GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

Kraftwerk テクノポップの先駆者

2020-05-08 22:18:53 | MUSIC/TV/MOVIE

大事なことは漫画が教えてくれた。

なんて言葉があるが、俺も結構そうだ。

鴨川つばめの『マカロニほうれん荘』でLED ZEPPELINやハードロックを知り、江口寿史の『すすめ!!パイレーツ』でクラフトワーク、DEVO 、そしてYMOを知った。

 

なんか興味をそそられてレコード店に行く。

なけなしの小遣いで買うLP。買えるのは一枚だけだ。どれにするかじっくり吟味だ。

DEVOがあった。

うーん、なんかポップなジャケットだなぁ。

山下達郎の「Go Ahead!」みたいだなぁ。

 

クラフトワーク、クラフトワーク・・・置いてない。輸入盤のコーナーも探す。見つからない。

そりゃそうだ、俺は勘違いして「C」のコーナーを探してたのよ。クラフトワークは「KRAFT WERK」ってスペルだということを知らなかったのよ。

 

うーん、まずはYellow Magic Orchestra(YMO)を買おう。

日本盤とUS盤がある。

ジャケットが気に入った方を買う。今でいうジャケ買いね。

早速家に帰ってレコードの針を落とす。

まぁ、ぶっ飛んだね。なんじゃこりゃ〜。

かっこいい。

コンピューターを駆使した音楽。

ついちょっと前にフォークギターでかぐや姫や井上陽水を弾いてた。

「マカロニほうれん荘」の影響で、ZEPPELINやDEEP PURPLEを聴き、ぶっ飛んだ。エレキギターに持ち替え、SCORPIONS、KISS、 Cheap Trick、KNACK・・・。

ロックの洗礼の次はテクノポップの洗礼だ(この言葉が出てくるのはもっと後だが)。

 

しばらくYMOにハマる。

それこそ擦り切れるほど聴いたなぁ。

 

そうこうしてるうちにラジオから流れた曲に衝撃を受ける。

シンプルに繰り返されるメロディとリズム、vocoderで機械的に変えられた声。

またもや、「なんなんだこれは。めちゃくちゃかっこいいぞ!」

DJは曲の最後にこういった

「お聴きいただいたのはクラフトワークの“ショールームのモデルたち”でした」

 

これかぁ、クラフトワーク。

これは買わないと。小遣い前借りしてまたもやレコード店に行く。

今度はちゃんと「K」のコーナー。

「Showroom Dummies」ってアルバムは無い。「ヨーロッパ特急/Trans Europe Express」ってアルバムに入ってるみたいだ。

でも、ジャケットがなんかイメージと違う。

他にも何枚か出てる。

「すすめ!!パイレーツ」の扉絵に書かれてる通り横顔で並んだ無表情の4人。赤いシャツに黒のネクタイ。

「THE MAN MACHINE/人間解体」

こちらを買う。ジャケ買いだ。

結局そのあと「ヨーロッパ特急/Trans Europe Express」も「放射能/Radio-Activity」も遡って買うんだけどね。CDになってからLIVEなど買った。

 

いやぁ、はまったなぁ。それからtechno-popにどっぷりはまったね。

YMO「Solid State Surviver」/「Punblic Pressue」/増殖X∞MULTIPLIES

最初のワールツアーでサポートメンバーだった渡辺香津美に憧れ、Aria Pro2とチャイナ服にはまる。

このチャイナ服のせいで高校時代「変な奴扱い」された。

 

techno-popの音楽界に与えた影響は凄まじく

当時日本ではP-MODEL、PLASTICS、ヒカシューなんかがテクノポップと呼ばれてた。

 

海外ではJAPAN(デヴィッド・シルビアン)、OMD(Orchestral Manoeuvres in the Dark)、YELLO

 

バグルス、PET SHOP BOYS、NEW ORDER、TALKING HEADS・・・。

 

 

沢田研二の「TOKIO」なんかももろテクノポップだ。

ジュリーはこの曲のせいで井上堯之bandと決別したなぁ。かっこいい曲なんだけどロック(生音)じゃないからなぁ。

このころロックバンドのアルバムで、YMOファミリーがプロデュースに入ってとんでもなくダメになってしまったものがある。ストレートなロックバンドなのに、なんか無理やりテクノっぽくされちゃってんの。

シーナ&ロケットのデビューアルバム「真空パック」(細野晴臣P)とか

東京ロッカーズの3ピースパンクバンド・FRICTIONのメジャーアルバム「フリクション」(坂本龍一)

とかね。全然ダメなの。流行りにすぐ飛びつく日本音楽界の悪い例だな。

 

まぁ、そのあとユーロビートやトランス、ハウスなどで受け継がれて

The Chemical Brothers、MY CHEMICAL ROMANCE、DAFT PUNKなどや

サカナクションなんかはクラフトワークのようなスタイルでライブしたり、

中田ヤスタカ氏によるPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなどで受け継がれてる。

 

そんなテクノポップの祖、クラフトワーク。

共同創始者のフローリアン・シュナイダー氏が先月亡くなられたらしい。

 

クラフトワークが出てこなかったら、今の音楽業界はどうなっていただろう。

リズムマシーンを使わなくても誰でも当たり前に打ち込みができ、シンセサイザーで音を作らなくてもデジダル音が出せ、初音ミクで作曲し、パソコンでアレンジし編集をする。

今では当たり前のことを、コンピューター自体がまだ一般的ではなく一部の研究者が使うものだった時代、今から50年近く前からやっていたってのも驚きだ。

 

新幹線で移動するときは“ヨーロッパ特急”、名神高速を走ってるときは“アウトバーン”。いつでもiPodに入ってる。

ショーをやる時、オープニングSEは必ずクラフトワークの曲だし、クライマックスのモデルウォーキングの音はもちろん“ショールームのモデルたち”だ。

 

偉大なる先駆者たち。また一人逝ってしまった。

ご冥福をお祈りします。

 

余談だが、つい最近まで「KRAFT」=職人、「WERK」=働く、つまりクラフトワーク=働く職人とか職人仕事って勝手に思い込んでた。クラフトワークはドイツ語で「発電所」って意味だった・・・。