昨日の問題の解答。
高裁の裁判官の一部は、実は地裁の裁判官である。
(写真)宮崎地裁の裁判官配置表(部分)
驚くべき人事配置だ。昨日の福岡高裁宮崎支部の裁判官配置表と見比べてほしい。
一審と二審が同じ裁判官というわけにはいかないので、宮崎地裁本庁の判決に対する控訴事件は福岡高裁宮崎支部専属の裁判官が担当し、鹿児島地裁など他の庁の判決に対する控訴事件は、宮崎地裁本庁の裁判官が高裁判事職務代行として担当しているという。
そこまでして、宮崎に配置する裁判官の人数を節約しなければならないのか。
私が任官した当時は「東京高裁判事職務代行」の東京地裁判事という辞令を受けた。当時は正式な東京高裁判事になるには18年の法曹経験が必要という内部基準があり、それは東京地裁の最も期が若い部総括よりも期が上でなければならないからと説明された。私は弁護士歴16年だったため、2年足りないとされた。
裁判所法上は、10年の判事補・弁護士経験で判事になれば高裁判事の資格があるのだから、そのような内部基準もおかしかった(ちなみに、私の任官の翌年に撤廃された。)と思うけれども、同じ裁判官が地裁と高裁を兼ねるのは、どう見てもおかしいだろう。
鹿児島の弁護士が黙っているのは、案外、宮崎の弁護士以外には、このような兼務をしている事に気づきにくいからかも知れない。
裁判所オンブズマンより出題。
(写真)これは福岡高裁宮崎支部の裁判官の配置表であり、上が民事部、下が刑事部。
(問題)この高裁支部特有の裁判官の配置上の問題点は何か。
(ヒント)宮崎地裁の裁判官の配置表を参照。
https://www.courts.go.jp/miyazaki/saiban/tanto/tiho/index.html
紀藤正樹弁護士、前澤友作氏のメタ社提訴の損害賠償請求額「1円」に見解
「残念。1億にしてほしかった」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6242c1363fb8445aca53cf701c2018ea227a63a
実は私も同じ事を考えていました。
私の本が出版社に入荷したようで、いよいよ明日以降、順次配本される。
たまたま今朝の新聞で、オスプレイの相次ぐ墜落事故後の飛行再開の記事を読んでいて、気づいた誤記を訂正させていただく。
オスプレイの値段は約二千億円だと聞いた記憶だったので、そのように書いたが、現時点では、一機当たり約二百億円となっているようだ。
したがって、裁判所予算約三千億円は、オスプレイ「一機半」分ではなく「一五機」分という計算になる。
(参考)
17機を3600億円で買った自衛隊のオスプレイは大活躍してますか? (Yahoo!知恵袋)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13271206593
古来、論旨の大勢に影響のない些細な誤りを、まるで鬼の首を取ったように針小棒大に揚げ足取りの材料にして、全体を「捏造」だと攻撃する輩が絶えないので、早めに訂正させていただくことにした。
(写真)この頁の最後の一文を次のとおり訂正します。
(誤)約二千億 →(正)約二百億
(誤)1機半分 →(正)15機分
昨夜のNHK番組から。
「奇妙な果実 怒りと悲しみのバトン」
映像の世紀バタフライエフェクト
https://www.nhk.jp/p/butterfly/ts/9N81M92LXV/episode/te/7PY51N157R/
早くから黒人差別に対するプロテスト・ソングを歌っていた歌手たちの勇気に感動した。
特に、ボブ・ディランの偉大さは、よく分かった。私が生まれる前から歌で抗議していたのだから。ノーベル文学賞は遅きに失したかも知れない。
5月9日の名古屋地裁判決(剣持亮裁判長)に「あっぱれ!」だ。
シリア人男性の難民不認定、名古屋地裁が取り消し命じる 全国で初(中日新聞Web)
https://www.chunichi.co.jp/article/896845
