
清水へ祇園をよぎる櫻月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき
「みだれ髪」のなかの、あまりに有名な与謝野晶子の歌ですが、
清水・祇園・桜月夜・・・言葉を聞いただけでも幽玄の世界に誘われます。
桜の季節の締めくくりは、やはりこの歌で。
桜月夜は「はなつくよ」と読むそうな。
ライトアップばやりのこの頃ですから、
夜桜の眺めも、昔とは違ってきたでしょうね。
雪洞や、提灯の下を行きかう人々の華やぎと憂いが、
何とも美しく浮かび上がって見える光景が懐かしくもあります。
あまり夜遊びをしなくなりましたので(ホントかな)夜桜見物はご無沙汰ですが、
この歌で、今までのたくさんの出来事がよみがえり、
それだけで楽しめるようになりました。
思い出は多いほど良いですね。

先日の「茶入荘り」のお稽古で目にした古帛紗。
この方もお母様から譲られた古帛紗だということ。
自分の若い頃使っていたものを娘が使ってくれるなんて、
母親にとっては嬉しいことなのでしょうね。
裂地は「獅子狩文錦」のアレンジのようです。
花開く季節には、こんな若い方の古帛紗が似合いますね。
