弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

夢は開くが 評決いかに? 15、16、17年?

2009年08月06日 18時39分22秒 | 裁判
たまたま今週は夏休みだったので、初の裁判員裁判の4日間をNHK総合テレビで継続的に見ることができた。
正直言って、生きているうちに国民参加の裁判を見られるとは思っていなかったから、まるで夢のようだ。
第1号としては大成功だったと思う。

それにしても、懲役の求刑が検察官16年、遺族20年に対し、判決15年となったのは、どのような評決の内訳だったのか知りたいという気持ちは、皆さんにも残ったのではないだろうか。
個別の意見は明らかにできないとしても、裁判員と裁判官の意見の大勢が判明するように、評議の秘密(守秘義務)の例外を設けた方が良いと考えている。

思い付きだが、
日本裁判官ネットワークのホームページ
http://www.j-j-n.com/
とブログ
http://blog.goo.ne.jp/j-j-n/
とに「評決公表のアイディア」を連載しているので、ぜひご覧を。

口火を切るのは 勇気がいるが 慣れてしまえば おてのもの

2009年08月06日 00時05分26秒 | 裁判
注目を集めた裁判員からの質問。前日は1人だけだったが、一晩明けたら6人全員が代わる代わる質問をした。とても良かった。

法壇からの初めての尋問は、勇気がいるものである。
6年前の4月に弁護士から裁判官に任官した私も、東京高裁の法廷で初めて補充尋問をした時には緊張し、うっかり控訴人と被控訴人を取り違えてしまい、指摘されて訂正した。弁護士として法廷で数限りなく尋問を経験してきた者でさえ、そうなのである。
でも、おかげで度胸がつき、次回からは苦にならなくなった。今では補充尋問で何を尋ねようかと考えながら、弁護士の尋問を聞いている。

とにかく、普段の生活でしているように、疑問に思ったことは、結論に影響するかどうかなど考えないでどんどん質問した方が良いと思う。重要かどうかは聞いてみなければ判らない。私自身も些細かなと思った質問がきっかけで、新たな発見をした事件は何度もあった。

ちなみに、私が現在、さいたま家裁川越支部で担当している人事訴訟(主に離婚訴訟)では、既に「ミニ裁判員制度」とでもいうべき参与員制度が導入されている。
民間から任命された参与員2名と一緒に法壇から尋問もする。
夫妻双方の弁護士からの尋問が一段落したところで休廷にして評議し、参与員からもぜひ何か質問をと勧めるのだが、最初は固辞される方も少なくない。
しかし、いざ踏み切ると、とても良い質問をして下さることが圧倒的に多い。

(写真)
法務省の角の看板