一種の「良心的兵役拒否」を国際的に認めたとも評価できるのではないか。
シリア難民では初というのも驚き。
昨日の問題の正解は、
③ そもそも最高裁事務総長は裁判官ではないから。
(写真)裁判所法抜粋
あまり知られていないが、最高裁事務総局のトップである事務総長は、裁判官の身分を離れて裁判所事務官になるのが慣例である。
他方、その部下であり、合計数十人にも上る局長・課長・局付たちは、裁判官の身分を有し、辞令上は、裁判官経験年数によって東京高裁判事又は東京地裁判事若しくは判事補となっている。
ちなみに、各高裁の事務局長も裁判官(辞令上は各高裁判事)である。
要するに、裁判所事務官の高位ポストを軒並み裁判官が奪っていると言えなくもない。
というよりも、本来は事務官のやるべき仕事を、わざわざ裁判官の人数を割いてまで、司法官僚として差配しているというのが実情と言うべきだろう。
ところが、最高裁事務総局の「裁判をしない裁判官」の中には、現場の裁判官の上司であるかのように勘違いし、指示を飛ばし、会議を招集し、時には休廷させてまで最高裁に呼び集める者もいる。
私に言わせれば、裁判所組織内の「下克上」である。
新任判事補の採用難や中堅判事の中途退官の責任を取って、現場、特に地家裁支部の裁判官に戻ってもらうのが良いと思う。
裁判所オンブズマンから出題。
最高裁事務総長は、仮に職務を甚だしく怠ったとしても裁判官弾劾裁判にかけられることは無く、裁判官分限裁判にかけられることも無い。
それは、なぜか(3択問題)。
①裁判官弾劾法及び裁判官分限法において、最高裁事務総長は適用除外とされているから。
②両法において「裁判をしない裁判官」は適用除外とされているから。
③そもそも最高裁事務総長は裁判官ではないから。
私は約1年前に「官僚裁判官度数」の概念とその計算方法を提案した。
https://blog.goo.ne.jp/gootest32/e/c36f4e6306a7125d0ce5b0edbe42c5c7
今回は新たに、判事以上の裁判官の優遇度を測る「特権的司法官僚度数」の概念を提唱したい。これまで、やや抽象化しがちだった「特権的司法官僚」の定義を数値化する指標となると考える。
その計算方法としては、直近10年間(憲法上の裁判官の任期)ないし20年間程度(現行「地域手当」施行後の年数)の、当該裁判官に対する「地域手当」の支給率(1年又は2年の現給保障の特例を適用した後の率)の平均値を採る。
なお、現行の「地域手当」が適用される国家公務員である限り同様に、例えば、中央省庁の官僚については「特権的中央官僚度数」を計算することができる。
逆に、どのような異動をする中央官僚の利益になるように、現行「地域手当」の率が設定されているのか、炙り出すこともできるだろう。
(写真)計算例
例えば、直近20年間の任地がこのような場合は、その間ほぼ通じて、東京23区の20%の適用を受けている(2回の千葉市転出の各1年目(現給保障10割)を含む。)。千葉市の各2年目(上記20%の8割保障)で16%となったのは、高々2年間だけである。
したがって、次のように概算することができる。
(20%×18年+16%×2年)÷20年=19.6%
定義によれば、最大値は20%なので、この値は、純度98%の優遇度ということもできよう。
「夫婦と同様」 同性パートナーへの名字変更認める 名古屋家裁 | NHK | LGBTQ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240509/k10014443741000.html
名古屋家裁審判に「あっぱれ!」だ。
鈴木幸男裁判長は、私の前任の津地裁民事部総括。家裁の審判(氏の変更許可)では極めて珍しい合議体による判断のようだ。
このような審判に即時抗告は出ないので確定し、夫夫同氏の念願が叶えられた。
同棲する同性カップルの「選択的」「夫夫」同姓が裁判所の審判により公認されたという事になる。
