ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

マリー・アントワネット(ネタバレ)

2006年12月22日 | ミュージカル・演劇
先週の土曜に観て来ました。
え~、かなり辛口ですので、もし批判的な意見を読みたくないという方は読まない方がよろしいかと。
ただ、いろいろとキャラクターについても批判してますが、基本的に役者さんの罪ではないと思っています。なので、キャラクターの批判はあくまでも脚本に対する批判と思って読んでいただければと・・・(汗)

いや~、いろいろ感想は読んでましたが、なるほどな~、という感じです(汗)
率直な感想は「もったいない」・・・
なんだかなあ、もうちょっと面白くなってしかるべき話なんだと思いますが・・・
特に一幕のとりとめのなさは、うーん(汗)
二幕になると、ちょっといいかな、と思うところも出てきましたが・・・
最初から、もっとアントワネットとマルグリットの二人に焦点を合わせて作ればいいのに・・・ってか原作はきっとそうなのでは・・・(汗)
登場人物無駄に多すぎですよね・・・いや多すぎることはないのですが、もっと脇役でいい人物を前に出しすぎというか・・・(汗)
一番いらないと思ったのがカリオストロですね(汗)なんなんでしょうあの人は・・・(汗)
全てカリオストロが仕組んだこと、という設定にするならするで、最後まで貫けばいいのに、最後全然出て来ないし。
語り手が3人もいるのは多すぎますしね・・・(汗)いや山路さん好きなんですけども・・・
また山路さんのボーマルシェの使い方も中途半端だったし。
オルレアン公はいていいんですが、ああいう半分語り手みたいな役じゃなくても良かったのに・・・
ミヒャエル・クンツェ作でなんでこんなことに・・・
これは邪推なんですが、「あの人とこの人とこの人と・・・を出したい」という要請に従って無理やり役作ったんじゃないの?と(汗)本当にそうでも思わないと理解に苦しむ作りです・・・
一幕では、全体的に登場人物の造形がありきたりな感じでうーむ、でしたし。
フェルゼンはいい人すぎて見ていて恥ずかしかった・・・(汗)あのいかにも色男風の垂らし髪(?)も恥ずかしかった(汗)もっとフツーにきっちりした髪型でも充分カッコイイのに。
禅さんの情けないルイ16世のキャラも痛かった・・・(汗)ああいうルイ16世はいかにもなので、ぜひとも避けて欲しかったのですが・・・
禅さん、二幕終盤さすがの素晴らしさだったので、余計に惜しい・・・
(しかしあのシーンで出番終わりなのはちょっとあんまり~(汗))
井上芳雄さんのフェルゼンも、最後の方素晴らしい演技力で・・・あああの役には勿体無い・・・(汗)
マルグリットも一幕ではただ怒りまくってるだけに見えて(汗)その怒りの理由もなんだか今ひとつよくわからず(ただ貧しいから、にしてももうちょっと説得力が欲しかったかな・・・)共感も何もできませんでした。
二幕でも残念ながらなぜアントワネットに共感するようになったのか、が弱かったですね。共通の子守唄を知ってた、というだけでは・・・少なくともあの舞台ではそのあたりは表現できてませんでしたね。
アニエスの存在も、二幕では効いてきてましたが、一幕では微妙だったし・・・
そしてマリー・アントワネットですが、あの子供っぽいキャラクターはちょっと目新しかったですが(涼風真世さん若いですね~(汗))、やはり一幕はもう少しひねって欲しい感じでした。
ただ、二幕も後半になって来ると、最後まで誇りを捨てずに高慢にも見える態度で通していたのが、なかなか良かったです。
恋よりも女王としての誇りを取ってしまったりとか。このあたりがフェルゼンの思いとすれ違ってしまうあたりなんかは面白くなってきた、と思ったのですが。
アニエスがアントワネットの手紙を読むシーンも面白いと思いました。アントワネットを信じて手紙を読んだアニエスの苦しみなんかも上手く配されていて。
革命に逸るマルグリットと、マルグリットに疑問をなげかけるアニエス、という関係もなかなか良かったし。そしてそのマルグリッとの心境の変化も。
あ、女たちの行進が実は仕組まれたもので、男も混じっていた、というのも面白かったです。
でもこのあたりの面白いところは原作由来なんだろうな・・・(汗)
最後に、崩れ落ちながらもマルグリットが差し伸べる手を女王のごとく取るアントワネットは圧巻でした。涼風真世さん素晴らしい! と思いました。
と、二幕の良かったところを思うにつれ、もっと女たち中心の話にまとめればよかったのになあと・・・
やっぱりカリオストロいらないと思う・・・(汗)

演出も評判悪いみたいですが、私は栗山民也さんの演出は結構好きなんです。特にビジュアル的な面で。
この舞台でも、照明の使い方とか、暗闇の中でキャンドルが点っているところとか、なかなか好きでした。
カリオストロの存在は疑問ながらも、冒頭のカリオストロの影が回るシーンはカッコ良かったし。
まあ、ギロチンの刃を模したあの装置はどうかなーと思いましたが(汗)
そして、カーテンコールもアントワネットが横たわったままなのもどうも・・・(汗)
でも、アントワネットがキラキラのドレスに着替えて出てこなかったのは良かったかなと(笑)でもルイ16世は着替えてきてたのに・・・(汗)
林アキラさんのローアン大司教、ミリエル司教様のイメージが~(汗)と思うかと思いましたが、全然そういう連想はしませんでした。むしろなぜかタナボタのジュリエットを思い出してしまった・・・(笑)なぜかかわいかったです。

