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田中優の“持続する志”

2014年03月20日 | 有名人

 私がいつも読んでいるメルマガに田中 優氏のメルマガが紹介されていた。

※このメルマガは転送転載、大歓迎です。とあるので、転載します。

 

まぐまぐのメルマガより

□◆ 田中 優 より ◇■□■□ 

『「終焉の始まり」から三年』 

■隕石に当たりまくる日

 

 今月11日、またあの日がやってきた。大震災、津波、そして腹の底から

「その日が来てしまった」と体が震えた福島第一原発事故。

 

 あれから3年。

 

 驚くほど事態に変化がない。人々は何事もなかったかのように仕事に出かけ、

多少の問題があってもテレビのお笑い番組でも見終わると、「さて」と忘れてしまうようだ。

 

 それでも世論は原発の再稼動に賛成しない人が増えている。そのことは

小さな希望だ。

 

震災は自然災害だが、原発事故は原発さえなければ発生しない災害だった。

その日以前に言われていたことをもう一度思い出したい。

 

「放射能は確かに危険だが、五重の防護があるから心配ない」

「原発事故が起こる確率は、町を歩いていて隕石に当たる確率に等しい」

と言われていた。

 

 ところが事故が起こると「放射能はそんなに危険ではない」と言い始め、

稀なはずの「隕石に当たった人々」の数は数百万人に上ってしまった。 

 

 除染費用の見積もりは総額28兆円、賠償費用は5兆円、汚染水対策や廃炉

費用は見通しすら立っていない。しかもそれらの費用は人々の税金と電気料

金に乗せられる。考えてみてほしい。これだけ巨額の負担を人々にさせて、

それでも経済は破綻しないだろうか。 

 

■見殺しにすること 

 そのとき見るべきものは前例だ。チェルノブイリ原発事故の後、旧ソ連は

急速に崩壊してCIS(独立国家共同体)に分解されていった。被曝労働者

は最初こそ勲章をもらったものの、国家破綻により賠償もなくなり、年金すら反古にされた。

 

 事故後には放射能対策の甘さが目につき、6年経つと居住可能とされた

地域の子どもたちのほぼ全員が病気になった。特に多かったのが心臓病や

循環器、骨格筋の病変だった。国家単位でもダメージは大きく、ベラルーシ、

ロシア、ウクライナの汚染三か国は事故後に人口が減り始め、今なお人口増

加率はマイナスのままだ。子どもが生まれないためだ。

 

 その頃、日本はせせら笑うようにして「日本では起きない」「日本なら

もっときちんと対応する」と言っていた。 

 

 ところが日本政府の対応の方が旧ソ連より悪かった。チェルノブイリでは

5ミリシーベルト/年の余剰被曝量の地域は強制移住、1ミリシーベルト/

年以上なら政府が補償して移住の権利を与えた。

 

 しかし日本では20ミリシーベルト/年の汚染地域に人を住まわせる。 

 

 しかも自治体は人口激減で崩壊するのを恐れて帰還させようとし、自主避難した人たちへの補償を減らして帰らざるを得なくしようとしている。それは脱原発を標榜する首長でも同じだ。

 

 これが何を招くのだろうか。

チェルノブイリの現実を福島原発事故の2011年に合わせると、2017年から

病気が多発することになるのだ。今、わずか3年で「今でも大丈夫なのだか

ら」という声を聞く。そのたび「これは見殺しではないか」と思い悩む。 

 

 人は信じたいことを信じる。見たくないものを見ないようにして都合の悪

いものを無視する。そして風評被害を訴える。「根も葉もない」のが風評被害だ。

 

 いや前例を見れば明らかに根も葉もあるではないか。これは風評被害ではなく実害だ。

しかし多くの仲間と一緒に夢を見るとき、その人たちの中では現実に見えるのだ。

 

 しかし汚染した食品を食べることで体内のセシウム汚染が体重1kg当た

り5ベクレルを超えると、心電図に異常が出始める。しかし日本政府の食品

基準を信じて食べていくなら体重1kg当たり320ベクレルに達してしまう。

それなのに「食べて応援」するのだろうか。 

 

 目覚めてほしい。あなたとあなたの大切な人を守るには、1kg当たり

1ベクレルを超えるものは食べてはいけない。なぜなら体重1kg当たり

5ベクレルを超えるからだ。ところが私の声は小さく、残念ながら多くの人

たちに届くことはない。そして頭に浮かぶのは「見殺し」という言葉だ。 

コメント
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