4月29日9:00、上五島 青方港に入港。
上五島国家石油備蓄基地(長崎県南松浦郡しん上五島町)。
「浮遊式海洋構造物(洋上タンク方式)」による世界で最初の洋上石油備蓄システムをとっている。
このシステムは、防波堤によって平穏な泊地を確保し、貯蔵船を並列に配置して各貯蔵船を防油堤で囲むもの。貯蔵船1隻あたりの貯油能力は世界最大の88万kℓ。5隻合計では440万kℓで、日本の石油必要量の7日分を確保している。。
「有川羽差太鼓」保存会の皆さんが、勇壮な演奏で出迎えてくれた。
「羽差」とは、有川は昔、鯨組によって栄えたが、その鯨を命がけで捕る男たちを「羽差」(はざし)と呼んでいた。その男たちの鯨捕りの一部始終を音と振り付けで太鼓芸能として作りあげられたのが「有川羽差太鼓」。
青砂ヶ浦天主堂。
丘の上に立建つ煉瓦造りの聖堂。明治43年に建立され、現在は3代目。カクレキリシタンとして信仰を守り続けた信者たちが、300年に及ぶ禁教令の廃止(明治6年)とともに建てた教会は29ある。五島には、寛政9年(1797)から、信仰の自由を求めて、約3千人が移住したといわれる。
頭ヶ島天主堂。
信者たちが、自ら切り出した砂岩を積み上げて造った全国でも珍しい石造りの教会堂。明治43年に着工、大正6年に完成。
信者たちが、自ら切り出した砂岩を積み上げて造った全国でも珍しい石造りの教会堂。明治43年に着工、大正6年に完成。
キリシタン墓地。
弾圧の中で強く生き延びた信者たちの歴史を物語っている。日本の墓地にある石碑と同じ形状のお墓だが、石の上にはクルスが添えられている。いろとりどりの花に囲まれる墓地は、町内の29ヵ所ある教会とともにある。
世界遺産登録を目指して、バスの車体にも。
海童神社(かいどうじんじゃ)は、上五島の有川郷船津地区の応護島に鎮座する神社。鯨の顎骨を使用した鳥居があることで有名。船乗りなどの水難防止を願う。
寒い中、上五島高校ブラスバンド部の皆さんの素敵な演奏で見送りを受けた。
「ありがとう!上五島のみなさん」
出港の時間になると、続々と街のみなさんが集まってきた。町の広報や回覧板で、船の入港などのスケジュールが知らされているという。
この、温かい「おもてなし」の気持ちに、感動した!
道路の途中でも、見送ってくれる人たちが。これは、凄いことだ!
いつまでも、いつまでも見送ってくれた。
<石見神楽 洋上公演>
夜、8:30~9:30、この日のメインイベントは、石見(いわみ)地方を代表する伝統芸能『石見神楽』。民族芸能として演舞されるリズムは、石見人の気性そのままに、大太鼓、小太鼓、手拍子、笛を用いての囃子で演じられ、見る人を神話の世界に誘い込む。
この日演じたのは、土江子ども神楽団の小3~中3までの子どもたち。この神楽団は、300年の歴史を有するというから大変なもの。演目は、『恵比寿』『大蛇』を1時間にわたり、休みなしで熱演。まるで、松竹大歌舞伎を観ているような実に素晴らしいものだった。今回のクルーズでは、このあとも、様々なイベントがあったが、ベストスリーに入るぐらいの内容だった。
子供たちが蛇の中に入って演じている。(石見神楽HPより)
熱演した子供たちとの記念撮影の時間。素顔の子どもたちの、何とあどけない表情だったことか。
今日も中身の濃い一日だった。