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「桜のお菓子も、桜の道具も今週いっぱいね。」といいながら、
花の時期の早く過ぎゆく事を惜しみながらの今日の稽古でした。
四月五日は二十四節気の「清明」です。
天地がすがすがしく明るい空気に満ちるという。
みずみずしい季節の到来をこう呼ぶ日本人の感性に、
よくぞ日本人に生まれけりです。
最近入学式で桜を見られることが少なくなったといいます。
思えば入学式の記念写真は、校庭の桜を背景にということが多かったような。
温暖化の影響で、100年後には、東京では桜が咲かなくなるという話を聞いて、
二十四節気も、実感を伴わないむなしい言葉になってしまうのでしょうか。
お茶で味わう季節感も最近は随分ずれてきていますね。
特に和服の決まりは、守るのが難しいです。
四月でも単衣が着たいほど暑い日が多くありますし、
五月はまだ袷などと言って頑張るのは、大変な時もあります。
そのために私は、袖口は袷になっていて、胴は単衣という
中抜きの着物も作ってあります。
そろそろお茶の着物の季節感も、ちょっと見直す時が来たのでは。
「清明」と呼ばれるつかの間の季節を、
日に日に芽吹く木々を眺めながら過ごしたいですね。
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