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国語文法論、日本語文章論18

2016-07-31 | 日本語文章
日本語文章の単位は文の集合体である。その文の単位が一文一文において閉じていないと規定をすると、その文は文要素を以ていわゆる完結していない文となることがある。文と文が関係構成をしてそこには文を補い合う要素があるとみる。それでは文を完結し文章を構成する要素とはなにか。文法の構造は単位体の構成を小単位から中単位、大単位へと繰り返し、その構造が表れる。主述関係を閉じた構造とみた文法はその単位を文構造に繰り返しあらわす。単文、重文、複文を文法構造によるとらえ方にするのは、単位文に現れた構成を関係としてみるのである。国語文法論では文の成立を述語の職能とした。文を陳述をもって完結体とする議論である。それを統覚作用として一回の成立を見る。述語における陳述の成立は、それから、統叙作用として見る議論となる。統叙は文の成立にかかわる展叙をもって文を述部の職能で説き明かしている . . . 本文を読む

ことをもってなす

2016-07-31 | 日本語百科
このことをもってなす、を以ってなす 中止用法にすれば、を以ってなし となる。表記には、を以てなし となる。まさに、文字通りではあるが、声に出せば、おもてなし となるわけである。さよなら と同様に、それではこれにて、左様なれば帰ります、さようなら であるから、この語の用法を知れば、を以ってなすことには、茶と湯とをも以てなし、ということである。おもてなし、には、何をするかが明示される。それは漠々たるものではない。おもてなしとだけ言って、それには実態がないとすると、その語は意味をあらわさない。もてなすために、あれもこれもとすることもない、贅や芸を尽くし、美を盛ることではない、もてなしには、そのほかと異なる際立ちをもってもてなすことをすれば、そこに、客人の取りなしが行われるのであるから、おもてなしには自慢の一品でも豪華でもないものがしつらえられる。 . . . 本文を読む

おもてなしをする

2016-07-31 | 日本語百科
もてなし が、持て成し であると、その語の成立を見るならば、動詞の語形変化があって、名詞形となった、とすることができる。転成名詞のことはその成立を、例えば、光と、光る、のように、いずれがもとになるか、分かちがたい語もあるので、もてなす から、もてなし の変化があったとみる。そうすると、もてなしをする という語法が、もてなす という語と、どういうちがいがあるのか、まして、美化する、または丁寧にも言うために、お を受けて、おもてなし というわけであるから、おもてなしをする というのは、もってまわった言いようである。笑い と、笑う で、笑いをします とは言いにくいのだが、お笑いをします となれば、お笑いします とは、まったく異なってくるが、お笑い そのものに、笑うことをあなたのこととしてその笑われる対象となって、その芸をすることになるから、笑い お笑い は、笑う対象とパフォーマンスの意味関係がある。これを例として、もてなす について考えると、どうなるか。 . . . 本文を読む

おもてなしする

2016-07-31 | 日本語百科
おもてなしは客に対する。その客には主人から最適のものを、その客には、伯爵、おそれ畏みの方、あるは、田舎の客と、さまざまである。もてなす もてなし そして、おもてなしをする のように、動詞の名詞形に丁寧の接頭辞がついている。持て成すが名詞になったと理解すれば、これは、ホストとゲストの関係である。ところが、この語感が、おもてなしする と言うようになると、この用法では、それが異なるのである。お~する という語法は、k敬語の謙譲語法である。もてなし を名詞形のままに、丁寧にして、~する とともに使っているのであるが、おのずとそれには丁寧に加えた、意図せずに加わってしまう謙譲用法になるのであるから、おもてなしする というのは、敬語用法の おもてなしをする これは美化した類になるのに対して、意味関係が生じてしまっている。おもてなし とだけ使う場合には、おもてなしをするのか、おもてなしするのか、ホストとゲストの対応が異なってくるわけである。とりわけ、おもてなしする の語に謙譲の精神があるわけであるから、五輪におもてなしと用いるのは、使いにくいことになる。日本が他の国、地域に対してへりくだって迎えるからである。 . . . 本文を読む