかりやすく&テンポがいいので全く問題なし。朱戸アオさんの漫画が原作だということだが、1クールドラマ化されるほどの話がまだないから(現在まだ1巻しか出てない/関連本がもう1冊あるが)、ドラマはほぼオリジナルストーリーになるのだろう。
主演は山下智久。山Pね。
彼の演技はいいね。古くは「ドラゴン桜」や「クロサギ」、そして「野ブタ。をプロデュース」。表情をあまり変えずぼそぼそと語るようにセリフを言うのが彼の特徴。
「コードブルー」シリーズでは脳外科医&フライトドクターだったが、今回は天才科学者。科学者や物理学者っていうのは研究にのめり込むあまり、周りのことを気にしたり一般常識など「それ何?」って感じな人が多い(あくまでも俺のイメージ)。悪く言えば変人。この変わり者の天才科学者を山下智久が演じているのだが、いやぁ、いいね。すごく似合ってる。自らを「天才」というのだが、本当にそう見えるからね。さすが明治大学卒。(ジャニーズって高学歴多いよね)
彼が演じる天才科学者紐倉哲(ヒポクラテスのもじりか?)は右手が義手。マサチューセッツ大学背作った最新鋭の義手はなんかかっこいい。っていうより、このロボットハンドはドラマ用に作ったの?今の義手ってこれくらいの動作ができるレベルなんだろうか。ちょっと寺沢武一さんの漫画「コブラ」のサイコガンみたいでかっこいいぞ。
外務省を追い出され内閣官房サイエンスメディカル室に移った菜々緒。室長の光石研を筆頭に、もひとつやる気のないお飾りお役所部屋で、同僚の藤森慎吾(オリエンタルラジオ)も厚生労働省を追い出されたみたいだ。で、このメディカル室に、ある病院の内部告発文が届き調査を始める。山Pに協力求めて捜査するこのあたりは、「トリック」(仲間由紀恵/阿部寛)や「ガリレオ」(福山雅治/柴咲コウ)なんかにも通じる王道パターンだ。
この菜々緒がいい。今まで彼女の演技に大した興味もないし、うまいと思ったこともない。役柄も「BG〜身辺警護人」(キムタク主演)や「リーガルV」(米倉涼子主演)とか、またこれかってくらいパターン化されてたが、今回の菜々緒は一味違う。ちょっとコメディタッチの入った演技が必要なんだが、実にうまい。彼女ってこんなにも「間」のとれる女優だったんだ。
山Pに協力を依頼したはいいが、変人ぶりに振り回される菜々緒。パスポート剥奪された山Pに古巣の外務省に掛け合ってなんとかするとか言ってなんとかマウンティングとろうとする菜々緒。(しかも最終的に渡したのは赤でも青でもなく緑のパスポート)
大蛇にもビビらない菜々緒。ドSな発言や行動とのギャップで随所に見せるコミカルな演技やセリフ。新しい菜々緒がこのドラマで誕生した気がする。かなり大げさだが、本当にそう思う。
そして濱田岳。
今回の役どころは第1話で心筋梗塞で運ばれてきた患者の容態に感染症では?と病院長(正名撲蔵)に進言するも、隠蔽されてしまう救命士。それで先の内部告発文を送るのだが、それが10年前の厚生労働省などが絡んだ事件に関わるため、逆に病院をクビにされてしまう。そして山Pと菜々緒にひきづられるまま協力するって役どころ。
実は山Pとは「プロポーズ大作戦」や「コードブルー」で共演してる。auの金太郎で一気に全国区になり、西田敏行さんの跡を継いで「釣りバカ日誌」やってるからコメディのイメージ強いけど、今回もちょっとコミカルな役どころ。山Pに振り回される演技はさすがにうまいね。第1話の最後で山Pの研究所に助手で入ることになった下りも結構面白かった。
第1話は寄生虫による感染症・シャーガス病だとか、厚生労働省が認可したトクホ製品のせいで自殺した娘の復讐鬼になった風間杜夫とか、結構重たいテーマなんだがそれでも面白い。「気持ち悪い」と言われてもおかしくない寄生虫や感染を可愛らしいイラストで紹介したりしてるし、過去の科学者や医学者のことなんかやわかりにくい医学用語もセリフでさりげなく解説してる。
そして何よりも三人の掛け合いや演技がいいのよ。他の出演者の光石研や藤森慎吾などもね。全体にテンポがいいのよ。あっという間に1時時間、あぁ来週も楽しみだなぁって感じ。
漫画原作の実写化って、いつだって賛否両論あるけど、今回のインハンド。かなりシンクロしてると思います。
第1話を見逃した方はTVerで是非。
やすらぎの刻〜道が始まった。
今回も前作「やすらぎの郷」と同じく倉本聰脚本。前作がかなり面白かったので今回もかなり期待。しかも1年にわたって放送されるという。
