GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

Dele 山田孝之と菅田将暉

2018-08-04 23:55:09 | MUSIC/TV/MOVIE
三種の神器というものがある。
本来は日本神話から続く天皇の八尺瓊勾玉・八咫鏡・草薙剣という三種(みくさ)の宝物の事。

昭和になって白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機などの電化製品がマスコミによって三種の神器と呼ばれた。そしてそれがまた時代によってカラーテレビ・クーラー・自動車の3Cになり、バブルの頃はシステム手帳・DCブランド服・ポケベル(諸説あり)が三種の神器と呼ばれた。
システム手帳は電子手帳、そしてノートパソコンに変わり、ポケベルは携帯電話になり、DCブランド服はユニクロに取って代わられて消え代わりにデジカメが入った。
そしてそれらはスマートフォンやタブレットに変わった。

何でもかんでも機能を詰め込むのは日本人の習性だ。ボールペンとシャーペンをくっつけてみたり、ラジオとカセットデッキをくっつけてみたり(ラテカセってのもあった)、炊飯器でパンが焼けるようにしたり、テレビにレコーダー内蔵させたり。
それでいてどんどん薄型化、小型化、軽量化して、さらに性能はどんどんアップしていくから困ったもんだ。

通話機能だけでなく、1000万画素のデジカメを内蔵し、絵文字を使ったメールも、ネット接続もできるようにし着信音までいろんなアーティストの生歌が使えるようにまでし、世界がもう追いつけないレベルになってガラパゴスと呼ばれた携帯も、不思議なことに今やスマホ・iPhoneに取って代わられた。
あれだけ優れた機能の携帯電話とかなり軽量になってバッテリー寿命も長くなったノートパソコンがあれば、本来はスマホなんて売れないはずなのにね。

でも今やスマホがあれば問題がない。
写真も動画も撮れるし、音楽聴くのもできるし、ホームページ閲覧や地図&ナビも、メールはもちろんSNS投稿やLINEでのやり取りもなんだってできる。わからないことがあればGoogleで検索すればいいし、Siriが答えてくれる。

財布を家に忘れても、定期券を忘れても、ガスの元栓閉め忘れたかなとか家の鍵を閉め忘れても大丈夫に今後はなっていく。
仕事でもタブレットがあれば充分。今や会社はおろか病院でも警察でもタブレット端末を利用してる。保険の外交員も外回りの営業さんも、重たい書類を鞄に詰め込んで靴をすり減らす必要もない。学校の授業だってタブレットの時代だ。

そしてそれは逆に言えば、スマホやタブレットをなくしたら大変だということだ。
友達・取引先・知り合いの連絡先はすべてスマホの中。昔みたいに語呂合わせで覚えてないし、手帳に控えてたり、名刺を残してたりもせず何でもかんでもスマホに入れてしまってるから。
写真も音楽もデータもすべてスマホの中。
バックアップをとってりゃいいが、パソコンのデスクトップが乱雑になってる人、家や机の整理整頓ができない人が、スマホやタブレットの整理や管理なんてそんなマメにしているはずもない。自動的にバックアップしてくれてるクラウドサービスに頼りきってるのじゃないだろうか。

もし無くしたり盗まれたりしてその中に入ってるデータが万が一外に流れたら・・・。
知らない間にウィする仕込まれてたり、ハッキングされてたりしたら、どうなるんだろう。
そして自分が急に事故で意識不明になった時や、病気で亡くなった時、そのデーターが誰かに見られたら。

隠してたHな本や、昔の手紙、日記帳を見られる並みに、いや今やそれ以上厄介なのがこのデジタルデータ。
デジタルの怖さは、それがいつまでも残ること。

前置きが長くなってしまったが、そんなスマホやタブレット、PCなどのデジタルデータをデリート(=削除)するドラマが始まった。
タイトルはDele(ディーリー)。
山田孝之と菅田将暉のW主演ドラマ。これが結構どころかかなり面白い。

まだ観てない人のために簡単にドラマの説明。

クライアントから「自分の死後に不都合なデジタルデータの消去」の依頼を受けてる事務所Dele。
山田孝之が一人でやってる事務所にある日、弁護士の麻生久美子が菅田将暉を連れてくる。能天気で軽い菅田将暉を車椅子に乗っててかなり偏屈な山田孝之は最初嫌がるが、事務所オーナーで姉である麻生久美子の「あなたのためにも彼を雇った方がいい」という言葉に押され渋々承知。

クライアントのスマホやタブレット、ノートパソコンやPCなどのデジタルデバイスが48時間操作されなかった時は山田孝之の事務所に通知が届く。
山田孝之は「消去が仕事だ」と簡単に削除(=delete)しようとするが、菅田将暉はクライアントの生存確認に行って何らかの疑問を抱き、消去に反対しファイルを開けることを望む・・・。

まだ二回目の放送が終わったところなのだが、かなり見応えのあるドラマです。
ストーリーや演出、展開、セリフやアクションなどすごく良くてぐいぐい引き込まれ、毎回あっという間に終わってしまう。

山田孝之はほんとすごい役者だな。コメディからシリアス、ラブロマンスからアクション、サスペンス、なんでもこなせるマルチプレイヤー。
今回も第1話目では車椅子で飄々としたアクションを、第2話目ではインディーズバンドの熱狂的ファンで普段の仏頂面とは違うお茶目な姿を見せる。

菅田将暉はおとぼけたお調子者でありながら、ここ一番でマジになる役がほんと似合う。
死神くんでの悪魔役、auの鬼ちゃん、問題のあるレストランでのチャラ男、民王で親であり首相の遠藤憲一と入れ替わるヘタレ息子、ラヴソングでの藤原さくらの同郷役や地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子での演技など、すべて彼の持ち味だな。

この二人のタッグ、しかも脚本は本多孝好や金城一紀(アクション監修もクレジットされてる)など毎回違う人だそうだ。
なぜ山田孝之が車椅子に乗っているうのか、なぜ菅田将暉はそんなに死者(クライアント)の生前のことを考えるのかなど今後の展開に期待。

デジタルデバイスに個人の人となりが詳細に残ってしまう現代。
LINEやメール、画像や映像、スケジュールやメモ、人に見られたくないデータは死んでも残る。
そんなデジタルデータの消去。

PCやスマホにタブレット、俺のこんなくだらないブログでさも残ってしまう。
ヤバイなぁ。