「このままでは裁判制度が危ない…」国を相手に「違憲訴訟」を提起
“現職裁判官”が語る、裁判官・公務員の“地域手当”「深刻すぎる問題」とは
(弁護士JPニュース)
https://www.ben54.jp/news/1130
私も騙されていたが、国家公務員の賃金、特に地域手当は、その地方の民間賃金水準に準拠して率が設定されていると思い込まされていた。
しかし、本当は逆ではないのか?というのが、私の抱いた疑問である。
少なくとも、国家公務員の地域手当の水準が、なぜか各市町村の地方公務員にまで中央省庁から押し付けられている構図は、多くの地方公務員が証言し、地方公共団体が見直しを要望しているとおりであろう。
そして、その市町村の民間賃金水準は、実際上、その市町村の地方公務員の賃金水準で抑えられているのではないだろうか。
そうだとすれば、中央と地方との民間賃金の格差は、実は人事院・財務省を中心とする中央官僚が決めていることになる。
東京23区の地域手当を20%と極めて高率に設定しているのは、霞が関・永田町・隼町界隈だけで異動を繰り返している高級官僚が、高給を維持するためにほかならない。
国家公務員の地域手当の格差は最大20%、最低賃金の最大格差もこれに近い24%余である(東京都1113円/岩手県893円≒1.24)。前者は市区ごと、後者は都道府県ごとという違いはあるが、両者が無関係とは言い難い。民間賃金水準の格差を縮小するためにも、国家公務員の地域手当の格差はできる限り縮小すべきだと思う。
私の本のAmazonサイトに不備があり、これまでのご注文は通っていますが、追加注文分から新アドレスに変更になりました。
今後は下記アドレスにご注文をよろしくお願いします。https://www.amazon.co.jp/dp/4904497554
昨日の出題の正解は、
①宿直手当が支給されない
ばかりか、
②宿直室が無い
ため、ホテルに泊まるが、
④ホテル代を支給されない
の三つ。
③泊まるホテルを指定される
については、豊橋支部ではそういう事は無いものの、例えば、新潟地裁三条支部では、アパホテルと指定されているという。そして、あたかも当然のように、宿直の裁判官がホテル代を自己負担させられている。
なんで、この程度の手当ができないのだろうか。最高裁事務総局の能力を疑わせるには、この一事のみをもってしても十分であろう。
久しぶりに裁判所オンブズマンより出題。
名古屋地裁豊橋支部(豊橋簡裁)で宿直の令状当番を順番に割り当てられる裁判官の待遇で、正しいものは次のうちどれか。
①宿直手当が支給されない。
②宿直室が無い。
③泊まるホテルを指定される。
④ホテル代を支給されない。
(参考)裁判所支部問題を取り上げた朝日の連載4回目(最終回)
本庁と支部間50キロ、裁判官はタクシーで往復 「入りにくい予定」
https://www.asahi.com/articles/ASS4S0T2GS4SULFA00CM.html
(写真)連載3回目で取り上げた長野地家裁佐久支部の問題は、昨秋の日弁連人権擁護大会で佐久市長自身が充実を訴えた。エレベーターについては、地元自治体で設置費用を負担すると申し出たが、最高裁は謝絶したという。
毎年恒例の会見の報道から。
最高裁・戸倉長官、導入15年の裁判員制度「安定的かつ順調に運営」 憲法記念日を前に会見
(日テレNEWS NNN)
https://news.yahoo.co.jp/articles/dce5100744c23c9a0a6dc7b40a312d99b51adc65
(写真)中日新聞では2面の左下のベタ記事だった。元社員によると、全国ニュースのうち最もどうでもいい記事の定位置だとのこと。
まさに「存在の耐えられない軽さ」。
クイズに出題されても、誰も名前を答えられないだろう。
今月以降、最高裁判事が手分けして出張し、一部の地家裁を巡回するのだが、最高裁はこれを「憲法週間行事」の一つと称している。何という内向きの組織だろうか。