音楽ですが、シルヴェスター・リーヴァイの曲は、やはり日本人が作るオリジナルミュージカルの曲に比べたら格段に良いのですが・・・
正直なところ、「エリザベート」や「モーツァルト!」のようなインパクトはなかったかなと・・・
ロックっぽい曲もあまりなかったですしね。多少はありましたが、他の作品に比べると格段にいわゆる普通のミュージカルナンバー、だったかなと。
日本のミュージカル俳優さんにはロックが歌える人滅多にいませんからねえ。そのあたりに合わせたのかな・・・
無理してロック歌うよりは良かったかもしれませんが、もしそのために「エリザベート」や「モーツァルト!」にあった音楽の魅力が減じているなら、やはり日本発と言うことに問題あり、ということになりますね・・・
まあ、いい曲も結構あったとは思いますが。まだ1回しか聴いてないで言っているというのもありますし。

とまあとりとめもなく書きましたが、やはり作品としてどうかと・・・(汗)
そもそもマリー・アントワネットという題材自体が微妙だったんですよねえ。なんで今日本でマリー・アントワネットなの? と。
それでも、作り方によってはもう少しいい作品にはできたかもしれませんが・・・。これなら「ローマの休日」の方がまだしも・・・(汗)
やっぱり東○はなあ・・・と今からRENTが心配な私なのでした。(いやRENTについてはもう諦めてますが(汗))
コメント (2)
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TTTサントラ完全盤ANNOTATED SCOREその10

2006年12月22日 | 指輪物語&トールキン
TTTサントラ完全盤のANNOTATED SCORE、あと2回くらいかかるかと思いましたが、今回で終了です。
ディスク3は戦闘シーンの音楽が多いのですが、戦闘シーンの音楽はカッコイイけど、深い意味が隠されていたりとか、そういうのはないんですねー。
というわけでヘルム峡谷のあたりの音楽については目新しい話は全くありませんでした(汗)
あ、城壁が壊れる場面、知らない音楽があると思ったけれど、特に書いてなかったので、映画とは変わってないのかな・・・聞えてなかっただけ?

ピピンが「南へ行こう」と意見する場面に流れている4つのコードは、エント女の詩のシーンで流れるsmall stoneコード(この名前いやなんですけど・・・(汗))のマイナーバージョンなんだそうです。
ピピンの発言がまさに小さな小石となってエントを動かすってことですよね。
エントの行進のコーラスは少年合唱じゃなくて女声なんだそうです・・・

オスギリアスでフロドに周囲の音が聞えなくなるシーンは、映画ではカットされたけれど、指輪の誘惑のテーマが流れているんだそうです。ここも確認しないと。

で、前から気になっていた、ローハンの突撃のシーンの前に自然のテーマが流れることについて、ようやく解決しました。まあ、このライナーノート読んでいてなんとなくはわかってきてましたが。
元々はこのシーンにはThe White Rider(In Nature)が使われていたわけですが、このテーマもガンダルフと自然の結びつきを示す音楽です。
最終的には、エントのアイゼンガルド攻撃とのつながりを表すために、同じ自然のテーマを使うことにしたようです。(そうは書いてなかったんですが、勝手に解釈(汗))
どちらも自然の力に導かれて・・・ということなんでしょうか。原作とはちょっと違うけど・・・(汗)

オスギリアスのサムの物語の話のシーンの音楽は、かなり書き換えられたようです。
FotRの「一行の離散」と同じ音楽にこだわったのはフラン・ウォルシュのようです。
初期のバージョンではティンホイッスルが使われたり、旅の仲間のテーマが出てきたりしていたそうです。旅の仲間のテーマのバージョンはDVDの特典映像で聴けますね。
この後に出てくるクラリネットのホビットのテーマは、二人の話を聞いていたファラミアがフロドを理解したこと、その共感を示しているらしいです。なんだかちょっと嬉しいなあ。
地下水路でのサムとゴラムの会話で、ゴラムがサムの言葉に「わかった」と言っているのにも関わらず、音楽はゴラムの二つの心が混ざり合っていることを表しているそうです。これは誰でもわかるか(笑)でも、音楽で物語を表現しているのはすごいな~と思います。

ガンダルフたちが並んでいるシーン、旅の仲間のテーマが流れますが、実はこっそり(?)クラリネットも一緒に吹いているんだそうです! 聞えないよ~(笑)
これはきっと、離れているけれどホビットたちも旅の仲間にいる、ということを表しているのかなと思います。しかしこんな隠し味、誰も聞えないだろうに・・・(笑)

ゴラムの歌に入る前、モルドールの光景が映るところで音楽が少し間を置くのは、これからあそこに行くんだよ、ということを示しいてるらしいです。芸が細かい(笑)
ゴラムの歌は、ゴラムの中でスメアゴルがゴラムの考え方を受け入れていく様を表しているそうです。うーん、主題歌?が物語の一部になっている・・・これもまたすごいですね。

てなわけでその10でようやく終わりましたが、FotRの倍かかってます(汗)それだけ色々詰め込まれてるんでしょうねー。
RotKはディスク4枚というから、どれだけの長さになるやら・・・(笑)
でも一方で、私はTTTのサントラが一番好きなので、ここまで楽しめはしないかも・・・
さて、この話をサントラ考察にどう詰め込むか(笑)FotRも書いてないのに。
TTTに限っては、完全盤と映画との違いも書きとめておきたいかなーとも思ってたりして・・・
その前にクリーヴランドとニュルンベルクのコンサートレポも書かないとなんですが(汗)
うーん、更新が永遠に終わらん・・・(笑)
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