っていうか最近のドラマは短すぎ。たった10-12回の放送なのに「いよいよ最終章」とかやってるし。NHKの朝ドラや大河とは言わないが、せめて2クールはやらなきゃね。短いのになんやかんや詰め込みすぎになってるもの。
もうすぐ始まる田中圭と原田知世主演「あなたの番です」は2クールやるみたいね。沢口靖子主演「科捜研の女」はシリーズ19作目の人気作品だが、なんと今回は1年続くらしい。いいことだ。
話を「やすらぎの刻〜道」及び「やすらぎの郷」に戻す。
主人公でもありストーリーテラーでもある石坂浩二は脚本家。介護をしていた認知症になった妻で元女優・風吹ジュンの死をきっかけに、以前から誘いを受けていた【やすらぎの郷】と呼ばれる老人施設に入ることを決める。「やすらぎの郷」はテレビの全盛期を支えた人だけが選ばれ入れる老人ホーム。入居料や施設利用費などは一切なしのこの施設は、芸能界のドンと言われた男が私費を投げ打って作った施設。そこには往年の役者をはじめ、テレビの裏を支えた人たちが入居している。そして毎回起こる色々な事件やトラブル・・・。
倉本聰の頭の中を覗いてみたくなるくらいリアルで面白いのよ。物語に絡めて登場人物の昔の写真などもバンバン使われてるので、現実の話なのか作られた話なのかの境がわからない。
前作にも登場した入居者の浅丘ルリ子、加賀まりこ、藤竜也、ミッキーカーチスなどは今回も登場するらしい。今回は橋爪功、大空真弓、いしだあゆみ、笹野高史、松原智恵子なども入居者として登場するらしい。
前作でマドンナ役だった八千草薫は今回も登場するはずだったのだが、肝臓がんの闘病で降板されたらしい。残念だ。4月から始まる上川隆也主演の「執事 西園寺の名推理2」も降板されたそうだ。(代役は吉行和子)
西園寺の奥様役や、やすらぎの郷での九条摂子役(通称:姫)は八千草薫さんにぴったりだった。上品で美しい。若い頃も美人だが年を重ねてもあんなに可愛いお婆さんになれるならと視聴者は憧れてしまうだろう。それだけに降板は残念だが、倉本聰さんは脚本をわざわざ直して5シーンほどだが今回登場するようにしたそうだ。前作のラストで姫は亡くなられてるのだが、どうするんだろう。
そして今回の「やすらぎの刻〜道」では、もう一つのドラマが同時進行する。
それは10年前に石坂浩二が書いた脚本「機(はた)の音」という脚本。浅丘ルリ子の何気ない会話からヒントを得た貧しい山村に暮らす姉妹の話で、終戦記念日の大型ドラマスペシャルとして撮影寸前まで進みながら制作中止になったもの。このお蔵いりになった脚本を元に、石坂浩二の新作脚本「道」が脳内ドラマで再現される。ドラマの中の劇中劇ってやつね。
この「道」は昭和から平成まで80年にわたるストーリーらしい。もう少し後だったら令和までになっただろうね。そして「道」の昭和編で夫婦役を演じるのは清野菜名と風間俊介。清野菜名は前作では石坂浩二が若気の至りの邪な感情をいたいた若き女優とその孫をWで演じてた。この話はドラマ後半の要になり東日本大震災を絡めてかなり考えさせられる内容だった。
「道」の平成編で夫婦役を演じるのは風吹ジュンと橋爪功。前作ラストで亡くなった八千草薫はこの平成編の妻役で出てくるはずだったのだそうだが、代役が風吹ジュン。風吹ジュンは前作で石坂浩二の妻役だったからなんかややこしいが、倉本聰さんのことだ、きっと違和感なく仕上げてくるんだろうね。
っていうか浅丘ルリ子は実生活では石坂浩二の元妻だし、加賀まりこも実生活では石坂浩二の恋人だった人だ。しかも今回新入居者と道(平成編)で夫をWで演じる橋爪功の息子は、前回弁護士役で登場してるが覚せい剤で捕まって途中降板してる。なんちゅうキャスティングだ。
「やすらぎの刻〜道」第一回目の放送では冒頭で簡単に前作「やすらぎの郷」のおさらいが入る。ミッキーカーチスと恋仲になったコンシェルジュ・常盤貴子は別れたそうだ。いかさま麻雀までして財務省官僚のお父さん(柴俊夫)を説得したのにね。今回は常盤貴子は出ないのかな。理事長夫妻の草刈民代と名高達男は出るのかな。
