寒河江市チェリーランド河川敷公園 寒河江川・奥羽山脈 2009/12/4 PM2時
このところ毎日のように
夕方になると
きまって時雨模様の天気に変わる
西の空から
真っ黒い雲が
次第に空を覆い始め
やがて 全空に拡がって
小雨まじりの冷たい西風が
吹き始める
そんな毎日の天気の変化を察し
午後のなるべく早い時間に
犬の散歩に出かけるようになってしまった
愛犬ナナの
一番のお気に入り散歩コースは
やはり なんといってもチェリーランドの
堤防沿いを歩くコースだ
午後 買い物がてら
軽トラックに乗って
チェリーランドに散歩に出かけた
この季節になると
河川敷にあるテント類や芋煮会用のテーブルや水道なども
青いビニールシートに包まれて
すっかり冬支度を終えた
閑散とした光景が
眼の前に拡がっている
愛犬ナナは
私よりも100mも先を
走り回っていた
同上
寒河江川・慈恩寺
西の空は雪雲に覆われていた
晴れた日には遠くに月山が見えるのだが
この時期はなかなか姿を見せることはない
チェリーランド河川敷公園
チェリーランド
11月の初めに初雪が降って以来
その後全く雪のない日が続いている
いつ雪が降ってもおかしくない季節なのだが
どうやら今年は
このまま雪のない年末になってしまいそうな気がする
スチューベン貴腐葡萄&ジャム
昨日の続き・・・・・・・・・・・・・・
私はいつも「夢舎」でラーメンを食べる時は
カウンター席に座る
昨日はカウンター席に先客が一人いた
その人は
白っぽいコートとねずみ色のズボンをはいていた
口髭と顎鬚をはやし白い帽子をかぶっていた
初めて見る顔だった
強いて言えば
画家か小説家のような雰囲気を漂わせていた
彼は豚骨ラーメンとたまご丼がセットになったランチを食べていた
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私がチャーシュー麺を食べ終えるのを見届けたかのようにして
マスターが 「自家製無添加葡萄ジャムです」
と言って
小鉢に入れたジャムをスプーンと一緒に
私のテーブルに置いてくれた
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これまで1度も口にしたことがなかったような
豊潤な香りとこくの深い甘味が一気に拡がった・・・・・・・・・・・・・・
何故か
過ぎ去った今年の夏の明るい太陽の日差しのような匂いがした
「ん~~~・・・・・・・最高!!!!」
「隣に座っているKさんのブドウ畑からもらってきた貴腐葡萄を 皮ごとミキサーに掛けそ
のまま弱火で煮つめジャムにした正真正銘の手作り品です・・・・・・・・・」
「おまけにこの葡萄は無農薬栽培されたもの・・・・・・・・・」
すると 今までずっと黙ってランチを食べていた
隣に座っていたKさんが初めて言葉を口にした
「美味しいと言って下さって有難うございます・・・・・・・・・・」
それから彼はまるで人が変わった様に
葡萄栽培の薀蓄を語り始めた・・・・・・・・・・・・・・・・
彼が画家か小説家のような雰囲気を漂わせていた理由が
その時初めてわかった
彼は農業に対して一人の孤独な芸術家にも似たような
確固たる人生哲学を持っていた
彼の農業にかける意気込みは単なる農業従事者ではなかった
かなり以前から無農薬栽培を手がけ
収量優先を捨て
食品に対する安全性の確保が如何に重要であるかという
まさに農業の基本とも言えるべきことの啓蒙活動を行って来たようだ
無農薬栽培は
栽培方法を様々工夫したり
農薬を使わない分多くの手間ひまを掛けて
初めて収穫の喜びが実感出来る
まさに農業ならではこそ味わうことの出来る
生きがいのひとつのかたちなのかもしれない
復刻キリンラガービール 明治・大正
暫らく葡萄栽培の話をしたあと
Kさんはカウンター席を立って
黙って一人で店を出て行った
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10分ほどして間もなくKさんが戻って来た
再び元のカウンター席に腰掛けて
手に持った小さなビニール袋の中を覗き込むようにして
中から2本の缶ビールを取り出し
マスターに
おもむろに 「はい」と言って手渡した
そのビールが復刻キリンラガービールだった
どうやら歩いて1分ほどの所にあるコンビニから
酒の「ジン」を買いに行った様であった
「ジンには柚子が絶対合うような気がするんだ・・・・・・・・」
とKさんが言った
マスターが素早く1枚の薄切りにした柚子を用意した
Kさんの前い置いた
200mlくらいの透明の小瓶に入ったジンを
コップに半分ほど注いで
先ほどの柚子を入れ 静かにかき混ぜた
そしてコップを口に運んで一口飲んだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん・・・・・・やっぱり柚子が合っている」
と彼は独り言のように満足感を表現した
マスターがラガービールの栓を抜いた
「やっぱりラガーは苦味がいいね!!!・・・・・・・・」
マスターは明治の復刻ラガーを空け
次に大正の復刻ラガーも開けた
暫らくビールにまつわる昔話に花が咲いた
私も勧められたが
車の運転があるので丁重にお断りした
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葡萄作りをしているKさん曰く
おれは百姓で自分の好きなことをして暮らして
おれが作った葡萄をこのマスターが職人技で誰にも真似の出来ないジャムの逸品に
変えてくれる・・・・・・・・・・・俺とマスターは不思議な関係なんだと
因みにKさんの血液型はO型でマスターは私と同じA型
マスター曰く
A型は何事もこつこつと最後までやり遂げる性格だとか・・・・・
私も同じ性格だが
私の場合はその気持ちの持続力が短い・・・・
俗に言うと飽きっぽい性格
だから何事も短時間勝負
例えば ブログを書いている時も
書き終えて終りではなくて
飽きてくる前に終わさねばならない・・・・・・・・
まさに時間との戦いである
O型はほとんどの人と合わせてくれる協調性の強い性格
私の知っている限りでは
A型人間とO型人間はどうも相性がいいようだ
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さて だいぶ話しが長くなってしまったが
チャーシュー2枚と貴腐葡萄とジャムと復刻ラガービールをお土産にして
家に戻った
よく考えてみると
すべてにひとつの共通点がありそうな気がした
そこには物言わぬ長い時間の手間ひま掛けた時の刻みが隠されているような気がした
飲み物 果物 食べ物・・・・・・・・・・・・
みんな少しずつ熟成して初めて美味しいものに出会っていけるようだ
そんな訳で
愛犬ナナはじっくりと時間をかけて煮込んだチャーシューを腹いっぱいご馳走になり
私はジャムと貴腐葡萄と復刻ラガービールで明治・大正時代の風味が漂うどこかお洒落
なラベルの付いたビールを一人で夜更けまで静かに味わった
夢舎のマスターからの伝言・・・・・・・・・・・・・・・
貴腐葡萄ジャムまだ残っています
食べてみたい方 是非「夢舎」まで 早いもの勝ち
「夢舎」は寒河江工業高校裏 オンガク館前