■小さき勇者たち ~ガメラ~ ×
2月、有明ビッグサイトでの「ワンダーフェスティバル」でも
大々的にプロモーションを打っていて、それなりに気になっては
いたんですが、“動物とのふれあいや別離の中で成長する子供”に
スポットが当たり過ぎている印象があったので、今回時間が
合わなければ観ないままスルーしたかも知れなかった作品。
どういう経緯でかは判らないですが、配給元も東宝から松竹に
変わっていて、(そういうことを知らずに観に行って)最初に富士山
のマークが出てきてちょっとビックリ。とりあえず、過去の作品と
区別するため「松竹ガメラ(*1)」とでも呼びましょうか。
少年・透と亀の「トト」とのふれあいと併行して、沖縄方面で相次ぎ、
徐々に北上する船舶不明事件とそれに対する政府の対応が
描き出され、やがてそれらが一本に繋がる訳ですが、見ていて苦笑
を禁じえない場面ばかりが展開します。
政府側で表に出てくるのが内閣府参事官(田口トモロヲ)とその秘書、
あと巨大生物による災害対策を研究していた学者(石丸謙二郎)
だけで、ものすごくこじんまりとした印象を受けます。この手の作品に
つきものな自衛隊出動も、参事官レベルの権限でどうこうできるん
だろうか?という素朴な疑問が。
画面外で緊急閣議が続けられているのかも知れないけど、それを
匂わす描写も皆無で、まるで記号のように自衛隊員が出てくるだけに
見えるのはどうかと思いますよ。それも、作戦の当初からトトを成長
させて(*2)ジータスに向かわせることしか考えてないから、自衛隊員
は人間にしか銃を向けないし。いや、怪獣同士の戦闘で危険な地域
から避難しようとしない透たちを確保するためなんですが。
観ていて一番「はァ?」となったのは、子供たちによる「赤い石
リレー」。拡大解釈の末、人類の味方 → 地球という生命の抗体(*3)
という位置付けだった東宝ガメラに対するアンチテーゼなのか、
ゴジラなどに比べて「(無条件に)子供たちの味方」として描かれて
いた大映ガメラへの回帰を意図してのことではないかとは思いますが、
あまりにも唐突で・・・。
しかし今回の新怪獣ジータス、造形的にはかなりUSAゴジラ(*4)
ッぽいんですけど、何かそういう意図があったりするんでしょうか。
0530:E●5-2 .608 ① -1.5
0531:E○3-6 .596 ① -0.5
0601:E●2-1 .604 ① -0.5
////////////////////////////////////////////////////////////
*1:ここでは便宜的に『大怪獣ガメラ』(1965)から『宇宙怪獣ガメラ』(1980)まで
の7作品を「(大映)ガメラ」、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)から
『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(1999)までの3作品を「東宝ガメラ」と呼ぶこと
にする。
*2:過去のシリーズとの差別化を図るにしても、もう少し成長サイズに合わせた
相貌の変化というか、成長するにつれて精悍さが増すデザインにならなかった
ものだろうかとは思う。30m級に巨大化しても、アングルによっては亀というより
犬に見えてしまうガメラは、ひとつも強そうに見えないし。
*3:「人類が地球を脅かす存在になったらガメラは・・・?」「そうならないように
しなくちゃね」と主人公に言わせ、現代文明への警鐘っぽいことを匂わせた
『ガメラ2』のラストシーンは巧くまとまっていて個人的に好印象。そこへ
至る前の、前振りなしの「元気球」だけは納得できんけど(笑)。
*4:興奮したり威嚇する時に開く襟巻きがあるから、ゴジラじゃなくジラースか。
・・・って名前も何となく似てる?
2月、有明ビッグサイトでの「ワンダーフェスティバル」でも
大々的にプロモーションを打っていて、それなりに気になっては
いたんですが、“動物とのふれあいや別離の中で成長する子供”に
スポットが当たり過ぎている印象があったので、今回時間が
合わなければ観ないままスルーしたかも知れなかった作品。
どういう経緯でかは判らないですが、配給元も東宝から松竹に
変わっていて、(そういうことを知らずに観に行って)最初に富士山
のマークが出てきてちょっとビックリ。とりあえず、過去の作品と
区別するため「松竹ガメラ(*1)」とでも呼びましょうか。
少年・透と亀の「トト」とのふれあいと併行して、沖縄方面で相次ぎ、
徐々に北上する船舶不明事件とそれに対する政府の対応が
描き出され、やがてそれらが一本に繋がる訳ですが、見ていて苦笑
を禁じえない場面ばかりが展開します。
政府側で表に出てくるのが内閣府参事官(田口トモロヲ)とその秘書、
あと巨大生物による災害対策を研究していた学者(石丸謙二郎)
だけで、ものすごくこじんまりとした印象を受けます。この手の作品に
つきものな自衛隊出動も、参事官レベルの権限でどうこうできるん
だろうか?という素朴な疑問が。
画面外で緊急閣議が続けられているのかも知れないけど、それを
匂わす描写も皆無で、まるで記号のように自衛隊員が出てくるだけに
見えるのはどうかと思いますよ。それも、作戦の当初からトトを成長
させて(*2)ジータスに向かわせることしか考えてないから、自衛隊員
は人間にしか銃を向けないし。いや、怪獣同士の戦闘で危険な地域
から避難しようとしない透たちを確保するためなんですが。
観ていて一番「はァ?」となったのは、子供たちによる「赤い石
リレー」。拡大解釈の末、人類の味方 → 地球という生命の抗体(*3)
という位置付けだった東宝ガメラに対するアンチテーゼなのか、
ゴジラなどに比べて「(無条件に)子供たちの味方」として描かれて
いた大映ガメラへの回帰を意図してのことではないかとは思いますが、
あまりにも唐突で・・・。
しかし今回の新怪獣ジータス、造形的にはかなりUSAゴジラ(*4)
ッぽいんですけど、何かそういう意図があったりするんでしょうか。
0530:E●5-2 .608 ① -1.5
0531:E○3-6 .596 ① -0.5
0601:E●2-1 .604 ① -0.5
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*1:ここでは便宜的に『大怪獣ガメラ』(1965)から『宇宙怪獣ガメラ』(1980)まで
の7作品を「(大映)ガメラ」、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)から
『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(1999)までの3作品を「東宝ガメラ」と呼ぶこと
にする。
*2:過去のシリーズとの差別化を図るにしても、もう少し成長サイズに合わせた
相貌の変化というか、成長するにつれて精悍さが増すデザインにならなかった
ものだろうかとは思う。30m級に巨大化しても、アングルによっては亀というより
犬に見えてしまうガメラは、ひとつも強そうに見えないし。
*3:「人類が地球を脅かす存在になったらガメラは・・・?」「そうならないように
しなくちゃね」と主人公に言わせ、現代文明への警鐘っぽいことを匂わせた
『ガメラ2』のラストシーンは巧くまとまっていて個人的に好印象。そこへ
至る前の、前振りなしの「元気球」だけは納得できんけど(笑)。
*4:興奮したり威嚇する時に開く襟巻きがあるから、ゴジラじゃなくジラースか。
・・・って名前も何となく似てる?