同じく前作で施設内のバー・カサブランカのバーテンダー(通称:ハッピー)役で出てた松岡茉優も今回は出ないみたい。レイプに巻き込まれた松岡の復讐をしようとする施設職員は全員元受刑者だったり仮釈・保護観。だからと代わりに藤竜也・伊吹吾郎・倉田保昭が暴走族のアジトに乗り込んで大立ち回りをするシーンは痛快だった。事件後、気丈に振舞ってた松岡の物悲しい笑顔も印象的だった。後釜は草刈麻有で通称はホッピーだそうだ。なんじゃその安易なネーミングはってツッコミ入れたいところだが、いやまてよ、倉本さんのことだなんか隠しネタがあるのかもしれない。
一見老人たちのドタバタ劇かなって思うけど、ほぼ80%はそう。だけど前作では老人たちも騒ぐ人気俳優を向井理(実は藤竜也演じる通称:秀さんに憧れてる)とか、石坂浩二の孫で財産の生前分与をお願いしにくる山本舞香、清野菜名の彼氏役の若き脚本家で神木隆之介なんかも出てるが、平均年齢は75歳位じゃないかな。
だって風吹ジュン66歳が若く感じるもの。八千草薫87歳、浅丘ルリ子78歳、加賀まりこ75歳、いしだあゆみでさえもう70歳だ。前作に登場してた野際陽子さんは享年81でお亡くなりになられた。(今回第一回目の冒頭ナレーションでも亡くなられたことになってる。)前作で有馬稲子を騙す詐欺師役で出てた津川雅彦さんも享年78でお亡くなりになられてる。これから1年間続くドラマだから、出演者の誰が亡くなられても驚かないな。
前作のドラマ内では高齢者の現実問題になってる、遺産相続や免許返納、健康維持や断捨離とかも描かれてる。風吹ジュンや有馬稲子さんは認知症を患うし、冨士眞奈美はTVから干されて最後は自殺する。実際の大原麗子の孤独死を機にやすらぎの里は作られたという話も妙にリアルで物哀しい。八千草薫さんの死ぬ覚悟、苦しまずに安らか眠るように死ぬことは老人たちの理想だろうね。亡くなられた後に上條恒彦がトランペットで吹くレクイエム(鎮魂歌)が突き刺さる。
太平洋戦争をテレビドラマや俳優の目線から描く。慰問や特攻隊の最後の晩餐、有能な監督による戦意高揚映画作成、そして徴兵なども描かれてる。今回も脳内ドラマ「道」において山梨の山村で暮らす姉妹がどう戦争に巻き込まれていたのかが描かれると思う。これも他の脚本家だと安っぽい「戦争反対」とか「戦争は悲惨だ」って感じになるのだろうが、倉本聰だと違うだろう。楽しみだ。
それは清野菜名が石坂浩二に持ち込んだ脚本「手を離したのは私」(実は神木隆之介作)で、東日本大震災を描いているのにも現れてる。ただ未曾有だった、なすすべもなかった、原発がなければなんて単純な話ではない。そこには確かに人がいたのだ。その誰かと自分は繋がってたりゆかりがあったりするのだ。何もなくなってしまった砂浜で作業着を着た上川隆也が淡々と石坂浩二に語るシーンは思わず涙が出てしまうほどだった。
っていうか若者も是非見て欲しいな。
「これ誰?」とか「なにこの老人」とか知らない人ばかりだろうけど(俺でも半分はそうだ)、昭和のテレビの歴史を知るにはもってこいのドラマだと思うよ。
浅丘ルリ子さんの着こなす毎回違う衣装(あの部屋のどこにそんなに置けるのか不思議だ)もファッション関係を目指す人は必見だろうし、もちろん介護の道へ行こうとしてる人も見ると面白いと思う。
そしてさらに脚本の作り方、構成や人物像の描きかたなどもかなりリアルに描かれてるから、脚本家や作家志望の人も是非見て欲しいな。倉本聰の集大成とも後輩たちへのしるべとも言える作品であることには間違いない。
そしてもう一つの見所は喫煙シーンの多さだ。前作同様周りに人がいようが部屋の中だろうがバーだろうがスパスパ吸ってる。狂信的な非喫煙者による喫煙描写のコンプライアンスがうるさい今、あえて対抗するドラマだ。前作では近藤正臣と居酒屋で飲むシーンで吸ってたのが印象的だ。加賀まりこも浅丘ルリ子も吸う。もちろん石坂浩二も常に吸っている。そして酒も飲む。今回プロデューサー役の柳葉敏郎も吸っている。
NHK大河ドラマの「いだてん」や宮崎駿の「風立ちぬ」なんかの喫煙シーンにクレーム入れる輩よ、昭和のリアルは煙とアルコールだよ。文句言うなって。文句言うたびテレビも映画もつまらなくなるんだからさ。
今でさえ喫煙率20%切ってて、今の若い人は酒も飲まない煙草も吸わないんだから、老人や高齢者が亡くなれば喫煙率も飲酒率は勝手にもっと下がるんだよ。
だからもうほっといてよね。
そのあと足りなくなった酒税や煙草税を何で補填するかは知らないよ。消費税を上げるか所得税で補うか。その時になって文句言うなよ。
やすらぎの刻〜道。
俺は酒とタバコを供にして観る。
好きにさせとくれ。